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GAMEPLAY
 チャプター数は全部で15個。難易度MediumとHardを切り替えながらで10時間程度。Mediumで通せば1時間以上は減。受けるのが自由なミッションを全部飛ばせば更に1時間位は減ると思うので、それなら7〜8時間程度でクリア可能ではないかと考えられる。だが別のキャラクタを使ってのリプレイが可能なので、それを行うのならばずっとプレイ時間は増える事になる。

 チャプターの構成としては最初の二つが操作キャラクタ固定の南北戦争パート。CH3以降は一つを除いてどちらでプレイするかを選べるようになる。その中でCH6と8は自由行動に設定されており、各3個の貼り出されている依頼の中から好きな物を選択して賞金稼ぎを行える。もしプレイしたくないならそれでも良く、そのまま次のチャプターへと進めても構わない。

 この自由行動のチャプターでは、戦闘場所の形状やシチュエーションを変更したりはしているが、基本的には他のチャプターと変わりない撃ち合いによって目標を達成するので新鮮味は薄い。金を稼げるのでプレイする意味は持っているが、単独行動になるのが目新しいくらいである。この二つのチャプターでは非常に広いマップが用意されてはいるものの、その中で何かのイベントが発生したりやアイテム探しが用意されている訳でも無く、たまに一般人を襲っている盗賊の類に出くわす程度で、それを倒しても特に意味は無いという設定。選択キャラによって展開が異なるといった変化を設けるとか、もう一工夫があっても良かっただろう。


 ストーリーには重点を置いており、それを説明するカットシーンはかなり多い上に長い。内容としては特に複雑ではないのだが、敵味方を含めてそれぞれのキャラクタに存在感を持たせるのには非常に効果的に働いている。その結果として各キャラクタの造形は良く出来ているという印象。特に敵役であるBarnsbyの狂気じみた言動や“嫌なやつ感”は秀逸であり、敵役としてキャラが立っており強い印象を残してくれる。

 主人公である二人の設定は凡そ正義のヒーローとは言い難い。時代背景もあるのでどう表現したらいいのか難しいのだが、「ダメ人間」とは言わずとも堕落した人間というのが適当か。当初の目的は破壊した家屋を復興する為の金を稼ごうという話だったのだが、旅先では酒と女に溺れてトラブルを起こし、人を殺してお尋ね者に。逃げた先のメキシコでは財宝を探す一味の一つと手を組んで、他のライバル組織と殺し合い。三男で神父(を目指す)のウィリアムの忠告には耳を貸さず、何時の間にか目的は家屋の復興ではなく単なる金儲けとなる。そして最終的には女の取り合いから兄弟同士での対決に発展するという有様。とてもその言動に同感出来るようなまともな主人公ではないのだが、ある意味非常に人間臭いストーリーでもある。

 なお最後に兄弟同士で対決になるというのはネタバレではなく、冒頭のカットシーンは女を巡って兄弟同士が銃を突きつけ合い対峙するという最後のチャプターからのシーンとなっており、そこからウィリアムの視点により全ての最初にまで遡って、彼の語りによる回想というスタイルでストーリーが進められる形式を採っている。

 付け加えると、ストーリーを説明するカットシーンやイベントは片方のキャラクタにしか見られない物が存在するので、完全にストーリーを把握するには両者でプレイしないとならない。それと前作の知識は特に必要とされないが、プレイ済みの方がより楽しめるだろう。


 マップは広いアウトドアが多いのだが、スクリプトによって一本道で進むスタイルなので、その広さを活かして自由に動き回れるような構造にはなっていない。確かに広さは感じられるが、単にその中を順に進んで行くという形になっている(CH6,8を除く)。勝手に進もうとすると警告を受けてしまうので、相方に付いて動くしかない。パートナーを連れ回して広いマップでの自由行動を可能にするというのも、ストーリーを追って進める為には盛り込み難いという理由なのだろうが、ちょっと残念に感じる点ではある。

