シ ス テ ム |
キャンペーン 難易度はCasual, Veteran, Authenticの三種類で、Authenticは一度クリアしないとアンロックされない。このAuthenticでは照準やコンパスといったほとんどのHUD表示機能が強制的にOFFにされる。他の難易度では各種表示機能は選択が可能な物が多い。この難易度はゲーム中に任意に変更が可能である。 クリアしたミッションはチャプター選択から難易度を選択して自由にリプレイが可能。そのチャプターの最初からだけではなく、区切られたマップ単位でのリプレイが可能である。 セーブ&ロード チェックポイント方式を採用しており、一つのマップ単位か、それが長い場合には途中で臨時にセーブが行われる場所も在る。任意の地点でのプレイヤーによるセーブは行えない。 OBJECTIVES 何時でも参照可能であり、全体マップにその位置も表示される。コンパス機能で方向もチェック出来る。 EXTRAS 一つはRecon Pointsと呼ばれる場所がマップに付き2箇所存在しており、そこに到達すると当時の情報を記したデータがアンロックされる。これはマップ上にその位置が示されるので、アンロックしようと思えば難しくは無い。 もう一つは“Kilroy was here”(キルロイ)を見付けるというシークレット要素が含まれている。これは各マップに3個存在するが通常のルートには置かれておらず、私の場合も最初に見本として通り道に書いている物以外では一つだけしか見つけられなかった。Xbox 360だと実績解除に含まれているが、それが無いPCだと探す意味は薄くなっている。 英語 字幕機能有り。ただし英語量はかなり多い部類で、ログとして残らないので意味を取りながら追っ掛けるのは大変である。ムービーシーンを何回か繰り返し見ないと意味が分からないパートも有った。 |
新 要 素 |
部隊操作のシステムや“Four Fs”の概念等はこれまでの2作品を継承しているが、今回は大きく変わった要素も含まれている。同じ部分は繰り返しになるのでRtH30のレビューの方に譲るとして、新しくなった点について解説する。ここでは特に大きな変化をもたらしている戦闘面での新システムについて記載。 このゲームでは“Dig-In”と呼ばれるいわゆるカバーシステムを導入している。障害物の陰でカバーキー(デフォルトではQキー)を押すと三人称視点になり、その状態でカバーの背後を左右移動キーにて張り付いたままで移動。前進キーを押すとカバーの上から身を乗り出し、左右キーでそれぞれの端から体を出して攻撃が可能になる。照準のサイズはズームすると小さくなり、更にそこから数秒間待っていると収束してより小さくなって命中精度が上がるという方式。構えの際の自分の体の見え方は使っている武器によって異なり、ライフル系の武器ではズームすると自分の頭部や武器はほとんど隠れてしまうようになる。操作感覚はRainbow Six: Vegasに似ているが、こちらはカバーへの張り付きはトグル方式になっている。 この方式についてCEOのRandy Pitchfordは、これは三人称視点ではなくてTP-FPS(Third-Person First-Person Shooter)という呼び方をしている。確かに三人称の視点になるが、武器を撃つ際にズームすれば一人称視点に近くなって、FPSと同様の感覚でプレイが可能という意味合い。それと他のゲームからの影響に関しては、Rainbow Six: Vegasがアナウンスされる前から既にシステムとして開発中のHHに導入されており、その影響は受けていないとしている。むしろ影響としてはGears of Warの方で、このゲームの成功により自分達のカバーシステムについても自信が持てたと話している。 メディキットという概念が無かったゲームだが、今作では回復方式が自動回復に変更された。赤いオーラの様なエフェクトがプレイヤーの周囲に段階的に濃くなりながら表示されるようになり、真っ赤になると最大危険度でそれ以上体を曝していると次には死んでしまう。よってこの赤いオーラが濃くなったら、カバーの陰等に隠れて晴れるのを待たないとならない。難易度が上がるほど死亡までの時間(赤くなるまでの時間)は短くなる。 この表示は難易度に関係無く設定からOn/Offが可能であり、Offにした場合には従来のBlood Effectや周囲の状況を確認して自分で判断する事になる。なおシリーズ初の方に解説しておくと、Blood Effectというのは画面上に黒い点の様な物が数多く“バシャッ!”という感じで付着する効果で、プレイヤーが非常に軽微な傷を受けた→逃げないと実際にダメージが入るので危険、という警告表示の意味を持つ。 ただしこの回復方式はシステム的・体感的には他の自動回復方式のゲームと変わりないのだが、HHでは概念的には異なった物として設定されている。