CALL OF JUAREZ: THE CARTEL

                                  12/01/19


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製作・販売: Techland / Ubisoft
発売: 2011/09
日本代理店: イーフロンティア


概  要  シリーズの第三作目は、西部劇から離れて現代を舞台にするという予想外の物となった。これは代理店UBIの指示でもTechlandの希望でも無く、次をどうするかという双方の話し合いの場で出て来たアイディアだったそうだ。「西部劇と現代には途轍もない違いがある様に見えるが、実際には“悪漢 vs 正義”を“ギャング団 vs 警察”に差し替えられるし、乗馬のパートはカーチェイスにしたりと、ゲームプレイの感覚をそれ程変えずに舞台を移し替える事が可能だ」。「西部劇ファンには反対されるかもしれないが、現代に移す事で新たなファンを獲得出来る可能性も広がるし、武器については強力且つ多彩に出来るというメリットも持っている。」としている。それなら何もこのシリーズでやらなくてもという感はあるが、新規フランチャイズの立ち上げが困難な中、知られているシリーズ名を付けることでプロモーション的には有利となるという面を考えての決定だろう。

 もう一点の大きな変更はCo-opをメインするというデザイン。前作Bound in Bloodでは兄弟二人でプレイするにもかかわらずCo-opには未対応となっていた。「キャンペーンを通じてCo-op可能にするとなると、レベルのデザインに制限が生じてしまう。よってシングルプレイを最重視するという観点からCo-opはカットした。」という立場だったのだが、今作では「ユーザーからのフィードバックで非常に多かった要望がCo-opを可能にして欲しいという物だった。」ので、それに応える形でCo-opを最重視する設計のゲームとなっている。


 発売後の評価については大失敗と言わざるを得ないだろう。一番良いPC版でもレビュー平均は50.3%にしかならない。ただしこのゲームについてはゲーム内容そのものよりもバグや最適化への不満の方が大きく、そちらで評価を下げたという面は持っている。以下はXbox 360とPS3版のレビュー等にて指摘されている問題点から幾つか紹介。

・フレームレートの低下がフリーズというレベルで時折発生する(PS3)
・音声が途切れ途切れに再生される
・パートナーやNPCがスタックしてゲームが進行出来なくなる
・テクスチャのストリーミングが遅くて、貼られて行くのが目に見えてしまう
・敵や味方がマップ内のオブジェクトに重なって表示されてしまう
・台詞が字幕と合っていない。また未来の出来事を話したりもする。


 発売直前の7月になって突然PC版だけ2ヶ月延期されたという経緯もあり、完成が間に合わなかったと考えられる。発売の数ヶ月前から大金を掛けたプロモーションを行うので、完成見込みが外れて出来上がらなかった場合でも、どうしようもないので発売してしまうというのは良くある話。セールス割合が低いPC版だけは、延期してなるべく治した方が良いだろうという措置だったと想像される。

 結局コンソール版ではパッチによる大幅な修正は行われなかった模様。修正しようと思ったらそれなりの費用と期間が掛かるので、もうこれは見捨てる方が損が少ないという形でサポートが切られるケースもあるし、修正にはエンジンのバージョンアップが必要であり、それをやるとほぼ全てのファイルが更新されるのでパッチが数GBになる為に配信が現実的では無いというケースもある。或いは今回のケースでは、Techlandが別の代理店からの製品Dead Islandの製作に忙しい時期だったので、パッチを製作するだけの時間が取れないという状況だったのかもしれない。


 先行発売のコンソール版の評判が大変に悪かった為と考えられるが、UKでは発売時からかなり値段を下げての登場となった。一方で北米では普通に$49.99での発売となり、これを書いている時点(2012/01)でも値段はまだ下がっていない。ダウンロード販売でも大手ではほぼ価格はリテール版と連動するので、SteamやD2Dでも依然として$49.99のままである。一方でUKのリテール版は既に相当値崩れしているので、可能ならばそれを買った方が遥かに安い。

 代理店はイーフロンティアでCall of Juarez The Cartel 日本語マニュアル付英語版を発売。コンソール版はUbisoftの日本支社から『コール オブ ファレス ザ・カルテル』として日本語字幕版が発売されている。規制についての情報は見付からなかったが、PC版はおそらく英語版そのままのパッケージだろう。コンソール版はCEROレーティングでD(17才以上)。日本版で引っ掛かりそうな所は「一部のダンサーはトップレスで乳首が見える」, 「一般市民を射撃して殺せる」の二点。


STORY  メキシコを拠点として米国内でも活動を行っている犯罪組織Mendoza Cartelの調査が進む中、FBIとDEA(Drug Enforcement Administration)のミーティングに向けて爆破テロが行われ、何人もの犠牲者が出る事態となった。それを受けて軍事介入を臭わす米国と、それに反発するメキシコとの間で緊張感が高まるという状況にあった。

 その後LAPDの刑事Ben McCallの下にJessica Stoneが訪れる。彼女は爆弾テロで亡くなったFBIのエージェントPatrick Stoneの一人娘で、父親が死の直前に脅迫を受けていた事を告げ、ベトナム戦争時代における父の親友であったベンに事件の調査を依頼する。ベンは戦争後に起きたある出来事によってストーンとは交友を絶っており一度はそれを断わったが、その脅迫相手と思われる人物が同じくベトナム戦争時の同部隊で“ある出来事”の関係者でもあるAntonio Alvarezだと知り、この事件を引き受ける事を決意する。


