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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Normal / Hard / Nightmareの四種類で、最初から全て選択可能。プレイ途中で難易度を変える事は出来ない。死亡後にチェックポイントセーブを読み込む時に変更オプションが出るが、これはチャプターの最初からやり直すの意味。

 キャンペーンは三種族別に分かれており、それぞれがチャプター単位でのリプレイが可能。難易度設定も自由なので、チャプターの最初からやり直すならば難易度は変更出来る事になる。成績項目に応じたスコアを付けるようになっており、それに応じたランクも与えられるので、リプレイ時にはハイスコアを目指して戦うという遊び方も出来る。


セーブ&ロード
 チェックポイント方式で任意の地点でのセーブは出来ない。難易度Nightmareではチェックポイントでのセーブ無しなので、死ぬとチャプターの最初からのリスタートになる。

 一箇所を上書きする方式なので直前以外のチェックポイントには戻れないが、任意のチェックポイントをセーブ可能なスロットが四つほど用意されているので、保存したい箇所をセーブしておく事は可能。三種族を平行してプレイする事も出来るが、種族を変えるとチェックポイントが上書きされてしまうので、その保存用に設けられているのだと思われる。


OBJECTIVES
 現在の目的の状況は常にテキストで確認可能。また画面上に目的地への方向ガイドが出る事が多い。この辺は種族によっても異なるのでそちらで詳細を解説。


EXTRAS
 実績機能を持つ。ただしゲームのI/Fからは直接確認出来ない仕様で、Steamの自分のデータ画面から参照する必要がある。


英語
 字幕機能あり。ただしオーディオのログには付かない。

BASICS
 三種族のプレイ順は自由で、上に書いたように平行してプレイする事も可能。異なる視点からストーリーを描いているが、特にどれが先や後と言った混乱はほぼ無いようにされている。私のプレイ順はメニューの順番通りにMarine→Predator→Alien。なおキャンペーンの進行状況の%表示は、種族毎ではなく全種族を合わせた数値になっている。

 その他にSingle Player Survivorがプレイ可能。これはマルチプレイのCo-op用マップを一人でプレイするオフラインモード。海兵隊としてエイリアンの登場するウェーブの連続を出来る限り長時間耐えるというルールで、マルチプレイと同じ仕様の為に若干海兵隊の能力がシングルプレイとは異なっている。


 ゲーム全体における特徴的な要素として、今回はMelee Combatの概念が導入されており、これはシングルプレイにおいてもかなり大きな影響力を持っている。原作映画のイメージからすると、1on1での戦闘においては海兵隊が弱いという感があるのは確かだが、マルチプレイにおける三つ巴の争いという設定があるので、海兵隊が圧倒的に弱いというのは不味い。そこで選択種族間のバランス調整という意味で導入されている。言い換えると映画におけるイメージとは異なる設定の為に、その辺を理解していないと戦闘時にまごつく事になるので注意。

 まず三種族共に打撃攻撃を持ち、プレデターとエイリアンはそれに加えて“Heavy Attack”を備えている(モーションが大きいが威力が高い)。また全種族共に“Block”の操作が可能で、敵の通常打撃攻撃を防ぐ事が出来る上に、上手く決まれば弾かれた敵に一瞬の隙を作る事も可能。この仕組みにより海兵隊は、プレデターとエイリアンの近接打撃攻撃をブロック可能となり、更にはブロックに成功した後の打撃でエイリアンを吹き飛ばして転がせるようになっている(プレデターは未確認)。逆から見ると、エイリアンやプレデターを使っていても、海兵隊に近付いての打撃攻撃がブロックされると決まらないという設定である。映画のイメージだと海兵隊のブロックなどものともせずに吹っ飛ばせそうなのだがそうはなっていない。ゲーム上そのブロックを弾き飛ばすにはモーションの大きい“Heavy Attack”を行う必要がある(ブロックを弾き飛ばされるとやはり隙が出来る)。この仕組みにより戦い方に影響が生じているが、細かくは各種族の項で書く事にする。

MARINE
 海兵隊は能力設定が一番難しいと考えられる種族で、今回もそこをどういう風に調整してくるのかが注目されていた。過去作を振り返ってみると、第一作目は海兵隊の操作感や能力は一般的なアクションFPSに準ずるが、ゲームバランスが厳しくて非常に難易度が高く、その点を批判されたりもした。だが映画のイメージからすると、たった一人の隊員での戦闘ではこんなものという点において、忠実なバランスのゲームでもあったとも言える。

 2では一変してスーパーマンの様に強靱な主人公を配し、たった一人で次々と敵を倒していくという設定となった。その為に難易度が普通のアクションFPSとして広範囲のプレイヤーに楽しめるという点では良かったのだが、映画のイメージを損なっているという問題が発生していた。


 そんな中で今回は戦闘能力に制限を設けたり、戦い難くなるような要素を採り入れて、普通の対モンスター系アクションFPSほどには真っ向から挑めないレベルに調整されている。1と2の中間というバランスであり、決して弱くはないが簡単でもない。以下にそういった弱点要素をまとめてみる。

