CALL OF JUAREZ

                                  11/02/06



   SYSTEM・GAMEPLAY

   REVEREND RAY & BILLY CANDLE

   GRAPHICS・SOUND・MULTIPLAYER

   BOTTOMLINE

   公式サイト


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製作・販売: Techland / Ascaron Entertainment(英国) / Ubisoft(北米)
発売: 2006/09
日本代理店: 無し



08/09/28  レビュー掲載
11/02/06  トップの一部情報更新, レイアウト修正




                            ※このレビューはV1.1.1.0での評価になります

概  要  ポーランドのTechlandによる西部劇をテーマにしたFPS。同社はこれまでにChrome, Xpand Rally等を製作しており、ポーランドでは他社のPC用ソフトウェアの代理店としても活動している大手の会社である。

 「何故西部劇をテーマにしたのか?」については、第一に開発メンバーにファンが多い事。そしてこれまでに西部劇の時代を扱ったメジャーなFPSは存在しないので、自分達がその最初となるゲームを作ろうと考えたからだそうだ。


 欧州では2006/09に発売されているが、北米では新規に開発されたXbox 360版と合わせて、10ヶ月ほど遅れた2007/06に発売されている。北米代理店はUbisoftだが、他の地域では同社から2006年に発売されたりしており、何故北米のみ発売を遅らせたのかは不明。考えられる理由としては、北米は他よりもFPSにおいてはマルチプレイが重要視される市場なので、欧州版での発売をテストを兼ねた物として位置付け、インターネット上でのパフォーマンスの向上やコンテンツが充実してから北米で勝負しようと考えたという話は有り得るだろう。


 或いはDX10対応によるインパクトでの売り上げ増を狙ったという可能性も考えられる。このゲームは北米ではDX10に対応したバージョンアップ版の形態でリリースされており、DX10に対応したゲームの中でも最初期の物となっている。以下がバージョンアップされたゲームの内容。

*Windows Vistaでの互換性向上
*DirectX 10 ビジュアルエフェクト
*DirectX 10 ベンチマーク
*ステルスを要求されるマップのデザイン変更
*カットシーンのアニメーション向上
*多数のマイナーなバグ修正

 なお数ヶ月遅れとなったが先行発売の欧州版に対しては“DX10 Enhancement Pack”がリリースされており、現在ではパッチによって北米版と欧州版を同一のコンテンツに出来るので、どちらを購入しても問題は無い。



 (左から順に、ドイツ版, UK版, 北米CD版, 北米DVD版)

 パッケージのデザインが多数存在している上に、発売形態はちょっとややこしい。オリジナルのポーランド版はTechland自身から。ドイツが本社のAscaron Entertainmentの英国支店が英国での発売を担当。Ascaronからライセンスの形でフランスではFocus Home Interactiveの子会社に当たる93 Gamesからリリース。しかし当のドイツ本国ではAscaronではなくUbisoftが発売を担当している。北米ではUbisoftが発売を担当しているが、こちらはDVD版の他にCD-ROM版も用意されている。

 私の購入したのは英国版だが、これにはマニュアルが入っていない。PDF形式のマニュアルが同梱されているのみ。現時点(2011/02)では英国のFocus Multimediaから廉価再発版が出ている。その他Steam等でのダウンロード販売も行われている。


 後発のXbox 360版はPC版とは内容が異なっている。

*DX9版に対してビジュアルの向上
*アニメーションシステムの変更
*3つの新しいシングルプレイ用マップを追加
*シングルプレイ用の新モード“Duel Challenge”を追加
*マルチプレイに新モード“Wanted”を追加
*マルチプレイにて馬に乗れる
*ゲームパッドでの操作を考慮してマップのデザインを変更(マップによっては完全に一から作り直している)
*ステルス要素を軽減

 最後の物はXbox 360のユーザーにはステルスでのプレイは向かないとして、BillyのパートでPC版では強制ステルスを余儀なくされるパートにて、戦闘で相手を倒してもクリアが可能に変更されている。ゲーム全体としてもBillyが弓を武器として使えるシーン、及び拾える矢の本数が増やされている。

