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REVEREND RAY
 操作する主人公がどちらかによってゲーム性が大きく変わるので、両者別に解説を行う事にする。


 Rayの方は戦闘がメインであり、一般的なアクションFPSに当たる。ただしその時代設定からゲーム感には独特なものを持っており、具体的には銃器の仕様や性能が原始的なので、全体的に銃の破壊力や爽快感が低い部類に入る

 まず銃は全てセミオートであり、一発撃つのには一回ずつクリックしないとならない。(ボタンを押しっ放しでのフルオート機能は無い)。次に装填可能弾数が少ないので、頻繁にリロード動作が入るようになっている。そして代表的な二丁拳銃ではそれぞれ6発しか装填出来ないので、当然その回数は多くなる。またリロードは左右別々なので、両方行うにはリロードボタンを二回押す必要がある。ショットガンも二連装までだし、ライフルは12発装填可能な代わりにリロード時間はかなり長いという弱点を持っている。

 武器の種類も少な目であり、リボルバー、ショットガン、ライフル、スナイパーライフル、ダイナマイト程度。ただしリボルバーの様に多くの種類が存在する物もある。何よりマシンガン系が時代的に存在せず、固定式のガトリングガンを数回使えるシーンがある程度。よって高速連射が出来る武器が無いので爽快感ではマイナスと成らざるを得ない。

 メイン武器は両手持ちのリボルバーなのだが、撃ち合いになると頻繁にリロードを行わないとならない点はやはり気になった。そのリボルバーには特殊な物を含めて8種類程度タイプが用意されてはいるのだが、基本的に威力の高い物はリロードも長い仕様。なので私はリロードが非常に早いQuickshooterばかりを使っていた。西部劇が好きならば、撃ち終わったら物陰に隠れて一発ずつシリンダーの中に銃弾を詰めて行くリロードの仕草にリアルさを感じるのだろうが、特に好きではない私としては通常のリボルバーではリロードが長い上に頻繁に発生し過ぎるという感想しか持てなかった。


 その他の戦闘関連の仕様について。

*武器スロットはリボルバーが1,2。ショットガンかライフルが3。ダイナマイトが4。各スロットに一つずつしか携帯出来ない。
*照準の大きさで命中率は示される
*動いたり座ったりしても照準は変化しない
*敵に照準が合った時に赤色に変化する
*左右へのリーン可能
*視点のズーム可能
*Full Akimbo(完全両手)のON/OFFが可能
*敵の落とした銃を拾って使える
*銃は劣化して痛んでいる(Rusty)物があって、繰り返し使うと壊れてしまう
*武器類の所持はエピソード単位でリセットされて、そのエピソードでのデフォルト設定からのスタートとなる
*Kickで(痛んでいる)ドアや物を壊したり出来る
*ヘルスは酒のボトルを拾って回復させる


 左右の銃はそれぞれがマウスの左右ボタンにアサインされており(デフォルト)、それぞれを独立して操作する形式になる(照準は共通)。リロードをキャンセルして撃つ事も可能である。

 Full Akimboとは両手の動作を独立させるかどうかの設定で、Onだと片方の銃の弾が切れた際に更にクリックするとその銃のリロードを行い、OFFの場合には反対側の銃に弾が有るのならばそちらが発射されるようになる。

 痛んでいる銃にはアイコンに印が付いて、更に痛むと赤い表示で点滅するようになり、画面上でも煙を吐いて確認が可能になる。しかしプレイ上はそれ程短時間で壊れる訳でもなく、通常は他の武器を拾って交換すれば良いのであまり気にする必要はない。

 特殊な操作としては、片方の銃だけにして発射モードを切り替えると、銃の激鉄を反対の手で叩いて撃つ速射が可能になる。だがこれは近距離限定なので使える機会はあまり無い。普通に撃った方が早く確実であり、あくまでも西部劇の再現という意味合いと思われる。他にユニークな物として片手に聖書を持って唱えられるようになっていて、これを行うと敵がしばらくの間それに気を取られて反応が遅れるという効果を得られる。こちらも使い所は特に無いという印象。


REVEREND RAY(続)
 ゲーム性としてはアクション重視であるが、敵の正面に突っ込んで行ってオープンなスペースでガンガン撃ち合えるというようなバランスではない。銃の連射性が低くてリロードが多いので、敵に体を曝した状態での戦闘は危険である。リロードの為に何時でも体を隠せるように物陰から立ち上がったりリーンしたりしながら戦うのが基本となる

 また敵の命中率を下げるには離れるのが有効なので、出来るだけ距離を取っての遠距離戦が多くなる傾向にある。これは後半になるほど(敵がライフルを使って来るようになると)顕著になる。相当遠くの小さな敵に、マウスを微妙に動かしながら赤になって合う点を探して撃ったりと、使用しているのがリボルバーであっても狙撃するような感覚での戦闘が多い。

