WEAPONS |
大きな特徴としては武器が5つしかないというのが挙げられる。それぞれの武器はメイン(Primary)とサブ(Secondary)で異なった弾を装備しており、言わば10個用意した武器を2つずつ組み合わせて使用しているという形になる。何故普通に10個ではないのかというと、10個では武器の切り替えが面倒だからという理由でこうなっている。武器には切り替え時間が無いので(Stakegunからの持ち替えには時間が掛かる事あり)その間隙を付かれる心配は無いし、マガジンを装填し直すという意味でのリロード(キー)の概念も存在しない。スピーディなアクションと爽快感を最重視した設定になっている。 10個の武器を5*2にまとめている分細かな調整が可能になっており、各武器のメインとサブの攻撃を独立して入れ替える設定も可能。プレイ中にこれを一時的に変更するのも可能である。ただしこの機能を知らずにキーを誤って押してしまうと武器のPrimaryとSecondaryが入れ替わってしまうというトラブルも起きる。更にはCustom設定といった物をアサインしておいて呼び出したりも出来るが、これは主にマルチプレイ向けの機能。後は武器切り替えの際に使うホイールの感度調整が付いているのは便利だが、これに気が付かないと使用しているマウスの感度と合わずに武器が切り替わらなかったりという問題が発生したりもする。 ◎Pain / Killer デフォルトの弾薬を使用しないタイプの武器。しかしながら相当な威力があって、これだけでも相当戦えるレベルの破壊力を持っている。だが他の武器の弾薬が大量に有るので、特にこれで節約をしないとならないという訳ではない。ただし序盤はこれで凌いで弾薬を温存するというのはPKで定番の作戦となる。そして使いこなせるようになると面白い武器でもある。 メインでは回転する刃で敵を切り刻み、サブでは当たったオブジェクトに張り付く弾頭を発射して敵にダメージを与える。この時に弾頭を貼り付けた敵をそのまま引っぱる能力があり、遠くの敵からソウルを回収するのには便利。ただし引き寄せる敵の距離が遠いほど勢いが付くので、そのまま勢い良く自分の上を通り越して飛んでいってしまう事もある。またこのサブで宙に浮いて死んている敵をお手玉する事で、ボーナスのコインを落とすようにもなっている。 更にサブの弾頭をオブジェクトの表面に張り付けてやり、この位置と武器の先端の間に敵を挟んでやる事で強力なレーザーで焼くという攻撃が可能。挟んでいる状態以外ではレーザーが見えないので正確に合わせるのはやや難しいが、与えるダメージは大きいし引っ掛かった敵は動けなくなる。最後にメインを回転させた状態でサブを押すと、回転する刃を前方に向かって飛ばす特殊コンボ攻撃が発動する(速度はかなり遅い)。 ◎Shotgun / Freezer 使用頻度の高い全体を通して使える武器。弾は確かに広がって飛ぶが、或る程度離れていてもダメージも大きく相当な威力を持っている。装填弾数も100発と多い上にその弾薬も豊富に手に入る。普通のゲームだとショットガンには長いリロード時間が在る上に、同時装填数が少ないのが欠点であるが、PKにはリロードが無いので100発連射も可能とより強力な仕様。敵をバラバラにしたり吹き飛ばしたりと派手だが、敵を遠くに飛ばし過ぎてソウルの回収が難しくなるという欠点を持つ。 サブのFreezerは敵を凍らせる能力を持った弾で、相当な耐久力を持った敵でも凍らせてからメインの方で砕けば即粉々であり、ゲーム中で最も破壊力のある(コンボ)攻撃と言える。このFreezer弾も結構な数が有るので、ややアンバランスな位に強い武器となっている。ただしこれが通用しないタイプの敵も出てくる。 ◎Stakegun / Grenade メインは木の杭を撃ち出すという特殊な武器。この杭は到達までにやや時間が掛かるので素早く動く敵には当てにくいし、緩やかな放物線を描いて飛ぶので遠くの敵にはそれを計算して撃たないと当たらない。