MEN OF VALOR

                                  07/06/29


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製作・販売: 2015 / VU Games
発売: 2004/10
日本代理店: メディアクエスト・Livedoor Games




概  要  ゲームの開発は2002年の大ヒットFPSであるMedal of Honor: Allied Assaultを作成した2015社が担当しており、ゲームの宣伝文句にも「あのMoHAAの2015からの新作!」と言う表現が頻繁に使われていた。しかし実際には当時の製作メンバーの内22人が既に会社を辞めており、その後彼等は新会社Infinity Wardを興してCall of Duty(2003)を製作したのは有名な話。一方でMoHAAとこのMoVの両方にクレジットされている人間はわずかに4人のみ。つまり大量脱退後に新たにスカウトして来た人間によって製作されたゲームで、会社名は2015と同じでも中の人間はほとんど異なっている。

 最初はMen of Valor: Vietnamというサブタイトルが付けられていたが途中で外されている。

 販売数の詳しいデータは無いが、売り上げとしては大した事がなかったと思われる。Vivendi GamesがMoHAAやCoD級の成功を期待していたのならば大失敗の部類に入るかもしれない。2015のサイトもこのゲームの発売以後は更新されておらず、会社が活動しているのかも判らない状態である。確かに発売前の採り上げられ方はかなり大きかったが、その逆に発売後の反響は相当に小さかった。GameRankingsにて見られる主要メディアからのレビュー総本数はその一つの判断基準となる物だが、このゲームはその評価はともかくとしてレビューに採り上げられた数自体が少ない。

 ベトナム戦争を扱ったゲームがこれまでに無かった訳ではないのだが、製作が当事者の米国の会社でまた相当な話題作だった為に、結構その辺については「ベトナム戦争を格好良いイメージでゲーム化するというのは如何なものか」といった批判が浴びせられていた。
 同社では、確かにMoVは「プラトーン」や「フルメタル・ジャケット」といった映画に見られるような(反戦の)メッセージ性を持ったゲームではない。あくまでもこれは娯楽としてのゲームというスタンスである。ベトナム戦争で国の為に命を投げ出して戦った勇敢なるアメリカ人兵士の活躍を描いているが、それは純粋に仲間同士での連帯や友情の素晴らしさを表現したいという意味であって、ベトナム戦争自体は肯定も否定もしていないとコメントしている。


 売り上げが悪かったという点に関係しているのか、現在(2007/06)まで米英共に再発版としてリリースされていないようだ。Sierraでは独自の再発レーベルとしてBest Seller Seriesを持っているが、このパッケージで再発されているのを確認出来たのはオーストラリアだけ。海外ではAmazon等を見る限りでは別に入手が困難という訳では無いようだが、通販ショップでは見掛けなくなったタイトルである。
 少なくとも北米版の初回リリースにはBonus DVDが付属しており、ベトナム戦争の映像やキャラクター紹介等の製作資料や最初の方のWalkthrough Videoを収録している。

 日本では「メン オブ ヴァラー 日本語版」が存在している。しかし販売していたLivedoor Gamesでは既にゲームの扱いを停止しており公式サイトも残っていない。版権の扱いが両社の間でどうなっているのか良く判らないのだが、メディアクエスト(現在はキッズステーションに吸収)の案内サイトはまだ残されている。


 元々の予定ではXboxとPCではユーザー層の違いも有るので、開発チームも別として大きく異なったゲームとなるという話だったのだが、開発段階で両機種の独立性を減少させて内容を共通化するという方針転換が起きたのか(予算の問題?)、最終的にはほぼ同じ様なゲームとなったようだ。PC版はシングルプレイ用のマップを2個、マルチプレイ用のマップは6個追加という形になっている。

 ゲームのサントラのダウンロードが公式サイト等から可能になっている。

STORY  内容は1965-68年の間のベトナム戦争をベースにしており、徹底した史実の検証によって作成されている点はMoHAAシリーズと同様で、全てのミッションは実際に有った戦闘・事件を元にしている。なおベトナム戦争については、Vietcongのレビューの方に詳しく書いてあるのでそちらを参照して欲しい。簡単に言えば、「もしベトナムが共産主義国となったら、それは他の東南アジア諸国にも広がってしまう恐れがある」と考えた米軍が、それを防ぐ為に南ベトナム政府軍と協力し、(ソビエト・中国からの援助を受ける)共産主義の北ベトナム軍との間に起した戦争である。ベトコンとは南ベトナムに住む人々の中で、北に共感して南政府&米軍と戦う反政府ゲリラ勢力を指す。

