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BASICS

*一人称視点固定
*武器類は全て携帯出来る
*照準は武器によって変わるが、移動や連射による形状への変化は無し
*アイアンサイトやズーム視点は無し
*スタミナ(疲労)のバーがあって、それが続く限りはスプリント可能
*スタミナ(疲労)は素手による殴りや剣の攻撃でも増加していく
*スプリント中はリロードが出来ない(リロード動作開始後にスプリントは可能)
*左右へのリーンや屈み動作は持っていない
*パワーアップアイテムとしてポーションが三種類有る(ただし全て一つだけでしかも一回しか使えない)


 ヘルスはアイテム回復方式。回復量は10〜30までの三種類で、その大きさではなく赤十字の大きさで判断する。余分に取ると100以上にもなるが、減るのが早いのでボス戦以外はあまり役には立たない。リスポーンする訳では無いので、無理に取らずに危なくなったら戻って回収というのも時には必要となる。若しくは“Dr. Amersfield”を助けているなら、サンクチュアリまで戻れば無限に回復して貰える。

 リロードはクリップ内の残り弾ごと全て棄ててしまう仕様で、仮に一発も撃っていなくても全て棄てられる。よって弾を無駄にしない為にはリロードを控える方が良いのだが、それだと戦闘時にリロード動作が入ってしまう危険性が高くなるという問題が生じる。ここは不便と言うよりは面白い所でもあると言えよう。なお弾数はMedium以上ではそれ程豊富ではないので、戦闘が終わったらすぐにリロード操作という習慣が付いているFPSプレイヤーは気を付けた方が良いだろう。

COMBAT
 ホラーをテーマにしているのだが、「Shock-Style Horror FPS」と名乗る通りに、雰囲気としての怖さでは無く、ダイレクトで直接的な怖さを狙っている。全体的に暗いエリアが多いのだが、それはプレイヤーの明確な視界を奪うという目的でそうされており、暗さ自体に強い怖さを感じさせるようなゲームでは無い。

 ショッキングなサウンドと共に、ガラスを破って飛び込んで来たり床を破って出現したりと、プレイヤーを「うわっ!」という感じで驚かせるのがホラー要素の主眼。或いは暗い場所から突然襲って来たりと、プレイヤーにとって予測出来ない場所からの攻撃による恐怖感を生み出している。その意味で敵のランダム配置機能は大きな効果を挙げており、一度通過した場所でも油断は出来ないし、背後に突然出現されて襲われたり、ロードした瞬間にセーブの際には居なかった敵が目の前に現れる事もある。

 終始極端に弾薬が少ないという設定では無いし、武器には低性能な物も含まれるが当てさえすれば威力は高いので、サバイバルホラーの様なゲーム性では無い。むしろ敵が高速で突っ込んで来て打撃攻撃を加えてくる事が多いので、瞬間的な反射神経が要求されるアクションFPSの側面も強く持っている。


 敵によって対応方法が異なるというのも一つの特徴。モンスターの中にはある種の武器では倒せない物もいれば、特定の武器に非常に弱いというタイプもいる。例えば聖水は非常に強力だが、吸血鬼や悪霊系の敵以外には全く効果が無い。よってこれさえ構えておけば安全という武器が存在せず、外れると一歩出遅れる事になって、即座に敵の種類を判断して適切な物へと持ち替えないとならない。もし異なったタイプの敵が同時に襲ってきた時には、一旦逃げたりと上手く立ち回る必要が出て来る。


 普通スタミナの概念を持つのは敵が人間系のアクション物で、こういったモンスター出現系のアクションFPSでは採用例は少ないものだが、そのスタミナの戦闘に与える影響も面白い。前者ではスタミナが切れて走れなくなってもあまり戦闘に影響は無いが、このゲームでは敵に自分よりも高速で動ける物がいるのと、フリントロックとマスケットのリロード時間が長い為に、対照的にスプリントによって逃げる行為が重要になっている。

