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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Medium / Hard / Very Hardの4種類。ただしVery Hardは条件付きでアンロックされる(以下参照)。途中での難易度変更は不可。

 アンロックしたエピソード単位でのリプレイが可能になっており、その際に難易度も選べるので、エピソードの最初からならば難易度を変えてやり直しも可能である。


セーブ&ロード
 一応チェックポイント方式だが、特定のイベントシーンの前で行われる以外はチャプター内でのマップ読み込み時にしかセーブされないのでその間隔は長い。その代わりにマニュアルでのセーブは一部を除いて任意の場所で可能。ただしセーブ可能なスロットは7つしか用意されていない。一方でクイックセーブ用には履歴を4個まで保持するという親切な設計。


OBJECTIVES
 ログ機能から現在の目的は文章で確認可能。コンパス機能により方向も確認出来るようになっている。


SECRETS
 マップ内に指名手配書が全部で40枚隠されており、この内で30枚以上を発見すると難易度Very Hardがアンロックされる。相当頑張って探さないと達成は難しいと思える。

 PC版にはXbox 360の実績要素は用意されていない。

英語
 字幕機能あり。

操  作  解  説
 ゲーム内に用意されている能力や、独特なアイテムの操作方法についてまとめる。


*コンセントレーション・モード
 Rayのみが使える特殊能力。両手の銃を一旦ホルスターに仕舞い、その後どちらかの銃の発射ボタンを押すと発動する。その間は時間がスローダウンしたように見えて、左右の銃の照準が画面両端から独立して中央へと向ってゆっくりと収束を始めるので、その各照準が敵に重なった瞬間に撃つか、マウスを動かして2つの照準を敵に合わせて(ゆっくりとしか動かせないが)撃つ事が可能になる。更に中央で照準が一つになった後も1秒程度はスローのままで敵を撃てる。

 この間は無敵という訳ではなく、こちらも撃たれるし敵も動ける。その発動には時間と共に充填されるエネルギーを溜める事が必要で、それは右下にアイコンで示される。

 左のムービーはデモのシーンからだが、Xbox 360版の物でPCとはやや異なる。PC版では照準のサイズが小さいので、敵に重なる瞬間が短い。


*鞭(ムチ)
 Billyのみが使えるアイテム。左クリックでの攻撃がデフォルトの機能となり、オブジェクトによっては叩いて動かせる物も有る。しかしメインの使い道はオブジェクトに打ち込んでロープ代わりに使う能力。オブジェクトに近付くと打ち込める物には印が出るので、そこで右クリックでムチを打ち込んで固定出来る。その後は右クリックでムチを登り、左クリックで下がる。ジャンプで離して降りるという風に操作する。主に渡れないギャップを飛び越えるのに、上方の木に打ち込んで振り子の様に振ってからジャンプするという風に使用する。


*乗馬
 馬に乗るシーンが結構用意されている。鞍さえ付いているのならば、どの馬であっても乗って逃げる事が出来る。馬は降りるとその場所から動かない仕様。走行モードは2つ存在し、通常モードでは乗りながら武器の使用も可能。速度切り替えキーでギャロップ(早駆け)にすると更に高速化するが、この状態では両手で手綱を持つので武器は使えなくなる。また疲労メーターが赤く上昇して行くようになり、これが一杯になると馬は死亡してしまうので、モードを切り替えて休ませないとならない。

 他には馬の尻を叩いて単独で走らせてやり、周囲を混乱させたり注意を逸らしたりも可能。


*DUELING(決闘)
 西部劇では御馴染みの早撃ちの決闘。ボス戦に導入されており以下の様なシステムになっている。

 画面上部で秒数がカウントダウンされるので、ゼロになった瞬間にマウスを下げ(銃に手をやり)、その後マウスを上げる(銃を抜く)。もしカウントダウンよりも早く抜いてしまうと、若干再度抜くまでに時間のロスが生じる。銃を抜くと揺れ動く照準が表示されるので、この照準をマウスを動かして上手く敵を狙い撃つ。その間に動く事は出来ないが、左右のリーンキーで飛んで来る弾を避ける事は可能。また決闘中にはリロードの概念も含まれる。先に相手を倒した方が勝ちとなるが、ゲームとしてはこの決闘の前にセーブされるので、プレイヤーが勝てるまで決闘は続けられる事になる。


*殴り合い(拳闘)
 これも西部劇では御馴染みの殴り合いの喧嘩。固定イベントとして行われ、プレイヤーが殴り合いでの戦いを選択する事は出来ない。システムは非常に簡素で、左クリックで左ストレート、右クリックで右フック、左→右→左のコンボで最後に左アッパーが出る。敵の体力バーをゼロにすれば勝利。プレイヤーが勝利するまで繰り返される。


*オイルランプ
 ランプを使って様々なオブジェクトに火を点けられる。既に点火されている物ならば掴んで投げてやるか、直接撃って付近の物に引火させても良い。点いていない物ならば燃える物に対して投げて破壊し、その後銃で飛び散ったオイルを撃てば点火される。

GAMEPLAY
 キャンペーンは全15章から成り、それぞれを二人の主人公の内のどちらかが受け持つ構成。プレイ時間はMediumで10-12時間程度。シークレットを探し回るのならばもっと掛かるだろう。


