次の頁     TOP

シ ス テ ム

難易度
 Easy / Normal /Hardの三種類で、作成した各プロファイル内で設定する方式。この設定はプレイ中には切り替えられないが、それ以外の場合には任意の難易度への切り替えが可能となっている。問題はどの単位で切り替えが可能なのかが判らない事で(説明も無い)、キャンペーン・ミッション・ロード画面からの各マップ、のどこからやり直せば変ってくれるのかが不明である。

構成
 キャンペーン・ミッション・各マップの三段階に階層化されており、クリアした物は何時でも戻ってリプレイが可能である。アンロック状況は各プロファイルによって管理される。

SAVE&LOAD
 マップの先頭部分でオートセーブされる方式。任意の箇所でのセーブ及びクイックセーブは不可能。ただしコンソール系で見られるメモリーセーブ方式を導入しており、途中でセーブ自体は行なわれる。つまりマップの先頭のオートセーブは実際にHDに書き込まれて全て履歴として残り、何時でもロード画面からアクセスが可能だが、それ以外の途中のセーブはメモリー上にのみ行なわれるので、プレイ継続中は死んだら最新のメモリーセーブされた箇所に戻れるが、一度ゲームを終了させてしまうとマップの先頭からやり直すしかない仕様である。

OBJECTIVES
 目標はレーダーにて位置・方向を確認可能。F2キーで文章にて指令内容をチェック。爆弾の設置等は半透明の目標箇所が表示されるという形式なので、やるべき事自体は明確に判るようになっている。

SQUAD
 ほとんどの場合主人公は部隊で行動し、その人数やメンバーの顔触れはミッションによって異なる。ただし属する部隊は一緒なのでほぼ同一のメンバーとの行動が多い。最後の年代が異なる市街戦キャンペーンでは各人が異なる場所に勤務しているという設定になるので、ARVN(南ベトナム政府軍)の兵士との行動になる。ストーリー的には同一部隊のメンバー間の友情を描いたりしてリアリティを醸し出すという構成となっていると言える。

Michael "Zook" Trazcyk
 部隊のリーダーとなるLieutenantで22歳。まだ若いが豊かな戦場経験を持つ。
William "Greaser" Gregory
 チームのライフルマンでM-16担当の18歳。子供の頃から父親と一緒に狩りに出かけていた経験を持つ射撃の名手。彼も黒人。
Dan "Hoss" Schoenauer
 M60を持つ18歳の大男。普段は落ち着いており無口だが、切れると手が付けられなくなる。背中のメッセージが特徴的。
Lawrence "Smooth" Stiles
 Rifle及びM-79 grenade launcherを担当する17歳の黒人。ストリート・ギャングとして育った経緯を持つ。
Pat "Mouth" Hodges
 チームのRadiomanで18歳。あだ名の通りに口うるさい。
Jamie Shepard
 主人公の弟で15歳。後半になって彼も志願してベトナムへとやって来る。

 まず目に付くのは各メンバーの若さ(上記年齢は1965年の時点のもの)。主人公も18歳である。これは別にゲームのストーリー上の狙いとかではなくて、Paul Hardcastleの1985年の大ヒット曲"19"でも歌われていたように、ベトナム戦争の兵士の平均年齢は19歳だったそうで、特に意図的に若者の部隊をメインに持って来た訳ではない。


 部隊メンバーへの指示は一切行えず、全員が自動的に動くようになっている。死亡の扱いについてはストーリーに絡む主要なメンバーは不死身であり、スクリプト的な場面以外では死なないようになっている。その他のマップ内の味方AIについては死んだらそこまで。

 ダメージの扱いは一定以上のダメージを受けたメンバーはその場に倒れてしばらく動けなくなり、その後時間を置いてから立ち上がって復帰して来るようになっている。もし怪我人の近くに他の隊員が居た場合には担いで安全な場所に移動させるというケースもあり、この場合には復帰までの時間が短くなる。


COMBAT
 最初は基本的なゲーム性から解説。MoHAAの比較対照として採り上げられる事が多かったゲームだが、ゲーム性はもっとリアル寄りのバランスとなっている。あくまでもアクションゲームという色が強かったMoHAACoDに比べると遥かにタクティカルな印象を受けるゲームであり、例えば同じベトナム戦争を扱ったVietcongの方に近い。


