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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Medium / Hard の三種類。途中での変更は出来ない。ミッション単位でのリプレイ機能は持っていない。


セーブ&ロード
 任意の場所にてクイックセーブを含めて自由に行える。オートセーブは各マップの最初のみで行われる(設定でオフにも出来る)。


OBJECTIVES
 テキストのみで参照する方式。マップ機能や方向ガイド等は用意されていない。


英語
 字幕は無し。ストーリーに関連する会話パートがそこそこ長いので、それを追うには字幕が出ないのは欠点となる。

GAMEPLAY
 それぞれがかなりの長さだがマップ数は5個のみ。難易度Mediumにて5時間程度の長さ。個人的には2番目のマップで結構時間を費やしたので、すんなり行くなら4時間以下でもクリア可能だろう。価格的には最初から低価格での販売だが、絶対量として見るなら短いゲームというのは確かである。

 Ubersoldierの素材を一部利用して安価で作られたバリュー系ゲームという印象で、内容的にもシンプルな作りとなっている。明らかに本格的に作られた新作では無い。


 前半の2つのマップと後半の3つでは構造が大きく異なっており、別のゲームであるかの様な印象さえ受ける。前半の2つは指示に従って目標を達成するタイプのミッションであり、Call of Duty等と似通った構成である。民間人の護衛, 拠点防御, 味方のエスコート等がスクリプトによって進行していく。味方兵士と一緒に戦うというパートも多い。個人的にはこちらのパートの方が好みである。

 一方の後半は1人だけで次々に現れる敵と戦って進めて行くというシンプルなスタイルになる。しかしながらこちらは戦闘の項で詳しく述べるが、あまりにも単調であって出来はよろしくない。特に最後の2つのマップでは長い割には風景が変わり映えしないのもあって、飽きが来て進めるのが苦痛というレベル。


 ストーリーは一応展開の変化があるものの、特に内容が面白いという印象は無し。最後はマップが切り替わっていよいよラストかと思わせておいて、そのまま会話シーンにてストーリーの解説が行われるだけで突然終わってしまい、不完全燃焼という感じでガッカリさせられた。内容としても意外と言えば意外な終わり方だが、これが面白いのかとなると反対に失敗している感の方が強い。


 ゲームの大きな欠点として、やるべき事が解り難いというのがある。これはほとんど2番目(MC)のマップに関する事なのだが、一つは強制ゲームオーバーというルールがある点。遠く離れてしまうとメッセージが出て「戻れ」と指示されるのならまだ良いのだが、このゲームではメッセージすら出ない。その判定エリアに入ると被弾したのと同じエフェクトが発生し、そこから一歩踏み出せば即死亡という設定なので、最初はどこかからスナイパーにでも撃たれたのかと勘違いしてしまった。また違反判定までが早いので、走っていたりすると危ないとなった時点でもう遅くて即死という問題もある。結果的にクイックセーブの繰り返しで即死の罠に対応するという形になってしまった。

 第二に簡単なテキストの説明のみなので、具体的に何をすれば良いのかが解らない事がある。そして制作側の意図している通りにやらないと駄目というケースもあって、プレイヤーの考えで「こうすれば良いのでは」として行動すると、やはり違反エリアに踏み込んだ時点で即死亡させられる。このケースではミッション遂行エリアのど真ん中で、さっきまで普通に通れた箇所を通過しても違反と見なされたりするので始末が悪い。

BASICS

*武器は4つのタイプ別に各1丁を所持可能
*専用のMeleeキーにてナイフ攻撃を行う
*武器の重さによる移動スピード制限無し
*発射モード切替無し
*マップ単位で全ての武器類はリセットされる
*照準は移動, 連射, 左右への振りにて拡大する。屈みで縮小。ただしピストルにはその変化が無い。
*あまり大きくは無いが連射で銃が上へと跳ね上がるリコイル動作あり
*ズーム機能あり(アイアンサイトは無し)。しかし武器によってはズームは出来ない。
*ズームすると照準は小さくなるが、移動速度が遅くなる
*スプリント可能でスタミナの概念を持つが(連続しては長時間走れない)、ゲージが無いのでどれだけ持続するのかが判らない
*斜め移動入力すると早く移動出来る(意図的かどうかは知らないが)
*左右へのリーンや伏せ動作は無し
*グレネードは持たずにそのままショートカットキーにて投げる事も出来る
*グレネードインジケータあり
*ヘルスのみでアーマーの概念は無し


