COMBAT |
*銃の発射モード切替は無し *敵の落とした武器は拾って交換も可能 *Grenadeは専用キーではなく持ち替えて投げる方式 *Melee(銃での殴り)攻撃有り *Crouchにて照準が狭まり正確性が増す *CrouchのみでProne動作は無い *Iron Sights有り *スプリント可能。スタミナの概念が無いので幾らでもダッシュ出来るがその間は武器は撃てなくなる。 *Crouchの状態のままでスプリントも可。 Leanの動作がコンソール形式なので解説。ボタンの少ないゲームパッドに見られる切り替え方式を採用しており、Ironsightにすると移動キーがLeanキーとして働くようになるというシステム。ただこのゲームではLean中でも体の移動はSprintキーを押しながら行える。左右へのLeanだけではなく、上下方向へのLeanが可能になっているというのが特長。例えばカバーの背後にしゃがんで位置して、上方へLeanする事で身を乗り出して撃てるようになる。Crouch状態の方が正確性が増すし被弾面積も小さくなるので、単にカバーの後ろから立ち上がって撃ってはしゃがんで隠れるよりも有効である。 Sprint状態では特殊な視覚効果が加わるようになっており、これは嫌ならOFFに出来る(私も違和感が有るので切ってプレイした)。それとこの状態から敵にMelee Attackで強力なダメージを与える事が可能。 Healthのシステムは4個のブロックを使う方式が採用されており、各ブロック単位でならば安全な場所に隠れていれば回復する。FPSではThe Chronicles of Riddickと同様の方式。次のブロックにまでダメージが及んでしまうと前の物は自動回復出来なくなり、最後のブロックが消えた状態(警告サウンド有り)から回復が始まる前にダメージを受けると死亡する。消えたブロックの回復にはマップ内のMedikitを拾う必要がある(携帯は不可)。 なおこのゲームでは上下方向の段差が大きいという事からか、高所からの落下ダメージが相当緩和されており、かなり高い場所から落ちないとダメージは受けないようになっている。 武器のアップグレードが達成された瞬間から、周囲の時間が遅くなるというBullet-Timeのエフェクトが掛かって同時に無敵状態にもなる。これは「戦闘中だと達成メッセージが出ても確認し難い可能性があり、何がアップグレードされたのかが判らなくなるかも知れない」、「知らせる為に自動的にポーズを掛ける方式は、戦闘中だと流れを切ってしまうので好ましくない」という観点からの導入だそうだ。WWII物にこの効果は違和感有りという声も多かったが、実際には効果は短時間で且つ非常にスローになるので、プレイヤーが超人的な力を発揮して大量の敵を薙ぎ倒す様な真似は出来ない。 敵の位置はレーダーに映る方式で、これはプレイヤーが実際に見付けた敵だけではなくて周辺に居るなら自動的に表示される。それが嫌なら設定でOFFにする事も可能。撃たれた場合にはその方向を表示する機能も有り。それと条件は判らないのだが(スナイパーだけ?)、遠くや高台に居る敵に光る目印が付くようになっている。反対に普通に視認した際に敵と味方の区別が付け難いケースも有り(敵のユニフォームにもよる)、特に離れると照準を合わせた時のマークが出なくなるので余計に判り難くなる。なおFFについてはペナルティは無い。 味方軍とは一緒に行動するシーンも有るが、前作の様な指揮コマンドは用意されていない。全て自動である。 FPSとしてのゲーム性は基本的にはアクション寄りである。Iron Sightsが用意されてはいるのだが、このゲームの場合にはIron SightsはLeanを行う為のモードという位置付けの様で、中距離程度までならば腰撃ちの状態では大きく命中精度が落ちるという設定にはなっていない。連射時の銃のリコイル動作は大き目だが、手動でバースト射撃を行えば腰撃ちでも結構当たるようになっている。 ダメージについては元々このシリーズはリアリティを追及した物では無いし、プレイヤー側もそういったバランスを期待してはいない。ただあまりにもプレイヤーが豪快に戦えるバランスだと、WWIIの一兵士というイメージが崩れるので好ましくないとされていた。その点でこのゲームはアクション性を保ったままで、一方では無茶な攻め方は出来ないようにするというバランスで作られており、その調整度合いはなかなか良く出来ているように感じられた。 第一にHealthの管理システムが上手く働いている。このスタイルの元祖は、シールドがリチャージ式でHealthはMedikit等による回復方式。ただこの方式はSF設定のゲームでないと組み込むのが難しい。次にCall of Duty 2の様なHealthのみでリチャージされる方式。