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GAMEPLAY
 全15チャプター。キャラクターにはベンを使用して、難易度Mediumでのプレイで10時間。なおこれは最高レベルにまで到達して全武器のアンロックを目的としていたので結構な時間をアイテム探索に費やしており、また大量の全ムービーを飛ばさずに見てのプレイ時間となる。もしアイテム回収を気に掛けずに、またムービーも飛ばして進めるならば6〜7時間位のボリュームのゲームであろう。なお先にCo-opで一度クリアしていたが、それはあまり影響しなかったように思う。


 進行はほぼ一本道のゲームで、選択キャラクタによって異なるパートをプレイするという要素を持つのでリプレイ性はあるが、各キャラクタでのプレイにおいては分岐等は用意されていない。ロケーションは結構多彩で、過去作にも出て来たのと同じ場所が登場したりもする。しかし舞台が現代になった分だけ珍しいシチュエーションでのイベントや戦闘が減少しており、個性という点では後退して平凡になったという感がある。

 エンディングは4種類。グッドエンディングが一つの他に、各人が自我を押し通した場合のエンディングがそれぞれ一つずつ用意されている。グッドエンディングに到達するのはシングルプレイでは選択肢一つであり簡単。ネタバレになるので説明し辛いのだが、逆に他の三つへの到達条件は未検証なので、一回のプレイでチェックポイントからやり直せば全部視られるのかは不明である。


 三人の異なる視点からストーリーが語られるという構造は、このゲームの中でも特に良く出来ている点だという感想。別のキャラクタでのプレイによって、実はあの時に自分の知らない所ではこんな事が行われていたという驚きもあり、かなり良く練られたシナリオとなっている。ただしそこには大きな問題も存在しており、「その面白さは三人全員(もしくは少なくとも二人)をプレイして初めて理解出来る」のと「最初にベンをクリアしていないと効果が最大限に発揮されないが、そのベンのストーリーは単体では一番平凡」というところ。

 つまり最初にベンを使ってプレイし、それで止めてしまったプレイヤーにはあまり魅力的なストーリーには映らないと考えられるし、かと言って先にキムとエディーでは推理小説の解答を先に見る様な物で意外性が最大限に発揮されない。そしてハッキリ言ってしまうと、三回リプレイするほどゲーム自体は面白くないという根本的な欠点も在る。

 個人的には最初にCo-opでエディーを使ったが、駆け足プレイだったのでムービーはほとんど飛ばしておりストーリーを理解出来ない状態だった。そしてベンでじっくりとストーリーを追いながらクリアし、その後エディーを使った攻略動画で携帯電話の会話やムービー等のストーリーのパートを中心に再度確認してみてその面白さを理解。最後に残ったキムで通してプレイするだけの意欲はもう無かったので、こちらも動画でそのストーリーパートだけを大凡視て、その点については同様に面白いと感じられた。なので興味はあるがもうプレイは結構という方は、クリア動画を探してそれだけでもご覧になる事をお勧めする。


 しかしストーリー面が完璧という訳では無い。ストーリーが相当複雑な割には登場人物や用語の説明が足りないので、会話中に出て来る名称や用語の意味が理解出来ない事もしばしば。この辺は登場人物や用語まとめをマニュアルに記すとか、情報にアクセス出来るPDAをゲーム中に用意するとか、ストーリーを重視するのならばそこまでやって貰いたい。

 それとキャラクター自体は特に魅力的では無い。ベンは過去作のレイのコピーの様で個性が足りないし、エディーも性格はユニークだがキャラクタとしては実在感が薄くて印象に残らない。キムは海外製作ゲーム中の女性キャラクタの中では日本人に受けそうな容姿だと感じるが、4文字ワード連発で馬鹿っぽい感があって総合的には今一つである。


 マップはかなり広い所もあるが、自由に何所へでも行かれる訳ではなく、ほとんどのケースではカーチェイスのシーンでその広さを利用するというデザイン。エリアを離れようとすると「ミッションとは関係が無いので戻れ」という警告が出るのはともかくとして、場所によってはメッセージが出ると同時にゲームオーバーにされてしまうのは酷過ぎる設定である。