 まずHPは3ブロックの自動回復制。ブロック単位であれば減った分は自動的に回復するが、各ブロック全体を消されるとそれは復活しないという方式。ブロックの復活にはマップ内に置かれているStim(注射器)を使用し、これでブロックを3個の状態へとフル回復させられる。Stimの携帯可能数は3個まで。
 問題はブロック単位での自動回復とは言っても、1ブロック丸ごと削られてしまうような攻撃が結構多い為に、ミスをすると3ブロック揃っているフル状態からでも一気に殺されてしまうケースもあるという点。「まだ2ブロック残っている状態でStimを適用するのは勿体ないので、1ブロックになったら行おう」などとケチっていると痛い目にもあったりする。更に注射器の適用には実際に注射のアニメーションが入るので数秒の間が必要であり、危ない!と感じてからではもう遅いという事態も発生する。

 次に視界の問題。大きな変化として今回の海兵隊はImage Intensifier(ナイトビジョン)を備えておらず、暗闇での戦闘の難易度が大幅にアップしている。ショルダーライトはバッテリーを気にせずに無限使用可能だが、光量が不足気味で照射範囲も狭い。よって暗がりでの戦闘、特に複数のエイリアンが広範囲から襲って来るようなシチュエーションでは敵を肉眼では捉えにくくなった。またやや暗いという程度の場所でも、見た目としてエイリアンが背景に溶け込むような感が強くなっており、こちらも激しく動いている物でないと即座には見付け辛くなっている。その他パルスライフルを連射した際のマズルフラッシュも大き目で視界を遮ってしまう要素の一つ。

 第三にダメージエフェクト類が派手。近距離で殴られると視点を逸らされたり、モーションブラーや酸を浴びた効果でも一瞬前が見辛くなる。それに出血の画面エフェクトがHUD表示にも重なるという仕様なので、HPのエリアに掛かったりすると現在の値を確認出来なくなったりもして、逃げるか戦うかの一瞬の判断に影響したりする。

 最後に敵の掴み攻撃時にはダメージを受けるが操作不能になるし(連打ではほどけない)、打撃で引っ繰り返された際にも自動的に立ち上がるまでは関与出来ない。その為に操作が可能になるタイミングに備えて用意するというのに慣れないと、近くの敵から連続で攻撃を喰らってしまったりする。


 続いては以上の様な障害に対する戦闘方法について。暗さへの対処としてはフレアが用意されており、これは「7秒程度じか持続して燃えない」, 「前の物が消えるまでは次を投げられない」という制限はあるものの、無限に投げられるという利点を持っており、的確な場所にタイミング良く投げられれば大きな助けになるので、積極的に投げるというやり方が有効である。

 次に回復に数秒の間が必要になるので、常に「スプリントで逃げてから注射で回復」という余地を残しておくのが重要となっている。具体的には壁際等に逃げてエイリアンの攻撃方向を絞るのは重要なのだが、完全に奥まったコーナーへと籠もるといざという時に逃げられなくなるので、常に退路を確保して動き回れる様にする方が良い。

 そして非常に大事なのがブロックと打撃攻撃。FPSゲーマーの習性としてどうしても攻撃は銃器に頼りがちなのだが、このゲームではそれはあまり上手くない。敵が打撃攻撃をしようとする瞬間には「ブロック可能(Hold 打撃キー)」というメッセージが画面表示されるようになっており、ブロック成功後はカウンターとなる「打撃攻撃可能(打撃キー)」が続いて出るので、それで屈強なエイリアンを吹き飛ばして転がす事が出来る。接近したエイリアンにパルスライフルで攻撃しても倒し切れずに殴られてしまう事があるので、むしろ攻撃を待ってからブロック→打撃→転んだ所を撃って倒す、という流れの方が確実である(ショットガンがあるならそちらの方が早いが)。

 特にダメージエフェクト等で視界が遮られている状態でもこのメッセージは表示されるので、敵が見えなくてもメッセージが出たらすかさず押せるようにしておけばピンチも凌げる。最初は消す事が出来ずに何時でも表示されるので鬱陶しいという印象だったが、どうやらこの様な見えない状態でも対抗出来るようにする為にそうなっているようだ。


 逆にそれ程脅威を感じさせない設定となったのがフェイスハガー。顔に飛び付かれると自動的にブロックするようになっており、ヘルスを1ブロック減らされるだけで即死にはならない。それとエイリアンの死体から噴出するアシッドブラッドも2よりは怖くなったが、自動回復が備わったのでよほどの近距離で大量に浴びない限りは怖くなくなっている。HPが残り1ブロックになっての近距離戦だと怖いが、これも上記のブロックしてからの攻撃で敵を離せば処理出来る。(ブロックからの打撃ではエイリアンは決して死なないので酸を浴びる心配はない)。

MARINE(続)

*武器は弾数無限のハンドガン以外に2丁所持可能
*チャプター単位で所持武器やアイテムはデフォルトへとリセットされてしまう
*短時間スプリントで走れる。歩きも可能。
*しゃがむ動作は無い
*移動しても照準は広がらず、連射すると広がる
*ジャンプ力は低く、一部のオブジェクトは押し続けると登れる


