シ ス テ ム |
キャンペーン 難易度はEasy / Normal / Hard / Guerrillaの四種類。何時でも変更可能だが、どの時点で変更が有効になるのかは未検証。なおこのゲームでは難易度設定がオプションの中に在り、キャンペーン開始時には聞いてこないので注意。実績解除を狙う場合には、確実に難易度を設定してから始めないとならない可能性がある。 セーブ&ロード チェックポイントセーブ方式。アンロックしたチャプターはメニューからリプレイ出来るが、このゲームでは更にその中の全てのチェックポイントからリプレイを開始可能。ただし所持武器は実際のセーブ時に持っていたものではなく、デフォルトの物になるようだ。 OBJECTIVES 現在の目標はESCキーで確認出来る。目標対象は上部の簡易コンパスに出るし、画面上にもダイレクトに文字で印が出るのでやるべき事は判り易い。移動時も味方にFollowアイコンが出る。 EXTRAS マルチプレイ用のDLCとして『The Fire Sale Map Pack』がリリースされている。 Steamworksを使用しており実績機能を持つ。この実績だけは日本語表示になる。 英語 字幕機能あり。ただし全部大文字表示であり、フォントの影響もあると思うのだが相当に読み辛い。また字幕の開始位置が下1/3辺りからなので、台詞が長い場合には下1/3が字幕で埋まってしまい、戦闘中などには鬱陶しく感じられる。 敵兵士の台詞は朝鮮語で固定。たまに日本語を喋る兵士も居るが、これは占領したアジア各国からの兵士も多数加わっているという設定から。 |
GAMEPLAY |
全7チャプター、Normalで6時間程度と短め。短いというのは聞いていたが、始めの方のチャプターはそれ程でもなく、「このペースで7チャプターならそうでもないのでは?」と考えていたものの、中盤のCH4〜6が比較的短くて結果的にこの位の時間だった。このキャンペーンの短さが、おそらくこのゲームのシングルプレイにおいて最も大きな批判を浴びた部分である。平均すると大体5時間位で終わってしまうという意見になっており、高速でプレイする人だと3時間台で終了してしまうという報告も出ている。 この批判には伏線もあって、近年は短いゲームが増えているので発売前に「どの位ボリュームがあるのか?」をインタビューにて聞かれる事が多く、それをこのゲームでは「早い人だと8時間位で、スキルによってはもっと掛かる」と答えていた。しかしそれ程のボリュームは無く、修正報告も無かったので、ユーザーから「短過ぎる」, 「騙された」として怒りを買ってしまった。発売後に5時間で終わってしまうという批判が出てからは、「確かに本当にエキスパートなプレイヤーが急げば5時間orもうちょっと早く終わるが、大体8〜10時間位掛かると認識している」と少し変更している。 私は大抵の場合平均とされるクリア時間よりも長く掛かる方だが、その私でも明らかに8時間分のボリュームは無いと思える。発売後の時点でもそれだけのボリュームが有ると言い張るのならば、考えられるのはテスターの大部分がFPSに慣れていない等のカジュアルなゲーマーだったという可能性くらいだろうか。 リプレイ性としては、実績狙いならば各チャプター毎に、[普通にクリア], [最高難易度でクリア], [一回もチェックポイントからリスタートせずにクリア]と3*7=21個の実績が用意されている。他にもアイテム収集等があるので、実績好きの人なら2周目は実績狙いに絞ってそれなりに楽しめるのではないか。だがそうで無い人に取っては難易度を上げて楽しむとかしかなく微妙なところ。 このゲームはマルチプレイにも力を入れており、そちらだけが目的で購入するというプレイヤーも結構多いはず。しかし割合という点ではやはりまだまだシングルプレイを目的とするユーザーの方がずっと多い(特にコンソール市場)。シングルプレイはオマケと割り切っているゲームならともかく、シングルプレイの方も楽しめると宣言しているのならば、当然そちらもちゃんと作り込まないとならない。前作Frontlines: Fuel of Warの反省から、「ゲームの売り上げを伸ばすには、魅力的なシナリオを持つしっかりとしたシングルプレイ用のコンテンツも必要」というのが解っていたなら、もっとそのコンテンツの制作に力を入れるべきだったと感じる。結論としてやはりこの短さは欠点だと言わざるを得ない。 ここで当然出てくるのが、「ゲームの長さよりも内容の濃さや面白さの方が重要であり、その点が充実しているなら短いという点は問題にはならない」という意見。確かにその通りであればここまでの批判は受けなかったのだろうが、次はその肝心の内容に関して出ている不満を2つ挙げる。 一つ目はゲームの結末というか、ストーリー的な意味でのボリュームについて。世界的に力を増した北朝鮮がアメリカに攻めて来るという設定は話題を呼び、注目度を集めるという点では大きな成功を収めたゲームだが、発売まではストーリーの詳細な内容については明らかにされていなかった。そして実際にはどうだったのかというと、これは多くの人が予想していた様な「アメリカが反撃してGKR軍を倒すまでの話」ではなく、もっと小規模な展開のストーリーであり、具体的には「アメリカ軍の反撃が遂に始まった...」という所で終わってしまう。言うなれば全三部作の中のエピソード1みたいな長さの話であり、この点がゲームの短さと相まって、「えっ、これで終わりなの?」という不満が出てしまっている。 もう一つは戦闘の規模や派手さに関して。