 そうしないとならない理由には視界の件も含まれる。オブジェクトに弾が当たった時の埃や、銃口からの煙等でも視界が妨げられてしまうというのが一つ。そして撃たれると視界が霞んで一瞬よく見えなくなったり、ズームすると周囲がボヤけて中心以外は見え難くなったり(Depth of Field)もするので、撃ち合いになると敵が見え難くなるケースが多い。また草が茂っている場所でも敵を視認するのが困難になる。

 ところが敵のAIはそういったエフェクトを透過して一方的にこちらを見る事が出来るようになっており、また遠くからこちらを発見する能力も結構高く設定されている。攻撃の正確さはそれ程ではないので先に発見される事自体はあまり問題ではないのだが、そういったこちらからだけ相手が見え難い状況下では姿を曝しての撃ち合いはやはり厳しく、物陰から敵を探しながらの攻撃が中心になる。


 ダメージについてはシビアではないが、ヘッドショットによって大きなダメージが入るというのが目立った特長。敵をリボルバーの銃弾で倒すには数発が必要だが、ヘッドショットならばほぼ確実に一発で倒せる。よって常にヘッドショットを狙うのが重要となる。これは自分の側でも同じであり、ヘッドショットを受けると大きなダメージとなるようだ。避ける為の方法はハッキリしない。

 酒を拾えば1本でヘルスを50回復可能であり、死んだ敵がヘルスを落とす確率はそれ程低くないので、取り合えず3-4人ほどの敵を倒して死体を漁りに行けば1本は期待出来る。2本拾えれば100となって完全回復なので、そのエリアでの戦闘を乗り切れば回復して次へという感じで進めて行ける箇所が多い。クイックセーブもサポートしているので、無茶な戦い方さえしなければRayのパートは難易度的には普通レベルと言えるだろう。ただしラストの方では急に難易度が上がって難しくなる。


 リボルバーでの攻撃力は低いが、当たっているのが血の飛び散りや敵のリアクションでハッキリと確認可能であり、銃のサウンドも良いのでその意味では撃っているという爽快感は感じられる。ショットガンの場合には敵が派手に吹き飛ぶのは良いのだが、こちらは銃のサウンドが篭った感じで迫力不足なのが残念。なお前半は二丁拳銃での戦闘がメインだが、ライフルは強力で正確なので後半はこれに頼るシーンが多くなる。ダイナマイトは迫力が無く、登場するシーンも少ない。


 大きな問題と言うか、非常に微妙な要素となっているのがコンセントレーションモード(CM)である。比較的地味な戦闘面に爽快感をもたらすモードとしては評価出来るし、早撃ちという定番の技を再現するシステムとしても悪くない。このシステムの面白い点は、スローにはなるが照準の動きはプレイヤーの自由にならない為に(中央に向かって収束して行く)、最大限にCMの効果を利用したいのならば、動き続ける照準の動きをマウス操作で補正しながら敵に命中させないとならないという技術を要する点である。スローになった状態では狙いを含めてあらゆる点が簡単になるという一般的な方式とは異なる。

 時間をスローダウンさせるタイプの特殊能力は大きく分けて2つに分類され、一つは敵も自分も同様にスローダウンするという対等型。もう一つは敵はスローダウンするが、自分は武器だけは普通に撃てたり敵より早く移動出来たりするという優越型である。CMは後者の優越型に当り、故に非常に強力となっている。実時間で2-3秒程度の時間がプレイヤーからは長い時間経過に見えるという能力なので、その間に敵から撃たれるという危険性は低い状態にて、こちらからは長い時間攻撃が行えるようになっている。よってこれを使えば、チマチマとカバーに隠れなくても豪快に撃ち合えるケースを増やす事が可能になる。

 ここで問題なのはCMの能力が強力な事ではなく、それを繰り返して使用可能になる間隔が短過ぎるという点に在る。一度使用してからリチャージされて再度使えるまでには5秒程度しか掛からないので、乱発が可能になってしまっているのだ。ドアを開けたり角を曲がったりといった先に敵が居る可能性がある地点に来たら、銃を仕舞ってCMに備えてから先に進み、その通りに敵が出現したらCMを発動させて戦う。敵を倒したらアイテム類を回収している間に回復して再使用が可能になるので、また準備してから進んで敵が出たら発動、の繰り返しで非常に優位な立場に自分を置く事が出来てしまう。

 開発側もそれは認識していたようで、 特定の場面ではCMが一切使えないような設定にされているが、それならば通常の状態でももっと使用に制限が掛かるようにするべきだった。明らかにゲームのバランスを崩していると感じられて、これを乱発するプレイだと相当簡単になってプレイ時間も短くなってしまうだろう。個人的にも途中からは使わないと厳しい箇所やヘルスが低くて危ない状況以外は、自ら使用を自粛するようなプレイで進めるようにしていた。


 敵のAIは割とまともな部類で、最初から位置を固定されている者を除けば、一箇所に留まらずにカバーを探しながら動いてくるケースが多い。カバーからリーンしたりして体を曝さないように攻撃してくる事もあり、的確に当てるのが難しかったりもする。だが屋内の様な狭い場所では動きが鈍い者が目立って、アウトドアでの戦闘ほどは面白くならないのは欠点。能力的には上に書いたように探知能力は高いが命中率は低く設定されているので、ストレスには感じないレベルに留まっている(Medium)。壁に向かって走ったりのバグも時折見られるが許容範囲だろう。


