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キャンペーン
 発売時点でのキャンペーン数は前作から一つ増えて5個。今回はそれぞれが内容的にも景観的にも個性的なデザインになっているのが大きな特徴。前作は暗い場所が大半で各キャンペーンに大きな差異が感じられなかったのに比べると、2の方はバリエーションに富んでいる。


*Dead Center

 ジョージア州サバナを舞台にした最初のキャンペーン。チャプター数は4。感染がスタートしてから早期の設定で、ビルの屋上からヘリで脱出させるというCEDA( Civil Emergencyand Defense Agency)のアナウンスを頼って集まった4人だったが時既に遅く、取り残された状態から脱出しないとならなくなったという所から始まる。知り合ってから間も無いという事から、お互いの会話にはよそよそしさや敵対心も見え隠れしており、特殊感染者の名称もあだ名で呼ばれたりしている。


 時間帯としては日中の設定で、アウトドアとなるCH2などは周囲が見易くなっている。他はインドアがメインとなり、CH3は暗いが他は明るい場所がほとんどとなる。

 ここでの特殊タイプはCEDA Worker Infected。防護服を着込んでいるので火炎による攻撃が通用しないというのが特徴。倒すと胆汁ボムを落とす事がある。

 CH2の武器ショップにてゲーム内の銃器を自由に選択可能となる(紹介の意味だと思われる)。またここはゲーム内で唯一レーザーサイトが必ず置いてある場所となる。

 CH2ではここでしか見られない形態のクレッシェンドが発生する。立て籠もった店主の要望により、離れた場所に在る店からコーラのケースを運んでくるというイベント。コーラを取るとアラームが鳴って感染者の無限ラッシュが発生する。コーラを持っているプレイヤーは武器が使えないので他のプレイヤーがカバーするか、一端落として攻撃してから再度拾ったりしながら元の場所まで届けられれば成功となる。

 CH3は難易度設定が高い場合、フィナーレ以上の高難易度として知られるチャプター。その理由は通常感染者のラッシュ間隔が短いのと、特殊感染者の出現率がデフォルトの倍に設定されており、更に同一種類の特殊感染者が同時に複数出現する事もある為。(追記:最近やり直してみて気が付いたのだが、発売当時プレイした時の上記の高難易度設定が無くなっている。モニターして調べた所Expertでも同じで、特殊感染者の出現率はゲームのデフォルトの値を使っており、それ故に難易度は格段に下がっている。パッチ履歴を探すと2010/02にこのチャプターでの出現率を修正したという記載があり、おそらく難し過ぎるという判断から特殊設定を元に戻したのだろう)。

 CH3にはガントレットクレッシェンドにルート分岐を追加という唯一の形態が用意されている。ラスト近くに「アラームを止める為に吹き抜けの長い通路を三階まで走り抜ける」というイベントがあるのだが、そのスタート地点はAI Directorがそれまでのチームのパフォーマンスが良いと判断すれば1Fのドアから、悪いと判断されれば2Fのガラスを破って始まるという設定。(ただし距離が長くなるとは言え、1Fからの方が遥かに難しいという風にはなっていない)。ここはイベントの設定自体が難しいというよりも、難易度が高いとここに到達した時点でチームがボロボロの状態になっているケースが多く、その為にこのクレッシェンドをクリアするのが難しいという方が正確。(上記の出現率設定の変更により、ここの難易度もパッチ前よりは大分と下がっているはずである)。

 CH4のフィナーレは新形式。脱出用の展示車に燃料を入れるという目的で、3Fまで吹き抜けのマップ内に散らばって置かれている燃料タンクを集めてきて、指定の数だけ車に給油しないとならない(シングルプレイでは8個, Co-opでは13個)。給油が終わったら表示される車の周辺のラインの中に全員が入れば脱出となる。
 ここのユニークな点は普通のフィナーレとは異なり、規定の数の敵(Tankを2体等)を倒す必要がないという所。給油さえ終われば良いので、スピードを上げれば最小限の戦闘で脱出も可能になる。上階で取った物は下に投げ落とせるので、探しに行く役と拾って給油する役に分かれる事も出来るが、かなり広いので遠くでどちらかが捕まったりダウンしたりすると不味い事になる。4人固まっていた方がその意味では安全だが、効率が悪いので2匹目のTankの出現を許してしまったりと不利にもなりかねない。