この手のゲームは当然ながらCall of Duty(Modern Warfare)シリーズとの比較は避けられず、実際にスクリプトによるイベントが発生してストーリーが展開していくという点では同種のゲームである。ただしこのゲームの設定はローカルなエリアで活動しているレジスタンスによるゲリラ戦であり、派手な演出が売りのCoD系に比べると地味である。トレーラーには派手な戦闘シーンが使われていたりもするが、兵器も併せて敵味方が大量に登場するのは最後のチャプターのみであり、それまでは数人だけのグループでの行動が多く、時折その他の味方も加わるという展開を見せるが大規模な戦闘というまでには行かない。デザイナーは最も影響を受けたゲームとしてHalf-Life 1,2を挙げているが、確かにこのゲームはHL2でのレジスタンスとの共同戦にイメージが似ている(余談だが「これはあのシーンのオマージュか」というシーンも出て来る)。またゴードン・フリーマン同様に、主人公ジェイコブスはゲーム中に一言も台詞を発しない(カットシーンでの外見も無い)。よって派手な演出好きのプレイヤーからは地味過ぎるという事で批判されていたりもする。 個人的には後者の方は「こういうのもありかな」という感想で特に不満は無い。ドラマチック過ぎて現実離れした感のあるCoDシリーズに比べて、地味だがリアリティという面では勝っている。しかし前者の方は、最後の決着までは行かないにしろ、もう少し反撃開始からの展開があった方が良かったと感じられる。これにはボリュームが短いというのも影響しており、ストーリー的にここで終わらせるのならば、そこまでをもっと長くするという方法でも不満は軽減されたと思う。 |
GAMEPLAY(続) |
ストーリーの内容及び背景設定はなかなか興味深い。『地獄の黙示録』の脚本を担当したジョン・ミリアスが担当している事からも推測出来る様に、これは「世界の正義であるアメリカが、愛国心により団結して悪をやっつける話」でも無ければ、素晴らしきアメリカを賛美した物でも無い。 例えばレジスタンスは周辺の一般住民からは英雄視されていないどころか、彼等の破壊工作によって怒ったGKRが市民を虐殺したりする事から逆に嫌われているし、近くにやって来るとGKRが一緒に来てしまうとして疎んじられているという状況。そして仲間の中でコナーはどんな犠牲を払おうが奴らを倒すという使命に燃えているが、その通りにプレイヤーが共感出来るかどうか疑問を感じさせる様な行動も目立ち、格好良いヒーローとしては描かれていない。女性のリアーナは自分達の行動への報復で市民が殺されたりするのに対して、本当に自分達がやっている事は正しいのかと思い悩んでいる。メカニックのホッパーは朝鮮系であり、その為に昔から差別を受けたりと微妙な立場に居る存在。 一般市民はそれぞれが小さなコミュニティを作って生きているが、お互いに仲が良いとは限らず、数少ない食料や資源を奪い合っているという状況にも置かれている。このゲームではその辺りの戦争によって引き起こされる狂気や、生きる為に綺麗事は言っていられないという面を強調して描いており、アメリカ人はこんな時にでも皆で団結して敵に立ち向かうという話では無く、むしろ人間の汚さや歪んだ精神をテーマとした暗澹たる内容となっている。それとゲーム中には「これは規制されないのか?」という様なショッキングなシーンも含まれている。 ゲームのスタイルはイベントによって進められていく方式で、ロケットやスナイパーを持つ敵兵士を撃てと指示されたり, 敵のタレットまで近寄ってグレネードで破壊したり, 走る車の銃座に付いて敵の車両やヘリと戦ったり, リモート攻撃車両のゴライアスの為にターゲッティングで指示を出したり, 爆発で倒れた所に破壊された車両が吹っ飛んで来て危機一髪だったりと、定番の要素が満載で進められていく。ヘリを操縦するチャプターはあるが、他に特に珍しいシチュエーションなどは用意されていない。ただDrama Engineと呼ばれるイベント制御用システムを組み込んでおり、これは何か劇的なイベントが発生する際に、主人公が何所にいようとその近くでそれが起きるように自動調整する物だそうだ。 このスクリプトによるイベントの発生には詰めの甘さも見られ、例えば周囲のオブジェクトが崩れてくるシーンにて、NPCの指示に従って走って付いて行くと下敷きになって死んでしまったりする事があった。避けようの無い死の可能性があるという意味。またNPCを押し退けるという事が出来ない為に、イベント中に下手な位置に移動してしまうと、近くに移動してきたNPCに進路を塞がれてしまい、指示された行為が出来ずにやり直しというケースにも遭遇した。 展開はほぼ一本道で、NPCしか開けられない扉で強制的に止められたり、透明な壁により制作側が意図しない方向へは進めないという制限が設けられている。マップには広い場所もあるのだが、NPCに「さあ次に行くぞ」と急かさせるシーンが多く、それに従うなら訪問しないエリアも増えてくる。しかしこのゲームでは本道から外れた枝道エリアは有るのだが、どうやらそれは新聞探し用に充てられていて、ゲーム自体の面白さを増すという方向性では使われていない。要は詳しい情勢を書いた新聞を集めるという実績が有って、単にそれを隠す為の場所としてマップに枝道が作られており、そういう露骨なやり方は個人的には好きでは無い。なおこれは全部で61個有るが、普通にプレイした結果として見付かったのは10個位。また現在何個集めているのかは確認出来ないし、新聞を後で読み返す事も出来ない。 |