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COMBAT

*武器はハンドガン, マシンガン, ショットガン&ライフルのジャンル別に各1丁携帯可能。他にナイフとグレネード。
*サイレンサーやスコープは固定式で、自由に付けたり外したり出来ない
*照準は移動したり連射すると広がる。しゃがみ動作で縮小。
*敵に合うと照準の色が赤に変わる
*レーザーサイトを持つ武器も在る(レーザーサイトはオプションからオフにも出来る)
*アイアンサイト可能で命中率が上がる。その間の移動速度は落ちる。
*左右へのリーン動作は出来ない
*スプリントは可能だが、歩きは不可(しゃがみ移動で代用)


 HPは自動回復方式とメディキットの併用型。自動回復速度があまり早くないので、危険を感じた場合には携帯しているメディキットを使用すれば、高速でノーマル状態まで回復出来る上に短時間だが回復速度が上昇する。ダメージ表現は画面周囲が赤くなる方式だが、暗さやエフェクトの影響でかなりそれが判り難い部類のゲームとなっている。よって慣れない内はダメージ量が判断出来ずに死ぬ事もある。それとダメージが多い状態ではアイアンサイトの銃身が揺れるというペナルティあり。

 ゲーム内世界に没入させる為にHUDは最小限にするというデザインで、ほとんどのステータスは通常は消えている。武器の中には残り弾数が画面上のグラフィックスで直接確認出来たりする物もある。全ての種類の残り弾薬数やMGAの数などは武器一覧画面で見る形式。

 弾やアイテムは逐一カーソルを合わせて拾う必要あり。敵の死体ならば身に着けて実際に見えている物を取るので、場合によっては体中をクリックして5,6箇所の弾薬を取らないとならない事も。死体が裏返しだと見えないので、体を上からカーソルでサーチして弾薬アイコンが出る場所でUseという風になる。


 武器のラインアップには変わっていたり使い勝手が悪い物が多く、ここはコンソール的ではなく非常にPCゲームっぽい。使い勝手が悪いという点は別にマイナス要素ではなく、ユニークな武器という風に捉えればむしろプラスにもなっており、文明や技術が退化した世界という観点からそれに相応しい設定とも言える。スコープやサイレンサー等の付属バリエーションが多数用意されている銃もあるが、自分で改造したりは不可能で、欲しければ最初から装着されたタイプを買うか拾うかしかない。またオプション類は自由に付け替えが出来ないので、特殊な用途に優れたタイプを持つとそれ以外のケースでマイナスになってしまう。

 基本武器のリボルバーだが、威力は結構あってアイアンサイトにすれば遠距離での正確性も良好なので、普通のFPSとハンドガンと比較すると使える武器である。他の弾薬が少ない際にはこれで結構持たせる事も可能で、改造バリエーションも多い。だが6発しか装填出来ないのでリロードが多くなる為にミュータントのラッシュ攻撃には弱い。

 サブマシンガン&アサルトライフル系の武器は、MGAを使用して威力を上げる事も出来るカテゴリーとなる。改造タイプも多いカテゴリー。初期武器のBastardは正確性に劣り、弾薬が残っている状態でのリロード動作が長いという欠点を持つ。更に連射するとオーバーヒートするので、序盤以外は使わないだろう。Kalash(AK-74)はアイアンサイトでの正確性が向上しており、最もスタンダードな武器と言える。Kalash 2012はマガジンの弾数が40発でレーザーサイト付きの上級武器。VSV Rifleはサイレンサー付きでステルスに向いており、スコープが付いたタイプはスナイパーライフルとして使える。

 Duplet(Double-barreled shotgun)は左右のマウスボタンで同時発射も可能なショットガン。2発装填なので当然リロード回数は多くなる。変わり種なのがUboyneg(Automatic Shotgun)で、6連射可能なショットガンなのだが回転弾倉なのでリロード方式が独特である。弾が0になると自動的に1発だけリロード。そして1発の時にリロードを押下しても追加で1発しか込めてくれないようになっており、完全に行うにはリロードボタンを押しっ放しにする必要がある。またその機構上弾が奇数残っている状態からリロードすると、空いている弾倉が外に出てくれないので5発までしか込められない。自分に向けて突っ込んでくるミュータントのラッシュ時にはショットガンが定番というのが相場だが、このリロードの仕様に加えてフル装填までの時間が長いのでUboynegを持っていても大変。そこら中を逃げ回りながらリロードを完了させては撃つといった風になりがちで、他の銃を使ったり途中で切り替えたりした方が良いケースもある。なお銃剣付きタイプだと右クリックで2種の攻撃が繰り出せるので多少は楽になる。

