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シ ス テ ム

キャンペーン
 これまで同様の4種類から選択可能(Recruit, Regular, Hardened, Veteran)。最初のチュートリアルでのルームクリアのテストの成績によって推薦難易度が表示されるが、別に無視してどれを選んでも構わない。

 ミッション途中での難易度変更は出来ないが、ミッション個別選択のリプレイ画面からは自由に難易度が選べるので、そのミッションの最初からなら難易度を変えてやり直せる。


セーブ&ロード
 チェックポイントでのオートセーブのみで、任意の場所でのセーブはクイックセーブを含めて一切不可。セーブデータも一個のみを順次更新して行く形式なので、任意のオートセーブ地点に戻るという事も出来ない。

 一箇所しかセーブデータを持たないゲームの問題点として、悪い状態でセーブされてしまうとデッドエンドになるというのがある。このゲームはチェックポイント方式+自動回復なので、エリア間の中間地点でヘルスが完全に回復している時にセーブするようにすれば良い訳だが、それでも時間制限の設けられたシーンが問題となる。例えばゴール地点の前のセーブポイントにて残り30秒でセーブされたが、もう物理的にそこから30秒ではゴールには到達出来ないといったケース。

 リプレイ時に気が付いたので全てがそうなっているのかは未検証だが、CoD4では各セーブポイントに設定された「ここからはこれだけの時間があればクリアは可能」という時間を下回ってセーブポイントに到着した場合、セーブ自体が行われないようになっている。例としてゴール地点まで10分の制限時間でA, B, C, Dの4つのセーブポイントが用意されており、それぞれに8, 6, 4, 2分という時間が設定されているとする。最初のAポイントには残り9分で到達したのでセーブが行われたが、次のBポイントには残り5分で着いたのでセーブが行われないという風になるので、プレイする人によってセーブされる回数が変わって来るという意味。よって時間制限の設けられた場所でどうも長い時間セーブが行われないと感じられるなら、無理にでも急いで進めてみるべきという判断になる。


OBJECTIVES
 プレイ中のHUDにはコンパス表示は無くなり、大まかな方向と距離を示すガイド用のバーが表示される形式になった。目標物に直接相対すると点滅表示となる。ESCで抜けて現在の目標を文章で確認する画面からなら、具体的なマップとしても参照が可能になっている。時にはこのミニマップが直接表示されて具体的な場所を知らせる事もある。


EXTRAS
 ゲームをクリアするとハイスコアを競うArcade Modeがアンロックされる。これはゲーム全体を通してと、ミッション個別のチャレンジが用意されている。死亡の管理はライフ制になり得点に応じて1UPして行くシステムで、これが無くなったらゲームオーバー。またミッション別に制限時間が表示されており、その時間内にクリアしないとならない。ミッションをクリア出来なくても得点自体は得られるが、クリアすれば残ライフ数、残時間、難易度に応じてボーナスが加算されるようになっている。


 マップ内にIntel(情報)としてノートPCが隠されており、全30個の内で回収した数によってクリア後にチートがアンロックされる。これはリプレイ時に回収しても構わない。ミッション開始後にメニューに戻ると[Cheats]のメニューにアクセス可能になり、ここで選択が可能になっている項目をON/OFF出来る。ただしグラフィックスの雰囲気を変えたりといった項目が多く、一般的な意味でのチート項目は少ない。(無敵の様な普通のチートは別に存在している)。


英語
 字幕機能有り。英語が理解出来ないとクリアが困難になるようなゲームではないのだが、英語でリアルタイムに指示が出されるシーンがそこそこ含まれており、それが理解出来ないと若干不利になるという面は持っている。一緒に居るキャラクタから「何々をしろ」、或いは「何々をするな」という指令が出る事があり、それが判らないと失敗してやり直しになるケースも考えられる。失敗してゲームオーバーになった際には理由が表示されるし、セーブ間隔が短いので英語が理解出来ずに失敗となってもあまり気にはならないと思われるが、一応英語が苦手という人への注意点として書いておく。


