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BASICS

*所持武器は同時に2個+弾数無限のハンドガン
*Fire Modeの切り替え可能。グレネードランチャーのモードにはまた別に切り替えキーあり。
*アイアンサイトが可能(一時的とトグルを選択可)
*姿勢を低くする, セミオートで照準小さくなる。反対に連射, 移動にて広がる。
*左右へのリーン可能
*姿勢変更キー押下で屈み、長押しで伏せる。
*スプリント可能。スプリント中に姿勢変更でヘッドスライディング。
*グレネードの所持数はキャラクタによって異なる。マップ内の弾薬ボックスを見付ければ補充出来る。
*グレネードインジケーター有り
*スナイパーライフル使用時は息止めで安定させる事が可能
*HPの扱いは自動回復方式


 弾薬の補充は味方にリクエストして行う方式。近付いてUSEすれば貰えるが、弾薬が相当減った状態でないと拒否されてしまう。貰える回数は無限ではなく、キャラクタ別にアイコンの弾薬マークが1回毎に1つずつ減って行く。

 ダイナミックHUDを採用しており、通常はHUD表示が消えている状態。HUDキーを押すと仲間の居場所や、次の目標地点の場所が画面上に短時間表示される仕様である。


 Medal of Honorシリーズとして初のMレーティング(北米17歳以上)を受けている。死体からの流血表現や部位欠損もあり。頭部や四肢が千切れ飛ぶ武器は限定されており、対物ライフル, ショットガン, グレネード等で発生する。ただし欠損表現自体はあまりグロテスクではないので、Mにはなったが他のゲームに比べると穏やかという印象。設定でオフにも出来る。なお日本でもCERO D(17歳以上対象)だが、欠損表現はアウトな筈なので内容は異なるはず(未確認)。

 敵への命中は赤い血飛沫エフェクトか、或いはよろめいたりするリアクションで表現される。ヘッドショットで倒した場合にはアイコンが出る仕組み。なお当たっているのかどうかは判り易いのだが、よろめくリアクションが多いのでカバーの陰の敵などは「今の後ろに倒れる動きで本当に死んだのか?」の判断が即時には難しかったりもする。


COMBAT
 自動回復方式の他のFPSと特に違う所はなく、戦闘面はオーソドックスな作りになっている。

 近年のFPSは移動速度が低下する傾向にあるが、その中でも移動速度は遅い部類。デフォルトの移動時にはスプリントが必須というレベル。そのスプリントでも特に速くはないが、その代わりに相当長い時間(普通のゲームの5倍位)スプリント状態を維持出来る。また屈んだ状態からスプリントに移行出来るが、そのままだと立った状態で止まってしまうので、スプリント中にカバー目掛けて姿勢変更キーを押下してヘッドスライディングするというのが基本動作。高速で長距離を滑れて、自動的に屈んだ状態へと移行して止まる様になっている。

 MWシリーズほどではないが被弾時にノックバック(反動)があるので、ダメージの赤表示が限界になるまで体を出して撃ち続けられるとは限らない。死ぬまでに耐えられるダメージは若干低目という印象。回復速度は難易度によって異なるがNormalならば標準的。


 良い点としては銃を撃っている感覚が優れており、そのサウンドについても優秀。ただし武器によってはリコイルの表現が控え目な物もある。命中精度はアクションFPSなので高目となるが、アイアンサイトやセミオートにしないとブレるという風にはなっている。個別では機関銃は精度が悪いというのはちゃんとしているが、逆にショットガンは離れていても当たり過ぎという感想。

 面白い要素としては弾の貫通とオブジェクト破壊の概念があり、カバーの材質によっては撃ち抜いて敵を倒せるし、武器によってはカバー自体を破壊してしまう事も可能。それと遠距離の狙撃では着弾までに時間が掛かるので、動く敵に対しては先読みして当てないとならなくなっている。


 今回はリアリティ重視という姿勢なので、その分ゲーム的な演出は控え目。敵の戦車やヘリが近くに登場して、それを近くに置いてあったロケットランチャーで破壊するといったお決まりのシーンは無く、敵の兵器に対して大抵の場合は航空支援で片を付ける様になっている。 ビークルを自分で操作するシーンはATV(四輪バイク)に乗る時だけで、ここでは敵も時間制限もない単なる移動なので面白味は薄い。その他の定番物として、ヘリや車両の銃座について攻撃するというシーンのみが結構出て来る要素である。

 ゲームプレイの項で書いたように、特殊部隊として行動しているのにアクションFPSの仕様なのでリアリティが損なわれてはいるが、戦闘以外ではリアリティを重視してプラスになっている面も存在する。行動時のカバーリングの仕方などは細かいし、随時本部と通信を行って次の行動を決めたり、別行動の部隊との連携を取り合ったりして進めていくのも雰囲気が出ている。また遭遇した相手に対して「あれは本当に敵か?」という議論がチーム内で起きたりと、実際の戦場では敵なのかどうかを見極めるのが難しいという点も再現されている。


