GAMEPLAY |
ゲームは20のマップから構成されており、初回のプレイ時間は20-25時間程度だろう。マップのサイズが大きいというのもあるが、難易度が高いので繰り返しプレイするセクションが多くなるというのも、クリアまでに時間が掛かる大きな要因となっている。ストーリーはあまり深みの有る物ではなく、割と先の展開が予測出来るような構成。悪くは無いが特に面白くも無い出来である。 FCの第一の特徴は広大なマップである。アウトドアとインドアの比率は7:3程度とされており全てが広大という訳では無いが、島のマップの場合には海上部分を含めると2*2km程度の広さのマップを実現しており、原則的にプレイ中にマップのローディングは発生しない(メモリのサイズが小さい場合、HDへのデータのスワップという処理で読み書きが起こる可能性は有る)。この辺のサイズはデータ量的に陸地部分の大きさ・木々の数・建物の複雑さといった他の要素との兼ね合いで増減はするが、それでもマップのサイズは非常に広大である。確かにこれよりも広いマップを実現したゲームは過去にも存在していたが、その分置かれたオブジェクト類は簡素で少ないとといった構造になっており、グラフィックス的にこれだけのディテールを保った上でのこの広さというのは驚嘆に値する。 次に行動ルートの自由度も非常に大きなポイントである。大抵のミッションはプレイヤーに「A地点に到達せよ」、「B地点のXXを破壊せよ」、「C地点のXXを手に入れよ」といった形式で与えられ、そこに到るまでの過程は問われないというパターンが多い。原則的に開始時にマップ全体が読み込まれたその時点で全てのAIもマップ上に配置される為に、プレイヤーの通る箇所の順番の自由度は問われない事になる。 マップにもよるが相当広い区域を自由に移動する事が可能であり、そのアプローチの仕方によって大きくゲームの展開も変って来る。敵との遭遇を避ける為に数百メートルの単位で迂回ルートを通ったりも出来るし、目標地点を攻めるにしてもどの方角から近付くのかが選択可能。更にボートを使っての海上ルート、グライダーを使っての空ルート、各種車類での陸上ルートと、徒歩以外のルートも用意されているケースが多く、より高い自由度を実現している。多くの場合少なくとも2つの別ルートを設けるという方針の様で、ルートが制限されるインドアにおいても複数ルートが存在するという場所は結構多い。制限としては製作側の意図しないルートを通ろうとした場合に警告が出たり(引き返さないでそのまま進むと突然出現したヘリに殺される)、崖等の地形的な制限でブロックされて進めないという場所は存在している。けれども全体的な動き廻れるスペースからすると大して問題とはならないレベルであり、このマップ上の広範囲を自由に選択して移動可能という点は大きなFCの魅力である。 このルート選択の自由度によってリプレイ性も非常に高くなっている。マップの構造にもよるが相当多彩なルート選択が可能になっており、最初のクリア方法とはまるで違ったルートを通ってのクリアも可能である。例えば「A地点に到達せよ」という指令の場合、徒歩で直線的に進んで敵を倒しながら進む・木の茂った迂回路を通ってステルスで敵とのコンタクトを出来るだけ避けて進む・別方向の敵のキャンプを先に襲いそこで入手した車を使って一気に突破する・海側ルートを探索して船の有る場所の敵を倒してそれを奪い海上ルートから島自体を大回りして近付く等々。 目的地点の攻撃の仕方も限定されないので実に多彩である。ステルスで近付いて出来るだけ敵の数を減らしてから戦闘に持ち込む・敵の持つ車両系を奪ってそれに搭載された武器を利用する・騒ぎを起して一旦逃げ地形的に有利な場所に誘い込んで戦う・Sniper Rifleで見張り等の数を減らしてから攻め込むといったバリエーションを持つ。直接戦闘モードで攻め込む場合でも、どの方面から近付いてどの敵から倒して行くかという自由度有り。