COMBAT

*所持武器は2つまでで、敵の落とした物を拾う事も可能
*初期所持武器はミッションにより固定(設定が連続している時は持ち越される)
*発射モードの切り替えは無いが、グレネードランチャーへの切り替えは装備していれば可能
*アイアンサイト(ズーム)有り
*姿勢は左右へのリーン, 屈み, 伏せが可能
*照準は姿勢によって小さくなる。動くとかなり大きく広がる仕様。
*グレネードは持ち替えるのではなく専用のキーで投げる方式
*一定時間スプリント可能だがその間武器は撃てなくなる
*スナイパーライフルは一定時間息を止めて安定させられる

 ミッションによってはC4やClaymore(指向性対人地雷)を所持しており、使い方によっては非常に役に立つ。または空爆要請やヘリの支援を呼ぶ機能が使えるケースも用意されている。

 グレネードはFragと特別なタイプ(普通はFlashbang)を4個まで所持可能。コッキングして投げる事が可能で、敵が投げ返す能力を持っているのでこれを使わないと投げ返される可能性も出て来る。敵のグレネードはインジケータで位置が示される方式で近くに居れば投げ返しも出来るが、タイミングが遅れると持ったまま爆発する事も。グレネードは一気にダメージを与えるので、このゲームのダメージ管理システムからすると危険な類の武器となっており、実際に死ぬ時はこのグレネードという割合が高くなっている。


 ダメージの扱いはCoD2の自動(無限)回復方式を受け継いでおりヘルス値の表示は無い。連続してダメージを受けると画面が段々と赤くなって行き危険を知らせるので、隠れて回復を待てばフル状態まで何回でも復帰が可能である。実際に計って比較した訳ではないが、CoD2よりもやや多くの被弾に耐えられるのではないかという印象。その代わりに赤くなった時点から完全に元に戻るまでの時間もその分長いように感じる。それと画面が或る程度赤くなってしまった時点でもう前が見え辛くなり、加えてノックバックで画面が揺れたりブレるエフェクトが入ったりもする。よって緊急事態以外はギリギリまで粘ってから隠れるというのは難しく、早めに隠れて短時間で回復させまた攻撃を開始という形が多い。


 アイアンサイトの方が精度が高いのは言うまでも無く、出来るならばこれを使うべき。ただアイアンサイトにしないと当たらないという設定ではなく、近中距離戦では腰撃ちでも十分に命中する。しかし連射すると銃への反動と照準の広がりが大きくなるので、手動でバースト射撃を行う必要は出てくる。
 マガジン内の弾数はWWII時代の物に比較して多くなっているようだが、連射速度もアップしているのでリロードのタイミングについては大して変わらない。リロードの速度も若干長めなので、敵との近距離戦においては起きてしまうと不利となる。それと近年の流行に追随してHUD表示項目を減らすようなデザインとなっており、通常はマガジン内の残り弾数が見られない点は気になった。

 Blood表示は当たった時のみ。今回は銃弾の威力が高いので死亡までにそれ程当てる必要が無いのもあるのか、被弾した時に敵が行うダメージのアニメーションは簡素化されているように感じられる。他にはこれまでは必要無い(アニメーションの方が優れている)としてきたラグドール表現が採用されているが、結構オブジェクトとの重なりが見られたりと精度の方は今一つ。


 個人行動のミッションは原則的には存在せず部隊行動が基本。部隊への指示コマンドは用意されていない。Friendly Fireは不可で、誤射は許されているが殺してしまうとどんな場合でも即座にゲームオーバーとなる。これはグレネードや空爆の失敗でも同じ。隊員の生死の扱いについては悩んでいるとしていたが、結局SASの固定メンバーは不死身の扱いとなった(途中での人員補充が難しいので)。その他に出て来るメンバーや、米軍ミッションでは死ぬと補充メンバーが背後からやって来るという形式に変わりはない。


 戦闘面でのこれまでのシリーズ作品との変化としては、銃の命中率がかなり高くなったのがまずは目に付く。これはIW側も話していた点で、WWII時代に比べて武器の性能(命中率・安定性・装弾数等)は上がっているし、扱う人間も一般から徴兵された名も無き兵士から厳しい訓練を受けた特殊部隊所属への兵士へと変わっている。よって銃の破壊力や命中率は増しているという事だったのだが、想像していた以上に当たり易いという印象で、特にアイアンサイトを使用した中距離以上の攻撃にてそれは顕著である。

