PREDATOR |
プレデターの持つ基本能力は映画の設定と大きな違いは無いが、ゲーム上での扱いについては独自の設定になっている物も多い。 デフォルトで装備しているリストブレイドにて、打撃攻撃の他にモーションが大きく時間が掛かる強打攻撃。またブロックの能力を持つ。そして倒れて隙が出来ている相手には、近寄って“Grab(掴む)”メッセージが出ればフィニッシングムーブとして残虐な殺害方法が自動的にランダムで行われる。処刑方法は相手の種族によっても異なり何種類か用意されている。同じく海兵隊に対しては、背後からこっそりと忍び寄る事で声を立てさせないステルスキルが可能。 プラズマキャスターはマニュアルで狙うノーマルダメージ弾と、チャージしてロックオンする溜め強攻撃の2種類が使い分けられるようになった。前者の1目盛りに対して後者は4目盛りのエネルギーを消費する。問題はエネルギーをチャージするには人間側のバッテリーユニットを使うので、それを見付けないとリチャージが行えないという点。そしてエネルギーの最大値が最初は10目盛りしか無く、徐々に増えるが最大で20までなので、ロックオンの強エネルギー弾は気軽に連発出来ないようになっている。 マイン(地雷)は一発で海兵隊なら倒せる程度に強力だが、これもまたエネルギーを4目盛り使用するので乱発は出来ない。近接地雷としても使えるし、任意のタイミングで遠隔爆破も可能。スマートディスクはエネルギーを消費せず、戻ってくる際にはある程度の誘導が可能となり、複数の敵を同時に攻撃出来る。 HPは自動回復方式だが、海兵隊とは異なり5ブロックに分割されている。回復は3個まで携帯可能なShardsを使い任意の場所で行う方式。 クローク(光学迷彩)はエネルギーを使用せず、攻撃や他の特殊なアクションを行わない限りは幾らでもその状態を維持出来るという設定になった。その代わりに海兵隊の持つモーショントラッカーの範囲内に入ってしまうと見付かり易く、一度気が付かれるとその場で再度クローキングしても発見されてしまう可能性が高くなっている。当然ながらエイリアンには効果が無い。 ビジョンモードは対海兵隊用の熱源探知と、対エイリアン用の探知モードの2種類。後者はストーリーがある段階に進むまで使用出来ない(エイリアンにロックオンは無くても出来る)。 今回の一つの特徴でもあるのがフォーカスモードで、これは使用キーも他のビジョンモードとは別に設定されている。このキーを押すと関与出来るスイッチ等のオブジェクトや現在の目的地点が表示される他に、照準の指す範囲が現在の位置からジャンプで到達可能であればそれが赤いガイドで明示されて、ジャンプを実行すれば自動的にそこへと飛び移れる。高所や遠方への大ジャンプではこのモードを使う必要があり、進行ルートを見付けるパズルでもこれを使って移動する事になる。それと一定範囲内の敵に対してはハイライト表示が成され、そこで打撃攻撃すると自動的にそこまでジャンプして攻撃を仕掛けられるようにもなっている。 プレデターの戦術は、海兵隊相手にはステルスが基本となる。二人以上の海兵隊相手に正面から突っ込むのは得策ではない。厄介なのは海兵隊がブロックの能力を持っている事で、殴り倒して掴もうにもブロックされると逆にピンチとなる。目の前で打撃キーをやたらに連打しても同じ事で、失敗すればその間に銃で大きなダメージを受けてしまう結果となる。民間人を背後から強打攻撃しても殺せないケースがある位で、ゲーム上のバランス調整とは言え近接戦はかなり制限されているという印象。映画のイメージで強行すると危険である。 プラズマキャスターはノーマルショットでは海兵隊を転ばせる程度の威力しかなく、殺すには3〜4発当てないとならない。チャージショットならば一発でバラバラだが、いずれにしろ充電場所が無い状態では乱発出来ない設定には変わりない。 そこで用意されているのが“Distract(注意を逸らす)”の能力。