 特殊部隊故にステルスや作戦行動を命じられるシチュエーションも在る。例えば「指示が在るまで撃つな」とか「撃たずにステルスで行動せよ」等。しかしテスとしてみた限りでは、命令された行為を無視しても命令違反でゲームオーバーにはならないようだ。ステルスを無視して撃つと、背後の小屋の扉が突然開いて敵が飛び出してきたりとプレイヤーに取って不利な状況が作り出されるので、制作サイドとしては「そういう行為はするな」という姿勢の様だが、クリアさえしてしまえばそのまま先に進められる。(絶対にしてはいけないシーンでは、先に書いたように強制的に銃が撃てなくなったりする)。

 だがこのステルスのシーンが相当に不自然で、「それじゃ絶対に見付かるだろ」という状況でも敵に気が付かれずに抜けられてしまったりする。確かにゲームではあるが、ここまで敵の検知能力が低いというのは無いだろうというくらいに変。ここはリアリティ重視のゲーム故に、もっとちゃんとして貰いたかった。


 味方兵士の能力について。プレイヤーはリーダー役ではないので、移動は他の仲間が先導して進められる事が多い。よってプレイヤーが先に進むまで、ピタリと止まって動かないという状況はそれ程ない。逆に先に進みたくても強制的に前に出れなくなるシーンは時折出て来る。

 無敵の設定で戦闘能力もそこそこ高く、カバーの陰の敵に対して正確無比にグレネードを投げ込んでくれるのも役に立つ。あまり多くはないが敵の攻撃が激しいシーンでは、自分は安全策を採って味方にまるべく任せるという手も使える。

 問題はやたらとプレイヤーの射線を横切ろうとすること。MWではそういう事をしないように計算されていると思われるが、このゲームでは自分の移動を優先しているらしく、特に近場にチームが固まっている状況では頻繁に射線に入ってくる。FFしてもペナルティは無いが、意図的に連発するとゲームオーバーにされてしまう様だ。それとプレイヤーとの接触判定が曖昧で、擦り抜けてしまう事もあればぶつかってしまう事もあり、ポリゴンの中に入ってしまった状態の視界になったり、急いで逃げたいのにぶつかってブロックされてしまったりと良く解らない。



 戦闘での全般的な問題としては難易度の低さが挙げられる。仮にアクションFPSのNormalにおける平均難易度指数を50(Easyが25)と置いた場合、このゲームのNormalでの指数は40程度という判定。問題はHardの方で、早めに終わったので幾つかのミッションをHardでリプレイしてみたのだが、あまり感触に変化が見られない。その判定は50程度で、平均のNormalと同じ位しか難しくない。つまり正確には、Normalがやや簡単なバランスで、それが物足りない場合に難易度をHardに上げても難しくならない、というのが欠点である。よってCoDシリーズをベテランでプレイする様な高難易度が好みの人に取っては大きなマイナス要素に成り得る。最高難易度とされるTier 1は後述の解説を見て欲しいが、普通のゲームの最高難易度とは性質が少々異なるので、高難易度を好む全ての人に受け入れられる物ではない。


 その理由の第一が自動回復方式。この方式では安全に隠れられる場所が在ると非常に有利になってしまう為に、カバーの陰等に安住出来ない様な仕組みがいろいろと使われている。早く倒さないと敵がプレイヤーの側までやって来てしまう(Gears  of War), グレネードが大量に投げ込まれる(World at War), 敵がモンスターや特殊能力者なので安全な場所が無い, カバー自体が少ない中での撃ち合い(アクションFPS), 敵が無限沸きなので強制的に前進しないとならない(CoDシリーズ全般)etc。ちなみにライバルのMWでは、広大な戦闘エリアにて敵に囲まれ易い状況を作り出し、カバーに隠れても横・後・高台から攻撃されるので安心出来ないという方法が良く使われている。

 それに対してこのゲームでは、プレイヤーを安全な場所に留まらせないようにする為の要素が弱い。中心線を境にこちら側と敵側がハッキリと分かれて戦う場面が多く、一度カバーの背後に隠れてしまえば脅威が無くなるので、後は危なくなったら引っ込むという姿勢で良くなってしまう。グレネードが時々飛んでは来るが、破壊力はそれ程無いし逃げるのも容易い。その他では「RPGを持った兵士が結構居て、それに直撃されると一気にHPを削られるので早期に排除しなければならない」のと「固定機関銃系の攻撃は威力が高く反動も強いので危険」という仕組みが導入されているが、総じて高い危険性は感じられない。

 次に敵の居場所を知らせるシステム。銃弾のトレーサーが表示されるので撃っている場所が見付け易く、加えて被弾した際に撃って来た方向が正確に判るので(大まかに3方向表示ではなく)、すぐにその敵の居場所を見付けられる。よって何所から撃たれているのか判らずに殺されてしまうケースがほとんど無い。第三にゲームプレイの項で書いたように敵の数が少ないというのも大きい。