 二人が異なったルートを移動していた前作に比較すると変化が付け辛いという不利さは持っているが、ロケーション自体はチャプター毎に様々な場所が用意されている。繰り返し出て来る街中などは時代的に変化が付け難いパートと言えるが、それでも天候を変えたりしてバリエーションを持たせているので飽きる事は無いだろう。


 ゲーム内容に関しては前作からいろいろと変化が見られる。前作は西部劇ファンが多いTechlandの趣味的要素が強く感じられたが、今回は良く言えば「洗練された」、悪く言えば「個性が減退した」ゲーム性になった。Techlandがゲームを企画・製作した後にUbisoftが代理店になった前作とは異なり、今回は最初からUbisoftが代理店である。その金を出している側の意向なのか、或いはTechland自身の判断なのかは不明だが、カットされたり修正された要素が結構ある。

 まずはステルス。これは難易度が高いとかシステム自体に問題があるといった理由で批判が出ていた要素で、移植されたXbox 360版では内容修正されたりもしていたが、今作ではほぼカットされている。戦闘オンリーでステルスを破るとゲームオーバーになるシーンは含まれていない(ステルスでの行動が有利になる箇所はある)。これはPC版がメインだった前作とは異なり、コンソール版がメインになったのでステルスは受けないという判断からだと思われる。

 続いては乗馬。こちらは早駆けモードにした際のコントロールが難しく、それでも時間制限が設けられた目的を達成しないとならないという設定だった。対して今回も乗馬シーンは出て来るのだが、時間制限内に馬に乗って何かを達成しないとならないというシーンは無くなった。単に乗って長距離を移動する際に使われるだけで、早駆け時の速度も低下してコントロールも簡単になっている。よって乗馬の技術はほぼ要求されない。

 ビリーのパートでは進める場所を見付ける為のルート探しや謎解き、またタイミングを要するジャンプアクション等が存在していたが、そういった要素は今回は出て来ない。ルートで一本道で迷う事はまず無いし、謎解きも出て来ない。

 他には殴り合いの拳闘もカットされている。

BASICS

*一人称視点固定
*拳銃は二丁, その他は両手持ち武器を1つ持てる(ライフルかショットガン)
*アイアンサイトが可能(二丁拳銃では不可)。照準は消えない仕様。
*銃の切り替えは円形のWeapons Menuを呼び出して、そこでマウスを動かしながらでも行える
*照準のサイズは屈みでは変化無し。移動と連射により広がる。なおセンターの部分は変わらず、その周囲の十字部分が変化する。
*敵に照準が合うと赤く変わる
*二丁拳銃使用時の照準は共通で一つだけ
*屈み動作が可能
*スプリントは無制限の様だが速度はかなり遅い
*階段では走れない(敵も同じ)
*ダイナマイトインジケーターあり
*ヘルスは自動回復方式。アーマーの類は無い。



 “Dual pistol auto aim”という機能を備えており、マウス操作でもこれは有効である。コントローラーを使用した際のオートエイム機能については未検証。これは二丁拳銃使用時で(つまり対象はレイのみ)、且つ敵と接近した時のみ働く(5m以内位)。照準の近くに敵が来た際に自動的に敵の頭に照準が移動し、その効果範囲内に居る間は自動的に追尾して動くというのが一つ。そして複数の敵が非常に近距離に入った場合、照準が二つに分かれてそれぞれの敵にロックオンされるという機能も在る。(ただし後者はほとんど発生するケースは無いと思われる)。デフォルトでは有効だが、設定画面から機能をオフにも出来るので好みで選択すれば良いだろう。

 対するトーマスは二段ズームの能力を持ち、ライフルをアイアンサイトで構えた際に、そのままの状態でいると照準が小さくなって行き2秒程度で完全に収束する。この状態ならば確実に狙った場所に攻撃がヒットする様になる。


 弾薬は敵が落とした物や、マップ内に置いてあるボックスから入手出来る。ただし開けられる箱のデザインは何種類かあるのだが、常に開く事が出来るとは限らないようになっている。


