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GAMEPLAY
 オリジナルの方はチャプター数が7個。現在のEEではDLC Exileの分で5つのチャプターが追加されており計12チャプターの構成。難易度Normalのプレイでオリジナル分が8時間+Exile分が4時間、計12時間程度でクリア。アップグレード要素が在るので別の方面で強化を進めてのリプレイが可能だし、アップグレードを維持したままのEXモードで更に高難易度へと挑戦も出来るのでリプレイ性はある方だと言えよう。

 実はこのゲームの長さについては発売時に一騒動あった。掲示板ではこのスレッドで論議が行われている。発端は発売直前になってレビューが出始めたのだが、そこで「ボリュームは4時間程度と短い」という評が複数のサイトにて書き込まれる(オリジナルの7チャプター版での話)。この情報に対して予約していたユーザーなどから、「価格が$29.99と安目の設定とは言え、4時間でクリア出来るというのはあまりにも短過ぎるだろう」と不満が噴出。それに対して制作側が建てたのが上記のスレッドで、以下の様に反論している。

 「このレビュアー達のクリアまで4時間という情報は、難易度Easyで出来るだけ早く進めた際のクリア時間だと推測される。我々は40人以上のテスターを使っているが、難易度Normalを7時間以内でクリア出来たプレイヤーは居ない」。だから安心して欲しいというコメントだったのだが、実際に発売されてからは自分のクリア時間情報の提示や、「いやもっと早くクリア出来る」という反論を含めてかなり長いスレッドになっている。私の感想としては初見プレイでNormalを4時間というのは、有り得ないとは言わないが達成出来る人は無視して構わない程度の数しか存在しないだろう。だが一方で7時間以内でクリア出来た人は一人も居ないという方は、急げば7時間を切るのはそれ程厳しい条件とは思えない。

 それに関連してこのHRに限った話ではないのだが、データとして総プレイ時間を見られるゲームの問題点としてその計算が正しくないという件が挙げられる。私の知る限りチェックポイントセーブ方式を採用しているゲームにおいては、プレイ時間は次のチェックポイントへの到達が成功した時だけしか加算されない。難所で実時間では1時間掛かっていたとしても、最後の成功した時が5分だったら5分とカウントされるという意味。よって実際には7時間でクリアしていたとしても、データ上では5時間でクリアになっているという様な事が起きる。そもそもボリュームが少ないゲームでそれを批判される恐れがある際に、実際よりも短く計算される総合プレイ時間をユーザーから見られる様にするというのは自分で自分の首を絞める行為でしかなく、長いRPGとかでなければあえて装備するべき機能ではないと考える。なおSteam上でのプレイ時間というのもあるが、こちらは逆にオンライン状態にてゲームが起動されている時間を単純に加算しているだけであり、例えばメニューの状態で作業切り替えして放っておいても加算されるので違った意味で正確ではない。

 上記掲示板のデータでもどちらの時間を挙げているのが不明な物があり、実際に平均してどの位なのかは見え難い状況である。ただ現在ではExileの分が追加されているのでボリュームの問題は改善されている。



 サイバーパンクの世界観を持ち、制作側も認めている通りに『Blade Runner』からの影響が強い(環境音には日本語も含まれている)。看板のデザインやホログラムを使用した広告等、未来社会の雰囲気は結構良く出ていると感じられた。同じ様な未来社会を扱っているゲームは他にも在るが、このゲームにおける各ロケーションのデザインや景観にはまた独特の色が出ており、そのユニークさは高く評価出来る点だと感じる。更にEEで加わったExile分のパートも新鮮なロケーションが多く、こちらも含めて秀逸である。

 ストーリーの解説はグラフィックノベルの形式を使用。内容については正直なところ良く解らない。ムービーは単体で見直せるが、実際にはどうなっているのかには謎な点が多くて不明瞭である。Exileのパートにおいても続編を臭わせるような形で終わってしまうので補完ににはならず。まあある意味ストーリーに関してはどうでも良いゲームとは言えるが、スッキリしないのは確かである。


