GRAPHICS |
使っているグラフィック・エンジンは不明。当初は他社製のエンジンをライセンスして使っていたのだが、2004年辺りを境に異なるエンジンに切り替えたようで(公開されていたグラフィックが異なる)、最終的には自社製の物にしたのではないかと推測される。 コンソール版からほぼ調整が行われていないようで、Optionにて画質設定出来る項目が無い。起動時のランチャーで解像度とアンチエイリアスの設定が出来るのみ。つまりXboxレベルのグラフィックをそのまま持って来ていると考えて良い。マシンの性能によって内部的に何等かの自動的な調整を行っているのかどうかは不明。 Brightness調整が可能で製作側が意図した明るさに合わせられるようになっているが、この設定だと結構暗いという印象。暗い場所に物が隠されているといったデザインではないので暗くてもプレイには影響は少ないが、若干周囲が見え難くなるので明るさを増した方が良いかも知れない。 グラフィックのクオリティは全体的には2,3年前のレベルという印象で、Textureの質や一般的なエフェクト系のクオリティもそれ程高くない。Shadowは一応描画はされるがリアルタイムでの物はキャラクタだけのようで、またライティングの対象となる光源自体が少ないのであまり目立たない。残りは最初から描画されていて変化しないスタティックな影となっている。 その中で目立つ点としては顔のアニメーションが細かいというのが目を引く。重要なNPCの造形も良く出来ている方だろう。ただしそれも単調なアニメーションと、モデル数のバリエーションが少ないという問題で相殺されてしまってはいるのだが。 画面が揺れたりボヤけたりするような特殊エフェクトは珍しいという事も有って目立つが、純粋にクオリティとして見た場合には普通の出来と思える。実際に体験した事がある訳ではないので何とも言えないが(特に正気を失った時の見え方は)、もっとリアリティを感じさせるようなエフェクトを求めてしまう。とにかく見え難くするようなエフェクトにしたという感は否めず、実際に自分がそういった状況に陥った時にこういう変化が起きるのかとなると説得力に欠ける(例えば高所からの眩暈の表現)。 全体的にグレーなカラーで重苦しい雰囲気は良く出ており、原作の雰囲気を損なわないという点では成功している。しかしグラフィック自体のクオリティ、それと担当したデザイナーの力不足等から、肝心な恐怖感の演出には不満が残る。 バグとしてはよく見られる物だが、開くタイプのドアとのクリッピングバグが結構発生し、時には閉まったドアを通して攻撃が透過してしまうという事も起きる。 |
SOUND |
サウンドは2Dのみ。非常に厳密に音源の情報を必要とするゲームではないのでその点は問題ないが、雰囲気や恐怖感という観点からは大きなマイナス。 銃器のサウンドは結構良く出来ているという印象。BGMは普段は無くてシーンとしており、風の様な効果音のみが流れている。そしてアクションや逃走シーン等で緊張感を高めるように流れるといった効果的な使い方をされている。 良く出来ているのはキャラクタのボイスで、インスマウスの住人達の声は酷く訛っており雰囲気が出ている。NPC達の台詞の出来も良質。しかし戦闘中や追い掛けている時の台詞にはバリエーションが少なく、また頻繁に繰り返されるので煩わしいと感じる時もある。 これは仕方が無い事では有るのだが、主人公のJackの声は固定で収録されているので、恐怖を感じているシーンにおいてもトーンが変らないという変な事になってしまっている。 |
INTERFACE |
HUDが表示されないというシステムを導入している関係でUSE表示が出ない為に、ゲームには悪影響が出てしまっている。確かにHUDが無いという点は効果的に働いているのだが、その代償として問題にもなっているというのも間違いなく、ゲームを進行させる上で詰まってしまう原因になるというケースも多いようだ。 第一にUseが或る程度近付かないと反応しない。マニュアルにも「もし反応すると思われる場所で反応が無い場合には近付いてやり直して欲しい」と書いてはあるのだが、立った状態では取れない・反応しないのでしゃがまないとならない物が有ったりと面倒。またインベントリー内部のアイテムを対象物に対して使う場合には開いてからクリックするのだが、この反応が距離が足りない為に起きず、これはここでは使えないと判断されてしまいそのまま謎解きが進まずに詰まってしまうといった問題が起きる。 次にUseの範囲がハッキリせずに誤動作が起きてしまう。思っていた物と別のオブジェクトがUseされて動いてしまうというケースで、典型的な例ではドアとボルトといった近距離に設置してある場合に発生する。ボルトを閉めてロックするつもりが、逆にドアを開けてしまってピンチを招くといった具合。これに関連して正確にはどこをUseすれば反応するのかが分からない(Useで反応する範囲が狭い)オブジェクトも存在しており、明らかに重要と思われるアイテム相手には角度を変えて試したりはするだろうが、これも動かせるのかという様な物が反応したりというケースも有ったりする。 最後に何が反応するのか分からないという厄介な問題もある。画面内の物でそもそもUseが出来るのはどれなのかがハッキリ分からないので、場合によっては謎解きに必要なアイテムなのだが、それがUseして取れるとは気が付かないという問題が起きてしまう。 進行させるには内部的に”フラグ”を立てないとならないケースが有るが、これが分かり難い場合がある。例えば一回Use等で調べただけではダメで、繰り返し調べないとフラグが経たない、或いは重要なヒントが表示されないという箇所が存在している。 ムービーは飛ばせるタイプも有るのだが不可能な物も有って、それがセーブ地点以降に有ると繰り返し終わるのを待たないとならなくなる。 ジャーナルで頁をめくる印となる矢印が出なくなるバグが有るので、表示が無くても本当にその先が無いのかを確認しないとならなくなっている。 |
削除された要素 |
ゲームの発表以降に組み込むと一度はアナウンスされておきながら、最終的に製品版からはカットされてしまった要素の一覧。元々原作小説ではなくてRPGのボードゲームをPCゲーム化するという物だったのでそれに関連した要素が多いが、結局は元のボードゲームに関連した物はほとんど残っておらず、もはやここまで来ると最初の計画とは別のゲームと言った方が適当だろう。元が有名な作品だけにアナウンス時の期待も大きかったので、それに応える形で多彩な要素を「これも実現します」と勢いに任せてぶち上げたのだと思われるが、実際には自分達の能力不足で出来なかったという結果に終わっている。 *4つの有名な原作を章別に用意 *能力の異なった4人の主人公を選択可能(原作RPGのクラスから4種) *能力パラメータを導入し、ミッション達成時のポイントを割り振って成長させていく *キャラクタの能力の違いに応じて異なった解法により解決可能とし、自由度とリプレイ性を高める *全ての動作に自分の手が実際に表示され(Reach Arm)、怪我の具合等を体を眺めて直接確認可能 *リアルタイムでのライティングによる複雑な影の描画と、ライトを持ち歩いて照らすという光と闇を強調したゲーム性 *Sanityが低下すると周りの人間が襲って来るモンスターに見えてしまったりする *自由に身を乗り出す範囲を調整出来るアナログLeanのシステム *水中戦闘のパート *物理エンジンを導入して、これがパズルの解法及び戦闘に大幅に関わって来る(物を投げたり、バリケードを作ったり) *マルチプレイではCoopに対応し、原作RPGの様に協力してプレイ可能 |