問 題 点 |
他では言及していない点をまとめる。 乗馬の操作についてだが、ノーマル状態でも結構速いし特にギャロップにすると相当高速になる。そして高速になるほど慣性が働くので曲がるのは難しくなる。走る道が広くて緩やかに曲がっているのならばコントロールは出来るのだが、狭くて急に曲がっている場所等では制御は困難。これはデモをプレイした際に特に不安に感じていた点なのだが、実際の製品版においては広大な土地を疾走したり、道幅が広くなっていたりでコントロールの難しさについてはかなり緩和されている。(デモでの高速でギャップをジャンプしないとならないシーンなども製品版ではカットされている)。しかしながら前半のマップではやはり乗馬操作に難しさを感じさせる箇所が含まれている。 敵の中を勢いを付けて駆け抜けたりや、狭くて急に曲がっている道や崖の付近の細い道を通って制限時間内に追い着かないとならないシーン等が含まれており、馬のコントロールが相当難しい。馬は岩等でつかえると止まってしまうので、そこから方向を変えて再スタートするのに結構時間をロスしてしまう。崖の付近では慣性で止まれずに落ちてしまう事もしばしば。かと言って岩に当たったり崖から落ちないように注意してスピードを落とすと、今度はタイムが厳しくなるという状態。更に頭部が画面から消えてしまう事も多く、そうなると今どっちを向いているのかを下を見て確認しないとならないのも面倒。 一対一の決闘となるDuellingだが、システムとして上手く行っているとは思えない。第一にどういう風にするのが良いのかの説明が無く混乱する。ネットで調べた限りでは、マウスを前に動かして銃を抜く動作をする時にマウスを滑らか(等速に)に動かすと成功判定となって敵の近くに照準が出現し、失敗すると大きく離れた場所に照準が出るので敵を攻撃するまでに時間が掛かるという話らしい(確証は無い)。また敵の弾を避けられるとは言っても銃弾なので、見てから避けるというのはかなり難しい。 よって何回か適当にトライしている内に何時かは勝てるという感じのミニゲームになってしまっており、面白味や深みが感じられない。私の場合には一番倒すまでに苦労したのは一番弱いはずの最初のボスで、後半の重要なボスは一発で倒せてしまったりと、技術ではなく偶然に頼った対決という様ないい加減さが見て取れる。偶然では勝てないそれなりに技術を要するようなシステムにして、ちゃんとどういう風にすれば良いのかを解説し、画面上にもメーター等で今のアクションはどれ位上手く行ったのかを知らせたりするシステムにするべきだった。 拳闘についても単純過ぎるという感想。攻撃方法がシンプルなのはともかくとして、敵の動きがワンパターンなのでそれを掴めば簡単に勝ててしまう。 風の影響による炎の燃え広がり方に物理エンジンを組み合わせているという触れ込みだったが、実際のゲームにおいては炎が関係して来るシーン自体が少ないので期待外れ。特定のエピソードに何回か登場する程度である。炎の燃え広がり方も、スクリプトで燃えるようになっている場所の他は、固定された範囲にしか燃え広がらない様に感じられる。 ランプを使って敵を燃やしたりが可能とあるが、撃ってしまった方が早いので特に使う意味を感じないし、時には建物を燃やして有利に出来るともあるが、それが出来る場所がどれだけ在るのかも疑問。草に火を点けて焼野原にしたりが可能なシーンも無いと思われる。 難易度バランス的に不快に感じるレベルではないのだが、敵の出方が嫌らしい箇所が結構在る。例えば何も居ないのを確認して通り過ぎた直後にそこから出現したりとか。もっと酷いのだとムチを使って登っている際中に出て来て攻撃されたりや(こちらはムチを持っているので何も出来ない)、梯子を上りきった瞬間にスクリプトで出た敵に後から攻撃される等。 HUDに関して、左右の銃の残弾数が中央やや左下に表示されるという方式でこれは確認がし難い。左右の銃の付近等に表示して欲しかった。とにかくリロードが多いので残弾数は常に把握しておきたいのだが、それがやり難いのでストレスを感じる。また拳銃の描画位置も気になった。かなり下方に銃が位置しているのと、持っている腕が表示されないので見た目が変な印象である。何と言うか銃の位置からすると自分の身長が非常に低いという違和感を覚えてしまう。 インターフェイス系に問題を感じる箇所が幾つか在る。 *武器と弾薬が重なってしまうと、銃を一旦取って退かさないと弾薬が取れなくなる *アイテムが接近しているとアクションキーの合わせ位置が判り難くなる *アイテムが箱の上に乗っていたりすると、間違えて箱を持ち上げてしまう事がある *武器を拾うキーと武器選択キーが一緒なので、近くに武器が落ちている場所で同じ番号の武器に持ち替えるとその武器を拾い上げてしまう *場所によっては敵が落としたヘルスとなる酒や銃器類が見え難い。特に草の密集地では探すのが困難。(光る効果等が必要)。 |