*Dark Carnival

 Dead Centerと同じくジョージア州が舞台。チャプター数は5個だが全ての中で最長となるキャンペーン。公式ブログでのキャンペーン人気投票では、Xbox 360とPCの両方にて6個のキャンペーン中(The Passingを含む)一位を獲得している。車で脱出した一行だったが、途中で放置された大量の車に遮られて進めなくなってしまう。そこで遊園地(Whispering Oaks Amusement Park)を通り抜けてスタジアムに向かい、開催予定だったMidnight Riders(架空のロックバンド)のコンサート設備を利用して、大規模な光と音を出してヘリに生存者が残っている事を知らせようと試みる。


 CH1が遊園地に辿り着くまで。CH2〜4で遊園地内を通り抜けてからフィナーレがスタジアムでのコンサートになる。インドアとアウトドアが組み合わされているが、全体が薄暮の時間帯のキャンペーンとなる。

 特殊タイプはClown Infected。音の鳴る靴を履いているピエロで、突進する際に周囲の感染者を惹き付けてラッシュ状態を引き起こす能力を持つ。

 CH2〜4まで三連続でガントレットクレッシェンドが続くのがユニークな点。CH2は特に難しくないのだが、CH3では長いジェットコースターのレールの上を終点まで進まないとならず、幅が狭いだけに進行方向から無限にやってくる感染者ラッシュを捌くのが難しい。しかもオープンな空間の上に立体交差化しているので、Smokerなどの存在が厄介にもなっている。続くCH4ではまずドアが開くまでラッシュに耐えて、その後やはり幅の狭い道を反対側からの無限ラッシュを捌きつつゴールまで到達しないとならない。ゴール地点がセーフルームなのだが、運が悪いとその前や中にTankかWitchが出現したりもする極悪な設定。よってどちらも高難易度では相当な難所となっており、パイプボム等の感染者を道から逸らすアイテムが無いと更に厳しい。その事からフィナーレよりも遥かに難しいという声も多く、ここに来るまでにチェンソーやグレネードランチャーを温存したりと事前準備が重要となっている。

 広くて障害物が沢山有る場所が多い為に、比較的Tankを捌き易いキャンペーンである。

 Half-Life 2: Episode Twoにて悪名高い実績“Little Rocket Man”(ゲームの最初に手に入れたGarden Gnomeの人形を、ゲームの最後近くまで失わずに持って運ぶ)に類する物(Guardin' Gnome)がここでも用意されている。遊園地の射的で高得点を出してGnomeの人形を景品として手に入れて、それをチーム内の誰かが持って運びフィナーレの救出ヘリまで持ち運ぶというもの。

 フィナーレはコンサート会場で、ここではステージ上の仕掛け花火&アイテムの花火を使って敵を燃やしたり出来る。構成はスタンダードでTankを2体倒せば助けが来るというもの。ただしここは助けが来る場所が決まっていないという唯一のフィナーレとなっており、左右どちらの観客席にヘリが到着するのかはランダムである。


*Swamp Fever

 脱出したヘリのパイロットが発症して感染者となり、それを殺してヘリが墜落したという設定。場所はルイジアナ州の沼地が中心。全4個のチャプターだが、全体の長さは他の5個の物とほぼ変わりない。公式ブログでのキャンペーン人気投票では、Xbox 360とPCの両方にて6個のキャンペーン中(The Passingを含む)最下位を記録している人気薄のキャンペーンである。


 CH3までは沼地を通る設定で薄暗い時間帯。木々が多いのでより遠くが見渡し辛くもなっている。それを抜けた最後のフィナーレは明るい普通の場所となる。これは不人気の原因の一つと考えられるが、他に比較してチャプター毎の景観やプレイ感の変化が小さいキャンペーンである。

