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GAMEPLAY
 KFは閉じたマップ内でWave終了まで延々と戦う形式なので、L4Dの様なゲーム進行中の展開の変化や固定イベント、またストーリー性の様な物は持っていない。選べるキャラクタについても名前や個性的な特徴は無く、デフォルトではスキン違いの6種から選択可能なだけでその外見も似通っている。(有料のキャラクターパックには個性的なスキンも用意されている)。この辺はL4Dに比較すると弱い所になる。


 閉じたマップ内でゲームが進行する事から各々の差別化は重要になってくるが、公式の9個のマップはまず外見的にはちゃんと変化が付けられている。マップ構造の方は全て大幅に異なるという程では無いが、広大でオープンなスペースを持つFarm、明るく見通しが良い開けた構造のWest London、迷路の様な構造で非常に暗い場所が多いBedlam、高低差を持ったFoundry等、それなりに異なった形状にはデザインされている。他には公式認定された(ちゃんと成績がカウントされる)大量のユーザー制作のマップが流通しているので、そのバリエーションには事欠かないと言える。だが公式マップの数が9個というのはやはりちょっと少ないという印象で、幾らユーザーマップが多いとは言え早急にもっと数を増やすべきだと感じる。

 内部のデザインとしては攻撃方向を一つのみに絞れる場所はほとんどなく、プレイヤーには進行が出来ない障害物でブロックされた箇所を越えて来たり、上方の隙間やダクトから振って来たりもするようになっている。ただ扉を溶接して入り口を減らす事で一方向だけに絞れるという場所ならばそこそこ存在している。


 L4Dを含めたマップ内を流れに沿って進める形式の大多数のCo-opでは、プレイヤー側は戦う場所を選ぶ事が出来ないというのに比較すると、KFでは戦う場所をプレイヤー側が選べるという点が非常に大きな特徴となっている。そして何所で戦うのかというのが戦闘に強い影響を及ぼし、戦う場所を間違えれば強いプレイヤーが集まっていても難易度は急激にアップしてしまう。公式マップは結構な広さを持っている物が多いが、ここで戦うべきではないというエリアが結構在るので、ある程度マップ構造が判っている慣れたメンバーであれば有利な場所へと固まる傾向が強くなる。

 とは言えWave間の店の場所が常に移動する為に、「ここで戦いたい」という場所から店が離れてしまうケースもあり、その場合には店に近い地点で戦い易い場所に切り替えたりする必要も出て来る。或いはWave終了時に出来る限り店に近寄っておいて、早めに買い物を済ませて余り時間で目的地へと移動するとかになる。この辺の戦うポジションの選択を他のプレイヤーと協力して上手く行えるかが勝利への重要な鍵となるゲームと言え、勝敗を決める要素の半分程度を握っていると言っても過言ではない。チームの多数が慣れていないマップで下手な場所を選んでしまうと、その時点で既にアウトという可能性が高い。タイムアウトで店から皆が出て、「Waveが始まったから、じゃあ今回はここで戦うか」という姿勢では最後まで突破するのは困難と思った方が良い。
 
 しかし常に各プレイヤーの「戦うべき場所」と考えるエリアが一致する訳ではないので、6人ならば守り易いが半分ずつ2箇所に分かれてしまい困った事になるというケースも有り得る。また店での購買も到着が遅れる人もいれば金の受け渡しにも時間が掛かるので、移動時間の余裕を残して買い物を終わらせられる方が稀である。よって早く購買を済ませて移動した人と、ギリギリまで店にいた人が分断されたりもするので、その結果同様にチームが分かれた場所で戦うという形になるかも知れない。合流が遅れると既に扉が溶接されていて入れないという状況も発生したりする。それと仮に全員が揃って購買を済ませたとしても、そこから無理に目的地に移動しようとすると途中のエリアで既に出現した敵に襲われてしまい、むしろ移動しない方がマシだったという状況にもなりかねない。という様に有利なポジションが在ったとしても常に上手くそこまで全員で行けるとは限らない点が、難しい所でもありゲームに変化を生んで面白い点にもなっている

 その意味でマップの形状を憶えるのが重要なゲームでもある。幾つもの経路により内部が複雑に繋がっていたりもするので、現在地からどういう風に目的地まで行ったら良いのかが判らないと、迷って皆の居る場所に辿り着く前に狭い通路で敵に囲まれて死んでしまったりする。店への到達も設定によりガイドの赤い軌跡が出せるが、これを辿るのが最短ルートとは限らないので注意。高低差が有ったりするとかなりの遠回りになる可能性もある。それとL4Dの様に壁を通しては味方の外形が表示されないので、はぐれると合流するのがより難しい。


 敵のラッシュに対して籠もりが有効かどうかは場合による。出現方向を一つに絞れる場所で迎え撃つか、扉を溶接して入り口を一つだけにして戦う方法だが、敵の耐久力に対してチームの攻撃力が勝っているならばこれは戦い易い。しかしチーム人数と難易度が上がるに連れて、敵の数と耐久力が上昇していくので、それがチームの攻撃力を上回ると自陣内に入られる前に倒せない敵が増えてしまい、陣内をかき回されて総崩れになる恐れがある。もし溶接して籠もっている場合であれば、その扉を破ろうとする攻撃力よりも速く繰り返し溶接を行えるだけの余裕がないと、破られたら双方から挟み打ちにされてしまう。「とにかくここで籠もれば大丈夫」というほど単純なゲームではなく、その辺は全員に十分な銃器や金が行き渡っているのか等のチームとしての戦力の見極めが大事となる。