 掲示板においてはクイックセーブ可否論議も盛んである。オールドスクールを名乗るゲームにおいてでも、近年の物ではクイックセーブが無かったりもしているが、このHRにおいてもそれはサポートされていない(初期はコンソールから行えたようだが、正常に機能しなかったりだった模様)。そこから「クイックセーブ無しなのにオールドスクールを名乗るな」という批判組と、クイックセーブは緊張感を壊す恐れがあるので無くて構わない派の論議スレッドが幾つも存在している。昔と違って今はクイックセーブが技術的に難しいという面もあるが、HRにおいては開発側では「クイックセーブは難易度のバランスを破壊しかねないので排除し、チェックポイントセーブで最適なバランスを取るように制作している」としている(しかし最新作のShadow Warriorでは導入している。パブリッシャー側の要請か?)。

 私自身は使いたい人が使えば良いので在った方が良いと思うが、HRではチェックポイントの全ての履歴を保持してくれるし、特別に間隔が長いという印象も無かったのでマイナス面としてカウントはしない。それとオリジナル版におけるチャプター7のラスボス戦では、セーブ無しで多数のウェーブを乗り切らないとならないのでキツいという批判が出ていたが、EEでは途中でチェックポイントセーブが入る様になっており、どこかでセーブポイントの見直しが図られてもいる様だ。


 途中から追加されたサバイバルモードは無いよりはマシという程度。稼いだN.A.N.O.で武器をアップグレードしたりして進めるが、休み無く延々と戦う事になるので飽きが来るのも早い(マップも少ない)。Co-opとしてプレイ出来るならばもっと面白くなったかも知れないが、ソロでプレイするなら本編の難易度を上げてリプレイした方が数段面白いだろう。

COMBAT
 制作側自身がオールドスクールのFPSと宣言しているし、全武器携帯可能, リロード無し, 武器の命中率は移動しても変わらず, ヘルスはアイテム回復制、等々昔ながらのFPSの要素を備えている。そしてデモの時点まではその通りのゲーム性だと考えていたのだが、最後まで実際にクリアしてみた感想としては、ちょっとオールドスクールというには変わったプレイ感であった。現代でも続いているシリーズ物としてSerious SamPainkillerが存在しているが、この両者の様な物とは異なる感覚のゲームである。


 大きな特徴はHaloの様にヘルスはアイテム回復だがシールドはリチャージ制な所で、これが戦闘に多大な影響を与えている。どういう事かと説明すると、オールドスクールと呼ばれるゲームの典型的なスタイルとして、敵を正面から真っ向勝負で迎え撃つというのがある。向かって飛んで来るタイプの攻撃や, 突っ込んで来る打撃攻撃タイプの敵をかわしつつ、こちらの攻撃を当てて倒すというやり方である。ところがこのHRでは敵が多く, 硬く, 速く, 目視ではかわせないタイプの攻撃を仕掛けられたりもする上に、アップグレード状況にもよるがこちらの火力不足で簡単には一掃出来ないというバランスにされている。それに因り被ダメージ量がどうしても多くなるので、何回でも可能なシールドのリチャージによってダメージを受けきるのが重要となっている。

 ところがシールドが無くなったので一旦逃げようとしても、スプリントは3秒間しか持続出来ないし、デフォルトの移動速度は確かに速い方だがそれよりもずっと高速な敵が多いという設定。或いは遮蔽物に隠れようとしても、とても広いエリアで遮蔽物までが遠いとか、全く何も無いという場所さえ在る。また隠れてもその背後まで敵は高速で追って来られるし、そこまで曲がって飛んで来るタイプの攻撃もある。

 ではどうするのかと言うと、敵を停止orスローダウンさせる攻撃方法が多数用意されており、これ等を使って自分自身でシールドがリチャージされるまでの時間を稼ぐという話になっている。この自分でシールドリチャージの為の時間を作り出すという要素が、ゲームにおける最もユニークな点だと言えるだろう。