GRAPHICS |
Chrome Engineの改造バージョン(Chrome Engine 2)を使用している。北米版の発売時には更にバージョンアップされた物となっており、DX10を有効にして高度なグラフィックスを実現する事が可能になっている。そのDX10を有効にした場合のグラフィックスはCall of Juarez DX10 Performance and Image Quality等でDX9との比較画像を見られるが、DX10を有効に出来てもグラフィックスに大きな変化は見られないゲームも多い中、一目瞭然で違いが判るほどに両者は異なっている。私には現状DX10でのプレイ可能な環境が無いので実際にプレイした際の印象は分からないが、これだけ違っているのならばDX10のPRにはもってこいのゲームだとは思える。 という事で、以下はDX9モードでの評価になる。このレビューで使われているSSも全てDX9での物。 元々のエンジンの特徴として広大な地形を描けるというのが売りだったが、このゲームでもそれを生かして相当な広さのマップも実現されている。ただし地形データは最初に読むようだが、建物等のオブジェクト類は分割してローディングを行っているらしく、同一マップ中でもローディングが入るケースは出て来る。現在(2008/09)のビデオカードならば広い範囲を見渡してもフレームレートに大きな影響は無いと思うが、発売当時としては草木が多かったりする場所にHDR効果が加わると非常に重かった。Gefroce 6/7クラスのビデオカードを使用している人だと、設定を高くして動作させるのは厳しいと思われる。 それとデモ当時に感じた問題点だが、マップの初回ロードの時間がとにかく長い。(同じマップ内で再ロードを行う分にはそれ程掛からない)。今回の製品版をプレイしたマシンではその様な異常な長さは感じられなかったので、メインメモリの容量やビデオカードのVRAM容量が影響していると思われる。 草木を数多く描写可能なのは良いのだが、その代わりにその描写は距離に応じて大胆なカットが行われる仕様で、近付くに連れて木々や草がポップアップして出現するのがハッキリと分かってしまうレベルだし、本来ならば草木の密集した地点でも離れた場所から見てしまうと裸状態にしか描かれないという風になっている。 太陽光によるHDR効果と、風で揺れ動く草木の影表現は綺麗な部類。煙や砂塵のエフェクトも良く出来ている。一方で水面の描写はあまり宜しくない。炎のエフェクトも想像していたほど派手ではなく、あまりリアルさを感じさせないクオリティに留まっている。テクスチャ類も質の悪い所は目立って悪いという印象。 キャラクタのモデリング及びアニメーションは標準的なレベル。だがキャラクタはモデルの使い回しも目立つ。ノーマルマッピングは一部効果を確認出来るがマップ全体に使われてはいない。 血は撃たれた時には派手に見えるが、死体には付着する程度で流血表現は無い。ゴア要素も無し。死体はある程度残っているが、Quick body Disappearを選択してすぐに消す事も出来る(軽くする)。 ワイドスクリーンの16:10や16:9にはデフォルトで対応している。 |
SOUND |
3Dサウンドのポジショニングは4SPにてちゃんと確認出来る。狭い場所でのエコーの効果も実現。APIにはDirectXとOpenGLを選択可能なので、3Dにならないとか問題が発生するのならば切り替えてみるべき。 銃の音は良い物と悪い物が混在している。ショットガンは迫力不足。BGMはいかにも西部劇映画っぽい物が使われている。なお何故かBGMの音量がデフォルトでは非常に大きいバランスで、独立して相当下げないとならなかった。 主人公二人のボイスはイメージに合っており良かった。逆に他のキャラクタはあまり個性的ではない。 |
MULTIPLAYER |
マルチプレイには32人までが参加可能。モードは以下の通り。 *Deathmatch *Skirmish: 復活無しのTDM *Robbery: 盗賊側はマップ内の金塊を集めてゴールに運び、保安官側はそれを阻止する *Gold Rush: マップ内の金塊を多く集めるのが目的の個人戦 専用に用意されたマップを使用して行われるCoopにも対応するという話だったのだが、最終的にはカットされている。 特徴としては全てのモードにてクラスの選択が可能な点。それぞれに所持可能な武器が異なっている。 2008/09現在でも100人程度のプレイヤーは残っているようだが、日本からだとpingの良いサーバーが無く、プレイテストでは回線断のマークが出てしまう事が多かった。Pingが悪いせいかラグも結構感じられるレベルで、確かに人は居るがちょっと日本からだとプレイは厳しいと思われる。またチート関連の対策が有効では無いらしく被害も多いようだ。 |