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シ ス テ ム

キャンペーン
 キャンペーンは主人公が異なる米・英・露の3つ。それぞれが幾つかのミッションに分かれており、各ミッションの中で更にレベル(マップ)という形で分割されている。ミッションとレベルの数は、露・米が3ミッション・7レベル。英が4ミッション・13レベルという構成。今回は前作の様に米・英・露の固定された順番でプレイする必要は無く、或るミッションをクリアすると別のミッションがアンロックされるという形で進み、レベルのアンロックについてもミッションの中で進行して行く。よって例えば英の或るミッションの中のレベルを2/4個までクリアした時点で、既にアンロックされている別の国のミッションに移ったりも可能と、或る程度は進行に自由度は持たされている。

難易度
 Easy/Regular/Hardened/Veteranの4種類。難易度変更はレベル単位で可能で、開始前に任意の難易度を選択も出来るし、一度クリアした物は難易度を変えてのリプレイが何時でも行なえる。

SAVE/LOAD
 セーブはチェックポイント方式となり、Quickを含めて一切の任意セーブは不可という仕様。セーブはゲーム全体を通じて一箇所のみの保存となり、後はレベル単位で最初からプレイするというやり方になる。よってレベルの途中で別のレベルに移って開始してしまうとセーブが上書きされて戻れなくなるので、別の物に移るならば現在のレベルが完了してからにしないと不味い事になる。もし平行してプレイしたいならばProfileは複数製作可能なのでそれで使い分けるしかない。

 セーブが行なわれる箇所は場合によって異なっており、イベント的な区切りで行なわれる物が一つ。それと或るポイントをプレイヤーが通り過ぎた時に行われるケースも有る。しかしその多くはObjectivesが完了した時点や、特定のエリア・建物の敵をクリアした際に行われるので、どこでセーブが行なわれるのかは不特定な場合の方が多い。例えば某エリアの最後の敵をその地点でプレイヤーが倒せばそこでセーブ、遠くからライフルで倒してクリアしたならその手前の離れた場所でセーブ、全滅させる前に先に進んでしまっていて最後の敵を仲間のAIが倒したならばずっと先の場所でセーブ、といった具合になる。
 例外としてセーブすべき時にプレイヤーが弾薬を持っていない場合にはセーブは行なわれず、次に弾薬を拾った時点でセーブが行なわれる。これは一箇所のセーブのみなので、どうやっても先に進めないというデッドエンド状態にならないようにする為の配慮。

OBJECTIVES
 ミニマップ上に場所が表示される方式で、文章による表示もTABで可能なのでやるべき事は非常に分かり易い。今回は複数の目標を与えられてクリアの順番は自由という設定も有るので、その場合には複数の目標地点が同時に表示される。X台の対空砲の破壊という様に同じ物が複数存在する場合には単なるマークだが、異なった目標の場合にはABC表示が使われる。

BASIC
 FPSとしての基本仕様は以下の通り。

*同時所持武器は2個で、ピストルもカウントに含まれる
*落ちている武器は自由に拾って交換可能
*Grenadeは別所持で、FragとSmokeがそれぞれ4個まで携帯可能
*Prone及びLean可能で、どちらもそのまま撃てる
*発射モード切替は無くなった(サブマシンガンならフルオートのみ)
*照準の大きさが命中率を示し、姿勢を落とすほど安定する
*走ったりの移動中には照準が消える(撃つ事は出来る)
*Aim Down the Sight(Iron Sight)有り。命中率が上がるが移動はスローになる。
*Aim Down the Sightでは反動(リコイル)表現が加わる
*ダッシュ(Sprint)やWalkは無い
*移動速度は持っている武器によって異なる
*Melee Attack可能


 武器はWWII物では御馴染みの物が多数揃っており、特別珍しい物は存在していない(ショットガンはマルチプレイのみ)。基本的にはライフルとサブマシンガン(アサルトライフル)を1丁ずつ所持する形になり、発射モード切替が出来ないので遠距離ではライフル、近距離ではサブマシンガンという使い分けになる。距離による命中率の変化・ダメージ量・連射速度といった設定は武器によって異なっているはずであり、マニアだとその細かい違いが判るのかも知れないが、個人的には同じタイプの武器の明確な差異には気が付かなかった。例えばThompson/Sten/MP40といったサブマシンガンに確かに違いは有るのだろうが、使い分けを意識するほどの変化は無いという印象。
 特殊な使い方をする物としてはスコープを覗き込むSniper Rifleでは、Shiftキーを押して短時間息を止めてスコープを安定させる事が可能になっている。後は武器で殴るMelee Attackは決まれば強力である。