 しかしスタミナが尽きるまでの時間は短く、逃げては撃ってまたすぐ逃げるという方法が通用しない。そして息切れした状態で囲まれてしまうと大変危うくなるという設定。スタミナの残りを見ながら戦う必要があり、例えば無くなったらリロードが早いリボルバーやマシンガンに持ち替えて止まり、回復を待ってまた走り出すといった瞬時の判断が大事になる。それと通常移動時に可能な限りスプリントを使うほど快適だし時間節約も出来るが、その反面スタミナが消耗している時点で敵に遭遇してしまう恐れが増すという風にもなっている。


 戦闘の難易度については先にゲームプレイの項で言及したように、親族を救って得た武器やアイテムで大きく異なってくる為に一概には言えない。基本的な難しさとしては以下の様な点が挙げられる

*敵の打撃攻撃時に視点を動かされてしまう
*Mediumでは弾数が少ないので、特に最初の東館では節約しないとならない
*西館から回復アイテムの数が相当減る
*深夜0:00を過ぎると敵が強くなる
*探し回るほどアイテム類を数多く入手出来るが、それだけ敵に遭遇する危険も増してしまう

 中でも厄介なのは敵が沸いて出てくる円形の装置で、大きさによって出てくる敵の数は異なるが、最大の物だと10体位出て来るので厳しい。敵の出現は無限ではないが、このゲームでは3体程度でも同時に相手にするのは難しいという設定である。武器で攻撃して破壊してしまえばそれ以降は出て来なくなるのだが、大きな物はHPも高く壊すまでが大変である。(マシンガンが有れば怖くは無いのだが)。


 一方でゲームを易しくする方の要素として、面倒臭がらずにサンクチュアリまで戻れるなら、(医者を救出さえしていれば)何回でもヘルスを回復して貰えるのは大きい。それとそれぞれの館では親族を見付けてしまえば後は用が無いので、全てを回って敵と戦う必要が無い。特に強い敵が多くなる本館を全部回らなくても良いのは難易度を下げている。

 そして武器の聖杯(聖水)があまりにも強過ぎる。これは水槽さえ有れば何回でも充填出来るので、中庭に戻れば繰り返し使えるし、西館からは館の中に水槽が出て来る様になるので更に便利になる。最大の問題は中ボス系の敵には漏れなく効果がある事で、これさえ持っていればその中ボス戦は実に簡単になってしまう。ラスボス戦もこれを5回分フルに持っていれば30秒も掛からないという異常さで(救っている親族の数による敵HPの変化は有るが)、ちょっとこれはおかしいというレベル。


 例外的に戦闘に長けた親族が2人おり、彼等は強力なパンチ攻撃で敵を倒してくれる。よってこの2人が同行している時には、そのまま他の親族を探したりしても危険度が低いし、普通に戦闘に協力して貰ったりでも役に立つ。

 これは意図的なのか不明だが、発売時から発覚しているグリッチ(欠陥, 抜け道)として、素手による連打が挙げられる。素手によるダメージは低いのだが、当てると一瞬敵を仰け反らせる効果があるので、近付いて高速連打でダメージを受けずに敵を倒す事も可能になっている。単体相手でないとノーダメージは難しくなるが、ヘルスが低くて危ない時などには役に立つ。ただこれはゲームを詰まらなくするので使わない方が良いだろう。


 続いてこれも難易度を下げている要素になるのだが、愛犬のバスターを引き連れて戦える様になっている。バスターの出現位置は固定で檻に閉じ込められており、救い出すにはその鍵を手に入れないとならない。これは“Aunt Sophie”のトランクに有るのだが、彼女は死亡までのタイムリミットが短いので早期に手に入れるのはやや難しい。もし失敗した場合には後に入手可能なスケルトンキーかマスターキーが必要になる。

 バスターは出現した敵に自動的に攻撃を仕掛けるようになっており、プレイヤーと一緒に戦ってくれる存在である。無敵ではなくそのHPも高くはないのだが、その攻撃が敵に対して仰け反り動作を与えるので、先手を取ればそのままハメ状態で仕留められるケースが多い。また敵はプレイヤーを優先的に攻撃するので、攻撃対象にもなり難い。その扱いは親族と同じで、別のエリアに数分放置すると自動的に死亡するし、別エリアでスポーンした敵に襲われるのは危険度が高くなる。またFFありなので注意。

