GAMEPLAY |
一般的なFPSとは異なるゲーム形式を採用しており、最初はそこから説明する。背景設定にもあるようにプレイヤーはバーチャルリアリティを実現したアーケードゲーム機Firestarterの中に入っているという状況であり、そのアーケードゲームのスタイルでFPSをプレイするという点が他のゲームとは異なっている。縦横スクロール形式の面クリア型のアーケードゲーム等と同様に、FPSゲームを面単位で次々にクリアしていって最終面まで到達するのが目的となる。 設定されたルートを辿って行ってマップのクリア地点を目指す通常のスタイルとは違い、FSの各面(マップ)は全て出口の無い閉鎖された空間となっており、ここに到達すればクリアといったゴール地点は存在しない。マップ内にスポーンする武器, 弾薬, アイテム類を取りながら、次々と空間に湧いて出て来る敵を倒し続け、クリア基準に達するまでの時間をサバイバルする事が目的となっている。扉を開ける為のアイテムを探したり、謎解きをしたりといった要素は無く、ひたすら敵と戦って倒す形式のゲームである。 ロケーションはIndustrial Zone, Empire, Space Stationが各5面で計3*5=15面。ラストのArenaを含めて全16面で構成されている。これらを順にクリアして行って最後まで到達するのが目的だが、アーケードゲームという形式上マップ途中での任意セーブ(途中保存)というのは出来ない。セーブ状況はマップをどこまでクリアしたかであり、途中で止めてしまえばまたそのマップの最初からやり直しになる。 難易度はTouring, Easy, Normal, Hard, Extreme, Insaneの6種類が用意されており、各マップの開始前に任意に変更が可能。もちろん途中で難易度を変えてリスタートさせる事も出来る。 ゲームのもう一つの柱となるのがRPG風の成長要素。プレイヤーは最初にキャラクタを作成するのだが、ここで能力の異なる6種類のクラスから好きな者を選択する様になっている。プレイ中には敵を倒したりする事で経験値が入り、それが一定値に達すれば面クリア後にレベルアップが行われて基礎能力が上昇。また様々なスキルを新たに獲得したり、レベルアップもさせられる。これにより自分のプレイスタイルに合ったキャラクタに育てたり、弱点をスキルで補ったりしながら、次第に難易度を増していくゲームに対抗する形になる。 ゲームの進行は製作したキャラクタ別にセーブされるので、多数のキャラクタを製作し平行してのプレイも出来る。ハイスコアもキャラクタ別、マップ別に保存される方式。 この様なゲーム形式は、予算と人員的な問題からストーリー勝負では大手には敵わないし、多彩で変化に富んだロケーションを用意するのも困難という判断から 、そんな中で個性的なFPSを作るにはどうするか?という観点から考え出されたそうだ。 |
BASICS |
ここでは実際のゲームがどんな流れで進行していくのかを簡単に説明する。 まずはキャラクタを選択してキャンペーンモードを開始すると、その進行状況に応じてチャレンジする順番のマップが表示される。プレイ開始前にはそのマップの構造, 新たに登場する武器, 新たなモンスターの解説, クリアに向けてのヒント等が参照出来る。 ゲームがスタートすると、プレイヤーはそのマップのZone1にスポーンする。各マップは2〜7個のZoneと呼ばれる区画から構成されており、最初はそれぞれのZoneの入り口は赤ランプが点灯していてアクセスは出来ない。そして15秒のカウントダウンが始まり、その間に望むならばマップ内のヘルスやアーマー等を回収可能である。少しの間をおいてマップ内に武器がスポーンし、それを取ると次は弾薬がスポーンする。 モンスターの登場は1〜数体単位で、現在の物が全て倒されるか、一定時間を置くかで新たな物が登場する形式。登場するモンスターの種類と数、そして順番は決まっているが、これは難易度によっても変化する。モンスターの登場位置は固定されておらず、広いマップならば基本的にプレイヤーの近くにスポーンする。登場する前には赤い外形が回転するウェイト時間があるので、その間にプレイヤー側で準備をする事も出来るようになっている。ただしスポーンする瞬間に赤い外形内に入っていると、テレフラグ状態となりプレイヤーは死亡してしまうので注意。 モンスターが登場したらいよいよ戦闘となり、プレイヤーはマップ内に次々に出現する敵を倒すのが目的になる。武器, 弾薬, 回復アイテムは幾つかの決まった場所に一定間隔でリスポーンする仕組みなので、マップ内を移動しながらこれ等を回収する事が必要になる。 現在のZone内に設定された全ての敵を倒すと(あと何体倒せというメッセージが出るケースもある)、次のZoneへの入り口が開く。新たなZoneではまた1〜数種類の新武器が出現し、また別の敵も現れるようになる。これを繰り返して次々にZoneをアンロックして行き、最後のZoneで全ての設定された敵を倒せばその面がクリアとなる(難易度が低いと最後まで行かないケースもある)。新たなZoneが開く際に前のZoneは閉じてしまうのではなく、既に開いている以前のZoneは最後までアクセスが可能。つまり進むに連れてマップ内のアクセス可能エリアは増えて行く。 どこでクリアになるのかというタイミングは、具体的に現時点での敵の登場数やゲームクリアまでの残り数が表示されない為に、初見ではハッキリしない(ボス敵が出現する各エピソードの最後以外)。 ゲームにおいて戦闘以外で重要な要素となるのがArtifactsの存在である。この紫色に光るアイテムは各Zone内で1回以上、間隔を置いてランダムな場所に出現し、プレイヤーは制限時間内にこれを回収しないとならない(難易度Normalでは25秒)。