 乗馬での移動や戦闘に代わって導入されたそのカーチェイスだが評判は相当悪く、個人的にはそこまで酷いとは思わないが、面白いとは言えないレベルなのは確かだ。Co-opとは違って運転するのはプレイヤー固定となり、窓から身を乗り出しての戦闘が出来るのは3人以外のNPCが運転する一箇所のみというのがまず問題。乗馬の様に乗りながら攻撃という要素がカットされている。
 運転の方は一人称固定で他の視点は選べないので、周囲の状況を把握するには不利という設定。通るべきルートはドットで示されるが、距離が離れたりすると画面上からは消えるタイミングがあるので、画面上部のコンパスを併用しないとならない。そして車を急カーブさせると体が動いて視点がズレるので、それをマウスで修正しながら走る必要があるといった感じで、慣れないと上手く運転するのは難しい。運転中に携帯電話が掛かってくるというケースまである。

 単純なカーチェイスのセクションは難易度が低く、特に面白くは無いがストレスにもならない。しかし幾つかのセクションはちょっと難しくて、少しでも周囲のオブジェクトや通行人に当てたらそこでゲームオーバーという設定にて車幅ギリギリのうねった路地を運転しないとならないとか、或いはかなり先を走る車から一定距離離れたらそれでアウトという設定なので、ルートや一般車の流れを憶えるまでリトライの繰り返しとなるという所も出て来る。


 西部劇での定番だった決闘のシステムは当然ながら無くなっているが、拳による対決となるFist Fightは残されている。しかしこれが実に詰まらない出来映えで、戦略とかは無いに等しくただブン殴るだけ。ブロックせずとも適当に殴っていれば勝ってしまうし、面倒ならばパートナーの方に誘導してやればそちらで倒してくれる。自分の手の動きが非常に速いので殴っている感覚に乏しく、見た目的にも出来が悪い。


 ダメージ表現では四肢切断や頭部が吹き飛ぶゴアの要素は無し。命中時に血が飛び散るエフェクトが見られるのと、死体からの流血というレベルに留まっている。



 XPを稼いでレベルアップして、それで武器をアンロックさせるシステムにも問題がある。先に説明したように、このゲームではレベルを上げる方法がアイテム探し以外に無い(シングルプレイでは)。アイテム回収とそれを実績に結び付けるというシステムが人気なのは解るが、ここまで極端にしてしまうのはリスクが高過ぎる。コンソール版ほど実績に人気の無いPC版では尚更だ。それを集めてもゲームプレイ自体には影響しないのなら(ドッグタグや音声レコーダーの回収等)、実績に興味の無い人は無視すれば良いだけである。ところがこの方式だとアイテム回収を無視する人にはXPが一切入らないので、武器をアンロックする事が出来なくなる。この手のシューティングゲームではどれだけの武器にアクセス出来るのかは極めて重要な要素であり、敵が落とした物を拾う以外にないとなると戦闘時の面白さや多様性を損なってしまうのは確実。

 ただそうした理由は理解出来る。「協力しながらも、裏では敵対している」というユニークなCo-opのシステムを稼働させるには、参加者がアイテムの回収に力を入れるという状況を作り出さないとならず、そこで強制的にアイテムを探させる為にこうしたのだろう。参加者が3人とも「実績は無視しているのでアイテム回収などしない」という格好では意図しているゲーム性が生まれない。(ただし既に全武器をアンロックしているプレイヤーには、同様にアイテム回収の意味は無いという形になってしまう)。

 まとめるとCo-opを最優先にしているので、そこに新しいシステムを導入する為に「アイテムを回収しないとXPが得られない」というルールを作った。しかしその代償として、シングルプレイでアイテム探しをせずに先を急ぐタイプのプレイヤーにとっては、レベルが上がらないので選択可能な武器が少なくなり、ゲームに対する不満がより増加するという形に陥ってしまった。それでもCo-opの方が大人気で評判が良ければ試みは成功したと言えるのだが、Co-opの項で説明するようにそうはなっていない。


 最後にインターフェイスの問題として、ゲーム内のマウス感度を変更した場合にそれがオプション画面のマウス速度と連動しているので、感度を下げるとマウスのスピードが非常に遅くなってしまうという欠陥がある。要はコンソール版でのゲームパッド操作を前提としているので、オプション画面ではハイライト表示の場所をスティックで動かすという方式しか考慮されていない。よってメニュー画面では、キーボードを使ってカーソルキーとEnterで操作する事を余儀なくされる。(或いは非常に遅いマウスポインタで我慢するかだ)。同じエンジンで同じトラブルを抱えるDead Islandではこれを解消する為の外部製作ツールとなるHelperが存在するのだが、こちらにはその様な物は現状出ていない。