これの問題点は隠れればHealthが常にフルまで回復するので、ゲームが簡単になってしまう恐れがあるという点。その点Airborneではブロック単位での回復を採用している為に、無茶をして戦って死にそうになった時点で隠れてもHealthは一個分(1/4)しか回復してくれない。この状態では死の危険性が高いので、そうなると回復用のMedikitを見付けるまでは安全重視しかない状態になってしまう。よって以後はカバーに隠れながら慎重な攻撃を行うことを余儀なくさせられ、常に敵と正面から撃ち合って進めるというのは困難なバランスとなっている。 一方で慎重にカバーの陰から攻撃してダメージを受けたら隠れて回復を待ち、ブロックの消費を最小限に抑えるという戦い方は安全だが、そういった戦いを常に強いられるバランスにもなっていない(Normalなら)。強引に突っ込んで行ってダメージを受けたら近くのMedikitを拾って回復、という手段で突破可能な箇所も結構存在している。 次に或る程度慎重に動かないと危険となっており、とにかくスプリントで先を急ぐというスタイルでは無理が生じる。特にMG42はこのゲームでも相当強力な武器となっており、迂闊にその範囲内に踏み込んでしまうと大きなダメージを受けてしまう。スナイパーが居るマップも同様で、一撃でブロックが一個以上削られたりもするので注意が必要である。また回復システムが連続攻撃に弱いという設定なので、敵が多い場所に一人で突っ込むと回復する前に複数の弾が当たってアッサリと死んでしまったりもする。また敵の集団の中に突っ込んだ際には背後からのMelee Attackも危険。 任意でセーブが出来ないという仕様も関係している。オートセーブの間隔が長くなる箇所も結構有るので、無茶して攻めて死んでしまうと5分・10分前まで戻ってやり直しも出て来る。それを考えると最後のセーブから時間が経過している状況では、死なないように慎重に戦うようになりがちである。 以上のように激しいアクションの爽快感を保ちながらも、慎重に動かないとならない場所も有るというゲーム性となっており、またその場所はプレイヤーが今どの程度のHealthを持っているのかでも変わってくる。アクション重視だが極端にそういう位置付けにはしたくないというゲームとしては、上手い落とし所になっていると言えるだろう。ただアクションシーンが連続するシーンから手拍子で難しいエリアに入ってしまって死んでしまうといったケースも有って、ゲームの持つペースを掴むまではちょっとやり難いという面は持っている。 難易度については標準的と言える。最後のマップは難しいが、それは特に珍しい事ではない。デモの段階ではAIの攻撃力が弱くてちょっと易しいのではないかという感想を持ったが、それは最初のマップだけでそれ以後は敵も強くなるし数も増えるので徐々に難しくなって行く。 射撃の命中感覚は従来の作品に比べると若干劣る。敵に当たっている時に血が飛ぶエフェクトが有るのだが、これが近くでないと判らない程度に地味。それと弾が当たっている時の敵の反応アニメーションも目立たなくなっている。 その代わりにこのゲームのLeanのシステムは慣れて来ると面白い。確かにQとEキーで常にLeanが出来る方が理想だが、カバーの陰から上方に身を乗り出せる機能は普通のFPSでは備えていない。しゃがんだ状態から伸びをするようにして顔を出せるので、斜めに見る時よりも遥かに視界が広くなり攻撃がし易いという利点がある。 銃の改造は地味だが、最高レベルに達した武器を2丁持って戦うとかなり変わるという印象。Ammoはやや少な目なバランスで、これは所持可能弾数が少ないのではなく敵の数が多いというのが影響している。最初にボックスから追加弾薬を補給せず、また長い時間死なないと弾切れを起こす事もあり、その際には敵の武器を拾って交換しないとならない。これには持っていく武器とマップ内の敵の使用武器も関係しており、最初に持って行った武器を敵が使っていないマップでは弾薬が切れ易くなる。 戦闘でユニークな点は高低差を利用した戦いになる。ヘルスがブロック回復式なので、撃ってすぐに隠れられる高所からの攻撃は非常に有効となっており、最初に高台に降りて(またはハシゴで昇る)下方敵を攻撃したりは効果的。逆に高い場所からの攻撃を受けるのは気が付きにくいので危険となっている。360度全方位からの戦闘を実現の言葉通りに、背後や左右に敵を残した状態で進行するといきなり背後から不意討ちを喰らったりする可能性もあり気が抜けない。また敵は障害物を回り込むだけではなくジャンプして乗り越えたりもして来るので、カバーに隠れて回り込んで来た所を撃とうと待っていたら、いきなり飛び越えられて目の前に出現されるというケースもあった。 |
GAMEPLAY (続) |
