BASICS |
*所持武器は2つという制限あり *近接攻撃あり *武器のアタッチメント(グレネードランチャー)&タクティカル・グレネード(スモーク等)が使える場合にはコンパス部分に表示が出る *アイアンサイトを装備 *左右へのリーン, しゃがみ, 伏せ動作が可能 *スプリントとスナイパーライフル使用時の息止め(揺れを抑える)が行える *スプリント時に伏せ動作によりヘッドスライディングになる *照準はしゃがみにより縮まり、移動と連射で広がる仕様 *グレネード・インジケーターは距離に応じて表示が薄くなる仕様 HPは自動回復方式。その表現は画面周辺部が濃く赤くなって行く方式では無く、画面全体に血痕が飛んでボヤけるというMW2風のダメージ表現になった。何箇所かは蓄積型のダメージを採用しているパートもあるが(搭乗兵器やガスマスク)、これはチェックポイントに戻ると全回復するのでデッドエンドにはならない仕組み。 武器の種類はかなり多く、敵の落とした物を拾う事で様々なタイプを使用可能。難易度Regular程度では武器の選択は大して重要ではなく、同類ジャンルの武器ならば好みで選んでも問題は無いレベル。弾薬も十分に有るし、もし無くなれば落ちている物と交換すれば良いだけで弾切れの心配は無い。命中率に関しては昔なので精度が低いという設定ではなく、MWと同じ様にアイアンサイトであれば当たり易い。私自身は銃器に疎いので、歴史的に見ての仕様の正確性や銃器の性能のリアルさなどは解らない。 特殊な武器としては限定された場面でしか使えないが、Death Machine(ミニガン), Dragon's Breath(燃焼弾を放つショットガン), Crossbow(2ndaryで爆弾付きの弓を放つ)等が用意されている。ロケットランチャーやスナイパーライフルは、必要な場所で近くに置いてあるか自動的に所持した状態になる仕組みなのは今まで通り。こういった特殊な武器を使えるシーンは変化が感じられて面白い。 アタッチメントによるグレネードランチャー機能への切り替えや、スモーク及びフラッシュバンの使い所が重要という点は最近のシリーズ作品と同様。難所を切り抜けるのに役立つ事が多く、途中でも追加が手に入るのかは未確認だが、少しは温存しておかないと困った事になる恐れもある。 FFのルールについては不明。誤って撃ってしまうまでは特に問題は無し。殺してしまった場合には、何も起きないケースもあれば、「FFは許されていない」というメッセージが出てゲームオーバーになるケースもあり、チャプターによって設定が異なるのだと推測される。一般人が逃げ惑うシーンもあったが、撃ってしまうとどうなるのかは未確認である。なおMWシリーズとは異なり、舞台が過去設定なので米軍兵士とベトコンは明らかに服装が違う等、銃撃戦における敵味方の区別は比較的付け易い。 敵への攻撃の命中はハッキリとした赤い血の飛び散りで表現されるので、薄い血煙の様なゲームに比較すると離れていても判り易い。被弾時のアニメーションもちゃんと用意されている。英語版では攻撃や爆発によって四肢が千切れたりするシーンが含まれるが、それ程視覚的にリアルで残酷な表現にはなっていない(参考画像)。どちらかというとプレイヤーが見物に回る殺害シーン等の方が見た目に残酷である。総合的にはWaWに比べると控え目になっているのは確か。 |
COMBAT |
戦闘の難易度はRegular(Normal)ではその名の通りに標準的なバランスだが、WaWよりは簡単になっていると感じられた。WaWでは塹壕をスモークを炊きながら進めるミッションや議事堂前の無限沸き等、他のパートよりもかなり難しくなるシーンが幾つか含まれていたが、今回は全体的に難易度がフラットな設定でその上下幅が少ない。これはMW2でも感じられた事だが、Regularを選ぶ様な人は物凄く苦戦したいとは考えていないと思われるので、ストーリーのテンポを考えて流れを優先し、長時間詰まる様なポイントを設けないという事にしたのだろう。難しいのが好みの人にはちゃんとその為の難易度が用意されているし、そう設定しても特に問題にはならない。 基本動作としてMW2でカットされてしまった左右へのリーンは残されている。自軍と敵側がある一線から向かい合っている場合、自動回復方式だとプレイヤーが相当有利になってしまうので、前作WaWではカバーからプレイヤーを燻り出す為にグレネードを投げ込むという方法が使われたが、それがあまりに頻繁という点が問題視されていた。その批判を受けて今回はその様なグレネードスパムは無くされている。代わりにプレイヤーが前方だけではなく周囲から囲まれて攻撃されるというシチュエーションが増えているという印象で、カバーに隠れてリーンしても側面や後方から撃たれたりするので安心は出来ない。またこのゲームでは撃たれた際の反動が大きめで銃身が動いてしまう為に、リーンしていてもあまり長時間は正確な射撃を続けられないという風にもなっている。 伏せの動作が相当効果的という特徴は変わらず。このゲームでは命中率を高くするという目的ではなく、敵の弾が当たらなくなるという意味で伏せが重要になっており、難所では伏せて進むというのが有効に働くケースが多い。 プレイヤーが単独で行動するシーンはほとんど無く、数人の特殊部隊仲間との行動か、他に沢山の兵士が一緒に居るというパターンが半々程度。この手のゲームでは昔からの問題点として、周囲の仲間がある地点でピタリと停止してしまい、プレイヤーがそこから前進してトリガーとなる地点まで達しないと動き出さないという、露骨に“プレイヤーが特別な存在”というゲーム的な面をさらけ出してしまうというのがあった。