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GRAPHIC
 確実ではないがFEARと同じくJupiter EXエンジンで製作されていると思われる(或いはそれの新バージョン)。PC版は若干Textureのクオリティが上がっているという話だが、他は基本的にXbox 360と変化は無い。
 画面は元々ワイド仕様で製作されており、4:3の普通のモニター用の設定はXbox 360版でも用意されていない。上下が切れてしまうのは仕様である。一応PCでは変則的な解像度を選択すれば上下の切れを無くす事は可能なのだが、これは単に元の横長の画面を縦方向に圧縮しただけなので、全ての物がオリジナルよりも縦長に表示されてしまう。

 グラフィックの特徴としては"fully dynamic per-pixel lighting and shadows"を使っており、ゲーム内の全ての光と影の生成はダイナミックに行われている。また画面内の全てのオブジェクトにはNormal Mappingが施されている。また物体表面のライティングには複雑なShader処理が施されておりその質感をリアルに表現するようになっているそうで、実際にタイルの反射なんかはかなり本物に近い印象を受ける。なおFull-Screen Anti-Aliasing(FSAA)をONにした場合にはSoft Shadowsは自動的に無効になる仕様。
 暗い場所が多くカラフルな場所が少ないという不利な点は有るが、それでもグラフィックのクオリティは高い。強い光でBloomを起している表現、柔らかく光が当たっている表現などの多彩な照らされ方が特に印象に残る。何より怖さを演出する為の雰囲気を出すのに成功しており、ゲーム性に応じたエンジンの特色作りという点で上手く噛み合っている。またエンジンの最適化も進んでいるようで、FEAR(発売当時のバージョン)に比較すると相当軽くなっているという印象も受ける。かなり複雑なライティングの箇所以外は設定を最大にしても問題なく動いてくれた(GF6800GT)。

 グラフィックの見所は何と言っても敵のアニメーションにある。これだけ本当の人間の様に見える滑らかで複雑なアニメーションはちょっと類を見ない。特に実際に重い物を持って振っているかの様な重量感の表現や(体が流れたりするといった)、相手の力の入り具合が伝わって来るような微妙な間合いの出し方等素晴らしい出来栄えである。ただリアルにする為に現実同様にその動きを高速にした分、ゲームプレイの項で書いたようにゲームとして見た場合には複雑で速過ぎて動きが見切りにくいという面はある。

 Bloodはそれ程派手ではなくGoreの表現は無い。死体の消え方は設定による。

 明るさについてはガイドと比較しながらの調整は用意されておらず、プレイヤーが適当に合わせるしかない。メニューに戻った時に明る過ぎるならば落とさないとならないが、メニューで文字を読み易いレベルに合わせるとゲーム内では暗過ぎるという印象。ただ製作側としては相当暗い状態をデフォルトと考えているようで、ちょっと明るめにするとTool使う時に目的の箇所(Laser Lightを当てると光る)がハッキリしないという事も起きてしまう。

SOUND
 Xbox 360ではサウンドは絶品という高い評価を受けていたのだが、PCではEAX Advanced HDに対応しており、これと4SPの組み合わせでは相当クオリティの高い音を聞かせてくれる。音の定位感も良く、背後方向は本より上方からの音への指向性も高い。このゲームではそっと動いている敵が物に当たってゴソッという感じで音を立てたりするので、シーンとしている所で突然背後から音がしたりして、そちらを慌てて見たりといった緊迫感を生んでいる。

 BGMは主に不気味なというか生理的に不快感を感じるような重く濁ったような物が静かに流れており、ゲームの雰囲気にはマッチしている。後はフラッシュバックの時等の特殊効果音の出来も良い。

 武器のオブジェクトへのコンタクト音についてはあまり凝っていない印象で、武器個別に多数の音が用意されているという事では無いようだ。銃器のサウンドもそれ程迫力が無い。

INTERFACE
 カーソルはON/OFFの他にデフォルトのSmartが用意されており、これだと銃器を持った時のみカーソルが表示される仕組み。全くカーソルが無いと殴る時にちょっとやりにくくなる面は有るのだが、常時表示だとコンソール仕様なのかカーソルが大きいので邪魔に感じるという問題が起きてしまう。

 証拠を集められる箇所に来ると自動的に右下にメッセージが出るので、ここでツールキーを押せば必要な物が自動的に選択される。もし2つのツールを同時に使う場合には、2個目の物を使う場所で再度ツールを要求するメッセージが出るので、同じくツールキーを押せば勝手に構えるというシステム。後は証拠品に前進・後退キーでピントを合わせて緑のランプが点いたらマウスクリックで撮影となる。
 ただピントを合わせる際に、その場所が分かってもその中でどれに(或いはどの範囲に)合わせたら良いのかが判りにくい事がある。またカメラの向きによっても問題が有るようで、移動して90度向きを変えて縦横方向を変えないとダメだったりという事も。

 カーソルを合わせれば自動的に開くドアであればその旨表示が出るので、一々全てのドアの前でUSEする必要性はない。しかし一方で物に合わせる際にはそのHot Spotが小さく、目的の物に合わせるのにちょっと苦労したりする。特にカーソル表示が無い時に問題あり。

 字幕機能有りでムービーにも字幕が付く。

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