 攻撃の命中は赤い血飛沫と敵のリアクションで判別。当たっているのかは判り易いが、遠くの敵がカバーに隠れていたりすると良く判らないケースもある。ラグドールの方も搭載しており、走っている敵を倒すとちゃんとその勢いのままに転がって倒れるようになっている。ゴアや流血の要素は無くて、血溜まりが残ったりもしない。そしてプレイヤーの視界外の死体はすぐに消えてしまう仕様。これはいくら何でも消えるのが早過ぎだし、購買システムの項でも書いたように金を拾うのを難しくもしており、マイナス要素の一つになっている。

 物理エンジンはODE physics engineを改造して使用。ハードウェアでのアクセラレーションには対応していない。

CONCENTRATION MODES & DUELLING
 引き続きコンセントレーションモード(CM)が導入されているが、種類が増えて形式も変化しており、使用しているキャラクタによって能力も異なる

 発動には敵を倒して右上のメーターをフルにする必要があり、これはヘッドショットを決めるとより早くチャージされるシステム。前作では短時間待てば幾らでも繰り返し使えてしまうというのが欠点だっただけに良い変更だと言える。フルまで貯まると60からカウントダウンが始まり、0になるまでに発動キーを押せばCMがスタートする。CMの持続時間は残りカウント数に関係無く一定。

 制限としては敵が拳銃の射程範囲内に存在しない場合には使う事が出来ないし、発動した後はその場を動けなくなるので別の場所に移動して使い続ける事は不可能。なお発動と同時に拳銃に自動的に持ち替えるが、その際に弾がどれだけ残っているのかやリロードのタイミングは無視される。


 レイのCMは二丁拳銃を使ったタグ付け方式で、ハイライト表示される敵にマウスを動かして合わせるとその場所に赤印が付けられる。印の数は最大で12個までで、同じ敵の複数の場所に付ける事も可能。狙いは360度全方位に付けられる。その間はスローモーションになるが非常にゆっくりなので、敵に撃たれる可能性は低くなっている。発動時間が切れるかプレイヤーがタグを付け終わって自分から能力を切ると同時に、自動的に全ての標的に銃弾が撃ち込まれる。この時には一切のブレは起きずに100%その場所に飛ぶが、胴体のみ等の当たり所によっては死なない敵も稀に出て来る。

 トーマスのCMは発動されると画面が暗くなって自動的に敵に照準が合い、そこで発射ボタンを押した状態でマウスを引く動作をすると銃弾が発射される。その後射程範囲内の敵に対して自動的に次々と照準が移動するので、この動作を素早く繰り返す事で最大で6人までを撃つ事が出来る。こちらでは必ず敵は死ぬ様になっているが、持続時間がレイよりも遥かに短いので相当素早く発射動作を行わないと全弾は撃てない。それと射程範囲は180度という制限もあり。

 もう一つCo-op CMという物があり、これはイベントシーンのみにてスクリプトで発動する。典型的なパターンとしては、2人でドアの両脇の指定された位置に立つと二丁拳銃に持ち替え(トーマスはこの時だけ可能になる)、自動で蹴破って開ける動作が入ってからスタート。仕組みは前作のCMと同じで、スローモーションになった状態にて左右端から二つの照準が中央に向かって動くので、それぞれが敵に重なった際に右か左の該当するマウスのボタンをクリックする。ある程度は照準を動かせるので、動かしながら中央で合わさるまでの間に出来るだけの敵を撃てば良い。このモードでは普通の攻撃と同じ扱いになるので、当たった敵が必ず死ぬ訳ではない。



 Duellingとは西部劇では御馴染みの決闘であり、これは前作から残されている要素。ボス戦やマップの締めくくりに用意されており、自由選択ミッションを含めると10回以上登場する。必ず決闘前にはセーブが行われ、プレイヤーが勝つまではその繰り返しとなる。