 そして政府内ではShane Dicksonを担当者としてこの事件の調査の為に極秘のチームが結成され、ベンは被害者の一人ストーンと、カルテルと関係を持つとされる容疑者アルバレズの両名を良く知る者としてそのメンバーに選ばれる。その他にはFBIのエージェントKimberly Evans, DEAのエージェントEddie Guerraの両名がそれに当たり、彼等は協力してカルテルの壊滅に挑む事になるというストーリー。


PATCH

DEMO
 パッチは自動で適用される。現在のバージョンはV1.1.12でメニュー画面に表示される。

 PC版のデモはリリースされていない。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Core 2 Duo 2GHz, Athlon 64 X2 2Ghz Core 2 Duo 3GHz, Athlon 64 X2 3Ghz
MEMORY 1GB for Windows XP
2GB for Windows Vista/7
2GB for Windows XP
3GB for Windows Vista/7
VIDEO VRAM 256MB, Shader Model 3.0
Nvidia 8800GT /ATI 3850
VRAM 512MB, Shader Model 3.0
Nvidia GTX 260/ATI 4870
SOUND DirectX 9.0c 互換 同左
対応OS XP / Vista / Windows 7
DirectX 9.0c以上要


 プレイにはSteamのアカウントが必須。UBIはシングルプレイでも常時接続が必要という海賊版対策で強い反発を買っていたが、最近は軟化してきておりこのゲームも単にSteamworks対応というだけである。私のはUKリテール版だが、Steamでの日本国籍のブロックは無く普通に登録が可能だった。

 そしてUplay対応ゲームの一つでもある。(UplayとはUBIにおけるXbox LIVEに似たツール。ソーシャル面を含めた多数のコンテンツを用意しており、独自の報酬(実績)機能も持つ)。ゲームをSteamから起動すると、アップデートのチェック → Ubisoft Game Launcher(Uplayのログイン画面)が起動(自動ログインも可) → ログイン後にUplayでのこのゲームの画面が表示される → そこのPLAYボタン押下でゲームが起動、という順序になっている。Uplayのアカウントは旧Ubi.comの物が在るならそれがそのまま使える。なおUplayのコンテンツにアクセスしないのであれば、ログイン画面でオフラインモードを選択することも出来る。




 Xbox 360コントローラーに対応。他のコントローラーへの対応度は不明。ただしコンソール版ではオートエイムを有効にするとその判定(照準の動き)が変だという情報は見掛けた(PC版では未確認)。

 セーブゲームの場所は C:\Program Files (x86)\Steam\userdata\(数値)\33420\remote\out\save (Vista/7)


*Ubisoft Game Launcher: Error code 1
 このゲームでは上記の様にUplayを介してゲームが起動するので、Uplayの起動までは正常に行われるのかどうかが一つ目の障害原因の切り分けポイントになる。このエラーはUplayが起動しないという方の障害。“Ubisoft Game Launcher”のインストールが正常に終了していない際に発生する。

 まずコントロールパネル内の[プログラムの追加と削除]から“Ubisoft Game Launcher”を一度アンインストール。その後C:\Program Files\Ubisoft\Ubisoft Game Launcher フォルダを削除する(必須)。なおsavegamesフォルダが中に有るならバックアップを取っておく。そしてUplayのサイトに有る“Download Uplay”のリンクからダウンロードして手動で再インストールする。


*ゲームの起動ロゴ画面で止まる(Press any keyのメッセージが出ない)
 起動時の各種ムービーをスキップしようとして何かキーを押すと発生する可能性がある。


*マップのロード時にゲーム画面が崩れて表示される
 私の環境では最新ドライバでも5回ほど発生した(一例)。メニューに抜けて再ロードでもダメで、一度ゲームを終了させないと復旧しない。


*実際のゲームが開始されるとサウンドが再生されなくなる
 Windows7の場合には、スピーカーのプロパティ → 詳細タブの中で再生品質を(DVDの音質)に設定する。XPではサウンドのアクセラレーションを下げてみる。


*ゲームが進行しなくなるバグ
 このゲームでは各種イベントの進行が3人のキャラクタが揃った状態で行われる為に、AI操作のパートナーがスタックして動かなくなったりすると、次に開けるべきドアにUseの表示が出なくなったりして進めなくなる。そしてこのバグが結構発生する模様。運良くカットシーンのポイントに達する等でリセットされれば全員揃ってまた始められるが、そうでない場合にはチェックポイントをリロードしてやり直すしかない。揃っていない状態で次のチェックポイントセーブが行われてしまったという最悪のケースでは、チャプターの最初からやり直しとなる恐れもある。よってスプリントで先頭を走って進む場合には、定期的にパートナーが付いて来ているかを確認した方が良い。

 報告例が多いのはチャプター10の冒頭で一人だけ別の部屋に泊まっているエバンスが部屋から出て来ないというバグ。個人的にはシングルプレイのチャプター01でパートナーが消えていなくなってしまうバグが一度。Co-opのチャプター06でエスコートしているNPCが動かなくなるバグに2回遭遇した。

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