しかしダメージは非常に高く、多くの敵を一撃で倒す事が可能である。止まった場所から攻撃して来る敵には有効であるが、接近して来る敵は微妙に左右に揺れて来るタイプが多いので当てるのは難しくなる。またリロードに時間が掛かるので集団相手には向かない。単独の場合にはギリギリまで引き寄せてから攻撃するのが有効。 サブはグレネードを放つようになっており、この弾薬はロケット弾と兼用。部屋の中に隠れた位置から放り込んだり、集団で向かって来る相手には特に有用な武器となる。ただし転がってから爆発までには間があるので、敵に直撃させるのでない限りはタイミングは難しい面がある。放ったグレネードをメインの杭で撃ち抜いて敵に当てて爆発させるというコンボ技はあるが相当タイミングが難しい。全体として威力は確かに持っているが、直接的に狙える武器が増えてくる後半戦ではそれ程使わなくなるかも。 ◎Rocket / Chaingun FPSゲームの花形でもあるRocket LauncherとChaingun(Minigun)を組み合わせた夢の武器。Rocketの連射速度はそこそこであるが、破壊力の方はやはり高い。スプラッシュダメージも大きいので集団相手に地面に撃ち付けるというのも有効。ただし敵によって効果の度合いが異なるタイプの武器でもある。 一方のChaingunも敵を押し戻す程のパワーを持った強力な武器であり、これも一気に敵の集団を薙ぎ倒す事が可能である。ただし弾薬の消費量は激しい。それでも他のゲームに比較したら相当に弾は手に入る方だろう。通常ロケットランチャーを使っている時の弱点は接近されると自爆になるので撃てないという点だが、この武器はそのままChaingunで攻撃出来るので死角が無い。ただし体力のある敵を倒す場合にはショットガンのコンボに劣る。 ◎Driver / Electro メインでは連続して小さな手裏剣を放ち、これは見た目よりも威力あり。離れた相手には到達までにやや時間が掛かるので当て難いという面を持っているが、中距離以上だと小さな爆発を起こして威力が上がるというプラス面もある。 サブはQuakeのThunderboltを連想させる武器で、近距離の相手に電源を放ってダメージを与える。敵が痺れて攻撃を止めてしまうのと、その場に倒れるのでソウルの回収がし易いという利点がある。ある程度の自動追尾能力もあり。このサブ攻撃は敵によって効果に大きく違いがある様で、すぐに倒せる敵もいれば時間が掛かるタイプの物も存在している。若干ではあるが他の武器に比べると弾薬数は少な目。 この武器のコンボ攻撃としてはメイン攻撃の状態で同時にサブを押す事で電撃を放つ円盤を撃ち込む事が可能であり、この円盤は周囲の敵にも連鎖して電撃を放つという広範囲攻撃を可能にする。 |
GAMEPLAY |
クリアまでの時間はどの程度シークレットといった回収要素にこだわるかで大きく変わってくるが、初回はInsomniaで12-15時間位。一直線にゴールを目指すならばInsomniaで10時間以下という人もいるようだ。もしも全てのシークレットを発見・獲得しようと考えるならば倍の30時間掛かっても終わらないかも知れない。 このゲームでは暗く陰惨で不気味な雰囲気というのを重視しており、それを表現するのに“ホラー”という言葉も使われてはいるが、プレイヤーを怖がらせる事に重点が置かれている訳ではなく、恐怖で震える・驚かされると言った要素を期待すると外れる。数点の例外を除くと怖さを感じさせるレベルは含まれていない。 グラフィックスの質の高さもあって雰囲気が良く出来ているレベルが多く、特に現実系ではないホラー系デザインのレベルについてはクオリティが高い。直接戦闘に関わらない部分ではあるが、ゲーム内でのテーマに沿った雰囲気の表現というのは実際にその場で戦っているという感覚を生むという観点からは重要な事項の一つであり、この点ではPKには非常に高い点を与えられる。