 過去作とは違う点として、今回は自動回復方式を採用している。周囲が徐々に赤くなり、死にかけるとメッセージも出てそれを知らせる形式。メッセージが出る状態では周囲の時間がスローになってカバーへと避難し易くなるが、強烈なブラーエフェクトが掛かって周囲が見え難くなるというデメリットあり。

 敵への攻撃命中は血煙エフェクトとリアクションで判定。離れると血煙が判り難くなるのと、被弾時のアニメーションの種類が少ないのが難点か。敵へのダメージエフェクトは、死体への血の付着, 死体の下への血溜まり, 周囲の壁面への血の付着。四肢が千切れるゴアは無し。後はオープンソースの物理エンジンであるODEを使っており、爆発時の吹き飛び等にラグドール表現を加えている。

COMBAT
 武器はナイフ, ピストル, スナイパーライフル(SVD), アサルトライフル2種(AK-74, M-4), マシンガン(PKM), RPG-7の7種類と少ない。普段の戦闘で使える武器となると更に減るので戦闘が単調であり、これが大きな欠点となっている。近接戦も多いのでショットガンが欲しかったところでもあるし、サブマシンガン系も抜けている。Ubersoldierシリーズでは武器マニアなのかと思えるほどに大量の銃器を用意していたのだが、今回は一転して少な過ぎる。おそらく時代が異なるので、予算的に新規製作する数が限られていたのだと想像される。その結果として確かに短いゲームではあるが、それを持たせるだけのバラエティさを持っていない。

 特性としてはピストルは照準の変化が無いので、近距離ならばヘッドショット狙いで割と使える。アサルトライフルは2種類だが、それ程性能には変化が無いという印象。スナイパーライフルはスコープを覗いてから数秒は揺れないという特性があるので、敵の位置が分かっているなら強力である。またこれは木製のオブジェクトならば撃ち抜く事が出来るのも大きい。ただし一旦揺れ出すとそれが大きいので当て辛くなる。PKMは割と正確だがリロードはやはり相当長く、またアサルトライフルのスロットを使うのでそれ程使う機会は無いだろう。グレネードは効果範囲が狭いのだが、その音で短時間周囲の敵が耳を押さえて止まるという効果がある。


 アイアンサイトではなくズームを採用。しかしズーム量が少な目なので今ズームしているのかがやや判断し難く、リロードすると解除されてしまうのだがそれに気が付かずにズーム無しの状態でしばらく撃ってしまうケースもあった。照準の中央にドットが表示されるのでそれを判断基準にすれば良いだろう。もう一点ズームへの切り替えがトグル式のみなので、右クリックしている時だけアイアンサイトになる操作方法に慣れている人だと、つい右クリックを押してしまって逆にズーム状態を解除してしまう事も起こりがちになると思う。

 銃の命中率や威力が割と低目で、平均的な現代戦の実銃使用ゲームに比較すると敵は簡単には倒せないバランス。ヘッドショットが効果的だが、ヘルメットを装着している敵に対してはまず1発目でヘルメットを飛ばさないとならない。スナイパーライフルでも体では一撃で倒せない事が多い。それと敵の方は体をリーンさせて撃って来たり、銃だけを曝してのブラインドファイアを行えるので、こういった敵には離れているとより命中させ辛くなる。それに関連して一度倒れてから起き上がって来るケースもあるので、カバーの背後等に居る敵は倒したのかが判り難くもなっている。

 対して自分のヘルスは結構多く、死亡までに耐えられるダメージ量は多目である(Medium)。そこで敵が少なければ高いヘルス値を利用しての突進ナイフ攻撃も有効となる。ショットガンが無いのが残念。だがその代わりに一度危篤状態になると全回復までの時間は長目の設定なので、急ぐ必要があるシーンでは難易度が上がる。