大抵のFPSでは一方向からしか近付けないのに対して、FCではちゃんと周囲の地形も作り込んであるので様々な方向に迂回出来るという点が優れている。 それとアラームを鳴らされたりすると援軍がヘリや車で到着したりするが、これは(特定なイベント以外は)湧き出るのではなくてマップ内の他の場所に居るAIがやって来るという設定になっている(全てにおいてそうなのかは確認が出来ないが)。よって鳴らされないようにすれば敵の数は少なくて済むが、逆に呼ばれても倒してしまったり置いて逃げれば本来その敵が居た場所には敵が居なくなるという変化も生じるようになっている。 FPSのタイプとしてはステルスを重視したゲームとなっており、ここはゲームの購入選択時に注意するべき点と言える。一般的なアクションFPSとは「マップ内で遭遇する(存在する)敵を全て倒して進めて行くゲーム」とも言えるが、このFCはそういった考えからは構成されていない。確かに戦闘で行くかステルスで行動するかについての自由度は与えられている。ただしこのゲームでは戦闘オンリーで進める場合、そこには「荊の道を進んでも構わないなら」という条件付き。別項でも詳しく述べるが、全ての敵に対して正面切って戦っていたのでは難易度Normalでも到底持たないようなバランスとなっており、戦わないで済むならばそれを選択した方が利口というゲーム性である。つまり全ての敵と戦いたいならそうしても構わないという姿勢だが、それに対してもちゃんと突破が出来るようなバランスを考えてこのFCは作られていない。一応アクションFPSの様な呼ばれ方もされているが、そういった中でも非常にステルス側に寄ったゲームと考えてもらった方が良いだろう。ステルスゲームでは一般的である死んでは学習しての繰り返しという覚えゲーの要素も多分に含んでおり、ゲームの展開も必然的に慎重に行動するスローペースな物となる。 難易度をEasyにしたり、AIのバランス調整機能をONにしておけば戦闘オンリーでも何時かは突破は出来るだろうが、難易度が下がるとAIの能力その物が下がってしまうこのゲームではそれもあまり好ましくない。よってFPSに限らないが「ステルス要素の入っているゲームは苦手」と考える人には正直言って向かないゲームと思う。なおデモでプレイ出来るマップは序盤の簡単な部類(戦闘のみでも突破可能な程度)のマップなので、そこからゲーム性を勘違いしないように。 |
COMBAT・STEALTH |
戦闘についての一般的なデータ。姿勢による照準の変化や武器発射モードの切り替えという要素は含まれているが、銃の命中精度自体はそんなに悪くなく、立ったままでも(フルオート連射ではなく)手動でのバースト射撃を心掛ければ、それなりに距離が有っても結構当るというバランス。走りながら撃つならともなく、とにかくCrouch・Proneをしないと照準が安定せずに当らないといった設定ではない。特別な武器以外は弾薬数も多く、アサルトライフルやサブマシンガンといったメイン武器は弾切れの心配をする必要も無い。万全とは言えないが所持武器は2個制限とかではなく自由に4個まで選択も可能と、こういった辺りのバランスは割りと普通のアクションFPS的である。攻撃ではとにかくHeadshotが強力且つ重要であり、特に後半に行くに連れて堅いArmorを持った敵が出現してくるのでよりそれを狙うのが大事となる。後は敵AIはこちらのLeanに対する認識がそれ程高くないのでそれも有効となる。 逆に弱い点としては、マップが広大な割にはそれ程移動速度が速くなく(持っている武器にもよるが)、またダッシュのスタミナもあまり長続きはしない。それとしゃがみ姿勢が多くなるのだがこの状態では移動速度が相当遅くなり、またここからしゃがみダッシュの様な行為は出来なくなっている。Grenadeの破壊力も高くなく、敵も避けて来るので逃げ場の少ない場所以外ではそれ程有効ではない。 