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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はRecruit / Regular / Hardened / Veteranの四種類。前作と同様に難易度は最初に行われる射撃テストでのスコアによって決められる。終了後に推奨される難易度が表示されるので、それを受け入れても良いし、拒否して好きな難易度を選び直しても良い。或いは自分のやりたい難易度に匹敵するスコアが出るまで再チャレンジする事も出来る。

 チェックポイントにて難易度を変更可能だが、その際には“Lower Difficulty”(難易度を下げる) という選択のみが行える。難易度を上げる or 一度下げた難易度を戻すには、アンロックされたチャプター一覧から難易度を選び直して、チャプターの最初からプレイする形になる。


セーブ&ロード
 チェックポイント方式。一箇所のみを上書きするスタイルで、後はチャプター単位でのリプレイが可能。


OBJECTIVES
 ポーズ画面で目標の進行状況を確認出来る。また同画面にて近場のマップ表示も行える。プレイ画面上には、常にではないが具体的な目標位置と距離を示す印や、隊のリーダーを示す“Follow”のガイドが出たりする。


EXTRAS
 マルチプレイ用に2つの有料DLC、『Stimulus Package』と『Resurgence Package』がリリースされている。


英語
 字幕機能有り。仲間から台詞での指示が出される事が多いゲームで、またリアルタイムでの反応が要求されるシーンも数多く出て来る。指示は「XXをしろ」という様な物も在れば、逆に「XXするな」というケースもある。よって英語での指示が解らないと、するなという命令に反してやってしまいゲームオーバーになるケースも出て来る。同じく時間を急ぐ場面で指示が理解出来ずにモタモタしていると不味いというケースもある。

 ただし親切な設計になっており、この様な素早い判断を要求されるシーンの前ではセーブされるので、失敗してもすぐにやり直せる。仮に英語が全く理解出来ないという人でも、繰り返し失敗している内に「こういう風にしろという意味ではないか?」と推測する事は出来るはず。


GAMEPLAY
 3つのエピソードに分かれており全18チャプター。難易度Regular(Normal)で7時間程度。短さについてはシリーズを通して不満の声が出ていたりするが、いつも通りに「無駄に長くするよりは短時間でも濃い内容を」という姿勢。それと今回はキャンペーン以外にSpecial Opsという別のオフラインでプレイ可能なモードを設けているので、そちらを合わせるとかなりの分量になる。


 前作では2人のキャラクタを操作したが、今作ではプレイヤーが操作する事になるキャラクターは4人。場面転換はより目まぐるしくなり、米国を中心に世界各地で発生するイベントに参戦する事になる。操作可能なキャラクタ以外にもいろいろな人物が登場し、ストーリーを盛り上げるようになっている。ただし操作キャラクタが頻繁に切り替わるので、他人を操作しているという感覚が強くなっているのは否めない。自分がゲーム内の世界に参加しているという没入感は弱く、第三者視点から映画を眺めているかの様な印象を受けるゲームである。


 そのストーリーは良く言えば映画的な壮大な物で、最初から予想がつく「敵の親玉マカロフを倒す」という単純な構造にはなっていない。だがあまりにも内容が荒唐無稽過ぎて現実感が無いというのも確かである。登場人物が多い点と“とんでもない展開”を含む事から、これまでのシリーズ作品に比べると、内容を良く理解して追っていかないと解らなくなる可能性が高い。ただこれまでの概ね予測が付くようなオーソドックスな展開に比べたら、奇抜ではあってもある意味楽しめるストーリーにはなっている。

 IWでは「プレイヤーにストーリーを追う事を強制しない」という方針から、各チャプター冒頭の幕間のシーンではマップのロードが終われば何時でも飛ばせる仕様にしているが、今回に限っては幕間シーンでの会話内容を最後まで良く理解しておかないと、ストーリー展開に着いていけなくなる恐れがある。なお全体をスキップ可能な空港のチャプターだが、ここでの出来事はストーリー設定上重要な意味を持っているので、全部をスキップした際にその辺の補完説明は行われるのか謎である。いずれにせよプレイ中にも他のキャラクタが喋りまくって状況説明をしたりするので、その意味では理解し易い日本語版の方が優位とは言えそう。


 ロケーションは多彩で、各地の景観のディテールも非常に高いレベル。ゲーム内容に別に関係が無いエリアとか、プレイヤーが目にするのかも判らない隅々の部分に至るまでマップ内部は丁寧に作り込まれており、金が掛かっているなという印象。これまでの「壮大なスケールの割にはマップが狭い」という批判に答えるべく、今回の新IWエンジンではデータストリーミングの高速化を実現した結果、美しさは保ったままでマップを広くする事に成功しており、窮屈という印象を払拭している。ブロックされて行く事が出来ないという箇所も減少しており、進もうと思えば相当幅広いエリアにまでプレイヤーは到達出来る様にされている。

 売りであるイベント関連は今回も多彩。普通に銃撃戦を行うというだけではなく、スノーモービルでのチェイス, スローモーションになるブリーチ(爆破)しての突入シーン, スティンガーやジャベリンを使っての対搭乗兵器戦, 持ち運び可能なタレットを配備しての拠点防衛戦, 空爆要請やレーザーで戦車に指示しての共同戦闘, プレデター・ドローンを使っての戦闘, 時間制限の脱出シーン等々。通常の銃撃戦をあまり長く続かせずに展開を絶えず変化させて、飽きが来ないように構成されている。スリリングな展開でプレイヤーを惹き付けようとするという狙いは以前より変わっていないが、特に今回はイベントの配置や通常戦とのバランス、そして各イベント自体が良く出来ていると感じられた。在り来たりのイベントばかりが発生して単調という問題は改善されている。