 WWII物においては近距離ではThompsonの様なサブマシンガン、離れたらM1 Galand等のライフルに切り替えて狙うというスタイルだったが、今回はメイン武器をズーム視点にすれば相当的確に命中するので、それ一丁で十分に戦えるようになっている。よってサブとしてショットガン, スナイパーライフル, ヘビーマシンガン等の特定のシチュエーションで使う武器を持つというのも可能になった。サブマシンガンとライフルという組み合わせがほぼ定番となっていたこれまでと比較すると、二丁の武器の選択のバリエーションが増えた分面白くなっていると言える。なお武器の種類は30種類以上で全て実在する物。ただしサブマシンガン&アサルトライフル系の武器は使っていてもその差が分かり難いという面も持っており、狙い易いし原理的にも命中率が高くなるダットサイト装備の武器に偏りがちとなって、そちらの方の使い分けはあまり面白味が感じられなかった。


  弾丸には運動量によるオブジェクト貫通の概念が加わり、薄い障害物についてはそのまま撃ち抜く事が可能となっている。よって木で出来た壁や床を撃ち抜いて敵を倒したりも出来る。これは最初敵のAIも使えるという設定だったそうだが、テストの結果面白くならないのでシングルプレイではカットされた(視覚効果のみは残されているが、結果的に隠れている自分の位置を知らせるだけとなっている)。これは意識して使うと隠れた敵を倒せるし、意外に撃ち抜けるオブジェクトは多いので有用である。プレイヤーだけが使えるのでズルイという気もするが、戦闘時のアクセントとしては面白い要素に感じた。
 それとカバーとして使う障害物が爆発する可能性を持っており、例えば車両系は安全なカバーとしては使う事が出来ない。敵が近くに居る時に爆発に巻き込んで攻撃するのに便利だが、自分自身も爆発で即死するので注意しないとならなくなっている。


 CPUの性能の向上に伴ってか、同時出現するAIの数は増加しており大規模な戦闘の演出に有効に働いている。狭い範囲内にかなりの数の敵味方が入り乱れての戦闘シーンが増えているので、戦闘シーンのアクションは過去作よりも激しい傾向になっている。しかし反対に演出として広範囲で戦いが行われているという雰囲気は無くなった。遠くから砲火が聞こえて来て付近一帯で戦争になっているという設定のWWII物とは異なり、プレイヤーの居る地点のみで戦闘が行われているという感じになっている。

 なお敵の出現はプレイヤーが前に出てトリガーまで達しないと無限湧きとなっているシーンもあるし、到底倒せないレベルの数が襲って来るので戦いながらそれが消える地点まで逃げないとならないという場面も有る。その辺が判らないと、戦う必要の無い敵の相手をして無駄に突破を難しくしてしまうという可能性もあり、どうも異様に突破が難しいと感じたら「ここは正面から戦う事を制作側は意図していないのではないか?」と疑ってかかり、別の攻め方やルートを探してみる事も必要になる。


 敵のAIについては特別な進化が感じられず、一新したというAIの思考ルーチンには疑問も感じられた。同時出現数が多い分、個別のAIに負荷は掛けられないという事なのかも知れない。ある程度周囲のオブジェクトをカバーと認識して使ったり、ランダムなルートを選んで動くので戦闘を繰り返しても全く同じ様にはならないという点は良くなっていると思う。だが固定された地点を動かないAIもまだ結構見受けられて、この点については期待していた程では無かった。


 総合的には攻撃が当たり易くなり、武器の破壊力も増しているので爽快感はアップしている。数多くの敵を素早く倒して行くゲーム性に移行しており、現代戦となってより激しいアクションを主体としたFPSとしては、上手くそれにマッチした変化をしていると思える。革新的な要素は含まれていないが大きな問題点も無く、そのまとめ方はなかなか良く出来ていると感じさせるレベルにあると言えよう。

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