GRAPHICS |
描画エンジンはUnreal Engine 2.0をベースに使用しており、DirectX 9に完全対応でPixel
Shader 2.0をもサポート。 主な特徴としては、まず覆い茂った大量の草木の描画用にエンジンに改造を施していて、これにより相当な量の草木が現れてもフレームレートの落ち込みが目立たないようになっている(Displacement shaders)。実際に草木の量は相当な物となっており、ちゃんと風に揺れるアニメーションも有ったりと優れた点になっている。 次に大きな売りとしているのが、"Truly reflective water"と呼んでいる史上初となる水面への反射の完全再現で、キャラクタや周囲の情景は勿論の事、銃のマズルフラッシュを含めてゲーム中の全てのオブジェクトが水面に反射として描画されるようになっている。更に水中を移動する際には波や泡といった変化も起きて、最もリアルな水面の描画を実現していると自信が有るようだ。その効果は確かに窺えるが、ゲーム中にそれ程水の中を通るシーンが有るという訳ではない。他にはParallax mappingと呼ばれる平らなポリゴン表面を歪んだりしているように見せる(当時では)最新技術が使われている。 エフェクト系では爆撃時の震動エフェクトはなかなか良いと思うが、その他には目立った物は無い。ライティングと影描画についてもシンプルな印象である。BloodやGore系は抑えられており、当っている時にハッキリと判るだけで死体からの流血や四肢の損傷といった要素は無い。 全般的に目立って悪いという箇所は無いのだが、逆に技術的な凄さを感じさせるような点も少ない。発売された2004年はFPSゲームのグラフィックスのクオリティが大きく飛躍した年だっただけに、当時の印象としてインパクトが薄かったというのは有るだろう。中ではキャラクターのモデリングが前世代のままというのが目に付く。 解像度は1280*1024までで、その下は1024*768他数種と限定された設定しか選択が出来ない。変更出来るグラフィックス系のオプションも小数で、アンチエイリアスも設定出来ない。 |
SOUND |
MoHAAやCoDはそのサウンドがゲームに臨場感や迫力を持たせる上で非常に重要な役割を果たしていたが、それに比較するとこのゲームでのサウンドのクオリティは劣っている。部隊での小規模戦が中心というのは設定的に不利なのは確かだが、それだけでは言い訳にならない。例えば敵が大量にやって来るのを迎え撃つような激しい銃撃戦のシーンでは迫力不足だし、市街戦のマップでも音数が少ないという状態になっている。MoHAA等では現在の戦闘が行なわれている場所以外からも音が聞こえて来たりして戦場の広がりを印象付けていたが、このゲームではプレイヤーの居る場所の音のみを再生しているだけという感じである。 銃声は乾いた感じの音で、他の戦争物のゲームの物とは異なった印象を受ける。銃声の再現の正確さはどちらが上なのかは判らないが、迫力的には上記の様なゲームと比較すると劣っているように感じる。 戦場に臨場感を出す為に"dynamic battle chatter"と呼ばれるシステムを採用している。これはその時の戦況や自分の状態に応じて300程度の用意された台詞をAIに喋らせる物で、状況によって的確な台詞をAIが喋る事によりリアリティが増すというのが狙い。ただ同時期発売のライバルであるMoHPAが同じ様な機能を導入しており、またそちらの方が出来が良いのでその分マイナスのイメージが付いて回る。喋る台詞がそれ程バラエティに富んでいるようには聞こえないし、前に出られるような状況では無いのにやたらと「カバーするから行け」と繰り返すのも問題。 EAXに対応の表記は無いが、3Dサウンドは一応有効になっている。ただし包み込まれるほどの臨場感やそこまでの音数も出てはいない。虫の鳴き声等のアンビエントサウンドは有り。 オーケストラを使って収録されているBGMについては非常に良い出来。他には当時のヒット曲を何曲かライセンスして使っているのは他のベトナム系ゲームと同じである。 字幕機能は無し(英語版)。そこそこ台詞は多い方である。 |
MULTIPLAYER |
PC版でのマルチプレイは最大で24人までサポート。マップは16個でモードによって使用可能数は異なる。DMやTDMの他のモードは以下の通り。 *Recover the Documents 攻撃側と守備側に分かれて、攻撃チームは敵陣地のランダムな場所にSpawnする書類を自陣に持ち帰れば勝利。書類の扱いはCTFの旗と同じで、持っている人間が死んだら地面に落ちて、攻撃側が拾えばそのまま継続して持ち運べる。攻守を入れ替えてラウンド制でプレイする。 *Search and Destroy マップ内にランダムにSpawnする自軍用の3つのMortarの部品を自陣に持ち帰り、それを組んで敵陣に砲撃して破壊した方が勝利となる。 *Multiplayer Mission 歴史上のミッションを再現したシングルプレイ風の米VSベトコンの攻防用のモード。設定された連続するObjectivesを最後まで達成出来るかで争う。 *Front Line PC版のみ収録のモード。BF1942風のマップ内の幾つかの拠点(Capture Point)を確保するゲーム。各ポイントは有効範囲内に入る人数が多いほど早く確保出来る。全てのポイントを同時に確保したチームの勝利となる。 発表時にはシングルプレイを完全にCoop可能にするというのを宣伝していたのだが、結局はXbox版にてSplit Screenでの2人用Coopが搭載されたのみ。Coopには向きそうなゲームなだけに残念である。 チーム戦は米・南ベトナム軍 VS 北ベトナム軍・ベトコンの形態。両軍共に7つのクラスが設けられているが能力としては対称形。 発売当時から人気は無かったと思うが、現在(2007/06)確認した限りではほとんどプレイしている人は居なくなってる。EditorとSDKも出来る限り早くリリースされるという話だったが結局リリースはされず終い。 |