 全体的に暗目のマップが多いが、敵の姿が視認し辛いほど暗いという事は無くて、闇から出現する敵と戦うのを特徴にはしていない。ただし狭い通路や階段等の一部のエリアが全く先が見えない位の真の闇になっていたりはするので、そういった場所ではライトを付けないと進むのも戦うのも困難である。しかもライトは9mmかショットガンとの併用になるので、その場合には武器も限定されてくる。とにかくそういった場所では戦わないようにするのが基本だが、追い込まれて逃げたりする際には通らざるを得ないケースもあり、その状態で前から来た敵に遭遇したりすると非常に危険。


 プレイヤー間でのPerks別の振り分けについては、高難易度ではともかくとしてあまり厳密な役割分担というのは必要無いという印象。例えばチームが上手く立ち回っている際には各人の持つ注射器での治療でも事足りてしまうケースもあって、その際にはMedicは居なくても問題無い。Supportも溶接をどの程度行うかによって必要度は変わってくる。各Perksには得意とする役割があるが、それぞれが絶対に必要という物ではないので、どういう構成が良いのかはその都度異なるゲームと言える。ある程度は自分の好みのPerksを選択しても構わないと考えて良いだろう。ただしバランスとして一人居れば十分というPerks(Berserker, Firebug, Medic)は在るので、既にその役割のプレイヤーが居るのならば自分はやりたくても他の物にするという協力姿勢は大切になる。


 問題点としては、他でも書いたが低予算故に行き届いていない箇所というのが見受けられる。購買のインターフェイス画面はもうちょっと親切な設計にしてもらいたいし、スコア画面における金の所持額の表示等の各人のステータス情報の充実も然り。初心者向けへのアドバイス機能も、もっと多くの情報を提示するべきだと思う。

SOLO
 オフラインでのプレイも用意されているが、botがいないので一人だけでのプレイとなり、曲がりなりにもAIの3人との擬似的なCo-opが可能なL4Dとは異なる。一人での戦闘はCo-opとはかなり勝手が異なった物となるので、マルチプレイのシミュレーションとするには不適という感想。基本的な武器類の使い勝手の確認の他、マップ構造を憶えたりショップでの購買メニューに慣れるという程度の役割になるだろう。

 難易度としてもBeginnerはそれ程苦しまずにクリア出来るレベルだが、Normalになると低ランクのPerksでは相当難しくなる。ソロの利点として全ての敵を自分で倒せるので金が稼ぎ易くなるが、その反面仲間に治療して貰ったりが不可能になるのと、背面等を自分でカバーしないとならなくなるのでポジション取りが難しい。囲まれてしまうと援護が受けられないのでそのまま死亡という危険性が高まるし、リロード時の間も仲間が敵を倒してはくれない。よって敵の接近を抑えられずに囲まれてしまい、自らの治療も間に合わずにダウンという形になってしまいがち。強い武器を手に入れられればマシになるが、そこに行き着く前に潰されてしまう方が多い。Perksが高ランクにならないとソロでのクリアという形でのプレイは楽しめないと感じられた。


 ただし先に書いたようにPerksのレベルを上げるという意味では便利な面も持っている。マルチプレイでは状況を無視してレベル上げに執心していると迷惑になる可能性があるので、それをソロを利用して行うという風にする。ただしこれはゲームというよりも“作業”という色が強いので、それを行うのかは各人の好みによるだろう。

TIPS
 初心者向けの簡単なヒントや注意点を幾つか。


*ナイフに持ち替えると移動速度が速くなるので、店に向かう時はそれに持ち替える
*マルチプレイに参加する前に、少なくとも購買メニューのI/Fにはソロで慣れておいた方が良い
*重量オーバーとなるアイテム類は購買メニューにてグレイアウトしてしまうので、先に売るか落として軽くしないとならない
*店の入り口が狭い場合には、入り口付近で止まって道を塞がない
*死なない事が重要なので、出来る限りアーマーは購入しておく
*注射器での治療の認定範囲は広いので、厳密に対象者に近付かないとならない訳では無い(成功すればメッセージが出る)
*止まらないと他の人が治療しにくいので、下がったら止まってそれをやり易くする
*他人のPerksのレベルは横の星の数で判る
*最初のWaveは高レベル以外はデフォルト装備なので、BerserkerやMedic等でスタートさせて構わない。後に目的のPerksへと変更する。
*装備が弱ければ無理に戦わない。後半のWaveでデフォルト装備状態ではほとんど役には立たないので、下がって生き延びてクリアのボーナスを
 受け取るのを目指した方がチームの資金に負荷を掛けない。

GRAPHICS
 設定メニューはUT2004を引き継いでおり、相当細かいレベルで調整が可能である。しかし2004年当時のエンジンがベースという事もあり、設定を上げてもそれ程重いゲームではない。そのクオリティも悪くはないが、当然ながら近年のトップクラスのゲームに比較すると劣るのは否めない所。特にキャラクタのモデリングやアニメーションにそれを感じる。

 ゴアは比較的派手な方で、四肢や首を飛ばしたりする表現が含まれている。

SOUND
 3Dサウンドに対応で定位感も良い。ただ移動に足音を出さない敵が多いので、背後からの敵の接近に音で気が付いたりといった使われ方はされていない。

 BGMはハードロック調の物が多く、そのクオリティは結構良い曲が揃っている。

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