 しかしコンテンツの充実を図ったにも関わらず、PC版に比較してXbox 360版の評価は落ちてしまっている。



             2006年PC版リリースの予告編ムービー


           2007年Xbox 360版リリースの予告編ムービー
STORY  アメリカ国境に接するメキシコの街Juarez(日本語表記はファレスだが、実際の発音は“ウォーレズ”に近い)には、アステカ帝国を滅ぼしたエルナン・コルテスの財宝が何所かに隠されているという伝説が残されていた。しかしそれを探そうとした者にはアステカの神の呪いが降り掛かって皆発狂してしまうという噂も囁かれており、この呪いは“Call of Juarez”と呼ばれていた。


 Billy Candleはまだ17歳のネイティブ・インディアンの血を引く青年で、メキシコ国境に近いアメリカの小さな街Hopeで暮らしていた。母は妊娠後にその相手と別れて別の男性と結婚しているので実の父が誰なのかは分からない。しかしBillyは彼の養父であるThomasとは仲が悪く、何時も虐待を受けて邪魔者扱いをされていた。街中でも混血である自分への差別に嫌気が差して、15歳の時に遂に家出をしてしまう。彼はJuarezへと向かい伝説の黄金探しを夢見るが果たせずに、結局2年間の放浪の末にHopeへと失意のまま帰って来る。しかし自宅へと帰った彼を待っていたのは、殺害された母とThomasの姿と“Call of Juarez”と書かれた文字であった。

 もう一人の主人公Reverend Rayは街の牧師である。彼は20年前には伝説のガンマンとして名を馳せたほどの凄腕の持ち主であったのだが、ある事件をキッカケに自分の行いを悔いて銃を捨てた身であった。そんなある日、兄弟であるThomasの家で銃声がしたという知らせを聞いて現場に急ぐが、そこで発見したThomasの死体の傍から逃げ出すBillyを目撃する。彼はそれを機にBillyへの神の裁きを自らが行うと誓い、また街を荒らすならず者達への怒りを爆発させ、再び銃を取って戦いを挑む事になる。

 ストーリー構成としては逃げるBillyとそれを追うRayのパートがオーバーラップするようになっており、どちらのキャラクタを操作するのかはエピソードによって異なるという形式である。



PATCH

DEMO
 パッチの適用は所持している製品によって異なる。判らない場合のバージョンの確認はメニュー画面左下で行う。再発版等で既に最新の1.1.1.0になっているのならばパッチは必要ない。


 Ubisoftから発売されている北米版は初期出荷でV1.1.0.0。言語はEn/Fr/Esが存在する。(カナダ用にフランス語版, メキシコ用にスペイン語版)。このバージョンは最初からDX10に対応しており、パッチは1.1.1.0 for version 1.1.0.0 En/Fr/Es-NAを適用する。

 先行発売の欧州版はDX10に対応していない。初期出荷版はV1.0.0.0なので、まずはCoJ patch 1.1.0.0を適用する。その後に北米版への追加コンテンツ分のDX10 Enhancement Pack version 1.1.1.0(898MB)をインストール。マルチプレイを行うのならば、同じく追加コンテンツのCall of Juarez Mulitplayer MapPackも入れる。

 DX10 Enhancement Pack version 1.1.1.0を入れると過去のセーブデータとの互換性が無くなるが、各エピソード選択画面よりマップの最初からならば再開は可能。


 デモはシングルプレイ用とマルチプレイ用が存在している。シングルプレイ用は多国語版が存在。またデモ終了後に公式サイトに強制的に飛ばされるのだが、ここで回線に接続しておらずに表示がされないとプログラムが終わらないらしく、再度デモを起動しようとすると「既に起動されている」というエラーになってしまう(タスク・マネージャからプロセスを終了させてやる)。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU P4 2.2GHz / Athlon 2400+ (2.4 for Celeron) P4 3GHz / Athlon 3000+ (3GHz for Celeron)
MEMORY 512MB 1GB
VIDEO VRAM 256MB
Hardware pixel shaders 2.0以上
VRAM 512MB
Hardware pixel shaders 3.0以上
SOUND DX9互換 EAX
対応OS  2000/XP/Vista
DirectX 9.0c以上要