・ショットガンの2ndary(当てた敵を一時的に止める)
・ショックブラスターのプライマリ&2ndary(当てた敵を一時的に止める)
・エレクトリックモーターのプライマリ(ダメージを与えつつスローダウン)と2ndary(球体内の敵を静止)
・グレネードランチャーの重力グレネードで敵を吸い寄せて止める


 つまり敵を停止させつつリチャージの時間を稼ぎ、リチャージ後に再度戦闘に戻るといったやり方が防御力を高める意味で効果的になる。勿論これは、停止させている間に攻撃してダメージを与える, 集団の敵を分断して対処し易くする, 近くに詰め寄られて窮地に陥った時の逃走時間を稼ぐ、といった面でも大いに有効である。

 必ずしもそうしないとならない訳ではないが、シールドのリチャージを考えずに常に真っ向から戦うという方法では難易度Normalでも厳しいというバランスで、更に難易度を上げてのプレイとなれば必須というレベルになると思われる。また敵出現の瞬間からダメージ最大級の武器で全弾当てても倒し切れずに、接近されて囲まれ攻撃されてしまうというケースが後半になるにつれて多くなるので、その際には直接攻撃よりもまずは敵を止めないとどうしようもないという事になっている。

 つまりスピード感のある大変に忙しいアクションゲームではあるのだが、難所になるほど撃ちまくりと言うよりも「逃げまくり」と言う方が適切になる。敵をスローダウンさせる攻撃を行っては逃げてリチャージの時間を稼ぎ、余裕があるなら止まっている所に別の武器で攻撃。危なくなったらまた停止させて逃げるといった感じで、これを敵が減って戦い易くなるまで続ける。弱めの敵集団とか単体相手ならば普通に戦っても大丈夫とは言えるが、ヘルスが危険な状態でスタートするケースとか、途中で失敗して大ダメージを受けてしまった時など、逃げてリチャージの戦法に切り替えないとならなくなったりはする。



 オールドスクールとは異なる点について、続いては敵を倒す所が見られないケースが結構あるというのを挙げたい。第一の原因は何と言ってもド派手というレベルの画面エフェクトである。SSやPKでは最近のゲームにおいても武器の効果エフェクト類は控え目である。これは自分の攻撃が命中している所をプレイヤーにハッキリと見せる, 狙いを付け易くする為に視界をクリアに保つ、といった方針から来ている。

 しかしHRは爆発や電撃を含めて多数のエフェクトが画面を覆う様になっており、これはグラフィックス設定を落としても表示のクオリティが落ちるだけでほぼ変わらない。攻撃を受けた際のダメージエフェクトも大きめで、また小さなダメージでもこれが発生してしまう(設定で血の色を緑にする事は出来る)。そして激しい戦闘シーンになるほど多数のエフェクトが発生する為に、特に多数の敵との近接戦などでは敵を倒している所が良く見えないし、まだ生き残っている敵を探し辛いという状況に陥る。

 他には敵を留める攻撃を使ってその間に逃げるという手段を良く使うので、その後吹き飛ばす重力グレネードやダメージを与え続けるエレクトリックモーターにより敵を倒した際、他の方向に移動中だと直接は破壊の瞬間を見ていないという事が発生する。特に敵が大量に出るエリアでは連発して撃っては逃げてで、攻撃は手近の雑魚敵に集中したりが多いので、その間に視界外で何時の間にか死んでいるという状況が増える事になる。敵を倒した瞬間をハッキリと見せるのが基本のオールドスクールに対して、この設定は悪い訳ではないがやはり違いが感じられた。



 敵に正確に攻撃を命中させるという要素が比較的希薄なのも、オールドスクールとは一線を画す変わったゲーム感の要因と言える。まずは正確に狙って撃つ必要がある武器というのがあまりない。ショックブラスターは点では無く面で当てられる上に複数同時攻撃なので強力。スマートガンの様に狙わずとも自動追尾で当たる武器があるし、ある程度の正確性しか要求されないグレネードを投げ込む事が非常に多いのも同様の意味合い。