*武器は選択式ではなく予め決まった物からスタートする
*所持武器数は4個限定で、敵の武器を拾って持ち運ぶ事も可能
*Crouch, Proneが可能だがジャンプは不可
*フルオートとセミオートの切り替え可能
*ズーム視点にして命中率を上げる事が可能だが、この状態からは全く動けなくなる
*ズーム視点にすると照準が徐々に縮まって行き、完全に収束した所で最も命中率が高くなる
*ズーム視点では敵に照準が合うと赤くなって知らせるようになっている
*敵が撃って来る方向を表示する機能有り

 Leanの動作は通常のFPSとは異なりコンソールでよく見られる方式を採用しており、ズーム視点にした状態で左右移動キーを押すとそれがLeanの動作になるというようにされている(ゲームパッド操作では独立した左右のLeanボタンを設定しておくのはボタン数が少ないので好まれない)。よってLeanした状態から左右に移動したりは出来ない(と言うか体を動かせない)。ただし脚を外に一歩踏み出すような形で行なわれるので、視界が斜めにならず見易いという面は持っている。

 スプリントは出来ないが基本的な移動速度が相当に速いのでその辺は気にならない。それはアクションゲームっぽいのだが、一方で移動中は照準の広がりが非常に大きくなり、左右にステップしながら等の動きながらの攻撃はなかなか当たらないようになっている。リロード速度も割りと遅い方だろう。敵への弾の命中はBloodのエフェクトや被弾のアニメーションで判り易く、当っているのかどうかは識別し易い。

 治療のシステムはMedikit(2種類有り)で治療するという方式になっており、携帯は不可能でマップ内に置いてある物や敵の死体から取って使う。特徴的な要素としてBandage(包帯による止血)が用意されており、ダメージを受けると決定したダメージは暗い赤色、未確定の物は明るい赤色でHPのバーに表示される。このまま放って置くと上の方から明るい赤色が暗い色に変化していってダメージが確定してしまうので、Bandageのキーを押したままにして下の方から赤い色を消して行くという治療を行なう。よってBandage次第でダメージは最小限に抑えられるようになっている。
 しかしこの止血中には行動に制限が加わり、止まって何もしていない時が最も止血速度が速くなり、移動したり銃を撃っていると止血速度が遅くなるのでダメージとして確定してしまう部分が多くなってしまう。また止血中はズーム視点にする事も出来ない。


 アクションでは無くリアル寄りとなっている原因についてだが、まずはかなり死に易いバランスという点が挙げられる。実はこのゲームはMedikitの数自体は多目であり、特に敵の死体から手に入れられる確率が結構高くなっている。その為にちょっとしたダメージを受けても、戦闘が一段落すれば死体を漁ってMaxまで回復させられる事も多い。ところがHPの最大値の方は低くなっており、Medikitは多いがHPの最大値が50(普通のゲームの100に対して)といった感じの設定である。なので死ぬ時は実に簡単に死んでしまうようになっており、特に敵のHeadshotが決まったりするとHPが最大の状態からでも2,3秒ほどで死亡というのも珍しくない。また敵の機銃の威力と命中率はMoHAA並に高いので、迂闊に前に出て範囲内に入ってしまうと死の危険性が高いという設定。おそらくこれは「止血という機能が有るのだから、最初に加わる未確定ダメージ量の方は多目でも構わない」という考えによる物だろう。

 戦闘は遠距離戦が主体で、近距離での戦闘がやり難いというようになっている。MoHAAでは近距離での豪快な撃ち合いというシーンも多いが、このゲームではああいったシーンはほとんど無い。とにかく近距離戦は危険の一言で、遠くから敵を倒して行くというやり方がほとんどのケースでは基本戦術となる。銃の命中精度はそれ程高くないのでズームで安定させて狙うのが基本だし、非常に効果的なHeadshotを狙うにはズームが理想となる。しかしこの状態では一切の移動が出来ないというデメリットがある為に、障害物の陰に隠れてLeanしながら狙うという方法を取らざるを得なくなる。
 敵の銃の命中率は近距離になるほど高くなり、もし見逃した敵に至近距離から攻撃されてしまうと一気に殺されてしまう確率が高くなる。近距離で撃ち合おうにもMoHAAの様に左右にステップ移動しながらでは照準が大きく開いて当らないし、何よりも受けたダメージに対して止血が出来ない(遅くなる)ので、そのまま連続してダメージを受けて死んでしまう危険性が増す(詳しくは判らないのだが、未確定ダメージが残った状態で更なるダメージを受けると確定ダメージ分が増加して行くようだ)。遠距離ならばダメージを受けたら引っ込んで止血という方法でダメージを最小限に抑えられる。