BASICS

*武器スロットは3個。1と2にハンドガン。3にアサルトライフル等を装備する。
*敵の落とした武器や置いてある物と交換が可能
*二丁拳銃モード(Akimbo)が可能
*発射モードの切り替えは無し
*照準のサイズが正確性を示し、移動で広がり屈みで小さくなる
*連射すると照準が広がるがそれはかなり大きめの設定で、また物によっては銃身自体がリコイルで動いて行くという風にもなっている
*敵に合うと照準が赤色になる
*敵の攻撃方向は銃弾のトレーサーとしても見られるし、実際に撃たれた際には大凡の攻撃方向も表示される

*カバーの概念は無し。左右へのリーンも出来ない。
*グレネードはフラグの一種類。5個まで携帯可能だが残り数は通常時には確認出来ない。
*スプリント可能で、スタミナの概念はなく無限に走れる
*ロケットやグレネード等の爆発ダメージを受けると引っ繰り返る。その後自動的に起き上がるアニメーションが終わるまでは操作出来ない。
*ヘルスは自動回復方式でアーマーの概念は無し


 弾薬は非常に簡略化されており、ハンドガン, ショットガン, ライフル, スナイパーライフルの4種類のみ。口径の異なる武器で弾薬種類を分けるという概念は無い。例えばSMG, アサルトライフル, マシンガンは皆同じライフルの弾薬を使用する。


 自前の物理エンジンを搭載しておりラグドール表現を持つが、その出来は他の物理エンジンと比べると低レベルである。オブジェクトに死体が重なったり、死体同士が干渉し合うのは他でも良く見られるが、このゲームではその頻度が多いという印象。更にこちらは滅多に見ないのだが地面との干渉も発生し、死体の一部が床部分にめり込んでしまったりもする。時にはスケキヨみたいになったりも。こういった死体をショットガン等で撃つと掘り出される様に地上に跳び出て来るのは見ていて面白いが、その完成度の低さが窺われてしまう。

 このオブジェクトへの干渉は生きているキャラクタにも一部発生し、戦闘中のキャラクターが周囲の木箱等のオブジェクトの中に入ってしまったり、道路を歩いている通行人同士が重なってしまったりも見掛けた。中でも困るのは先の地面への干渉が生きているキャラクターにも発生してしまうケースで、私のプレイの範囲内では3回。一つはそのまま出て来て問題無し。一つは次がカットシーンだったのでそのまま進めて復旧。最後の一つは最初のチャプターにて、コンパスには表示されているのにその場所には居ないというトラブルで、おそらく地面の中に完全に落ちてしまって見えなくなったのだと推測される。このケースでは以降のイベントが発生しなくなったので、チェックポイントからリスタートせざるを得なかった。こちらは参考画像

COMBAT
 まずはゲーム独自のシステムから解説。シリーズで御馴染みのコンセントレーションモード(CM)は今回も存在するが、キャラクタ別に能力が違うといった要素は排除されて単純化された。画面左上のメーターが敵を倒すと上がって行き、フルになったら任意のタイミングで発動させられるようになる。短時間スローモーションとなり、プレイヤー側の動作も同じく遅くなるが、照準を動かす速度だけはノーマル速度なので、素早く動かして撃つことで多数の敵を一気に倒せる技となる。また敵をハイライトして位置を見易くするのと、照準サイズが小さくなるという効果も含んでいる。

 しかし持続時間はあまり長くなく、また物凄く頼りになる能力という感じでは無い。そもそも通常戦闘時には「何としてもこれを使わないと辛い」という様なシチュエーションがあまりないので、その意味では過去二作に比較すると有り難みは減ったと言えるだろう。


 Team Entryは前作にもあったCMのグループ版。2〜3人の外形が表示される閉じた扉の箇所でのみ実施出来る。どこか好みのポジションに着くと自動的にハンドガンを構え(リロードしておくのを忘れないように)、パートナー達も位置に付いてからカウントダウン後に自動的に扉を蹴破る形で発動される。内部には多数の敵が待っているので、一定時間のスローモーション中に数多くの敵を倒すというのが目的となる。こちらは常に敵の数が多いので、役にも立つし通常のCMよりは面白い。一般人が多数混じって居る中で敵だけを選別して撃つという要素を加えた物も用意されている。