 一方で狙って当てる強力武器としてはレールガンがあるが、こちらはアップグレードにて透過モードを取れるのが大きな問題点。敵側からは見えない状態において一方的に攻撃を当てられる。オールドスクールの面白さには移動する敵に見事命中させるというのがあるので、その観点からするとこれでは面白くない。他のゲームではレールガンの弾薬を制限して破壊力を制限したりしているが、弾薬共通のこのゲームでは幾らでも壁透過モードで撃てるので、明らかにバランスを崩す欠陥にもなっている。同じく他の武器でも敵を停止させてその間に攻撃というパターンが多いので、こちらもやはり止まっていて簡単に当てられるという風になってしまう。

 他には下で詳しく述べるが、周囲の爆発物や電撃発生オブジェクトを利用して倒せる様になっており、またこれが直接攻撃よりもかなり役立つというケースが多い(特に基本攻撃力の低い序盤)。だがこの環境を使った攻撃ばかりだと、敵を直接攻撃して倒すという爽快感が減退してしまうのは避けられない。

 例外を挙げておくと、RPGのレーザーガイドモードは面白い。ゲーム中で一番お気に入りの攻撃方法で、照準で誘導して狙って当てるのでオールドスクールの感覚が活きている。


COMBAT(続)
 N.A.N.O.を回収し貯めて行うアップグレードは非常に重要である。序盤でも容赦ないというレベルの戦闘エリアが登場するので、特にプレイヤーの能力が低い段階においては、そこまでにどれだけ取れるのかと何を取るのかは大きな影響を及ぼす。これは難易度が上がれば更に顕著となる。私の場合にはオリジナル版終了の段階でアップグレードは25個獲得していたが、シークレットをコンプリートしても遥かに数多く取れるとは思えず、全45項目中で獲得可能な項目はある程度限定される事になる。なお中にはレールガンのように、ある場所までに獲得しておかないと大きなハンデとなりそうな物もあるので、場合によっては戻ってアップグレードを取り直す必要に迫られる人も出て来る可能性がある。

 よって探索が結構大事なゲームである。N.A.N.O.はシークレットや物陰に多数置かれているので、周辺を見回って回収するという地道な行為が必要となる。周辺のN.A.N.O.の位置をレーダーに表示するというアップグレードもあるが、それ程見易い訳ではない。Normal辺りだとアップグレードの遅れをスキルでカバーというのもそれなりに可能なのだろうが、高難易度だと遅れは大きなハンデとなるはずだ。その意味で周囲を見て回らない突進スタイルのプレイヤーには不向きなゲームとも言えるだろう。


 アップグレードで何を取ったか(どの武器を重視して使ったか)によりプレイ感覚や感想が変わるのは確かなので、先に私自身がどうだったのかを述べておくと、最初はオールドスクールにおいて定番であるアサルトライフルとプラズマライフルのアップグレードを行ったのだが、進めてみてどうもパワー不足という感を受ける。マシンガンでは破壊力が低くて押し込まれてしまうし、プラズマは溜めると強力だが発射間隔が長いのが問題。そこで早期に前のチェックポイントまで戻って別の武器のアンロックに方針変更。その後Exileのクリアに至るまで、アサルトライフルとプラズマはアップグレードをせずに終わっている。逆にレールガンとRPGを早期に獲得するように進めた。

 身体改造の方では早目にEnhanced perception modeを取得したが、これは大いに役立ってくれた。この能力は死にそうになると一時的にスローモーションになって超高速での移動を可能にするという物で、敵に囲まれている等の危機的状況からの脱出に便利。更にアップグレードでその間のダメージ耐性を上昇, 持続時間の延長を獲得したが、死に易いこのゲームでは有用な能力だと思う。

 ただし何を取るのが良いのかは個人の戦闘スタイルも影響するので一概には言えないし、実際に各種掲示板でもいろいろな意見が見受けられた。この手のゲームでは選択肢は多いが能力差が明白過ぎて実質選択肢が狭いという物もあるが、その点HRでは多彩な選択肢が用意されているという所は優秀だと言えよう。