高い場所へとジャンプで登り、ターゲットを指してメッセージが出ればそれを行える。次に誘き寄せたい箇所を指して、これもそれが可能というアイコンが出ているならば実行。そうすると該当する海兵隊員が合成音声に騙されてその場所へとやってくるので、留まっている間に背後からのステルスキルにより始末すれば良い。背後から忍び寄る分にはAIは大分鈍感である。近付きたくないならそこにマインを仕掛けておくという手も使える。 エイリアンにはステルスは通用しないので直接戦闘になるが、こちらはちょっと問題あり。上でも書いたようにプラズマキャスターが連発出来ないので必然的に近距離戦が増える事になるが、ブロックからの攻撃コンボが有効過ぎる。攻撃を待ってブロック→その後打撃で地面に倒す→転んだ所に近寄ってGrab、で後は自動的に処刑アニメーションでお終い。このアニメーションが実行されている間は操作不能になり、その間にも攻撃されるとダメージを受けるというのは欠点だが、実際には長いアニメーションの間に集中連打されるような事は無く(そういう風にプログラムされているのかもしれない)、HPが危ない状態以外はあまり気にする必要もないという設定。なので大量のエイリアン相手には壁等を背にして籠もり、やって来る相手を一匹ずつこのコンボを繰り返して始末してしまえるようになっている。 しかも実際にプレイヤーが敵の動きを見てタイミングを計らないとならない訳では無くて、画面にブロック(可能)のメッセージが出たら押して、次に打撃の表示がでたら押して、最後に近寄ってGrabが出たら押して、というだけで全て出来てしまう。その為にボタン押しのQTEの様でプレイヤー自身が敵を倒しているという感覚が得られない。 もう一つの敵であるアンドロイドとの戦闘は大きな問題があって、それはアンドロイドが数多く出現するようになるマップから手に入る、4つ目の武器であるコンビスティックが強過ぎる点。これは打撃用の杖ではなくて投擲用の槍で、投げても時間が経つと復活するので無限に投げられる。飛んで行くのに時間が掛かるので動いている敵には当て難いが、当てれば一発で倒せる大きな破壊力を持っている。アンドロイドが登場するマップでは、遠くから巡回警備している彼等が止まった所を狙って攻撃する事で、何体いようが離れた場所から一掃出来てしまうので、近距離戦を余儀なくされるケース以外ではバランスが崩壊している。ここはエネルギーを消費する等の使用制限を設けるべきだった。 プレデター編はチュートリアルを除くと全5チャプターで、難易度Normalにて4〜5時間程度。こちらも海兵隊と同じでシステムや戦い方に慣れるまでの時間が含まれているので、プレイしている難易度が自分にとって易しいというケースではもっと短くなるだろう。前半と後半で難易度が大きく変化するのも海兵隊編と同様で、前半は慣れるまでの時間もあるし、最大エネルギー量が少ない上にエネルギーを使用する兵器しか持っていないので接近戦を余儀なくされる。しかし後半は最大エネルギー量が増加, ヘルスやバッテリーの数が増える, エネルギーを使わないディスクが使える, コンビスティック最強、といった感じで随分と易しくなる。 ただしラスボス戦はゲーム全体で一番難しく、かなりの回数死ぬ羽目となった。効果的な戦い方に気が付けばそれ程でもないのだが、そこに至るまでのリトライ回数が多かった。 総合的にプレデター編は原作に由来する独特の能力とプレイ感は面白いのだが、このゲーム独自の要素となる戦闘システムやマップ構造、難易度バランス等は凡庸な出来という感想。 |
ALIEN |
