GAMEPLAY |
全3エピソード。最初のエピソードがシェアウェアとして公開されているのもあって、収録マップ数には偏りがある。 1. L.A MELTDOWN (5, 1) 2. LUNAR APOCALYPSE (10, 1) 3. SHRAPNEL CITY (9, 2) 前の数字が通常レベルの数で、後ろがシークレット・レベル(特別な入り口を見付けないと行かれない)の数。この様に最初のエピソードだけが短くなっている。どれだけ探索要素を重視するかにもよるが、全体としてはそれ程長いゲームでは無い。ハッキリした記憶がないが、難易度Normalにて8-10時間程度ではないか。 発売当時は既にFPSがジャンルとして確立しつつある頃だったが、このゲームは他とは異なった特徴を幾つか持っており、それが人気と高い評価を得る原因となったと言える。その一つ目は魅力的な主人公。プレイ中に格好良い台詞を喋るデュークという押しの強いキャラクタを持って来た点で、当時は匿名的な主人公が多い中でこれは珍しかった。 2つ目は女性の裸等のアダルトコンテンツや、陽気なジョーク的要素を強めた点。これらの要素はデュークのキャラともマッチしており、ゲームの楽しさに一役買っている。ポルノ映画館やアダルトショップをレベルとしてしまう点はユニークだし、チップをあげると服をはだけて胸を見せるストリッパーや、股間の部分を押さないと動かない看板といった物が含まれている。ジョーク要素の方ではデュークの台詞以外に、エイリアンが個室でアダルトビデオを鑑賞していたりや、隠しエリアに他のゲームのキャラクタが居る場所が幾つか在ったりする。 そしてロケーションの多彩さとユニークさ。それまでの基地やビル等のインドア中心やファンタジー世界とは異なり、現代をテーマにした背景設定は目新しい存在であった。2番目のエピソードは比較的普通だが、他の二つには先に挙げたポルノ映画館やアダルトショップ以外にも、刑務所, 日本レストラン(寿司バー), 映画撮影所, 地下鉄等面白いレベルが多い。ゲーム全体として似た様な見た目の単調な廊下や部屋が連続しない所は高く評価出来る点である。 最後にBuildエンジンの能力の高さにより、マップの構造が複雑化している。複数階の構造を持ったビルやスロープの様な形状を用いた立体感のあるデザイン。多数のアニメーションを行う看板や移動動作を行うオブジェクトが設けられており、破壊可能なオブジェクトも設定されていて壁を壊してルートを造ったりが可能。大きなビルを丸ごと破壊するようなシーンもある。レベル自体にも複雑なワープゾーンが設けられた物や、高速回転する床といった仕掛けが使われていたりする。この様な新しいタイプのレベルデザインを可能にした点も、ゲームの面白さの向上において大きな役割を果たしている。 当時のハードウェア性能の限界から、レベルの広さはやはり10年以上が経過した現在の視点から見ると小さい部類。その中でプレイ時間を延ばす為に、キーカードを探して行ったり来たりするという構成が多くなっている。最初のエリアに赤いキーカードのスロット在り→奥へ進むと黄色のキーカードのスロット在り→その近くで赤いキーカード発見→戻る課程でまた敵が出現→赤いキーカードで開くとその奥で黄色のキーカード発見→戻る課程でまた敵が出現→黄色いキーカードで開いて次へ...といった具合。同様に離れた場所のスイッチを入れて扉を開いてから戻ってくるというパターンも多い。ただし単調さを防ぐ為にジェットパックによる移動を採り入れたり、進行をマルチルートにしたりといった工夫が成されており、作業的な印象は少なくなるようにはされている。 パズルやルート探しの要素は当時の他のゲームと同様に強く、敵を倒しながら先にすんなりと進められる様な箇所は少ない。大抵は扉を開く為のスイッチ類を探さないとならず、時にはそれが見付けにくい場所に隠されていたり、複数の手順を踏まないとならないといったパズルにされているケースもある。他には押して作動させるオブジェクトや、撃たないと反応しない物が在ったりもする。全体としては非常に難解という物は無いので、長時間進行に詰まるという事はあまりないだろう。なお3個以上のボタンの並び方を合わせるパズルにはヒントはなく、総当たりで調べるという原始的な方法しか用意されていない。 これも当時の特徴としてシークレットの探索要素が重要視されており、シークレットとして成績表示画面でカウントされる物から、貴重な武器やアイテムが隠されているエリアの方も用意されている。こちらは全てを探し出すにはかなり難しく、これは教えられないと分からないのではという物まで在ったりする。ただ逆に面白い形のパズルとなっている物も幾つか在る。壊す事で中からアイテムが出て来るというタイプもあるので、それを含めると全てを見付けるのは困難と言えるだろう。 |