 一般的な戦闘要素について(Normalでのもの)。シールドのリチャージを考えながら戦うのが重要と書いたが、少なくとも難易度Normalでは普通に撃ち合えるエリアもそれなりにあるし、ラッシュ時でも一部の敵を止めている状態で他の敵との通常戦闘に持ち込むというケースは良く出て来る。

 まず弾薬が2つのジャンル毎に共通なので、特定の武器の残り弾薬数を考えて戦う必要が無い。そして弾薬の方は大幅回復するアイテムを倒した敵が落とす事も多い為に、回収しつつ戦えば足りなくなるという心配はほぼ要らない。仮に全て無くしても待てば若干は回復するという救済機能もあり。よって残りを気にせずに弾を撃てるというシーンが大半で、併せてリロードの概念が無いので高速で撃ちまくれるという風にもなっている。ただし一番それを実感出来るアサルトライフルとプラズマライフルは、先に書いたように火力不足という印象。よって個人的には残り弾数を気にせずに撃ちまくれるが、それは主に連射が高速ではない武器においてという感想になる(RPGやレールガン)。

 敵は全てロボット系となるので、爆発して粉々になったりはするが生体系に比べて死亡時の変化に乏しいという面を持つ。ラグドールの計算も行われたりはするが、爆発してしまうかその場に崩れ落ちる方がずっと多い。また命中時に怯む動作を行うタイプも居るのだが、やはり生体系よりも攻撃を当てているという実感は低目。


 2系統の武器の特性については存在しているのか良く解らず。イメージとしてNRGの方がロボットに対して電撃系という所からより有効そうに見えるし、実際に雑魚の小型球形ロボはプラズマライフルの方がアサルトライフルよりも早く倒せる(無改造比較)。しかし単にDPSはプラズマの方が上だが、即着弾するアサルトライフルの方が遠距離では優位という設定がされているだけで、タイプ別に特にどちらかが良く効くという風にはされていないのかもしれない。

 武器使用時の欠点は、第一に何を使っているのか慣れるまでは判り辛いこと。変形するとは言っても大きくでは無いし、補助として表示される武器アイコンもどれが何を示すのかイメージ的にも不明瞭。そしてHUDを含めた画面エフェクトが激しいので、今知りたいという時に明確に判断が出来ないケースもある。何故それが困るのかというと、激戦時などに切り替えたと思った武器の切り替えが成功していない事がたまに在り、その場合見た目で即判断可能ならば希望した物へと切り替わっていないと判るのだが、こういった状況だと気が付かないままにそれを撃ってしまうという失敗が起こり得る。

 次に一発で目的の武器が出せないという点。10個の武器を切り替えキーと1〜5キーを使って呼び出せる様に設定されているが、目的の物を一発で呼び出すには1〜10の10個のキーを使用する方が有利。急いで目的の物にアクセスしたい時でも、別系等の武器であるなら武器系統切り替えキー → 1〜5の数字キーと2回押しで辿らないとならない。


 HUD表示がフレッチャーが片目に装着している装置に映されているという設定らしく、画面上のエフェクトがこのHUD表示にも影響を及ぼす為に、ブラーエフェクトが掛かればHUDの表示もブレて読み辛くなるし、爆発光が生じればHUDの表示もそれに照らされてしまう。結果的に戦闘中に現在のステータスを確認したいと思っても、HUDを瞬間的に読む事が出来ないという自体が発生する(バーと数字の二重表示で補完はしているが)。リアルと言えばリアルだが、オールドスクールのFPSにおいては不必要な要素である。少なくともHUD表示は画面エフェクトに影響されないという方が良い。



 Havokを使ったオブジェクトの破壊要素が大幅に採り入れられており、様々な物が撃ったりする事や衝撃による影響を受ける。爆発物を撃っての大幅な破壊も可能になっているし、敵がロボットなので彼等を倒した際の部品類の飛び散りも派手に行われる。