戦闘を難しくしているのは防御面の方で、まず敵の攻撃によって受けるダメージの量が大きいのが一つ。ArmorやHealthがフルの状態でも死ぬまでにそれ程時間は掛からない(ダメージの量自体は難易度で変化しない)。接近戦になると(または難易度が上がると)敵からのヘッドショットの確率も上昇するようで、Armor無しだと戦闘開始から一瞬で死んでしまうというケースも多々出て来る。よって多人数相手に正面から戦いを挑んでも、勝ち抜くのは厳しいとなっている。次なるより大きな問題は回復用のアイテムの数が非常に少ない点で、アクションFPSの様に短いインターバルをおいて置かれている訳でもなく、一々戦っていたのではとても足りないという程度しか用意されていない。或いはその場所では戦って勝てても、そこに今の戦闘のダメージを回復するアイテムが置いていないので、その先の次のセクションではもう戦えないという状態になったりが起きる。 アウトドアの様に敵の動きにも自由度が高い場所では囲まれると対応が難しく、また戦闘時に草木等の障害物で視認がし難いというケースも多い。またアウトドアの重要拠点では10人を越える敵がガードしていたりもするので、そこにいきなり突っ込んで行っても勝機は薄い。一方でインドアでは狭いので敵の動きの自由度は封じられるが、逆にこちら側の動けるスペースも減るので、アウトドアの様に一旦退却という手段が効かずに厳しいというシーンも出て来る。また狭いのでステルスでの行動が出来ないか難しくなり、ダメージを負った状態で勝負する以外に無いという形に追い込まれてしまう事も。更にはAIが手強いので簡単には勝てないというのもあるが、これについては別に述べる。 勿論敵を武器で倒せないという訳ではない。しかし敵を倒したいのならば無策で正面から突っ込んで行くのではなく、優位を保つようにして計画的に攻めないとならない。その為には慎重な観察と作戦が必要となる。まずは双眼鏡による偵察が有効であり、これには出来るだけその地点を見渡せる高台を確保する事が望ましい。双眼鏡で敵にマークを付けるのと、どの辺に敵が居てどんな体制で守っているのかを先に確認する。例えばアラーム装置が確認出来る場合には、そこに敵を近付けない様にする方法は無いかを考えてみる。また据付式のマシンガンや武器を備え付けられた車両は敵AIが使用可能なので、存在していた場合には敵に使われてしまうと不利になってしまう。しかし逆にそれを上手く確保出来れば優位に立てるので、その地点にまでどうやって戦闘を最小限にして目立たずに到達するのかのルートを考える。戦闘中に不味くなったらどこに逃げるかを考えておくのも良いだろう。 なるべく遠くから狙える位置を探して、伏せた状態からSniper Rifleにて狙撃して敵を減らしておくというのも有効な手法である。見張り台が有る場合には尚更その監視役を倒しておくのは重要となる。とにかくダメージを受けないというのが重要なので、出来るだけ遠距離戦を挑むというのがこのゲームでの基本作戦。なるべく高台等の有利なポジションを確保してやり、出来れば姿勢を低くして正確性を高め、弾数の多さを利用して多少無駄撃ちになっても良いので遠くからヘッドショットを狙って行くという姿勢で攻める。近付いて戦う際にもいきなり派手に攻撃するのではなく、MP5を使って静かに敵の数を削ってやり見付かったら切り替えて本格的に撃ち合うとか、建物内に入り込んで周囲を囲まれる様な状況を避けるとかの工夫が必要である。 繰り返し書くがステルスが重要なゲームであり、敵についてはクリアの為に必要最小限倒せばOKという設定で、製作側もそういう意図でマップをデザインしている。どの部分の敵を戦わずに迂回するのかについての自由度が与えられてるという感じで、ここは戦わないとならないというケースでのみ戦うという方が有利となる。その意味でステルスでは無いがVehicle系も重要な役割を果たし、敵陣を相手にせずに突破してしまうという作戦も非常に有効である。