流血やゴアの演出も派手な部類であり、敵は人間ではないが残虐性という面でも合格点だろう。 ゲームの構造は基本的に以下の通り。通常レベル内に初期状態では敵は配置されておらず、プレイヤーがある地点に到達するとスポーンする方式。その場合に背後の扉が閉まって空間が閉じ、敵を全て倒すと新たな出口が開くというパターンが多い。進行はほとんどのレベルにおいてリニアであり、時々枝道が有る以外は分岐といった要素は含まれておらず、レベルクリアの為のルート探しやパズル的な要素は含まれていない。 レベルのサイズは様々で、敵の数は100から300程度。こういったシステムからはSerious Samが連想されるが、ゲーム全体から受ける印象はちょっとそれとは異なっており、開発元が言うようにQuakeやDoomといったゲームからの影響が強く感じられる(シングルプレイで最も影響が強いのはDoom、マルチプレイはQuakeとの話)。 敵のAIは単純にこちらに向かって来るのが基本形で、その他には決まった位置から動かずに遠距離攻撃を仕掛けてくるか、或いは2つの地点を行ったり来たりしながらその2地点からのみ攻撃するというパターン。こちらの動きに応じた戦い方の変化といった要素は含まれていないし、攻撃時に味方の存在を気に掛けないので同士討ちも頻繁に起きる(自分の前に味方がいるのにグレネードを放って自分諸共全員死亡とか)。戦闘にはステルス要素は皆無であり、遠距離から狙えるスナイパーライフルタイプの武器は存在しないし屈みや歩きのキーも存在しない。基本的にひたすらに出てくる敵と戦うだけという非常にシンプルな直球型のFPSである。だがそこに幾つかのユニークな要素を付加しているのがこのゲームの独特な魅力となっており、それは別の項で説明しよう。 Havok物理エンジンの導入は戦闘の面白さに大きな効果を挙げている。グレネードによる敵の吹き飛びや、杭での周囲の壁への串刺し等は爽快感が高いし、ショットガンを間近で撃つと遠くまでラグドール効果によって死体が飛んでいってしまうといった点も面白さに一役買っている。バラバラになった肉片一つ一つにも物理エンジンの計算が働いており、ロケットで敵やオブジェクトを遠くへと吹き飛ばすのも楽しい。大きな爆発時には処理負荷が掛かって一瞬止まったようになってしまうが許容範囲だろう。ボス戦で周囲の柱や壁が攻撃によって崩れたりするのもリアルである。 ただし物理エンジンを導入したばかりに問題が生じてしまっている箇所もある。 *死体がバラバラになった場合、どのパーツがソウルになるのかがハッキリしない(大抵は胸か頭だが) *死体が飛び散る関係上、普通では取れない場所(高い位置や壁の外)にソウルが出てしまう事がある *死体の肉片に当り判定があるので、ロケットを使っている時等に肉片に当たって自爆する事あり *オブジェクトを動かしたい時や上に乗りたい時に、物理エンジンの働きで微妙に動いてしまったりして操作が困難 *効果の度合いが設定で変更出来ない分、CPUの遅いマシンでは結構な負荷になってしまう 特にボス戦で周囲のオブジェクトが派手に壊れるレベルが2個ほど有って、演出としては非常に良いのだが崩れたオブジェクトが固まると通れなくなって動き難いし、破片が弾薬の在る場所に落ちるとそれがが見えなくなってしまうという問題がある(すり抜けて取る事は可能だがそれには場所を憶えていないとならない)。 |
SECRETS |