その点このBOでは、トリガーとなる地点が最前線よりも後ろに在るというケースが多い。 つまりプレイヤーが前進すると、それに合わせてAIも前進してプレイヤーよりも前に出るという形で動くパターンが増えたので、その前線よりやや後方から攻撃を行えるし、不自然な印象も大分解消されている。また味方の特殊部隊員は射撃能力が結構高い上に無敵なので、難しい場所では後方に引き気味にして仲間に戦闘を任せる事で片が付いてしまう事もしばしば。よって自分が大半の敵を倒さないとならないという不自然さは薄れているが、逆に自分が頑張って活躍しなくても先に進んで行ってしまうという風にもなったので、ゲームとしては物足りないという面も感じさせられる。 ミッションのロケーション及びシチュエーションは多岐に及び、同じチャプター内においても目まぐるしく状況が変化する中でのプレイになるので飽きさせない。ただしあまりにも話があちこちへと飛ぶので散漫な印象も受け、一つのしっかりとした流れを持ったキャンペーンをプレイしているという気がしない。操作するキャラクタが同一ならばまだしも、それすらコロコロと変わるのでチャプター毎に集中を切られてしまう。バラエティさは確かに重要だが、同時に統一感も重要であると感じさせられるゲームである。 そのバラエティさの一端を担っているのが各種Vehicle系で、定番の車両や戦車に乗り込んでの各種戦闘を始めとして、ヘリでの戦闘シーンやボートからのロケット攻撃、バイクでの疾走シーン等、歴代シリーズの中でも一番ではないかと思われるほど数多い。中にはSR-71 Blackbirdから地上の部隊に対して指示を与えて進行させるというシーンも含まれている。 その他では一部のミッションにて、敵に襲われた際のボタン連打のQTEあり。ドラマチックな演出のシーンではMW2の様にスローモーションの中での戦闘も用意されている。 敵のAIはタイプによって挙動が異なり、例えばスペツナズとベトコンでは大きく異なる反応を見せる。他にはJuggernautと呼ばれる耐久力の高い兵士も稀に登場するが、MW2の者よりは簡単に倒せるようになっている。AIの基本的な能力としてカバーから時々顔を出しながらの攻撃や、腕だけを出してのブラインドショットが可能。持ち場を離れて動けるかどうかは初期設定によって変わるようだ。同時出現する敵味方のAI数はかなりの数を実現している。大きな問題点としてはWaWでの「敵味方AIのすれ違い」が修正されておらず、すぐ側を通った敵をお互いに見過ごして通り過ぎてしまう事が見られる。特にObjectivesが片付いた時に残されたAIが、次のポイントへの移動を優先してしまって発生するようだ。 戦闘全般に関するまとめ。WWIIを離れたので、今では見掛けない当時の性能の低い武器を使って戦うという面白さは無くなった。武器の命中率が高く設定されているので、近距離はサブマシンガンで中距離以上はライフル系といった使い分けの意義は薄れ、アサルトライフル一丁でほぼまかなえて、特殊な状況のみスナイパーライフルやロケット(グレネード)ランチャーを使用するというMWの様なゲームとなっている。 2つの武器の選択自由度が高ければ使い分けが出来て面白いと思うのだが、特殊な武器を使用可能なエリアは限定されているし、置かれている数々の武器の中から好みの物を選んで戦えるというシーンも少ない。落ちている武器をいろいろと持ち替えてプレイは可能だが、最新武器が登場するMWシリーズにおける様々なアタッチメントによる性能の変化要素が無く、同一ジャンルの銃器は大きく使用感が変わる訳でも無い為、武器の使い分けの面白さが低下しているのは欠点と言えよう。 もともとこのシリーズは純粋に戦闘の面白さを追求したゲームでは無く、戦場の雰囲気で楽しませるという面が強い。広々とした戦場に敵味方合わせて大量のAIを配置し、迫力のある大規模戦闘を体感させて楽しませるという方向性である。例えばF.E.A.R.やS.T.A.L.K.E.R.の様に、高度なAIとの戦闘その物が面白いというゲーム性では無いし、モンスター系とスピード感を持った激しい撃ち合いをするタイプとも異なっている。 しかしその点で今作は比較的大規模な戦闘が少な目で、狭いエリアをクリアして行く少人数チームによる行動が増えており、広い戦場の真っ只中という雰囲気は抑えられている。普通のFPSと同じ様なシーンが増えたので、そうなると戦闘自体がとても面白い訳でも手応えがある訳でもないので、単純に目の前の敵を撃っては先に進んでいくという流れ作業的なゲームになってしまうのは否めない。一応難易度を上げる事で、「それを突破する達成感=面白さ」にする変換する方法はあるが、これは一般的なプレイヤーには向いていない。 制作側もその辺は解っているのか、矢継ぎ早にイベントを発生させたりロケーションを連続させずに次々に切り替えたりと、サービス精神旺盛でプレイヤーが飽きない様にしている。だが確かに「飽きない」という意味ではその多彩な変化は功を奏しているのだが、通常の銃撃戦自体に魅力は特に感じられないという根本が変えられる訳ではない。確かに流れに乗せられて最後まで進められるが、その「流れに乗る」という感覚が強過ぎて、自分が戦ってクリアしたという感触が薄いゲームになってしまっている。ゲームプレイの項でも、「傍観者の視点から見ている様で、主観視点だが自分自身が操作しているという感が希薄」と述べたが、それがこの戦闘面での同様の問題との相乗効果となって、より一層他人事の様なプレイ感を生み出している。 |