 主人公はゲームの開始の時点では18歳となるDean Shepard。彼はWWIIでの父親の偉大なる功績に憧れており、自らもベトナム戦争での活躍を期して志願兵となる。ゲームはUSMCの一員としてベトナムに派遣された彼の成長を通して描かれる形式を採っており、彼が家族と交わす手紙によって彼と親の双方の心境や、ベトナムと米国内での当時の戦争への見方が語られるという手法が使われている。

 このゲームにおいて大きな話題として採り上げられていたのは彼がAfrican-American(黒人)であるという点で、アクション・ゲームのビッグタイトルとしては歴史上初の黒人主人公ではないかということから、インタビューでもこの点は必ず聞かれていた。
 ベトナム戦争の前の1950年から60年代にかけては、それまで差別を受けていた黒人の間で公民権の適用を求めて激しい運動が起こっていた時期であり、その運動の甲斐あって米軍の本格的なベトナム参戦が決まった(このゲームの開始時点となる)1965年頃は両社の間に雪解けの空気が流れていた時期でもある。そしてベトナム戦争の戦場においては、一度戦場に出れば白人も黒人も無いという意識から、双方の初めての人種を超えた協力体制というのが実現したという風に一般には捉えられている。そこでその人種を超えた友情・協力というのをストーリーに絡めてやるというのは面白いのではないかと考えたのが、黒人を主人公に抜擢した理由だそうだ。

 補足としてキャンペーンの一つには、ベトナム戦争の中で最も有名な「テト攻勢」(或る意味タブー中のタブー)を扱った市街戦が含まれているのが大きな特徴である。以下テト攻勢について簡単に説明。

 1968年にベトナムの旧正月(テト)に起きた大規模な奇襲攻撃。暗黙の了解で南北共に休戦日となされていたこの日に、その隙を突いて北軍とベトコンが南ベトナム(米国側)の各都市に対して一斉に攻撃を仕掛けた事件で、一時はアメリカ大使館を占拠するまでに至った。文化的に重要な建物が多かった為に空爆が行えずに、北側を完全排除するまでには結構な時間を費やす事になる。
 戦果という意味ではこの作戦自体は失敗して北側は大きな打撃を受け、大量の死者はその後勢力が弱まる原因となった。ところがこの事件はそれまで楽観ムードが漂っていた(実際にはベトナムの現状を知らされていなかった)アメリカ国民に衝撃を与える事となり、これがキッカケで国内にて反戦運動が激化。それまで愛国心を煽っていた政府の支持率は急降下し、最終的にはこれでは選挙に勝てないとなった時の政党はベトナムへの軍備縮小を実施。そして結果的にはこの事件を起因として、アメリカは1973年にベトナムからの完全撤退へと追い込まれる形となった訳である。



PATCH

DEMO
 V1.3までリリースされている。シングルプレイのみならばV1.2まででもOK。北米版と欧州ではパッチが異なっており、欧州版はV1.3 しか存在していない。

 日本語版は発売時期からしてパッチは適用済と思われる。海外版とのマルチプレイの互換性は不明。


 デモはシングルプレイ用とマルチプレイ用の両方有り。ただしマルチプレイ用はもう人が居ないかも。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 1.3GHz Pentium 4 2.8 GHz
MEMORY 256 MB 512 MB
VIDEO VRAM 64MB
Hardware T&L対応 Pixel Shaders対応
VRAM 128MB
Hardware T&L対応 Pixel Shaders対応
SOUND DirectX互換 同左
対応OS  98/Me/2000/XP
DirectX 9.0c以上要


 ビデオカードは具体的にはRadeon 9600 or GeForce 5700以上を推奨している。NvidiaのGF4 MX系は未サポート。このカードを含めてVRAM 32MBクラスのカードでも起動する物は有るようだが、フレームレートの極端な低下やテクスチャの剥れ(白抜け)が生じる可能性が高い。オンボード系のビデオでは当時の物だとほぼ全滅状態だと思われるが、月日も経過しているので現在では何とも言えない(デモにて確認要)。

 安定性については当時個人的にもほとんど問題は無かったし、掲示板等でトラブルについても大して話を聞かなかったような気がするが、売れなかったようなのでユーザーの書き込むデータ自体が少なかったという可能性もある。


ロード画面にセーブの一覧が出て来ない
 プレイ中にProfileを切り替えると前の物のセーブデータが残ってしまうという問題が有り、一度終了させてメインメニューに戻ってから再度Profileを選択し直す必要がある。

セーブされたデータの移動
 Saveフォルダの中身だけではなく、\Men of Valor\VIETNAM\SYSTEMの中に有る各Profileも移してやる必要がある。

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