その昔DoomやQuakeの時代にはシークレットという要素は非常に重要視されており、リプレイ性を高める物としてどこも力を入れていた。如何に面白いシークレットを含めるかというのも評価の対象となっていた時代だった。現在ではそれに比較して重要度が薄れた要素であるが、このPKではその昔の作品の影響が強いだけにシークレットには力が入っている。 そしてこのPKにおいてはシークレットを獲得するのは非常に難しい。これだけ難しいゲームはそうは無いのではないかと言ってもいいレベルである。その原因をシークレットのタイプ別に見てみよう。 *明らかにシークレットが見えている 手の届かない場所にシークレット獲得となるオブジェクトが存在しており、どうやってそこに到達するのかを考えさせるタイプ。ずっと後になってからそこに降りられる場所が有ったり、上手くジャンプしたりしてそこに到達出来るルートが有るというもの。PKでの問題は2つ有り、「ある特殊なジャンプ方法(数種類有り)を知らない限りは絶対に取れない場所に在る」, 「そこに到達するのに曲芸的なジャンプをする必要がある」というのが難点。最大の問題は後者であり、これはタロットのアンロックとも関係している。 例えばシークレットに置かれているオブジェクトを全て取らないとカードがアンロック出来ないのならば、その場所を教えてもらって取れば良いと思えるだろう。ところが公式Forumでの嘆きや怒りの投稿を見ても分かるが、その場所と到達方法を教えてもらっても取れないというシークレットが幾つも存在しているのである(それだけ曲芸的なジャンプを要求されるという意味)。またチートコマンドにNoclip系のコマンドも存在していないのでチートでも無理。それとジャンプに失敗した場合にロードしてやり直す訳だが、この時のロード時間が長いというのも困った点。 *如何にもありそうな怪しそうな場所に在る これは全ての基本形になるだろうが、この辺に何か有るのではないかと思わせる場所に実際に隠されているというパターン。何故PKではそれが難しいのかというと、そういう風に感じられる怪しい個所が非常に多いから。難易度の高いジャンプをすれば一応は行けそうな箇所が沢山有って、それ等を全て試すとなると大変な労力になってしまう。またレベルが広いという点にも関係しているがこれは次の項目で。 *全く手掛かりの無い個所に隠されている 教えられなければまず分からないというタイプ。昔のゲームでは一応虱潰しに探すという手法があったが、PKではレベルが広くなっている分難しくなっている。数百メートル四方の上下方向にも高さのあるレベルを逐一探すなどは相当な根気がない限りは出来るものではない。実際に何処に有るのかを教えられても、そんなの分からないと思える個所が多い。 更に加えてこのゲーム独自のシステムが難易度に拍車を掛けている。ゲームの進行に応じて背後の扉が閉まって行くという風に進んで行くが、最後にレベルの出口が開いた時点でそれまで閉まっていた扉が全て開くというシステムを採用しており、その後一応レベルの最初まで戻れるようになっている。そしてここで「実はこの時点にならないと取れないシークレットがある」というのが一つ目の難点。進みながら探している時には見付けられないシークレットが有るのである。では最後まで行ってから探せば良いのかというとそうではなく、逆に最後まで行ってしまうと取れなくなるシークレットも有るのだ。つまりゲームを進めながら徹底的に探した後、出口が出現してから再び全ての箇所を戻って探さないとならないという大変さが存在している。 そしてシークレットを取るのにオブジェクトを台にして使う場合があるのだが、これが戦闘中に壊れてしまう可能性がある。或いは中のコインを得ようと気が付かずに壊してしまうというケースもあるだろう。更に物理エンジンとの関係で、台にする物が微妙に動いてしまったりするという問題も。乗ってしまうとその勢いで動いてしまったり、思った通りに置くのが難しかったりする。 シークレットはあくまでも「取れば有利であり、取りたくなければそれで済む」という位置付けに留めておくべきであり、その意味でPKのシークレットの扱いには、カード収集の絡みでは大きな問題有りと言わざるを得ない。またシークレットを探す気にさせるには、適当に探していてもそこそこは見付かるという程度が理想であり、これだけ難易度が高いと面倒なので最初から全く探さないというプレイなりがちで、バランス的にもおかしいと感じる。 |