 体力(HP)の扱いとその回復には独特なシステムが採用されている。これまでの様に回復用のMedikitはマップ内に一切落ちておらず、またプレイヤーのHPを表示するという機能も持っていない。HPはコンソールのアクション物に多いリチャージ方式を採用しており、撃たれるとその程度に応じて画面が赤くなって行って限界を超えると死亡するが、一旦退避して休めば回復して行くというシステム。つまり連続して大きなダメージを受けない限りは死なないとなっており、その限界は難易度によって変化する。

 HUDではAmmoやGrenadeの数を通常は表示しないという方針になっており、恐らくはシネマチックな感覚を強める為に出来るだけゲームライクな表示は避けるという意味からのデザインと思われるが、時折残り数をチェックしたい時に不便に感じた(リロードすれば良いのだが)。敵に撃たれた場合にはその方向が明確に表示されるようになっており、これは4方向といった漠然とした物ではなく、矢印付きでもっと正確に位置が判るというシステム。
 付近に落ちたGrenadeが視覚的に見え難いケースも多いのでGrenade Indicatorが備えられており、これで複数のGrenadeの存在する方向について知る事が可能である。他には乗り越えられる場所にはその旨の表示も出るようになっている。


COMBAT
 戦闘面での特徴を順に見て行こう。まずはHP及びMedikitでの回復という概念が無くなっている点。これは同じ箇所を何回もロードしてやり直したりや、マップ内をMedikitを求めて探し回ったりするのは戦闘の緊張感(連続性)を削いでしまうという観点から導入されたシステムだが、当然の如くゲームに大きな影響を及ぼしている。
 (以下Regularでの話)とにかく隠れさえすれば赤いダメージ表示が消えて元に戻るまでは早いのと、Medikitを探す必要が無いので展開はスピーディーになる。易しくなり過ぎないようにQuicksaveを廃止してバランスを取っているが、それでも全体的にはやや簡単と言えるバランスになっている。難所自体はちゃんと存在しており、5回以上繰り返してのチャレンジを余儀なくされる様な箇所も確かに幾つかは出て来る。ただこの無限回数の回復が可能なシステムだと、連続して攻撃を受けないようにカバーを使いながらゆっくりと前進して行くという風にすれば、難所でも易しく出来るようなゲーム性にはなってしまう。逆に敵が攻めて来るのを受けて守るシーンでは、引っ込んでばかりもいられないので難しい箇所となる。

 次に非常に面白い要素として加わっているのがSmoke Grenadeである。これはゲームの軍事アドバイザーからのアドバイスにより加えられた機能で、実際に戦争中は頻繁に使われた物だそうだ。これは名前の通りに投げてからしばらくすると煙幕となる煙を充満させて視界を遮る機能を持ち、敵の攻撃を遮断する事が出来る。具体的には戦車やMG42を含めて敵の攻撃が激しくて近寄れない時に投げてやり、攻撃が止まっている間に突っ込んで行って倒すという戦法に使える。「Smokeが投げられているので突っ込んでも大丈夫だ」というのを味方AIが常に認識出来るのかは不明だが、少なくともプレイヤーに連れて前進するという設定の場所ならば、自分が前に出る事で味方も攻撃を受けずにSmokeの中を突っ切って進んで来るので、難所の突破には非常に役に立つアイテムとなっている。欠点としては煙が晴れるまでに時間が掛かるので、それまでは自分からも敵が見え難くなるという点。
 このSmokeは特定のレベルを除いては初期の4個しか使えないので、作戦的にも何処で使うのかという面で面白い効果を挙げている。あまり気軽に使ってしまうと後半困る可能性が有るし、出し惜しみしているとそこで何回も繰り返してのトライをしないとならないケースも。