 武器の種類はあまり多くない。2種類を選択して携帯出来るが、パルスライフルが汎用武器となるので、実質残り一つを選択するという形になるだろう。そのパルスライフルは2ndでグレネードを発射するが、携帯数は4つまでと少な目。近距離戦ではショットガンが桁外れに強く、2ndを使わなくても十分に使える。逆に言うと多数の敵がラッシュしてくる近距離戦ではこれがないと厳しい。これと対照的なのがスナイパーライフルで、暗視スコープで敵をハイライト表示する機能を持つ為に、遠距離戦や敵が見え難い場所で重宝する。

 火炎放射器は2ndで燃料を蒔いておいて点火出来るという機能を持ち、広範囲の敵に火を点けて持続ダメージを与えられるという点で優れている。しかし一定以上のダメージを与えられたエイリアンは這って移動するようになり、こちらの足を掴んでプレイヤーを道連れに爆発するという厄介な能力を持ち合わせている(掴まなくても最終的には爆発して死ぬ)。その為に逃げ回るか燃やした後も更に攻撃を加えて焼き尽くさないとならないので、燃料の消費が激しいという欠点を持つ。自動照準機能を持つスマートガンはやはり今回も強力であるが、武器スロットを2つ占有してしまうのが最大の欠点。よって置いてある場所で使ったら、また元の武器に持ち替えて先に進むという風になり、大量の敵が襲って来るイベントシーン限定の武器という感が強い。



 敵はエイリアンとアンドロイドで、プレデターとはボス戦として一度だけ戦うシーンが出て来る。エイリアンの方は少なくとも2種類のタイプが存在する(近距離戦を挑んでくる頑丈なタイプと、遠くから酸を飛ばして攻撃する能力を持つがHPは低いライトタイプ)。ノーマルの方はボディーがかなり硬く、パルスライフルをフルオートで撃ち込んでも簡単には倒せない。一方でヘッドショットのダメージが高目の設定なので、バーストで正確に頭部を狙う方が有効である。登場地点からは地形を認識して相当自由に動けるようで、その動きのルートはランダムだし読み難くなっているのは良い点。たまにループ状態で動けなくなってしまうのが問題であるが滅多には遭遇しない。

 アンドロイドは逆に頭部を破壊しても倒せず、ボディーも相当堅いという設定。よって四肢を撃って倒すというのがセオリーになる。タイプは皆同じだが武器が異なり、ライフルを持っているならばカバーの背後から出たり隠れたり、ショットガンを持っている者は前に出てプレイヤーを追ってくるという風に動きには違いが見られる。それと倒れている者が突然起き上がって攻撃してきたりもする。


 プレイヤーの操作するキャラクタは“Rookie”。全6チャプターで難易度Normalにて5時間程度だった。ただし実際の移動ルートはあまり長くなく、上記の様な戦闘に慣れるまでの難しさによる時間が追加されている為、同じ難易度でリプレイするならかなり短縮出来そうである。それとほとんどの状況で次の目的地への方向ガイドが表示されている上に、他の種族のように特殊な移動ルートが無いので、アイテム探索をしなければ迷わずにドンドン先へと進めてしまう。故に先を急ぐ人だと結構短かくなるだろうとは想像出来る。アイテム類も一定距離以内ならば全てハイライト表示されるので、メインルートに置いてある物は探索せずに素早く拾えるという親切設計にもなっている。

 多くの部分は単独行動になり、仲間と一緒に戦うというシーンは限定されている。ここはちょっと残念だった点。ロケーションはアウトドアとインドアが混在しており、閉塞感のある狭い廊下等を進むといったシーンはあまり含まれていない。闇の様に暗いシーンは前半に多く、後半はあまり出て来ないようになっている。


 総合的に見るとこの海兵隊のキャンペーンが一番難易度が高いと思う。ただしゲーム性は前半と後半でハッキリと異なっており、前半はエイリアンが主な相手となって難易度は高目の設定。上に書いたように慣れてコツを掴むまでは難しいというのもあるし、弾薬類が少な目なのでハンドガンを使って節約したりもしないとならない。しかしそれによって恐怖感や緊張感が生み出されており、同時に面白さではこのパートが一番にもなっている。敵が良く見えないケースが多いので、モーショントラッカーに頼らないとならないという点も良いし、四方八方からランダムなルートを通って襲って来るエイリアンの動きも効いている。プレイヤーの戦闘能力を制限するような調整が、ここでは上手く機能していると言えるだろう。

 逆に後半では進むに連れてアンドロイドとの戦闘が増えていき、こちらは通常の兵士との戦闘に似ているので、普通のアクションFPSに近い感覚となる。カバーに隠れるタイプとの戦闘では自動回復を利用出来る機会が増えるので怖さが無くなるし、ショットガンで接近してくるタイプは一気に2つブロックを削られるので確かに怖いが、これもショットガンで対抗すれば脅威は減少する。それとStimや弾薬の量が増えるので、その辺を気にしなくて済むようになるのも大きい。

 なおラストは拍子抜けという感じで、ラスボスは一応いるのだが、これで終わり?という位に手応えが無かった。もう一山欲しかった所である。


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