マップによっては全体の敵の50%以上をパスしてクリアしてしまうというのも可能になっている。 行動面では敵の多数居る場所を上手く通り抜けるというケースも有るし、完全に別の道を探して迂回が可能というケースも有る。必ずしも敵の中を完全に気が付かれずに抜ける必要はなく、目的の物を入手したら敵の攻撃は無視して走って逃げてしまうという対応でクリアする事も多い。例えば車を奪うだけならば奪ってからとにかく走り抜けてしまえば良いし、同様に車で敵陣を強行突破というのが有効な箇所も多数有る。具体的なステルスの方法としては、無限に投げられる石を使って音で敵を誘導するというのが可能。また水中には相当長い時間潜れるので、見付かり難い水の中を通って進むというのも有効である。隠れるのにSmoke Grenadeも使えるが、範囲が広くないのでアウトドアではそれ程有効ではない。 移動ルートに関しては全く敵が居ないという事はなくて、警備体制が厚い本ルートと手薄な裏ルートが在るという構造が多くなっている。ゲーム中に「このルートの突破は難し過ぎるのではないか?」と感じたら、戻って周囲を探してみると別ルートが(時には複数)見付かったりするというパターンは多い。特にアウトドアは非常に広いので、この辺の新たなルート探しはゲームを面白くしている要素となっている。勿論最初からハッキリと分岐ルートが見えており、そこからどこを通って進むかを自由に選択出来るという場合もある。 戦闘を避けるという理由には、そのエリアに特別な目的(通らないとならない・奪いたいVehicleが有る)が無い限りは戦ってもゲーム上何も得が無いというのもある(本人の満足度以外)。まず回復アイテム系は携帯が不可の為に、現在のステータスがフルかそれに近ければ、それ以上は上がらないので戦っても損するだけである。もしそこで戦闘後にフル回復が可能ならば損にはならないが、敵の数に応じて適切な量の回復薬が置かれているゲームではなく、無い場合にはHPが減ってその後が厳しくなるのみという結果に終わる。弾薬は大量に有るので特に回収の必要は無いし、今持っていない武器や希少な弾薬の入手の当てが有る以外ならば、その他のアイテムの入手目的でも戦闘は意味が無い事になる。 逆に現在のステータスが危ない状態であれば、ステルスで近付いて回復薬が置いていないかを探索するという価値は有る。ただその場合には近付くのもステルスだし、見付けたらそれをその場所で戦って削られては意味が無いので、帰りも全力で逃げるかステルスになり、結局の所は戦わないのが得策という結論になる事に。 敵の種類は一般的な傭兵になるが、初期のArmorが薄いタイプから装備が厚い者まで数種類混在しており、中には手にシールドを持っているタイプもいる。この他にゲーム内には実験の産物であるミュータントが何種類か存在しており、こちらは人間とは異なり知的な頭脳を持っている訳ではなくストレートで攻撃的。 Tridgensは腕だけが異常に長いずんぐりしたタイプの敵で、高速の長距離ジャンプによって打撃攻撃を行う。Spectresは透明化する能力を持ち、CryVisionを使わないと探知が難しい。Locustsはサブマシンガンを持った人間型の敵で、ピョンピョンと相当に高く遠くへと飛びながら移動するので狙いが付け難い存在となる。Fatboysはのろまだが耐久力が高い敵で、ほとんどのタイプは右手にロケットを装備しておりここから(通常よりもスローな)ロケット弾を連射して来る。倒すのに時間が掛かるので厄介だし、狭い場所で遭遇すると非常に戦い辛い敵となる。 彼等は逃げ出したという設定なので傭兵達とは敵同士であり、マップ内で遭遇すれば戦闘状態となって、かなりの場所でその戦闘状態を目撃する事が出来る。こういう場合には隠れて待っていて同士討ちで数が減るのを狙ったりや、戦闘に乗じて逃げたり突破してしまうというのも有効である。 |