このゲームにおいてポイントが高い点としてはマップのデザインが挙げられる。リプレイ性の項では当初の狙いが実現されておらず、実際には数多くのリプレイに耐えられるようなデザインでは無いと書いた。しかしそれを考慮しないのならば、つまり純粋に単なる一つのマップとして見るのならば、後半の3個のマップはデザインとしてユニークであり面白い。その構造がユニークな点は、”プレイヤーがマップ内の何処からでも自由に始められない以上は、他のゲームではこういう構造を持ったマップを作るのは困難”という点が関連している。このタイプのマップがもっと多ければと感じられて残念だ。 敵は最初から配置されている者は少なく、スクリプトで出現するケースが多い。ただ常に同じという訳でもなくて、同じルートを通っても敵が出たり出なかったりとある程度の変化は生じるようになっている。敵のRespawn箇所は存在するが、幾らでも沸いてくる無限の箇所は無いようだ。 味方の出現も一定ではなく、死んだ先からすぐに追加がやって来るという風にはなっていないので、味方の到着を待つかどうかという点でも変化は起きる様になっている。例えばエリア内の敵を倒すと後方で支援していた味方軍がそのエリアにも入り込んで来るので、その先の展開が楽になるとか(決して味方が付いて来ないのでプレイヤーが一人でクリアするしかない箇所も在る)。この味方兵士の数や配置の微妙な変化については、他の地点での目標のクリアの有無が関係している可能性も有るのだが、明確には判断する方法が無い。 最初のマップ以降は敵側も手榴弾を投げるようになり、これはダメージが大きいので怖い存在となる。一気にブロックを数個削る可能性があるので、通常の銃撃によるダメージよりも脅威になるという点が他のゲームとは異なる。結構正確性も高いし、また頻繁に投げて来たりもするので厄介。 逆にプレイヤー側も逃げられないように頭上で爆発させるタイミングを掴めば、固まっている敵を一度に倒せるので相当有効な武器になる。数的にもそこそこは手に入るので使う機会は多いだろう。それとアップグレードすると数多く持てるようになるので、出来るだけ投げてアップグレードを狙うのは後半に向けて有効な作戦である。 AIはAffordance AI engineと呼ばれる物で制御されており、これはプレイヤーがどちらからやって来るのかが判らないので、どんな方向から攻撃を受けても適切にカバーを認識して動けるというのが基本様式。マップ内のオブジェクトやロケーションにランクが割り振られており、よりランクの高い場所を選んで移動するというシステムを採用している。有利となる高所はランクが高く、普通の何も無い地面は最も低ランク。カバーとなる障害物も付近にMG42等が有るなら高ランクとなり、背の低い単なる隠れ場所は低ランクという風に有用性に応じて細かくランクが設定されている。後はこれに現在の敵味方の数や状況の判断を加えてAIを動かすというようになっている。 状況に応じた動作という点では、近隣のエリア内での動きに関してはリアルタイムでの判断は実現されているようだ。予め指定されたパスを常に通ってこちらにやって来るのではなく、ちゃんとカバーとなる場所を判断して隠れたり攻撃したりを行って来る。カバーに隠れて体を最小限にしか晒さず、そこからLeanして攻撃しては隠れるという動作も出来る。 問題点としては、カバーの認識が変になるケースが時々有るのが一つ(こちらを狙えない方から覗いたりする)。次に敵が自分の目の前を通り過ぎてしまうシーンがよく有る。どうも次の移動地点を計算して動き出すと終わるまでそれをキャンセル出来ないようで、移動中はこちらに気が付かないし撃っても反応しない。それとプレイヤーを優先して狙って来る傾向が見られ、これはプレイヤーが主役なのである程度はしょうがないのだが、強力な武器を持った敵が多い箇所では難易度を高める原因となっている。 |
問 題 点 |
他では言及していない点を補足。 特にマップ後半のリニアに進める形式のパートにて顕著なのだが、セーブの間隔が短くなる箇所では特攻してのクリアが可能になってしまう。また複数存在する目標箇所を全て破壊するのが目的という形式の場合にも、それ等を一個破壊する毎にセーブされるので、近い場所に固まっていると死んでは復活の繰り返しパターンで攻略が易しくなるという問題有り(スコアを気に掛けないなら)。クイックセーブ方式とは異なり、復活時にはフルのHPと一定以上の弾薬を持った状態で幾らでも繰り返し復活出来るのが原因である。 マップ内にオブジェクトが多く、また背の低い物だと移動中に気が付き難いので、戦闘の最中に引っ掛かって動けなくなったりが生じる。時には周囲に居る味方兵士でも発生。 ミッション前の解説シーンや降下のムービーが飛ばせないので、リプレイ時にもう必要なくても待たないとならない。それとメインメニューに戻るのも一々アニメーションが入って遅れる。 |