 難易度は前半と後半で大きく異なる。前半は市民を守ったり、味方部隊を援護しないとならなかったりで(規定数以上死ぬとゲームオーバー)、自分を危険に晒してでも前に出て戦わないとならないケースもあって、Mediumとしては難易度が高いという箇所も幾つか出て来る。その味方兵士達の死亡には運の要素も含まれるので、早期に簡単に死なれるともう駄目という事もある。逆に後半はシンプルに敵との戦いとなるので、数は多いが自動回復もあって難易度はぐっと下がり易しくなる。

 面白さは前半の方が上で、スクリプトでのイベント中心でゲームが進められる前半の方がバラエティさにも富んでおり飽きが来ない。対する後半は最初のマップ(3番目)はともかくとして、続く2つはあまりにも敵が湧き過ぎでウンザリという感想。通れない箇所を設けてそれ程広くはないマップ内を迷路の中のようにグルグルと周りながら、次から次へと湧いて出てくる敵と戦わないとならない。真の問題は敵の数というよりも、敵のタイプが所持武器の変化だけの1種類であり、且つこちら側の選択可能武器も少ないという点であり、結果的に非常に単調な戦闘が延々と続けられるので途中で投げ出したくなった。


 武器別の弾薬ボックスがマップ内に結構在って、そこでは無限にフルまで補充が出来るようになってる。それにより撃ちまくれるのは良いとしても、バランスという面では問題も抱えている。例えばスナイパーライフルの弾薬ボックスが有る所では、プレイヤー側が有利になり過ぎる感がある。それとグレネードのボックスが有る所、若しくは終盤戦では敵がグレネードを落とす事が多い為に、それを利用してスパムの様にして投げ続けられるので、これもまたバランスを崩す要因となっている。(ただグレネードを投げるのが好きな人には面白いかもしれない)。


 敵AIは出現からある程度はランダムに動ける様で、常に同じ動きをしてくるという単純さは回避されている。最初から固定位置に置かれている者を除けば、カバー間を移動する能力も持っている。それとこちらの投げたグレネードは避けられるし、自分でも投げられるがこちらは失敗して自爆するケースもあり。総じて賢いというレベルではないが酷くも無い。しかし後半戦ではバランスとして易しくなるので、その意味では手応えが感じられないので弱いという感は否めない。もっとプレイヤー側のヘルスを低くした方が、少なくとも後半戦に限ってはスリリングになったことだろう。


 変化としては1箇所だけタンクに乗り込んでの戦闘あり。タンクは自動的に移動し、砲弾とマシンガンでの攻撃を行える。ここだけヘルスは有限, シールドは自動回復という組み合わせになる。短時間なので特に良くも悪くも無いセクション。

GRAPHICS
 自社製の X-Tend Engine のV3.0を使用。Ubersoldierでも使われていた物だが、グラフィックスのクオリティを上げるという方向性ではなく、軽くするという方針で大幅な改造を施した物だそうだ。よってクオリティは何年も前のレベルに留まっている。

 既に現時点ではこれといった見所は無く、キャラクターのモデルには使い回しが目立つし、アニメーションも滑らかではない。血の表現も良いとは思えないし、爆発のエフェクトも地味である。良い所としては噴煙のエフェクトは派手であるが、それにより自分だけ前が見えない(敵には普通に撃たれる)という問題が発生してしまっている。

 グラフィックスの設定はプリセット5種と自動判定が用意されており、個別に設定可能な項目数も多い。アンチエイリアスにも対応。

SOUND
 EAXとハードウェアアクセラレーションに対応している。4SPでのEAXの効果は、音の定位は一応実現しているがプレイ中の音の移動感はあまり感じられないという感想。

 BGMはほとんど無し。銃器のサウンドの方は個別のトーンは差も出ていて悪くないと思うのだが、もうちょっとクリアな音質の方が良い。

 声優の喋りは割とゆっくりで聞き取り易いが、それだけにネイティブが聞くと不自然なのではないかとも思わせる(苦手な人が話しているかの様で、流れるような感じではない)。主人公の声もパッケージの画像がそうなのだとしたら全く合っていないという印象。

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