 Team Coverは一種の制圧射撃イベントで、固まって集中砲火を加えてくる敵の一団がまず用意される。ここでオブジェクトの陰に人間の外形が表示されるので、味方の援護射撃に乗じてそこに行くと自動的に屈んで隠れる。すると次のポジションが表示されるのでそこへとまた移動し、最終的には敵集団の側面へと到達するので、そこから攻撃して全員を仕留めるという風になっている。ただし敵の集中砲火が行われている為に、カバー表示に従ってオープンスペースを移動すると反って危ないというケースも在るので、無理に従わずに後方から攻撃しても構わない。




 アンロックさえ達成していれば選べる武器の総数はかなり多い方。各種ステータス比較も見られるのは親切設計と言える。だが初回プレイではそのチャプターにて持っていくと優位な武器が判らないという問題はある。二周目をHardでプレイという人なら最初から強い武器でも自由に選んで良いと思うし、そういう意図でのアンロックシステム(武器持ち越し)なのだろうが、最初からHardでクリアしてしまうと、アンロック後はより簡単になるのでリプレイ性が薄れるという欠点あり。普通はそれへの対策としてHardの上に最高難易度を設けるものなのだが、このゲームではそれは用意されていない。

 チェックポイントの間隔は割と長目で、結構前まで戻されたりもする。注意点は重要なシークレットアイテム回収に関する件で、よくある「一度取った収集系アイテムはその都度記録されて、以後二度とその場所には出現しない」という方式では無く、このゲームでは「チェックポイントに戻るとそれ以降の状況は全てリセットされる」という方式を採用している。よってアイテムを一度取得した後に、それよりも前のチェックポイントまで戻された場合には、再度アイテムをパートナーに見られないように確保しないとならない。うっかりもう戻れない場所まで進んでから気付いても遅いとなる。


 戦闘の感想について。武器は初回プレイのCo-opである程度はアンロックしていたのだが、前半戦はあまり強い武器は持たずにプレイした。選択したベンの特徴は近距離戦という話からショットガンを持ったりして臨んだのだが、このゲームでは近距離戦は難しいという印象。近付くと敵の正確性が高い上に、自動回復のヘルスの値がやや低いという設定なので、危ないから隠れようと考える段階を飛び越していきなり死んでしまったりも発生する。またスプリントがチョコマカと小股で小走りみたいに遅いので、危ないと感じて離れたオブジェクトの陰まで走って逃げるのも困難である。

 そこで距離を取ってみたのだが、二丁拳銃はフルオート連射さえしなければかなり正確性が高く、遠くからでも十分に敵を倒せてしまうのでその方が明らかに優位。よって無理して接近戦を挑むよりも中から遠距離戦に切り替えたが、それだと随分と楽になった。よってあえて得意武器だと設定されているショットガン系にこだわる必要は無いと思う。

 他の現代を舞台にした実銃採用のゲームに比較すると、アサルトライフルやSMGの命中精度は落ちるという印象。リアル系というほどブレる訳では無いが、アイアンサイトにしても次々にヘッドショットを決めて敵を一掃出来るレベルの精度は持っていない。そんな中で問題と感じたのがM60(PKM)で、これが抜きん出て強過ぎる。連射してもブレが少ない上にリロードも特に遅くは無く、移動時の速度ペナルティも無し。更に弾薬が普通のライフルと同じ扱いなので弾切れは実質起こらない。敵の隠れているオブジェクトを破壊したりも出来るし、同じく周囲の車を撃って爆破させたりにも便利。弾当たりのダメージが高いという点もあって、これが使えるようになったら他のライフル系は必要無いという感じだった。



 純粋な戦闘その物は悪いとは言わないが、数々のマイナス要因が存在しており、それが足を引っ張っている。第一に武器選択の制限は少ないとは言え、選んだキャラクタによってある程度使用武器は限定されてくる&戦い方も固定されるので、後半になると戦闘に単調さが感じられてしまう感は否めない。チャプター単位でキャラクタを変えられるのならば目先が変わって飽きも来ないと思うのだが、三者三様のストーリーの変化に最も重点を置いているので、そういった切り替えは不可にされている。

 第二にロケーションは変わるが、戦闘の感覚には大して変化が感じられない。障害物の多いインドアと、そこそこ広いエリアのアウトドアの二種類が繰り返されるのみといった感じで、過去のシリーズでの広大なアウトドアを利用したシーンがほぼ無くなっている。唯一変化を感じられるのは周囲に数多くの群衆が存在するエリアでの戦闘で、容認されている以上の一般人を自分が撃ってしまうとゲームオーバーになる。
 その他の単調さの理由は敵の種類が少ない, 同時出現数もあまり変わらない, 派手なイベントが無い, Team EntryやTeam Coverは繰り返されると飽きる等。しかも場面転換用に用意されたカーチェイスや拳闘は面白くないし、またシングルプレイでは自分は運転するしかないという欠点もある。