 同じくアドバイザーからの意見として「あまりにも戦場が静か過ぎる」という批判が寄せられ、それに応じて組み込まれたのがBattle Chatter System(BCS)である。これは味方及び敵のAIが状況に応じてリアルタイムで様々な事を叫ぶという物で、単に用意された台詞を効果音として出すのではなく”状況に応じて”という点がミソとなる。
 予め録音された25,000行にも及ぶ台詞のデータをその場の状況に応じてちゃんと発声させるので、プレイヤーにとっても戦況を判断するのに役に立つようになっている。例えばMG42を見付けたらどっちの方向のビルの何回に居るとかをちゃんと教えてくれるし、敵の集団がスクリプトで出現した際にもプレイヤー達の部隊の現在の位置から見てどちらなのかをちゃんと判断して発声する。膠着状態が続くと「誰かSmokeを投げろ」と叫んだり、「どこそこに居る敵を何とかしろ」といった作戦的な発言も有り。これによって戦場に渦巻く怒号の迫力が単なる効果音以上の役目を果たしており、リアルさの表現に大きな効果を挙げている。


 戦闘その物の感触は回復システムによってちょっと変った物となっている。アウトドアにおいては、敵の弾を見て避けられるようなゲームではないし、多数の敵を一気に倒せるような正確性の高い武器を持っている訳でも無いので、それなりに慎重にライフルを使ったりして敵を減らしてやり、それから味方と突っ込んでクリアというパターンが多い。しかしインドアの狭い場所での戦闘だと、ちょっと隠れてしまえばHPが無限回復するので結構簡単になってしまう傾向にある(Regular)。よって正面からのド突き合いで突破するランボースタイルになる事もしばしば。動きながらだと照準は消えて命中率は落ちるが、それをカバーする位に近付いて連射する戦い方も多くの場合可能なので、それで何とかなってしまったりする。その意味でインドア戦はリアルさが消えてゲームっぽくなっている感は否めない
 弾薬は死んだ味方から拾ったり出来るのでそれほど気にする必要は無いし、もし無くなったら武器は似たような物が幾らでも拾えるので問題無い。ただSniper Rifleの様な特殊な武器は、途中で見付けて拾えると大きく状況を変えたりする効果は持っている。武器のダメージではRifle系の威力が高く、特にボルトアクションの様な連射が効かない物ほど単発の威力が高いという御馴染みの調整がされているらしく、それでいて最大の弾数は多いので場合によってはRifle系は強力過ぎるという感もある。

 しゃがんだり伏せたりする事で正確性は増せるのだが、実際にはそれが行える場所はそれ程多くは無い。障害物の陰でしゃがんでしまうと前が見えなくなるので立って撃たないとならないケースも多く、Proneは更に視界が限られるので行なえる場所は限定されて来る。特にNormalだとそこまで気を使わないとならないケースは稀なので、立ったままでLeanで済ませてしまうというケースが多い。その意味ではスピーディーな展開のゲーム性となっている。

 Grenadeも戦闘では大きな役割を果たすようになっている。その破壊力は高く、近距離で爆発すれば赤い警告エフェクトを見るまでもなく即死する。攻撃面から見れば同じく大きな破壊力を持っており、また敵はこちらのGrenadeに気が付かない事も多いのでより効果的となっている。しかしこのGrenadeがあまりに頻繁に手に入るので、(最大所持数は4個までだが)乱発が可能となりゲームバランスを崩しているという印象を受けるのも事実。それが面白く無いと思えば自主規制すれば良いので大きな欠陥までにはなっていないが、やろうと思えば次々に投げ込んでの攻撃も可能になっている。
 反対に防御面からも厄介な存在となり、付近に落ちた場合に警告のインジケーターは出るのだが、問題は警告範囲内に居たからといって常に即死する訳ではないという点。ダメージだけなら回復するから問題は少ないし、近距離でも障害物越しならば別に関係無い。だが激しい戦闘中とかエフェクト等で落ちている位置が確認出来るとは限らないので、警告が出た際にどうするかというのが少々難しくなる。常に表示が消える場所まで逃げれば安全ではあるが、一々そんな事をしていては攻撃に集中出来ないし、敵が結構Grenadeを多用する傾向にあるので余計に安全策ばかりでは進まなくなる。よって一か八かで避けずに攻撃を続けるというケースも増え、失敗すれば死亡でやり直しというケースも出て来てしまうようになっている。

 ESRBはTeenのレーティングだが、敵に当たった際のBlood表現のみは有るのと、ちゃんとリアクションを取るので当っているのは判り易いし、銃を撃っている感覚も優れている。流行の物理エンジンは必要性を感じないという事で使用しておらず、死体の表現にはラグドールではなく旧来のアニメーションを使っている。その為に一度倒れてから起き上がるというケースも多く、今回は武器を落として倒れた後にその状態からピストルで反撃して来るという動きも有るので、ちゃんと死亡したのかの確認をしないとならなくなっている。

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