 欧州版の発売時にはVistaがリリースされていなかったので、正式対応が加わったのは北米版から。よってDX10 Enhancement Packを適用していないバージョンでは動作に問題が発生する可能性も有る。64ビット版について言及はないが動作確認報告は出ている。それと再発版の頁を見るとWindows 7にも対応と記載されている。

 具体的な対応ビデオカードは以下の通りで、Shader 2.0以上に対応でもパフォーマンス的に動作は厳しいというレベルは省かれている。ノート系のオンボードビデオチップも原則的には非対応。VistaにてDX10を実現するには、当然Shader 4.0以上のカードが必要になる。

NVIDIA GeForce 6600 - 6800 / 7 / 8 series
ATI Radeon X1600 / X1800 / X1900 / HD 2000 series


 Vistaの場合には第一にUACにて管理者権限を有効にして起動しないと各種トラブルが発生する可能性が有るようだ。
http://www1.plala.or.jp/seiryu/Trouble/tr05-Vista.html

 次にVista game hotfix 940105(Virtual address space usage in Windows game development)に影響を受けるので、これを含んだVista SP1以上の修正パッチか、この個別修正プログラムを適用しておく。


 発売当時の必要スペックとしてはかなり高い部類。そして実際に相当重いゲームである。2年が経過した現在のハードウェアにおいては最高の設定にしても別に問題は無かったが、デモの当時使用していたGF6800のレベルでは快適な動作には設定は中程度が限界だった。ビデオ設定内には3種類のクオリティがプリセットで用意されているが、自動判定機能は持っていない。

 私のマシンでは安定性は高く、落ちたりのトラブルは無かった(XP SP2, E6850, Geforce 8800GTS Forceware 175.19, SB X-Fi)。DX10における安定性やパフォーマンスについてはテストが出来ないので分からない。

 ゲームパッドには公式には未対応。付けていると照準が変な方へ動いたりと誤動作の恐れもある。


 起動しない場合、スタートボタンから辿ればSafe Modeが用意されているので、まずはこれで動作するかを試すのが良いだろう。


セーブデータや設定の保存場所
 マイドキュメントの中にフォルダが有る。


CD-Keyが見当たらない
 これはその国によってパッケージケースの中に貼ってあったり、マニュアルに印刷されていたりと様々なようだ。


ビデオのオプションから“Enhanced Quality”が選択出来ない
 これはDX10を有効にする意味のオプションなので、DX9環境からは選択出来ない。


DX10の機能が使えない
 DX9用のCoJ.exe とは別のCOJ_DX10.exeという実行ファイルを使わないとならないので注意。


ビデオのオプションからアンチエイリアスが選択出来ない
 SM3.0とAAを同時に有効にするには、FP16-64ビットバッファに対応していないとならない。例えばGeForce 6/7シリーズはこれに対応していないので、両者を同時に有効には出来ない。同じくSM2.0にした場合には、3.0限定の描画オプションは選択出来なくなる。


インストールが上手く行かない。プレイ中に落ちる。
 アンチウイルスの影響で正常にファイルのコピーが行われなかったりしてエラーになる可能性が有る。(具体的にはKaspersky Antivirusでは問題を確認しているそうだ)。アンチウイルスを停止させた状態で再インストールを実施してみる。


"\Src\TerrainNew\GeoMipMap.cpp..." エラー
 ビデオカードが必要環境を満たしていないの意味。未対応のビデオカードならばどうしようもない。対応しているカードならばドライバを最新に更新する。


サウンド再生がおかしい
 サウンドはDirectXとOpenALに対応しており切り替え可能なので、現在とは違う方にしてテスト。ちなみに私の環境ではOpenALでは音が抜けたりノイズが発生したりで使えなかった。


Crash Exit .... The thread attempted to read from or write to a virtual address ....
 仮想メモリの設定を固定しているのならばシステムに任せる。デフォルトのままならば、C:に4GB以上の空き領域が有るかを確認し、空きが無いのならば他の余裕のあるドライブへと仮想メモリの場所を移動させる。またはビデオの設定を下げてやると治る事が多いようだ。

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