もし間に合わなければそこでゲームオーバーになる。出現した瞬間はカメラがその場所に切り替わって回転し、具体的に何所に出たのかを確認する事は可能だし、またその位置はミニマップ上にも表示される。ただしマップが多階層の構造だったり、現在の区画以外に出る事もあるので、どうやったらそこに最短時間で到達出来るのかを判断しないとならず、それ程達成するのは容易い作業ではない。それと出現している間も敵の攻撃は止まらないので、敵をどうするかという問題もある。 そしてArfifactを取るのに成功すると、そこが最新のセーブポイントに設定される。プレイヤーが死亡した場合、または次のArfifactを取るのに失敗した場合には、このセーブポイントからやり直しになる。ここではライフが3つ与えられて、同一のセーブポイントから3回までのやり直し(クイックロード)が可能になる。なおその際のヘルスの値はセーブされた時点の値ではなく、そのキャラクタの現在のパラメーター値が適用される。 このリトライの間に次のArfifactを獲れれば、セーブポイントとライフの残数はリセットされてまた3回のトライが可能となる。しかしこの3回のリトライ中に次のArfifactが取れなかった場合には、そこで真のゲームオーバーになりマップの最初からやり直さないとならない。(それと途中経過の状態でゲームを抜ける事は出来ない)。 キャンペーンモードの他にInstant Gameが用意されており、これは選択したキャラクタがそれまでにアンロックしているマップをリプレイ可能なモードである。経験値等の成長要素はここではカウントされないが、現時点におけるそのキャラクタの能力でプレイする事が出来る。例えばキャンペーンにてクリア出来ないマップを難易度を下げて一端クリアして先に進み、その後キャラクタが成長して能力が上がってからリトライするといった事も可能になっている。 |
CHARACTERS | ||||||||||||||
ゲーム開始前のキャラクター制作時に、6つの異なるクラスの中から好きな者を選択する事が出来る。ライト, ミディアム, ヘビータイプが各2種類で、基本パラメータや能力に大きな違いがある。またプレイ中に得た経験値によりレベルアップが可能で(最大でLV21)、それに応じて各種能力値も上昇していく。 基本パラメータはヘルス, アーマー, スピードの三種類。クラス別に初期値が異なるし最大値も違う。レベルアップによって徐々に上がっていくが、どのパラメータを伸ばすのかをプレイヤーは選択出来ない。 ヘルスとアーマーは当然重要であり、特にリトライ回数に制限が在るこのゲームではよりその意味を増す。しかしArfifactsを制限時間内に取らないとならない点、そしてマップ内を巡廻して弾薬やヘルス&アイテムを繰り返し回収しないとならない点から、スピードが一般的なFPSよりも重要となっているのも確かである。 初期設定の時点でスキルを一つ持っており、レベルアップに応じて新しいスキルを取るか、既存の物をレベルアップさせる事が出来る。クラスによって取れるスキルと取れないスキルがあるし、たった一つのクラスしか取れない独自スキルというのもある。 それぞれのクラスは得意な武器を一つ持っており、他のクラスよりもそれを上手く扱う事が出来る。またその得意な武器の能力のみを伸ばすというスキルも存在する。
(非常にマイナーな故に攻略系の詳細なデータがネット上に存在せず、以上の基本データには一部誤りがある可能性もある) |
GRAPHICS |
自社製作のFirestarter Engine V1.0を使用。社内のS.T.A.L.K.E.R.のX-ray等の別プロジェクトとの関連性は無い。Vertex
& Pixel Shadersを導入したDX8世代のグラフィックエンジンで、一部DX9レベルにまで拡張している。設定項目は多いし、ベンチマークを設けたりとグラフィックスには相当力を入れているゲームになる。だがやはり人員と予算の問題には勝てず、スケルタル・アニメーションやオブジェクトの破壊といった予定していた機能を幾つかカットせざるを得なかったそうだ。 発売はFPSゲームのグラフィックスが大幅に向上した2004年だが、実際には地元では2003年の発売という事で、2004年より前の旧世代に属するグラフィックスという感はやはり否めない。ロケーションが少ないという点を除けば同世代の中では標準的なレベルと言えるが、軽さという点では優れていたようだ(個人的には2006年頃のプレイなので正確には判らない)。 蒸気の噴き出しや硝煙等のパーティクル系エフェクトは綺麗。その他ではマップ内のモニタにアニメーションが流れるのが目立つ。問題を感じるのはモンスターのデザインで、モデリングが粗っぽく見えるし格好良い物も少ない。アニメーションも単純である。 選択可能な解像度は少なく基本的には4:3のアスペクト比。少しだけワイド対応の解像度も選べる。アンチエイリアシングはサポートしていない。 |
SOUND |
3Dサウンドに対応しているが定位感はあまり良くない部類で、実際とは異なる変な方向から音がしたりもする。 銃声は重みが感じられて水準はクリアしている。環境音等は少ないし、敵の来る方向が音で判断可能なゲームでもない。 BGMはダークなテクノ系のトラックが10曲ほど用意されており、これがランダムに選択されずっとリピートされて鳴っている。 |
MULTIPLAYER |
LANのみなので未プレイ。Deathmatchの他にモンスターを使用した3つのモードが用意されている。その内の一つはCo-opで8人までが参加可能。キャラクターの選択や経験値によるレベルアップをサポートしており、進行途中でのセーブも可能である。敵の強さは人数に応じて調整される模様。どんな感じなのかは試していないので解らない。 |