BILLY CANDLE
 Billyのパートはステルスとルート探し(パズル)を主体としており、一般的なFPSという感覚からは離れている。延々と戦闘無しでマップ内の進めるルートを探して歩くとか、エピソードによっては広大な丘陵地でウサギ狩りをするのが目的だったり、巨大な岩山に実際に長い時間を掛けて登ったり(このページのSSに在り)という物まで存在している。戦闘で進めるエピソードも含まれてはいるが、そこでも銃器ではなく弓がメイン武器となる。


 タイプ別にそのプレイ感について評価してみる。まずはステルスに関して。しゃがんだり歩いたりする事で見付かり難くなり、また暗い場所や灌木・草に潜む事でも発見の可能性を減らせる。画面上の体のアイコンが黒くなっているならば、それは完全に隠れた状態を意味する。敵の近くでもリーンで体を曝して観察するのは短い時間ならば気が付かれない。また気が付かれても軽度の状態ならば、すぐに隠れれば敵は元の状態に戻るようになっている。以上が基本的なシステム。

 このゲームのステルスはイベント形式になっており、目的地点に辿り着くまで敵に気が付かれてはならないという命令が与えられるパターンが主になる。そして強制ステルスとして、敵を気絶させたり殺したりといったオプションは許されていないケースが大半。敵の移動パターンを読んで、こちらを見ていないタイミングで次の地点に移動するという行為の繰り返しでクリアする必要がある。またクリアまでには結構長い距離を移動しないとならないシーンも含まれている。なお特殊なケースとして定期的に雷が鳴っているシーンが有り、ここでは暗い場所に隠れていても雷の光で発見されてしまう。しかし逆に鳴った瞬間には音を立てても気が付かれない。

 プレイしてみた感想としては、ステルスを成功させるのが非常に難しいという訳ではないのだが、自分がどの程度隠れられているのかが曖昧なのと、敵が気が付くタイミング(許容範囲)が良く判らないという面は感じられる。中でも大きな問題はステルスでの行動に面白さが感じられないという点だろう。クリアする為に取れる方法やルートは非常に限られており、制作側が意図しているように行動するしかない。HitmanとかSplinter Cellシリーズの様に、突破する手段やルートの自由度が設けられいるタイプのゲームをプレイしている人だと、あまりに単純過ぎて面白味を感じられない可能性が高い。

 発売当時大きく批判された点がこのステルスのパートの難易度であるのだが、私がプレイしたのはその批判に応えて修正したというパッチを適用したバージョンだったので、そこまで酷く言われるほどのシビアさは感じられなかった。ただしその修正版として発売された北米版でも、ステルスのパートが批判を受けていたのは確かである。取り合えずステルスのゲームに抵抗が無いという人ならば、特にこのパートのクリアが問題になるとは思わないが、そういうのは嫌でアクションパートだけが目的という人だと、飛ばす訳にも行かないステルスのセクションが次々に登場するのは辛いかも知れない。


 他にはルートを探して進めて行くのが目的のパートも結構多いが、このパートは想像していたよりも遥かに単純で面白さは感じられない。大半のケースでは越えられないギャップに遭遇したら上を見ると枝が伸びているので、それにムチを打ち込んでからロープ代わりにして超えるというパターンでクリア出来てしまう。オブジェクトをムチで打って動かして道を作るというケースも在るが、うっかり打つと自分に動いたオブジェクトが当たって死亡とか、もうちょっと考えて欲しいと思わせる。


 戦闘面では銃器が使えるパートは終盤以外はほとんど無い。では他の物はどうかというと、まず鞭は武器としても使えるがこれは特に面白くない。狼が群で襲って来るのを地道に叩いたりする程度で単調である。一方で弓は使っていて面白く、また非常に強力でもある。弓を引くと時間がスローになり、一定時間攻撃しないと元に戻ってしまうようになっている。この弓の面白さは矢が重力の影響を受けて放物線を描いて飛ぶ点にある。つまり距離が離れると敵を直接狙っても当たらなくなるので、距離を目測して目標よりも上を狙わないとならない。その目測がピタリと当たって、遠くの敵にヘッドショットが決まったりすると爽快感がある。弱点は矢はほとんどマップ内では手に入らないので無駄射ちに気を付けないとならない点。ただし敵に刺さった矢を回収する事は出来る。


 このBillyのパートの方がマップに広い物がより登場し、またクリアまでに時間が掛かるタイプも多い。よって合計プレイ時間としてはこちらの方が長くなると思われ、それだけにこの特異なゲーム性を気に入るかどうかは重要となる。斬新だとして高く評価するか詰まらないと見るかは人によって異なるだろうが、戦闘メインでプレイしたいという人には厳しそうだとは言える。

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