GRAPHICS |
CryENGINE 2を使用しているのは変わらないが、最適化が進められて改良されている。 前作での大きな失敗として、グラフィックスのクオリティ設定に付ける名前を誤ったとコメントしている。それをまとめると、「当時のレベルとしてCrysisの“Medium”設定のクオリティは、他社のゲームの“High”程度は持っていた。しかしその様に名称を設定してしまったので、ユーザーからは他のゲームではHighで快適に動作するのにCrysisではHighが非常に重い、といった非難を受けた。これは単に“Medium”という名称がマイナスのイメージを持っているに過ぎず、実際にはCrysisの“Medium”のクオリティは十分に高い。ここは“Medium”を“High”、“High”を“Very High”、“Very High”を“Ultra”とでもしておくべきだった」というもの。 それを受けて今回はどうするのかと思っていたが、4段階のクオリティ設定をMinimum, Mainstream, Gamer, Enthusiastという風に呼び名を変えて来ている。Mainstream(大勢、一般的)という名称にする事で、Mediumという単語の持つマイナスイメージを払拭しようという考えだろう。実際に発売前の段階から$700以下で組んだPCでも快適に動作するという点を強調して展示デモ等を行っており、このWHは決して重いゲームではないという点をアピールしている。今回のエンジンの最適化もこのMainstreamクラスのPCにおけるグラフィックスの質の向上と、平均フレームレートが30fps以上というのを最大の狙いとしている。 またVistaのみで可能になっていたDX10による最高設定(Very High)は、Enthusiastと名を変えてXP+DX9からも可能となっている。前作でも内部の設定をいじればほぼ同じに出来たのだが、今回は公式にメニューから変更可能になった。 実際にパフォーマンスが上がったのかという判断は難しい。マシンの平均性能自体がCrysisの時よりも底上げされているし、マップによって負荷も大きく変わるので一概には言えない面もある。またベンチマークのデータは最高設定での物が中心なので、ミドルクラスによるMainstreamでのデータが少ない。取り合えずMainstream程度では、若干改善は見られるがそれ程劇的には変わっていない様だ。 クオリティについては更に難しい。全く同じシーンをCrysisのエンジンとWHの改良版にて比較出来れば良いのだがそれは現状では無理。MainstreamやMinimumでの見た目のクオリティが上がっているのならばフレームレートの向上があまり無い点は許容出来るが、見た目的にも変わっていないのならばエンジンの最適化は不十分という結論になる。逆にクオリティの劣化が見て取れるのならば、fpsが向上しても相殺という事になってしまう。 GamerやEnthusiastにおいては大きなフレームレートの改善は見られないし、むしろDX10では重くなったという声が発売直後の現時点では多くなっている。ハードウェア性能の向上に従って、高い設定ではCrysisよりも更に重いシーンを意図的に増やしているのかどうかは情報が無い。私のマシンでは自動判定でGamerが選択されるが、CrysisでのHighに比較して体感としても特に軽くなったという印象は無い。(XP SP2, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, Fw 178.13, SB X-Fi)。ベンチマークは以下の様なサイトが掲載しているが、今後はもっと増えて来るだろう。 Techspot PCGH Big Download クオリティ面では「グローバルアンビエントライティングの精度向上」、「パーティクルエフェクトの効果増大」、「草木の描画可能距離を伸ばす」といった点が改善されている。Gamer設定でもパーティクルの効果が派手になったのは見て取れる。この辺の詳細な比較は全く同じマップでの比較を見てみたいところ。(しかしCrysisに対してこのエンジンのバージョンアップを含んだパッチを出す予定は無い)。例えばCrysisでベンチマークに使われていた最初のマップなどは太陽が降り注ぐ見た目自体が美しいマップとなっており、綺麗に見えるという点では有利である。それに対してWHではあの様に綺麗なマップは用意されておらず、出来るだけ双方から似た場所を見つけて来て比較しないと公平にはならないだろう。 個人的に感じた問題点としては、マップのサイズによるがメモリ使用量が増えており、時には2GBを超えてスワップが発生するまでになっている。しかし前作に比べて飛躍的にサイズが増したという程でも無いので、ストリーミングでの先読み量が増えたのか、キャッシュを確保するサイズが増えたのか、テクスチャのクオリティが上がっているのか、その理由は現時点では不明。再起動すると解消されるので、おそらくストリーミングかキャッシュの問題と思われる。他にはカットシーンにおいてカク付きが目立つ。こちらはデータの読み込みで遅れているようだ。 非常に詳細な内部パラメータ等の情報は定番のTweakGuides.comへ。結構有名な変更として、autoexec.cfgを作ってその中に以下の三行を記述するとかなり高速化するという情報が有る。 con_restricted=0 sys_budget_videomem=512 r_TexturesStreaming=0 しかし実際には2行目はビデオメモリの使用量を指定するコマンドではないし、最後の行はGamer以上の設定で使うと落ち易くなるので危険ともされている。だがこれで劇的に変わったという人が多いのも確か。 カットシーンについては全てゲーム内のエンジンによる描画となっている。完全なフルCGでは莫大なコストが掛かるのでこの様な方式は(特にFPS系では)一般化しつつあるが、残念ながらそのクオリティについては粗も目立つ。アクションシーン等に顕著なのだが、動きがあまり滑らかではなくぎこちない。仕方の無い点ではあるがフルCGでのアニメーションに比べると不自然なのは明らか。 |
SOUND |
特に変化無し。BGMは本編よりもこちらの方が好み。 |
MULTIPLAYER |
まだ未プレイなので簡単に。 Crysis Warsと名付けられた独立したDVDにて提供されている。Gamespyにアカウントを作成する必要がある点は同じ。同じゲームモードを持ってはいるが、Crysisのマルチプレイとの互換性は無い。 Crysisに収録されているコンテンツは後の追加分も含めて全て収録。その他にPower StruggleとInstant Action以外の第三のゲームモードとなる、Team Instant Actionが追加されている。これはTDMの意味。新マップは7個を追加。 マルチプレイでは使える武器やアイテムが異なるが、その辺の前作からの細かな変更については私には分からない。 |