 最もユニークなのがPneumatic Weapons(圧縮空気銃)。ショットガンと同じスロットを使うので最後まで使わない可能性もあるが、面白いタイプの武器である。まず圧縮した空気の力を借りて撃ち出す為に、事前に空気を入れておかないとならない。リロードキーを押したままにすると銃を持ち上げて構えるので、そこで発射ボタンをリズミカルに押す事で空気を送り込む(高速連打ではない)。目に見える形で空気圧ゲージが付いており、一発撃つ毎に空気が抜けていって無くなると撃てなくなる。空気を込めるのは時間が掛かる作業なので、近距離戦では途中での再注入は困難。その一方でオーバープレッシャーとして100%以上の空気を一時的に送り込めるようになっており、100%以上の状態ではダメージが上昇する。ただし撃たなくても時間と共に100%までは空気が抜けて行ってしまうので、側に敵が居ると分かっている時でないと意味が無い。

 Tiharはボールベアリングを撃ち出す武器で、100%近くではかなりの威力を持つものの、空気圧の%に比例して威力が落ちていくという欠点を持つ。またアーマーに対しては効果が無いし、空気が抜けてしまうのも早い。Helsingは矢を放つステルス向きの武器で、中距離程度までしか使えないがアーマーを貫いたりとその威力は相当に高い。連射速度やリロードが遅くて8本までしか装填出来ないという欠点はあるが、比較的空気圧低下の影響を受けないので非常に使える武器である。弾薬となる矢はレアで最も高価だが、放った物を後で回収する事も出来る。問題はこれを持つとショットガンを捨てないとならないので、戦闘を好むプレイヤーには選択が難しいという点だろう。

 グレネードは点火して投げるのでむしろパイプボムという方が適切。近距離ならば下手投げも可能。効果の程はシチュエーションによって異なり、広い場所で投げると敵が逃げてしまって効果が薄く、狭い場所や密集しているケースでは敵が逃げ難いので上手く巻き込める可能性が高まる。点火してから爆発までが5秒と長いので、持った状態から爆発寸前に投げるのがコツ(空中では炸裂しない仕様)。他には貼り付けられるスティッキーグレネードもあるが、こちらは落ちている物はレアなので、頻繁に使いたければ買わないとならない。


 ゲームプレイ面では全体的に他のNPCと一緒に行動するセクションが多くなっており、設定としてはそこから一人で分かれて戦ったりする訳だが、一緒になって戦うシーンも結構出て来る。ほとんどのNPCは無敵か必ず死ぬかに設定されているが、幾つか特定のNPCが死んでしまうとゲームオーバーという箇所もある。

 世界設定上地下の暗いエリアが多くを占めていて、ライトを点けないと行動が困難な場所が頻繁に出て来る。そしてデフォルトの状態ではライトが暗いので、UCを使って充電し光量を上げた状態を保つのが相当重要になっており、取り出してはキコキコと操作する事になる。ミュータントのラッシュ前などは特に大事。なおオプション画面にガンマの調整機能は持っているが、適切な明るさに合わせるガイド画面は持ってない。

 もう一つのNVGの方はリアル指向なのか、普通のゲームの様にクリーンな緑色視界で敵がハッキリと見える仕様ではなく、光が本当に少ない場所では光量不足で暗くなって周囲が良く見えなくなるし、反対にちょっとした明るい光でも白潰れが発生してしまう。その為に視界がクリアな場所の方が少なく、ちょっと光が強いと明るくなり過ぎて敵が何所に居るのかも見え辛いし、そこで銃を撃てばマズルフラッシュで白潰れして更に見えなくなる始末。その為にNVGを切ったり代わりにライトを点けたりと、適切な視界を保つのに忙しいゲームである。付け加えるとステルススーツはNVGが付属しているが、アーマーの方でも別に入手すればNVGとの併用は可能。


COMBAT(続)
 ここからは具体的な戦闘についての感想。


 移動速度はやや遅めであり、スプリントは前だけでバックするのは通常スピード。この為に高速で突進してくるミュータントをかわすのは苦手である。それとこのゲームではプレイヤー自身の下半身が描画されない方式なので、突っ込んで来たミュータントが足下に潜り込むような形になって視界から消え、いきなり真下から攻撃を喰らったりする事がある。更にミュータントはジャンプしたりして上からも襲い掛かってくる為、照準の上下動が忙しいというのが一つの特徴になっている。