 後半は敵の同時出現数が増えるので、その内の一体でも引き付けて倒してくれるのは有り難いし、使い続けても死亡してしまうまでにはかなりの時間があるので相当頼りになる存在である。なお救出はしたが使いたくはないのなら、中庭だけは別でそこには置いていってもOKとなっている。

 問題点は親族と同じでオブジェクトに引っ掛かる事で、その場でジャンプによるループ状態になるのも同じ。特に敵を倒した後などは止まってしまって動かなくなる事が多いので、やはり押して動かさしてやらないとならない。しかし不味い事にジャンプ力が高く、時には障害物を乗り越えて下に落ちて死んでしまったり、天井に消えて死んでしまうケースもあった。それと空間が繋がっている場所に居る敵に自動的に向かうので、他の階層へと行ってしまう事もある。


 敵のAIは単純で、とにかくプレイヤーを追って突っ込んでくる者がほとんど。オブジェクトに引っ掛かる事もあれば、親族同様に飛び跳ね状態になってしまう事もある。またドアの横に隠れているケースがあるのだが、こちらからは見えているのに完全に中に入るまでは気付かない様になっている。ただしテーマがホラーなので、高度なAIでは無いのは大きな欠点とはなっていない。

GRAPHICS
 自社製のFXengineを使用。グラフィックスは同世代のゲームと比較しても劣っている点は否めず、数年前の水準といった感じである。不気味な館の雰囲気は一応出ているのだが、テクノロジー面での欠陥が目に付いてしまう。暗い場所が多いという設定がそれをある程度は救っているが、ここは残念ながらゲームの弱点と言わざるを得ない。


 テクスチャの質は高くないし、キャラクタのモデリングは粗い。アニメーションも滑らかではないし、敵の倒れるモーションが固定だったりと単調さが目立つ。周囲のオブジェクトもアニメーションで動いている物は少ない。

 エフェクト系ではテーマからして影の表現には凝って欲しかった所だが、固定オブジェクト類には予め固定の影が付けられているという方式。次に光源の設定にもよるのだろうが、通常時は敵の影自体が描画されない(影のレベル設定も無い)。床の模様の暗さも関係しておりハッキリとは確認出来ないのだが、有ったとしても薄いBlob(単純な丸い形)までしか描画出来ないようだ。ダイナミックライティングによる明るさの変化も限定的にしか使われていない。

 もう一つ怖さを演出する為の重要な役割を担うモンスター等のデザインはあまり宜しくない。これはモデリングが粗いというのとは全く別の話であり、優秀なデザイナーを雇うだけの予算は無かったのかなと残念に感じられる点である。


 その他では死体が周囲のオブジェクトに埋まってしまったりや、干渉して宙に浮いてしまう事も見受けられる。また通常の戦闘時に壁や扉から体が突き出たり、それに埋まったりも発生する。ただこれは時代的に見るとこのゲームだけの欠陥とは言えない。


 一方で別撮りのムービーは凝っており印象的で、ここは評価出来る点になる。

 アスペクト比は4:3のみに対応。ワイドスクリーン化が可能かどうかは、設定ファイルがテキスト形式では無いようなので難しそう。ウィンドウ化のオプションは持っていない。アンチエイリアシングは可能。

SOUND
 3Dサウンドには非対応で、ホラー物としてはマイナス要素。

 銃のサウンドはあまり良くない。しかしBGMの方は素晴らしい出来映え。1900年台初期のホラー映画の効果音をライセンスして使っているそうで、叫び声や環境音が混沌とした感じでミックスされており、恐怖感を出すのに非常に効果的に働いている。

 それと敵が出現した瞬間にサウンドが切り替わる(Dynamic Music)というのは珍しくなくなったが、このゲームでは敵が突然出現するのに合わせて使われたりするので、そのショッキングなサウンドは大変に効果的である。

 なおサウンド関連の設定は全く無く、BGMをOn/Off出来るのみ。

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