 最大の特徴は何と言ってもテーマに西部劇を持って来たという点である。FPSとして同じテーマで有名な物と言えば、筆頭は疑似3D時代のLucasArtsのOutlaws(1997)だと思われるが、これとてFPS全体からするとそれ程知名度が高い作品ではない。近年では他にDead Man's Handや、TPSだがGunといったゲームが出ているが、これまでに高く評価されてメジャーとなったゲームは存在しないと言えるだろう。

 他のアクションFPSでは見られないようなシステムや要素を導入し、またその背景設定から独特の雰囲気を漂わせている点はこのCoJの最大の売りでもある。しかし同時に独特過ぎて広い層には受けないという印象を抱かされるのも確かだ。私は西部劇映画は有名な物を何本か見た事がある程度だが、そのイメージからすると上手くその雰囲気が再現出来ているとは思う。しかしFPSのファンであると同時に、西部劇のファンでもあるという人がどれだけいるかとなると疑問である。


 アクションFPSの特徴として、武器を豪快に撃ちまくれるという要素を基本設定として持っている。時代が現代であろうが、WWIIの戦場だろうが、未来世界での戦いであろうが、サブマシンガン(アサルトライフル)は連射出来るし、ロケットランチャーをぶっ放したりも出来る。しかしCoJはアクションFPSではあるのだが、その時代設定からそういった行為が出来ないようになっている。各武器自体の性能が低いので、アクションFPSとして重要な爽快感が大きく損なわれてしまうのは防ぎようがなく、その地味な戦闘がやはり問題を感じさせるのは否めない。逆にそれが分かっているからこそ、これまでに西部劇をテーマにしたアクションFPSが計画されて来なかったとも言えるだろう。

 西部劇をテーマに持ってきた事自体は全く悪くなく、先に書いたようにそのユニークさは評価出来る。しかし率直な意見として、西部劇をテーマにした時点で、一部に熱狂的なファンを生み出せるかも知れないが、同時に広範囲のアクションFPSファンから支持を得るのは不可能に近くなる、という運命にあると思える。その西部劇時代に則した独特な戦闘については該当項目で詳しく述べる事にしよう。


 更に好みが分かれそうな要素として、ゲーム性がまるで異なる2人の主人公を採用している。これも良い方に取れば、「一本のゲームで大きく異なる2種類のゲームプレイが楽しめるので飽きない」となるが、反対に焦点が定まっていないゲームだとして批判を浴びる危険性も持っている。しかもCoJでは2人の異なったキャラクタでの戦闘が可能なのではなく、片方のBillyはステルスを含めた非戦闘スタイルでのプレイが大きな割合を占めている。そうなると当然アクションFPSを期待してプレイしている人からは不満が出て来る可能性も高まってしまう。実際にこのゲームではステルスで行動しないとならないシーンにおいて、その難易度や面倒臭さへの批判が多く出ていた(ただし最新バージョンでは、ステルスのシーンでのバランス調整が行われているという話にはなっている)。

 よって「とにかくステルスが嫌い」という人にはこのゲームは勧められない。またこのゲームの序盤はBillyがメインで導入部も長い為に、銃での戦闘に入れるシーンまでが結構長い。加えて銃撃戦が本格化するのは中盤からであるというのも、早く派手に撃ち合いたいという人向けにはマイナスになる。ゲーム全体の半分位は非戦闘で進めるようになっていると考えてもらいたい。

 ステルスとアクションを組み合わせたゲーム性というのは、独特な物として受け止められれば高い評価を得られる可能性も持っているが、その代償として結構な人から拒絶されてしまう恐れがあるというのも事実である。そして残念ながらこのゲームでも一部から低い評価を受けてしまった分、全体としての平均評価も下がってしまっているという感じがする。


 ゲーム全般はほぼ一本道であり、たまに別ルートが有ったりもするが短い区間での分岐に限られている。マップには広い物も含まれているが、自由に探索するという要素は導入されていない。その理由はストーリーを最重要視しているからで、必ず全てのプレイヤーが同じ体験をしないとストーリーを味わって貰えないという意図からそうなっている。確かに使用しているエンジンは広範囲を描けるのが特徴でもあるのだが、ストーリーの為にはその特徴は犠牲にする事にしたそうである。

 その肝心のストーリーについては、悪くは無いが特に良くも無いというレベル。西部劇っぽいと言えばそうなのでこれで良いのかも知れないが、意外性というのは無く、ほぼこういう風になるのではないかという予想通りに進んで行く。しかしゲーム上での見せ方についてはなかなか上手く出来ているとも感じさせられた。先に片方のキャラクタ側から事件を描いた後に、もう一方のキャラクタの方ではその時どういう風になっていたのかを描くという風にして臨場感を醸し出している。

 謎解き要素はほとんど無く、先に進む為のルート探しが主となる。大抵は簡単に分かるのだが、幾つかの場所ではどこを通れば良いのかが判りにくい箇所も在った。コンパス機能はあるのだがこれは直線的な目的地の方向を示すだけで、どうやったらそこに行かれるのかは考えないとならないケースもある。

 他に目に付く点としては、時間制限が設けられてプレイヤーを急がせるイベントがかなり多い。例えば馬に乗って敵に追い着かないとならないといったイベント。中には失敗即死のタイプも在る。時間的に厳しいという物はあまり無いが、ゲームを面白くしているかとなるとこれも疑問。

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