 リーンが出来なくて自動回復方式、そして暗い場所が多くて敵が見え難い事から、このタイプでは定番の「わざと体を曝して敵に撃たせ、それで位置を確認する」という戦い方が必然的に多くなる。Normalにて死亡するまでの耐久力は普通レベルだが、回復速度がやや遅めに設定されており、メディキットを使ってそれを補うというスタイル。5個まで携帯可能で割と拾えるので、非常用に1,2個残しておいて危なくなったら使うという感じでOK。問題は上でも書いたように、赤のダメージエフェクトが派手ではない上にエフェクトが加わるので、慣れないと現在のダメージ度が掴み難いところ。

 敵に当たった際には血飛沫のエフェクトが発生するが、暗い場所が多いので見えなかったり、NVGを着けている際には確認が難しい。死体からの流血といった表現はないし、死体のゴア表現も発生しない。死体のラグドール演算はCPU側で行われている為か、一般的なレベルと比較して単純でシンプルに見えてしまう。四つ脚のミュータントなどは重量感が感じられず、倒れずに脚で支えられた状態で死んだりする事がよくあって、死んだのかどうかの咄嗟の判断がし辛い。あと死体はある程度残るが、プレイヤーとは接触判定が無く透過する仕様。


 全体的な難易度はやや高目。数回リトライしないと突破出来ない場所が結構出て来たりするが、特別に難しい箇所は無いという印象で、進行が滞る事も少ないバランス設定としては良く出来ていると思う。メディキットを結構使っても大丈夫だというのが解り、自分のダメージの度合いを掴めるようになればより死に難くなる。なおよく比較対象にされるS.T.A.L.K.E.R.の様なハードコアで難しいゲームでは無いので、ああいう難しさを期待すると外れる。一言書き添えておくと、(PC版でも対応しているが)コントローラーでの操作は難しいという意見が散見される。コントローラーでの操作を十分には考慮していない為か、近年の大衆向けFPSに比較して操作がし難いらしい。

 この難易度設定については一つ欠点があって、購入可能なアーマースーツが強力過ぎる。自動回復を採用したゲームにおいて、最も難易度に影響するとも言えるのが「死亡するまでにどれだけの被弾に耐えられるか」であり、実際に難易度を変更するとそこが変わるゲームがほとんどである。ところがこのアーマーは正にその点、死亡までの耐久力を高めてくれるアイテムであり、しかも購入時点から最後まで一切劣化しない。つまり着込んだ時点で難易度を一段階下げたかの様な効果を発揮して、格段に戦闘時の難易度を落としてしまうようになっている。私自身も初回はステルススーツの方で、二回目をアーマーにしてみたが、死亡回数に相当な差が出る位の違いが生じた。

 S.T.A.L.K.E.R.の様に被弾で痛むという仕様で交換や修理をしないとならないのならともかく、常時耐久力が増すようになるというのは不味かったと言わざるを得ない。プレイ途中で難易度を変更可能なので、Normal以下でのプレイ中に簡単になったのを不満と感じるなら上げるという補正手段はあるが、Hardcoreだと簡単になったのが不満でもアーマーは脱げないので困った事になる。


 その他では弾薬数が足りないという感想も結構見られるが、一般的なFPSに比較すると確かに少な目の設定ではある。ただし金を見付けてそれを弾薬に交換すれば幾らでも買える上に所持弾数に制限がないので、これはプレイヤーによるとしか言えない。探索を重視するほど弾薬及び金となるMGAを拾える確率は増すし、また制作側もある程度は探索する事を想定しているように思えるので、直線的に進んでしまうと弾数が少ないという風になり易いのは間違いない。

 弾薬確保の方法としては、「なるべく武器はローテーションして使う」, 「味方AIが無敵ならば、弾数無限の彼等になるべく任せる」, 「逃げられる場所では戦わずに逃げる」, 「開けられるタイプの箱とロッカーの形状を憶えておいて見逃さないようにする」, 「ミュータント相手の近接戦ではナイフでもある程度は戦える」等々。逆に弾数低下の原因になりそうなのは、敵が無限沸きの場所で無駄弾を使ってしまうケースと、一つの武器にこだわって弾を切らしてしまうのが挙げられる。