 草が多いマップではこちらからは敵が見え難いのに対して、AIの視線は草を透過するので近付くのは先に見付けられる可能性が高くなり危険となる。それに対抗する手段としてズーム視点での赤く変化する照準が用意されており、これを使えば草で完全に見えない敵であっても位置を知る事が出来る(この機能はOptionからOFFも可能)。その代わりにズームにすると動けないので、その意味でも安全の為に遠くからこれを使った方が利巧となる。なおこういった慎重さが要求されるタイプのゲームでは極めて強い威力を持つ武器としてSniper Rifleが用意されているのが普通だが、このゲームでは立って撃ってもブレないという利点の代わりに、倍率変更が無いのとズーム視点における赤色判別の機能が無いので、むしろ通常武器のズーム視点に劣るというケースも多くてそれ程有用ではなくなっている。

 面白い要素として付け加えられているのがSearch機能である。敵の死体をSearchする事によってMedikitが手に入ったり、持っている武器・弾薬を手に入れたりも出来るのでこれは重要な作業となっている。しかしここに一つ制限が有って、それは一定時間後に死体は消えてしまうという点である。プレイヤーは消える前に死体の場所まで行かないとならず、また草の多いジャングルでは地面の死体自体を見付け難いという問題も抱えている。一旦Searchさえすれば落としたアイテム類はそのまま残るので問題は無い。しかし死体をSearchするまでには危険が伴うというのがプレイヤーにはジレンマとなる。
 徹底して後方から距離を置いて戦い、敵が居なくなったのを確認してから前進するというのが最も安全な方法であるのは上に述べた。しかしこのやり方では倒した死体が消えてしまう可能性が高くなるという問題がある。戦闘中に前に出て死体の所まで行ってしまえば良いのだが、これは敵が残っている場合には危険を伴う。特にHPが減っており治療したいと考えている時には判断が難しい。Searchが成功すれば大抵はMedikitが出るので回復出来るが、ダメージを負っているほど撃たれて死んでしまう可能性も高まる(このゲームでは自由にセーブが出来ないので余計に危険は避けたい)。この辺の見切りが常に要求されてくるのは緊張感を生んでおり面白い。

 なおMedikit以外にも弾薬のマネージメントも重要な要素である。最初から持っている自軍のメイン武器の弾薬はそれ程無く、味方と合流しての補給地点でも無い限りは途中で拾う事は出来ない。よって敵の武器を拾うことも大事だし、その武器用の弾薬を集める事も重要となる。しかしこれも敵をSearchしないとならないので、死の危険を冒すかどうかという判断を迫られる事になる。普通のFPSではとにかく弾薬は多い方が良いとばかりに拾い捲るのが普通だが、このゲームでは足りると思われる範囲内で抑えてやり、(HPも十分に有って)無理する事はないと感じたら遠距離を保ち、無理に前に出てSerachで更なる弾薬を拾いには行かないという判断も重要となる。

 その他の戦闘の難しい点を幾つか挙げておく。それ程頻繁ではないが敵はGrenadeを使ってくる。これにはGrenade Indicatorが用意されていてその方向が示されるのだが、ちょっとこの表示が見え難くて困る事が多い。
 ズーム状態では動けない為に、操作が誤動作する事が結構有って厄介である(ズームを切り替え式で使う場合)。反射的に危機を感じて動こうとした際にズームを解除するのを忘れて固まってしまい、逃げるのが遅れてしまう事がある。またズームしてLeanでの戦闘中にダメージを受けて止血処理を行なうと一旦ズームが解除されるので、そこから再度Leanしようと考えて左右移動キーを押すと、ズームが解除されているから誤ってそのまま左右へと体ごと単に移動してしまう(激しい戦闘中だと致命傷になりかねない)。

    次の頁     TOP