 前作から変わったのがチェックポイントセーブの方式で、これはゲーム性に大きな影響を及ぼしている。アクションゲームでは普通、敵も居ないし何も起きないエリアの繋ぎ目でセーブが行われる。前作MWでもこれは同じだった。よって同一エリア内で「部分的な目的達成」の様な区切りが無い上に敵が多いという場合に、途中でセーブが入らなくなって難易度が大きく増したりする。前作で言えばTV局内, 農場からの脱出, 観覧車前での防衛等。

 そこでこのMW2では通常のチェックポイントセーブとは別に、戦闘の真っ最中でもセーブが行われる仕様に変わっている。詳しい条件は不明だが、倒した敵の数や経過時間によって実施される模様。数多くの敵相手に同じエリア内で戦闘している時など、不特定のタイミングで画面上にセーブ実施のメッセージが出る。なおセーブスロットは一つだけなので、不味いタイミングでセーブしないように、条件を達成しても「瀕死の状態」や「敵が自分を攻撃しようとしている時」などはセーブが行われず、危険な状態を脱してから保留されていた分が実行される仕組み。

 しかしこの方式は完全では無く、絶対にクリア不可能な状況で上書きセーブされてしまい、チャプターの最初からやり直すしかないという問題も発生している。具体的な一例としては、データのロードが終わるまでその機器を防衛するシーンにて、敵がその機器に触れてしまうとゲームオーバーなのだが、敵が近付いた状況で臨時のセーブが発動してしまい、そこからでは(自分が離れた場所に居るので)もう敵の接近を止められないので詰んでしまうという件。


 結果的にセーブが一分置き位に入る様な感覚で、難易度Regular程度では長時間詰まる難所がほぼ無くなった。先に挙げたような敵の多い場所は今回も登場するが、死んでもちょっと前に戻れるので詰まる可能性が低い。そもそも難易度Regular以下を選ぶ人は物凄い歯応えを期待している訳では無いので、それならばゲームが一定のペースで流れるようにした方が良いという観点からの変更だと推測される。難しさを求める人にはVeteranを用意しておけば良い。ただしこの変更もあって今回はVeteranが過去作よりも易しくなったと言う声が多い様だ。

 誤解の無いように書いておくと、戦闘自体は特に簡単にはなっていない。むしろ戦闘中に死ぬ回数は一般的なNormal難易度のゲームよりも多い位だと言える。チェックポイントセーブの間隔が非常に短いので、繰り返し同じ場所からのリスタートが少なくなり進行がスムーズという意味である。近年のアクションゲームでは高額の制作費を回収する為に、とにかく広範囲のユーザー層(普段ほとんどアクションゲームをやらない層)に対応しようとして、最も多く選択されるNormalの難易度をそういったプレイヤー向けに下げるというケースが目立つ。その結果アクションゲームに慣れたプレイヤーからすると、Normalだと滅多に死なないという状態で簡単に感じられてしまうという不満が生じる。

 MW2ではその問題に異なった形でのアプローチを試みており、上記の様に戦闘時の難易度その物は下げずに、セーブ間隔を短くする事で長時間同一地点で詰まないようにする、という設定にしている。どちらが良いのかは一長一短であり、この方式だと長時間のやり直しが無いので「強行突破してみて駄目ならもっと慎重にする」といったプレイになりがちという問題あり。だが個人的には死の緊張感が薄い難易度設定よりは、このMW2の様な方式の方が良いと思える。

BASICS

*所持武器は2つまでで、敵の落とした物との交換も可能
*初期所持武器はチャプターにより固定
*グレネードはノーマルとスペシャル(タクティカル)の二種類
*アタッチメント(グレネードランチャー)やクレイモア等が使える場合には画面下部にガイドが出る
*近接攻撃が可能
*アイアンサイトを装備
*(フルオート, セミオート等の)発射モードの切り替え機能は無い
*照準は屈みにより縮まり、移動と連射で広がる仕様
*左右へのリーン動作は出来ない
*屈み, 伏せ動作が可能
*短時間スプリント可能だがその間武器は撃てなくなる
*スナイパーライフルは短時間息を止めて安定させられる
*敵の攻撃方向にはインジケータが表示される
*ヘルスは自動回復方式


 弾薬の補給は落ちている武器の他に、マップによっては補給用のボックスが置いてある。見た目にあまり目立たないので見落とさないように。デフォルトで持っているグレネード類も補給出来るので、繰り返し補給しながら数多く投げ込むという作戦も可能。


 所持するグレネードはチャプターによって異なり、スペシャルグレネードを持っていないケースもある。スペシャルは持っていてもどれか一種類で大抵はフラッシュバン。最大で各4個所持可能。投げる際にコッキングして爆発のタイミングを早めたりも出来る。自分の近くに投げられた際のインジケータ表示機能を持ち、拾って投げ返せる場合にはハンドアイコンが出る。


 ダメージの表現は周囲から赤色が濃くなっていくという方式では無く、画面全体に血痕が飛んでボヤけるという風になっている。よってある程度ダメージを受けてしまうと、もうその時点でかなり前が見え辛くなる。

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