 敵のタイプは人間とミュータントに分かれ、比率としては2:8位でミュータントの方がずっと多い。人間の敵はかなり硬めの設定で、特に装着しているアーマーの部位は通常の銃弾に対して強い。近距離でショットガン使用時でもアーマーが硬いので何発かは必要になる位で、アサルトライフルでもそれなりに弾を撃ち込まないと倒せなくなっている。ヘッドショットが高ダメージなのは勿論だが、マスクやヘルメットの敵だと先にそれを撃って吹き飛ばさないと即死にはならない。見た目に応じた部位ダメージが使われており、喉元の様な露出している部分が弱点となる。ただ一応剥き出しの頭部を撃てば即死のはずなのだが、銃の命中率もあってか次々に綺麗にヘッドショットが決まるようなゲームでは無い。

 ユニークな要素としては、ガスマスク装着エリアではフィルター数に限りがあるので、じっくりと構えての持久戦は不利となる。カバーの背後で慎重に時間を掛けて戦うのは得策ではなく、早めに決着を着けるようにしないとならない。それと頭部のマスクを撃って飛ばした場合、敵は交換用のマスクを装着する間は棒立ちになるのでそこが狙い目になる。もしスペアのマスクを持っていない場合には、放っておけば敵は窒息死する。

 AIは標準的だが、時折妙な動作を見せる事がある。一つは戦闘時に変な方向を向いてしまうというもので、音の方向を途中の障害物等を含めて計算する能力を持っているそうなのだが、その音方向の判断が誤動作しているのか。若しくはカバーの背後に横向きや後ろ向きで張り付いているつもりだが、障害物の高さの計算が誤っておりこちらから見えてしまっているのか。どちらともハッキリはしないが時々発生するのは確か。もう一つは狭い場所での戦闘時に、カバーからカバーへの移動がループしてしまうケースが見られる。放っておくとずっと行ったり来たりの繰り返しで、こちらへの攻撃もしてこない。後はステルスの項で説明したように、スーツを着て隠れた状態のプレイヤーから見ると反応が鈍く見えるというのもある。


 続いてミュータントの方では、一番多く登場するのがNosalis。何種類かその形態にはバリエーションが在って、音波攻撃をする者やアーマーを着けている物までいる。攻撃パターンは基本的に一直線に突っ込んでくるスタイルで、高速で突進して来て足下に潜ったりジャンプアタックをしたりする。個々の攻撃力はそれ程強くないのだが、次々に出現してラッシュ攻撃を仕掛けてくる事が多いので、その数の脅威で押されてしまうケースも出て来る。Howler(Rat Mutant)はNosalisより痩せ形で小柄だが、伸びて立ち上がると長身のミュータント。最初からマップ内に居る物は気付かれない様にしてやり過ごせる事もあるが、大半はスクリプトで出現してこちらに向かって来るパターン。Nosalisよりも速いが、その分攻撃力は弱め。

 Lurkerはやや小さめでネズミを思わせるミュータント。壁や地面に開けた穴を通じて出現する。攻撃してくるかと思えば突然逃げたりと動きが読み難い。攻撃力やHPは低目。自動回復なので弾の節約の為に相手にしないのも一つの手だが、時々強硬に襲って来たりするので始末が悪い。小さいので視界外の足下に潜ってしまうため、アーマーを着込んでいない時や、複数に一度に襲われると殺されてしまう事もある。かと言って殺そうとするとすぐに逃げてしまい、また別の穴から出て来て突然攻撃されたりとイライラさせられる非常に鬱陶しい敵である。

 Librariansはその名の通りに図書館のマップだけに登場する敵。ゴリラの様な見た目で2種類のタイプがいる。非常にタフな上にグレネードが効かず、打撃による攻撃力も高い。Demonsはアウトドアのマップに登場する羽で空を飛ぶミュータントで、隠れていれば飛び去ってしまうので避けるのが無難。打撃攻撃は高ダメージだし、掴まれて宙から落とされる即死攻撃も備えている。銃で倒すのは大変だが、スティッキーグレネードを貼り付けられれば一発で倒せる。

 ミュータント系のAIはそれぞれが異なっており、そのバリエーションは一応評価出来るが、人間の敵よりも遥かに相対する事が多い割には単純なので、ゲーム全体においてはあまり戦闘に深味が感じられないのは欠点である

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