 第三に敵に攻撃が当たっているという感覚に乏しい。命中時の出血エフェクトがあまり派手では無いので、暗い場所や離れてしまうと当たっているのかが判り難くなる。それと武器によっては硝煙のエフェクトが発生して視界を遮るのと、ダメージが一定量を超えるとブラーエフェクトが掛かったりして見え難くもなるので、余計に敵に当たっているという感覚が薄れてしまう様になっている。死ぬ際のアニメーションでも、攻撃方向とは違う向きにピョーンと跳んで倒れたりと不自然さが目立つ。


 そしてプレイヤーへのプレッシャーが低目で緊張感が足りない。戦闘の面白さを損なっている大きな要因として、敵がこちらの位置までプレッシャーを掛けにやって来ないというのがある。その為に距離を置いてカバーに隠れてしまうと安全となってしまい危機感が生まれない。普通はこういう状況を防ぐ為に、接近出来ないのならばグレネードでカバーの背後から燻り出すという手法を使うのだが、敵はグレネードをあまり投げて来ないし、また爆発しても倒れるだけで死ぬ事は無いという設定にされている(ただし起き上がりまでのアニメーションの最中に撃たれて死ぬ可能性は在る)。

 更に敵の攻撃にスナイパーライフル, RPG, 固定銃座のマシンガン等の強力な物が少ないので、カバーの背後からちょっと顔を出すのも危険といった慎重さが要求されるシーンがほとんど無いのも楽な点。多数の敵による一斉猛攻射撃も、Team Coverのシーンや終盤の一部に限定されている。結果的に(Mediumで)距離を置いて戦うならやや簡単というバランスになっており、死への緊張感が低目である。難易度を何時でも変えられるので、あまりに緩いと感じたらHardに変更出来るのは救いか。


 Co-opを最重視しているので、そのしわ寄せがシングルプレイの方に来ているというのもある。以前に年間展望でも書いたのだが、Co-opにて人間同士のチームでプレイした際に面白くなるように調整しているゲームでは、シングルプレイになると味方のAIが人間レベルの仕事をこなせないので、非常に難しくなるかフラストレーションが溜まるという風になったりしてしまう。そしてこのゲームもそれに当て嵌まる。(それだけCo-opの方は面白いのであれば、このデザイン自体は悪い事では無い)。

 AIのパートナーは指示コマンド無しで自動に任せるしか無く、チャプター前のロビーで武器を選ばせる事も出来ない。お互いにFriendly Fierが無しで、且つ無敵なので面倒を見ずに済むのは良いとしても、その戦闘能力の低さにはガッカリさせられる。当人の得意武器を使う事は出来ず、常にハンドガン一丁で戦うのみ。そうなると個人の特性が活きないので、スキンが異なるだけの同じAIが2人居ると感じられるだけである。敵AIには使える者が居るのだから、賢く使えるかはともかくとしてスナイパーライフルやSMG等を使ってその当人の個性を出して欲しかったところ。近距離戦で狭い場所にて敵と一緒になった時位しか使えないので、通常は空気の様な存在となっている。結果的に個性の異なる3人チームで戦っているという感覚がほとんど無くCall of Dutyシリーズの様な戦争物で付いて来る無個性な味方AI兵士とほぼ変わらない為に、折角の背景設定がまるで機能していない。


 敵のAIも単純で、最初のカバーから一切動かない者も多い。動くタイプでも先に書いたようにこちらには向かってこないので怖さが感じられない。それとカバーの認識と隠れ方に不自然さもあって、プレイヤーから見えている側とか変な位置に張り付いてしまったりもする。味方のパートナーも前線で戦っていたかと思えば、どういう意図なのかずっと後方まで下がっていってしまったりと動きの奇妙さは変わらず。敵から丸見えで延々と撃たれているのに反応しないとかもあり。


 ボス戦に当たるのはヘリとの戦闘で計4回。最初のチャプターでは割と簡単だが以降は手強く、おそらくゲーム中で一番死ぬのはこのヘリとの戦闘シーンになるだろう。その場に置いてあるロケットランチャーやM60で戦うのだが、かなりの耐久力がある上に動き回って静止する事が少ないので持久戦になりがち。有るならロケットを当てるのがベストだがそれは動いている故に難しく、CMを使えるならその間に攻撃するのが有効となる。

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