ファンの間からは「何故リアリティにこだわるという立場のゲームで、この様な非現実的な回復方式が採用されるのか」という声も挙がっているが、Gearbox側ではこれは自動回復という意味ではないと説明している。 この機能は正式には“脅威エフェクト”と名付けられており、戦場における一流兵士の危機察知能力を示しているとも、敵側に表示される制圧アイコンと同様だとも解説されている。つまりこの赤色は「現在自分がどれだけ危険な状態に置かれているか」を示す物であり、実際に敵の弾がどれだけ自分に当たっているのかを示す物では無い。よって敵の攻撃が自分に当たっていない状態でも、制圧されていない敵がこちらに向けて撃っているのならば画面は赤くなって行く。そしてそこで何も対策を講じない場合には、実際に弾が当たってプレイヤーは死亡する。つまりたった一発の弾で死ぬという現実の戦闘同様のダメージを採用しており、リアリティが高いという主張になる。あくまでも赤いエフェクトはその危険度をイメージとして表している効果であって、無限に自動回復が行われている訳ではないという意味だ。 この様にカバーの背後に隠れて攻撃が可能になり、また隠れていれば脅威エフェクトも消えて行くようになったので、戦闘の感覚は過去作とは大きく異なる物へと変貌している。 |
変 更 点 |
これまでとは変わった点やその他の新要素について列挙。 プレイヤー自身の操作では、第一にスプリントが可能になっている。ただし走っている間は向きを変えられないという制限有り。次に低い障害物であれば乗り越えられるようになった。これまでは壁として通れるルートが限定されていたのに対して、この能力により自由に動ける箇所が増えている。なおこの能力はAIにも持たされている。一方で要望が強く一時は導入すると話していたProne(伏せ)はやはりカットされている。 部隊操作では指示を出せるチーム数が2から最大で3に増えた。3つ目のチームはSpecial teamと呼ばれてミッション毎に役割が異なっており、Machinegun crew(マシンガンを据え付けて攻撃を行う), Bazooka crew(対戦車)といったチームが用意されている。指示の出し方は従来通り。 それと今回は部隊の基本姿勢が変更されており、標準では“Hold Fire”の状態になっている。この状態はプレイヤーの姿勢に連動するようになっており、敵側がこちらに気が付いておらず、プレイヤーがステルスで行動しているのならば隊員も同じく身を屈めて隠れており、敵を目にした途端に勝手に攻撃を開始したりはしなくなった。プレイヤーが攻撃を始めるか、具体的に攻撃指示を出すと戦闘が開始される。 部隊の復活システムも変更された。同じチェックポイントから繰り返して死亡すると、そこで初めて部隊を完全復活させるという選択肢が出て来るという方式では無く、各隊員はダメージが限界を超えると地面に倒れて呻く状態となるだけで、プレイヤーが次のチェックポイントに到達すると全員が復帰して初期状態に戻るようになった。 Situational Awareness View(頭上からのマップ表示)も変更されており、周囲の状況が把握し易いように描画方式が2Dの平面画像に改良されている。 カメラとしては“Action Camera”の機能が導入されており、グレネードによる爆破やヘッドショット等の劇的なシーンでは、自動的にカメラがその地点にズームアップしてスローモーションになり、そのシーンをゆっくりと拝む事が出来るようになっている。これはON/OFFが可能。 ゲーム性に大きな影響を与えているのが、物理エンジンによるカバーの破壊可能要素。木の柵程度ならば通常の銃でも破壊可能となり、背後に潜む敵を板ごと撃ち抜いて倒せる。バズーカ隊に命じてサンドバッグのバリケードを吹き飛ばさせたりも可能。逆に自分や隊員が攻撃される際も注意しないとならなくなっている。 |
ゴア要素 |
人体破壊等のゴア要素がこれまでよりも過激になっており、戦場のリアリティという観点からグロテスクな人体の損傷描写が含まれている。 グレネードやバズーカの攻撃によって四肢が千切れ飛んだり、胴体が真っ二つになったりが生じるし、ヘッドショットで頭部が欠けたりの表現をも含んでいる。カットシーンにおける怪我や出血の表現もかなりリアルな部類。ただし戦闘では頭部以外は出血の表現は人体には起きないし、死体を撃ったりも出来ない。 ゲーム内部のオブジェクトとしても内臓の飛び出した死体や焼け焦げた死体、ナチスに首吊りにされてぶら下がっている女性市民の死体等、残虐な表現が使用されている。 これはOn/Off可能なのだが、完全に有りか無しかの二択となっており問題を感じさせる場所も含まれている。例えば怪我人が登場するシーンで、ゴア無しにしてしまうとその怪我自体が完全にグラフィックスとして消えてしまうので、セリフと合わずに不自然になるという問題が発生する。 左)ゲーム内のゴア表現のサンプル 右)ゴアの有無の比較画像 |