 特殊タイプはMud Men。四つん這いで移動する泥まみれの感染者で、攻撃されると画面に泥のエフェクトが付着する。マップが暗い上に体勢が低いので、水の中を通って来られたりすると気が付き難い。

 沼地なので水溜まりが多く、水の中に入ると移動速度が遅くなるので危険となる。陸地や木で出来た橋の部分を通るのが基本だが、水中を通るしか無いエリアも存在する。またこの水は火を消してしまう効果を持っており、深い場所に投げ込んだ火炎瓶は燃えないし、Tankに点けた火も水に入られると消えてしまう。よって水の多い場所でのラッシュやTankの出現は通常よりも危険度が高い。

 横方向に広がりのある場所が多く、左右に設置された橋のどちらを通るかといったルート分岐も出て来る。そして広いマップ内を丹念に探し回る事で、入手可能なアイテム類が多目なのが一つの特徴。しかし時間を掛けるほどラッシュへの遭遇率も高くなるというデメリットがあるので、アイテム探しを最小限にして直線的に進むという作戦もある。

 CH1〜3まで旧式のクレッシェンドが連続し、ガントレットクレッシェンドは出て来ない。よってここでは胆汁ボムの出現率は普通である。

 フィナーレはボートの救援を待つというスタイル。2階建ての屋敷と広い庭から構成されており、アイテムの場所も散らばっているので何所で応対するのかがポイントになる。それとここでは2回目のTank出現時に、同時に2体が出て来る事があるので怖い。また屋敷の中で戦っていた場合には、救出ボートまでの距離が長いというのもあって、5つのフィナーレの中で最も難しいという意見も多いようだ。


*Hard Rain

 ボートで脱出した4人は、動かす為の燃料を手に入れる為にミシシッピ州のある町でいったんボートを降りる。燃料の置いてあるガソリンスタンドまで到達し、それを持って戻り再びボートに乗り込むのが目標。チャプター数は5個。ちなみにキャンペーンが変わると全ての所持品が無くなってしまうという矛盾について、ここでは武器の入っていたバッグを船に忘れてきたという明確な理由が示されている。


 ここは特殊な構造を持ったキャンペーンとなる。CH1で町中を抜け、CH2で砂糖精製工場を通り抜けてガソリンスタンドに到達した後、CH3,4ではその通ってきた場所を再び戻ってくるという構成が採られている。最後のフィナーレではスタート地点に有るBurger Tankのサインを点灯させて、沖で待機しているボートにサインを送って呼び寄せる形になる。この形態から行きのルートとなるCH1,2と、帰りルートの3〜5でのアイテム配置は同一となっており、行きのルートで取った物は無くなり、残して置いた物はそのままとなる(例外としてセーフルームのメディキットは最低2個は出現する)。故に行きのルートでなるべくアイテムを取らない事と、その出現場所を憶えておくのが重要になってくる。

 もう一つの大きな特徴がタイトルにある豪雨の要素。帰り道は激しい嵐となり、雨と風の量が不定期に変化する。特に激しいシーンでは視界と音が遮られるので、連携面でも特殊感染者への対応でも危険度が高い。マップ内も大部分が冠水しており、ルートは水を避けて屋根やパイプの上を通ったりと、来た時と異なる場所を進む事も多い。それだけに誰かが下に引き摺り下ろされたりすると大きなピンチとなる。

 豪雨のエフェクトはゲーム内のマイクサウンドにも影響しており、激しいシーンではボリュームがカットされてお互いのチャットが聞こえ難くなるように設定されている。これはゲーム内にボリューム調整を持つPC版のみの要素。なのでPCでも外部のチャット用ソフトでプレイしている場合には影響を受けない。


 特殊タイプはWorker Infected。黄色いヘルメットと防音パッドを装着しており、その為にパイプボムの音に反応しないでそのまま襲って来る。

 CH2では日中の設定となり、大量のWitchがマップ内を彷徨っていて、その数は合計で15〜20体にも上る。場所によっては2体以上が近い距離に居るというケースにも遭遇する。動き回っているので回避のタイミングを掴めば横を抜けられるとも言えるのだが、固まって居たりもするので気付かずに別の者に接近してしまうという事も起きてしまう。また通常感染者との戦闘時に誤って攻撃が当たってしまうという危険性も増している。特にExpertではWitchの攻撃で即死するので、ここが最大の難所という意見が多い(その為かここはAEDの数が多い)。