 その火薬系オブジェクトを撃っての爆発、電気系アイテムを撃っての放電攻撃にて敵を巻き込める様になっており、与えるダメージとしても大いに有効ではあるのだが、その一方で自分も巻き込まれる恐れがあって危険という設定になっている。とにかく大小含めて破壊可能なオブジェクトが多く、その為に誘爆という危険性を含んでいるのが問題。火薬缶を撃ったらその爆発により近くの電気設備が壊れて放電 → その放電が別の火薬アイテムを爆発させて巻き込まれる等。これは戦闘中に限らずシークレットを見付ける為に爆発アイテムを撃っていたら、近くまで爆発が来てしまって大ダメージという事態も起きる。なるべく撃たなければ良いのだが、単に爆発させると中からアイテムが出るというケースもあるので、なるべく撃っておいた方が良いという面も持っており悩ましい。物によってはジャンプで飛び乗っただけで爆発するというのまで存在する。

 更に怖いのがこの爆発や放電は無差別発生で、プレイヤーが撃った攻撃では爆発するが敵の攻撃では爆発しないという様な良くある設定にはされておらず、眼前で倒した敵が爆発して近くの火薬を巻き込んだりも発生する。中でも高速接近して来る小型球体ロボの自爆タイプが誘爆を引き起こし易く大変に嫌な存在。以上により戦闘中に原因不明で突然死ぬというケースがかなりあり、そのほとんどは近くでの火薬爆発に巻き込まれたものだと推測される。そこでこの死が繰り返される大量火気エリアにおいては、敵出現のトリガーとなる地点に到達する前に、遠くから攻撃して出来るだけ火薬オブジェクトを破壊しておくという対策も有効である。残しておいて敵を倒すのに使うという戦法が反って自身の身を滅ぼすというケースも多いのに注意。



 敵の種類はバリエーションを省くとそれ程多くない。中でも怖いのはゴリラと呼ばれる大型で高速チャージをかまして来る敵で、HRではスプリントの効果が前方移動にしか効かない為に、そのままサイドステップしてかわすには早目に動き出しを行わないと間に合わない(危なければ横を向いてそちらにスプリントという方が速い)。このレベル以上の敵はタフでもあるので、停止させて攻撃と手法を使わないと苦労するだろう。例えば巨大ロボ系ではミサイルを多数同時に放ってくるタイプもおり、完全にかわしきるのは困難なので早めに倒す必要があるのだが、相当タフなので火力が強い武器が無いと大変である。

 小型の敵は個々が弱くても集団で出現するので怖さを持つ。また弱い敵は速いタイプが多いので、火力不足で倒し切れないと接近されて壁際に追い詰められてしまうケースもありこれが厄介。小さなダメージでも画面にはダメージエフェクトが掛かるので、小さな敵の位置が見え難い状態で戦う羽目に陥ったりする。ショットガンが効果的なのだが、その範囲が非常に広角なのでうっかり火気に当たってしまって爆発という事故が怖い点。

 巨大ボス戦は計2回。ここを含めて敵が段階的に出て来るウェーブ形式が難所のパターンで、こういったエリアにはヘルスと弾薬が置いてあるのだが、最後のクリアまではそれと倒した敵が落とす物だけでやり繰りしないとならない。ヘルスや弾薬のラージアイテムはほぼ全回復に近い為になるべく減ってから取るのが理想だが、広いエリアで足りなくなると補給が間に合わないという危険を持つ。しかし反対に余裕がある状態にて早目に取ってしまうと、ラスト近くになってヘルスや弾薬アイテムが足りなくなって実質詰みでやり直しになる恐れも持っている。(ただしNormalではボス戦エリア以外はあまりシビアではない)。



 本編のチャプター7までの難易度は総合的に平均レベルよりは高目の設定(Normal)。それは敵を停止させる攻撃を使ってリチャージに努めての印象であり、まともに撃ち合うスタイルではより苦労する事になるだろう。だがレールガンの透過モードにて一方的に攻撃可能とか、そのエリア形状と敵のタイプによっても大きな幅があり、難しい所は難しいが易しい所は易しいという設定でバラツキが見られる。

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