 まず基本として合図と共にお互いが銃を抜いて撃つ訳だが、その際に手を銃に近付けておくほど早く抜ける。しかし合図前に銃に触ってしまうと、「No, No」と指を動かして手を離すアニメーションが入ってしまい、これはキャンセルする事が出来ない為に直前でやってしまうと負ける。なお決闘の際はマウスの設定感度に関係無く手の移動量は固定。

 銃を抜くと向かって右か下側に照準が現れてから左や上に向けて動くので、それが敵に重なって赤くなった瞬間に撃てば倒せる。銃を抜くのが遅れたり、発射のタイミングがズレると撃たれて負けになる。弾を避けるという要素は今回は無い。


 次に敵との位置関係。敵は右や左にランダムに何歩か歩き続け、こちら側も同じく左右に動ける。銃を抜く時点で画面上の敵の位置がスタート時と同じなのがベストで、左右に一歩ズレていると照準が現れてから重なるまでが遅れ、二歩以上ズレていると敵の姿がぼやけてしまい勝つのが困難になる。常に敵と逆方向に動き続ければ相対位置を保てるので簡単に思えるかも知れないが、動くと手が揺れて銃から離れてしまうので、なるべく動かないで最後の瞬間に位置が合っているというのが理想。

 手の位置については右横に置いて左に動かす派と、上に置いて下に動かす派、更には左斜め上に向けて抜くようにする派とかもあってどれが一番良いのかは判らない。また持っている銃のクオリティが高いほど有利という意見も見られたがどうなのか不明。敵の強さは格が上に設定されているボスほど早いはずだが、難易度によっても変化するのかどうかは定かではない。


 実際の感想だが、前作と同じで面白味や深みが感じられない単なるミニゲームという印象。簡単に勝てるかと思えば、同じランクと考えられる次の相手には二十回以上戦ってやっと勝てたりと、コツというか何が良くて何が悪いのかがハッキリと掴めない。今のはどの位上手く行っていたのかというフィードバックが無いのが最大の問題。例としてゴルフゲームのパワーゲージの様に、合図の瞬間にどの程度手が近付けられていたのかや、抜く時の早さがどうだったのかが視覚的(数値的)にハッキリと見てとれる様なシステムが欲しい。

 連敗中にコツを知る為にネット上を検索してもみたのだが、結構な数の「何回トライしても絶対に勝てない、と言うか銃を抜く事さえ出来ない」という質問が見付かる。それに対する回答はほぼ一致しており、「極限のリアクション速度を要求するような物ではないので、それは何か基本的な事を間違えている可能性が高い」として、上記の様な決闘のルールを説明する。だが質問した側は「それは解った上で聞いている」という感じで埒があかない。3回目の対決で発生するという人が多い事からバグではないかという意見も見られ、直前のセーブがおかしくなっているのでチャプターの最初からやり直すしかないとか、これもどうなのか未検証である。


 <参考> いろいろと試してみて、一応自分なりにこうすれば勝率を高められるというのを見付けたので書いておく。もし全く勝てないという人がいたら参考にして欲しい。「合図の前に出来るだけ手を銃に近付けておく」というルールだが、もう手をくっつける位のつもりにするのが良いようだ。つまり銃が抜けない場合、それは手を近付けられる距離を勘違いしている可能性がある。もっとベッタリというレベルまで手を寄せても大丈夫という意味。思いっきり手を近付けた場合、当然手を離すアニメーションが入って負けてしまう事もあるが、それはどうでも良いとして失敗は気にしない。手をゼロ距離と感じる位までに近付けておいて、合図が鳴るか鳴らないか位の瞬間に抜こうとする行為を繰り返すと、その内のどこかでピタリと成功して早く抜ける可能性が高まる。(敵によって事前の歩数はほぼ固定なので、合図のタイミングは掴んでおく必要がある)。加減は正直言って適当であり、初回で駄目でも何回かやっていれば勝てるという風で、テクニックではなく偶然上手く行くケースに頼るという感の方が強い。


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