 クレッシェンドはCH2の1箇所しか無い。しかしこの後にガソリンスタンド目指して先がほとんど見えないサトウキビ畑を抜けないとならず、直前のクレッシェンドでボロボロになっていたりすると厳しくなる。通れる場所は横に相当広いのだが、ここにはWitchが5体以上隠れており、運悪く遭遇してしまうと不味い事になる。それと誰かが特殊感染者に捕まったりすると助けるのが大変。通り抜ける際に使うパイプボム等を温存しておきたいのだが、直前のクレッシェンドで使わないと全滅の恐れもあるので難しい。

 帰りのルートでは水溜まりと豪雨で火が消えてしまうので、場所によってはTankへの応対が難しくなっている。

 フィナーレはスタンダードな形式で、Tankへの応対が比較的やり易い構造なのとアイテム類が多いので(行きに残していれば)、Advanced以下ならば最も簡単なフィナーレという印象も。


*The Parish

 ルイジアナ州ニューオーリンズを舞台にした最後のキャンペーン。別の生存者を探しに行くという船長に別れを告げて、軍による救出を求めて出発する4人だったが、既に周辺のエリア一帯には空爆による一掃命令が出されている状況だったという設定。チャプター数は5個。投票ではXbox 360とPCで共に2位という人気の高いキャンペーンである。発売前のデモにおいてもここが採用された。


 最大の特徴は全編を通じて明るい昼間である事。全体的に明るい場所が多くなっている今作だが、ここでは日差しが照りつける最も明るい時間帯を扱っている。その為に視界がクリアであり、遠くからでも感染者を発見し易い場所が多くなっている。

 特殊タイプはRiot Infected。体の前面にシールドを着けている鎮圧部隊隊員の感染者で、正面からの攻撃ではダメージを与えられない。殴ってよろけさせたりして背後を見せた時を狙う必要があり、特殊タイプの中では一番倒し辛い感染者である。

 CH1にはランダムなルート変更が設けられているが、実質ほとんど変わりが無いというレベル。またここは非常に短く、投擲アイテムが出現しない。

 CH2にはガントレットクレッシェンド有り。ただしここはゴール地点となる場所からは敵が湧いて来ないのと、スタート時点にて皆のHPが高目&アイテム類を持っているケースが多いので、難易度はそれ程高くない。


 CH3の前半部分は普通なのだが、暗くて周囲が見え難い下水道パートに続いて、ハシゴを上るとアラーム付きの車が大量に置かれているエリアに至る。ここではランダムな車両にアラームが装着されており、下手に撃つとアラームを鳴らしてしまって感染者のラッシュを招く。それを捌こうと戦闘中にまた別の車に弾が当たってしまってラッシュがスタート...といった感じで、このチャプターでの最大の難所となっている。

 CH3には広い墓地が用意されているが、ここでは内部のルートがプレイの度に組み替えられる様になっている。そこまでのチームのパフォーマンスが良い場合には曲がりくねってゴールが解り難い長いルート、悪い場合には直線的で簡単な短いルートが選択される。

 フィナーレでは唯一のガントレットクレッシェンド形式を採用。スタートしてから橋を渡り切って、その後救助ヘリまで辿り着くのが目的である。橋の上には沢山の車両や穴が存在するので幅一杯を使って進む事は出来なくなっており、橋の向かい側からの敵の無限ラッシュに対抗しながら進んで行かないとならない。途中には補給ポイントも何箇所か在るが、あまりゆっくりしていては最後まで持たないので、とにかく前へと突っ走るパートとのバランスを考える必要がある。TankやChargerによって橋の下へと落とされる即死も怖い所であり、Advanced以上では難易度が非常に高いフィナーレになる。

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