 結果的に防衛ミッションの様な、数多くの敵が周囲を囲むように前進して来てプレッシャーを掛けるシーンくらいしか怖さや難しさを感じさせる場所が無い。Normalがやや簡単というのはともかくとして、Hardをもっと難しくする様な調整が最低限必要だった。ただこの件は同じく簡単過ぎると批判を受けたF.E.A.R. 2が難易度修正パッチをリリースしたという例もあり、(改造に特に労力が掛かるとは思えないので)将来的には同様の修正が期待出来るかも知れない。

問 題 点
 敵AIの動きに難あり。シーンによって動けるAIと固定AIが設定されているらしく、不味い事に状況に応じてダイナミックに移動する事が出来ないタイプの方が多い。最初に付いたカバーから一切動かずに、ひたすら体を出しては攻撃→しばらく引っ込むの繰り返し。全てがそうなのか不明だが、背後に回り込めるケースでこちらに気が付いてもその場を離れなかったりする。


 MWとは異なり様々な武器に持ち替えて戦うという行為にあまり意味が無いので、武器を持ち替えて戦うという面白さは減少している。その結果としてリプレイ性が低くなるというマイナス面が発生。その理由は数多く、まず敵のアルカイダは比較的原始的な武器しか持っておらず、MWとは異なり敵軍の最新武器を拾う事が出来ない。スコープ等のアタッチメントが付いていないので、基本的には自軍の付いているタイプの方が良い事になる。同じく周囲に多数の米軍兵が居るという状況がほぼ無いため、死亡した味方兵の武器を拾う事も出来ない。

 弾薬の扱いもその一因。味方から弾を貰えるのだが、これは味方が携帯している銃器が使う種類に限られる。よって落ちている物と交換してしまうと、弾切れの際に補給が出来ない。また敵が落とした銃器には1〜3マガジン程度しか弾薬が装備されていないのですぐに無くなってしまう。普通のFPSでは同種の落ちている武器を見付けた場合、その中の弾薬が自動的に追加されるが、このゲームではその落ちている同じ武器と交換するかどうかのメッセージが出て弾薬だけを拾えない仕様。本当にそうなのかは未確認だが、稀に同種のマガジンを所持している死体の上を通るとそれが拾えるという事の様だ。結論としては落ちている武器に交換すると弾切れの危険性を抱えてしまうので、交換はやり辛いという事になる。

 実際にゲーム中で交換するとすればドラグノフやRPG程度だが、交換可能なケースは滅多にない。後はM249とショットガンが初期装備のミッションにて、ショットガンをAKに持ち替えて遠方の敵への正確性を増すというのを試したくらいだった。

 リアル系の特殊部隊物で「落ちている敵の武器を一切拾えない」という不満に対しては、「隊員は整備された自分の武器しか決して信用せず、落ちている敵の武器と交換したりはしない」という答えが返ってくる訳だが、このゲームでもリアリティに則してそういう姿勢なのだろう。しかしリプレイ性やゲームの面白さを考えるとそこまでする必要は無いように思えるし、またそこまでこだわるならゲーム自体をリアル系に寄せてその仕様に説得力を持たせて欲しいものである。


 同じく弾薬系の問題として、貰える弾薬数が多過ぎる。貰える回数がカウントされているが、どう考えてもそれが尽きる事など無いだろうというレベル。しかも結構強力な武器の弾薬が豊富に受け取れるので、これもまたゲームの難易度を下げる一因になっている。


 空からの支援を要請する事が結構有るのだが、そこで多機能の装置を使用する事があり、そこでの攻撃の使い分けというのがあまりピンと来ない。ライン射撃, ターゲットをペイントすれば後は追尾して自動で当たるヘルファイア, 上空から自分でガイドするミサイル等が出て来るのだが、適当に切り替えてやっている内にクリア出来てしまう感じで、自分で考えて倒したという手応えがない。


 後はトップにも書いたがシングルプレイがスクリプトのバグで進行しなくなる件。チャプターの最初からやり直しになる事が多いので問題である。PC版では発生確率が少ないと言ってもちゃんとパッチで修正はするべき。

 近年のFPSではFOVが狭い物が多いがこれも同様。問題は現時点ではファイルをいじってFOVを変更する方法が見付かっていないらしいので、これを気にする人や、通常は設定変更で広げてからプレイする人は注意が必要である。(マルチプレイはエンジンが違うので可能)。


*対物ライフルのM82は例外として、スナイパーライフルの精度が高過ぎる。立った状態でもスコープが一切揺れない。
*味方に近付く度にAmmo補給のメッセージが出るのが鬱陶しい(消せない)
*爆弾をセットしたりする際に、Useに反応する位置が限定されており動いて調整しないとならない
*カットシーンが飛ばせない。リプレイ時に冒頭のカットシーンで数分待たされたりする事がある。

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