エイリアンは遠隔攻撃手段を持たず(酸は吐けない)、スピードを活かしての打撃攻撃や、ステルスでの奇襲がメインとなる。 壁や天井等を自由に這い回れる特徴は今回も変わらず。移動は目的場所に視点を向けてからジャンプして張り付くか、境目に来た時にメッセージが出たらそこでTransitionキーを押下して壁や天井に位置を変えるかになる。このTransitionは自動に設定する事も可能だが、意図しないケースで視界が回転してしまったりするのでオフの方が良いと感じられた。ダクト等の穴を通過する際にはメッセージが出る場所でUseとなり、自分自身で通り抜けたりは出来ない。 天井や壁に張り付いて移動するので視界がそれに応じて回転して横向き&逆さになったり、また魚眼レンズ風に周囲が歪んだりもするので、高速で這い回ると自分がどちらを向いているのか瞬時には分かり難い(照準で確認は出来る)。それと人によっては酔うかも知れない。ただシリーズを通してやっているプレイヤーならば大きな問題では無いだろう。 打撃は爪によるノーマル攻撃と、尻尾によるパワーアタックの二種類。他の種族同様にブロックとカウンターの概念も導入されている。敵を倒してから近付けばメッセージが出るので、そこでフィニッシングムーブを使って頭を喰ったりが可能。それとフォーカスモードにする事で注目点がハイライトされるが、プレデターと同じく離れた敵をハイライトしてから自動的にジャンプアタックも仕掛けられる。 敵の検知についてはビジョンモードは持たないが、一定距離内ならば障害物を通してでもフェロモンで外形を確認可能。視界は周囲の暗さに応じてある程度自動的に明るさ(見え方)が調整される。 ステルスでの奇襲では、ライトを壊して自分を見え難くする事が出来る。ただし全ての明かりを破壊出来る訳ではない。また声を出して敵を誘き寄せるという作戦も採れる。背後から近付けばステルスキルを行えるが、民間人の場合には自動的にHarvest(フェイスハガーを貼り付ける)になる。なお後者はスコアと実績にしか関係しないので、民間人は殺しても無視しても関係無い存在である。 エイリアン編の一番の問題点としては、多種族に比較して簡単という設定が挙げられる。まず自動回復のメーターがブロック制ではないので、逃げて何度でも完全回復する行為が可能。そして大きな武器としてスプリントがとにかく速く、危ないとなったら他の種族が対応出来ないような速度で逃げる事が出来る。この組み合わせにより難易度Normal程度では相当死に難い。また打撃攻撃しかないのでその分近距離戦に強く、海兵隊に正面から突っ込んでも1対1なら普通に勝てる程度の設定である。ブロックされたりしてピンチになったら高速で逃げる等の手段でOK。先に地面に倒しさえすればフィニッシングムーブで一発で仕留められるし、そこで頭を喰ってHPの回復も可能になる。 ステルスでの行動に関しても、天井に張り付くと海兵隊には発見されにくくなり、先手を取っての攻撃が成功し易い。ライトを壊しておけば尚更有利となる。更に指示されない限りは敵を倒すかどうかは自由になっているので、高速で走り回って脱出地点まで行って、戦闘を無視して先に進めてしまうという作戦が結構多くの場所で通用する。 そしてその簡単さの結果として、チャプターは5つあるのだがクリアまでの時間は他の種族よりも短く3〜4時間程度でボリューム不足という印象。他の種族はNormalが丁度良いという人は、エイリアン編はHardで進めた方が良いかもしれない。 敵は海兵隊とアンドロイドがほとんどで、後半登場するアンドロイドの方がタフなので苦手。ただこれも全部倒さないとならないというシーンは少ない。このエイリアンのキャンペーンだけは、後半になるに連れて難しくなるという普通のパターンとなっている。 進行で詰まるとすればこのエイリアン編で、他種族に比べると進行ルート探しが難しい。目的地点はハイライトされるのだが、そこにどうやって行ったら良いのか、そのルートを探すのはプレイヤーに任される事が多いからだ。方向ガイド矢印だけ見ていれば良い他とは異なっている。 エイリアン編はもうちょっと難易度を上げるべきだとは思うが、ゲームプレイ自体は悪くない。やはりすぐに終わってしまうという点が物足りなさに繋がっていると言えよう。高速移動の能力を考えると、もっと広いマップを増やすべきだった。 |