COMBAT |
描画は2.5Dとも呼ばれる疑似3D方式を使用しており、敵の表示などは一枚板(スプライト)にて行われる。平面に描かれた敵がアニメーションするパターンを切り替えるやり方で、死んでしまって動かなくなるとプレイヤーの移動に応じてその一枚板が回転して、常に死体の描画された面を見せる様に動く。世界の描写も一応立体的には見えるが、見上げたりした際に距離に応じて歪んで見えてしまうという問題あり。 *通常は一人称視点だが、三人称(Chase View)への切り替えも可能 *下段のステータス画面は消す事も出来る *エイムのup/downキーの他に、look up/downキーも別に設けられている(自動的に戻る) *Runに切り替えると高速移動になり、使用に制限はない *照準はデフォルトではOFF *照準は武器にもよるが上下方向の判定が存在せず、横のラインさえ合っていれば照準が敵に重なっていなくても当たる *リロード動作が入る武器もあるが、プレイヤー自身が行うリロードキーは無い 記憶が定かではないが、マウスでの360度視界操作を可能にした最初期のゲームかも知れない。Doomの時代は横方向だけだったのが、やがてそこに視界を上下させる機能が加わり、用途としては周囲を観察する為という意味合いが主だった。しかしこのゲームではマウスのみでの視界操作とエイムが可能になっている。ただし正確には全方位ではなく、上下方向は視界が限られている上に視界が歪む関係で、空を飛ぶタイプや真下の方向に居る敵には狙いが付けられない位置が生じるという制限を持っている。 回復は3種類のメディキットが基本となり、一番有効なのは+50のAtomic Healthで、これを使うと100以上にまでHPを上昇させられる。他に携帯用として+100の消費型メディキットを持てる。それと水を飲むと+1ずつだが体力回復が可能。道の水道栓以外に便所の水等でもOK。他にはアーマーも有り。 MS-DOS時代のFPSはまだ多分にスクロール型のシューティングゲームの影響を残しており、現在のFPSに比較するとスピード感が高く、また反射神経を要求する物となっている。このゲームでもデフォルトの段階で既に現在のRun程度に速く、高速のRunモードにすると早送りの様なスピードになる。そのスピードを利用して物陰から高速でヒットアンドランしながら、敵の集中攻撃を目で追って避ける様なアクション性が高いゲームである。 マップの広さの割には移動速度が速いのでテンポも良く、シークレット探し以外は高速で進めて行くという印象が強い。武器の弾薬も結構在るので、撃ちまくっての戦闘が多くの場合は楽しめる。使っていて爽快感が高い武器が多いのも良い点。敵の被弾アニメーションもちゃんと作られていて、攻撃を当てているという感じも良く出ているし、攻撃で血や体が飛び散って壁等に付着したりとゴア表現も細かい。 ゲームが進むに連れて、敵の数は多目となり死に易いバランスになって行く。かなりの防御を固めていても、猛烈な攻撃で一気に削られるというのも珍しくない。高速モードでの回避を用いた戦闘に慣れておかないと厳しいとも言える。それと近年ではほとんど見ないが、ドアが開いた瞬間に敵が猛ラッシュとか、背後等の見えない場所に突然スポーンして攻撃されたりとか、予め知らないと対処が困難という箇所も結構存在しており、この頃のゲームとしては珍しくはないのだが憶えゲーの色も強い。ただ繰り返してプレイしても突破が難しいという様な箇所はNormal程度ならば無いと思われ、全体的には「やや難かしい」程度の設定だろう。 難しさの一因として爆破トラップが多いというのも挙げられる。知らないと巻き込まれて即死したりで気を抜けない。それと撃つと爆破するオブジェクトが多く、敵を巻き込めば有効なのだが、ショットガンの弾が当たって自分の近くで爆発してダメージを喰らったりも起きてしまう。敵でもDroneの様に飛行して接近し自爆するタイプが厄介。 敵は10数種類程度で、飛行したりするタイプも存在している。その多くはリアクション速度が速いので、Pigcop程度でも近距離でショットガンの攻撃を浴びると一気に削られるケースもある。回復薬の量は多いが、その分敵の攻撃力が高目のゲームである。なお各エピソードの最後にはボスが用意されている。 捕らえられている女性は助けを求めたりしているが、実際には苦しんでいるのを助けるには殺すしかなく、それをやると通常は敵が出現するという設定になっている。よって難易度が高い場合や現在危険な状態では攻撃しない方が無難。 |