シ ス テ ム |
基本的なシステムは非常にシンプルであり、憶えないとならないような要素はほとんど無い。 *難易度は4種から選択可能。途中で変更は出来ない。 *武器の所持制限はなく、全ての物を持ち運べる *MedikitやArmorはマップ内に置いてあるのを取って回復する形式で、補給をしてくれる仲間も存在している *移動速度による照準のブレであるとか、ダメージによる動作へのペナルティがあるといったリアルな要素は排除されている *一般的な専用のUseキーは無く、対象箇所では自動的に武器が下ろされてクリック可能になる方式 *ゲームのセーブはMap Startで行われる他、Checkpoint Saveが2箇所、Quick Saveが4箇所分履歴として保存される *現在のObjectは明確に参照する事が可能 *Quake 2の様なマップ間を行ったり来たりする要素(Hub System)は無い WeaponはほぼQ2と同じ構成で、若干1,3の要素も含まれている。多くの武器はUpgrade可能になっているが、これはストーリー進行と共に行われる形式でプレイヤーはそれに干渉は出来ない。それとマルチプレイでの仕様とは性能が若干異なっている。 ◎Blaster 最も基本的な武器でエネルギー式なので弾数は無限。チャージして威力を増す事も可能。ただし威力は弱いので他の武器の弾がほとんど無いという状況でもないと使わない。 ◎Machinegun ゲームの最初から登場する武器にしては後半に到るまで結構使う事が多い。敵によっては命中させ続けると仰け反らせた状態になって反撃を防げるので、こちらのHPが危ない時には役に立つ。ライトを装着しているので暗い場所でも点けたままで使う事が可能。改造によって装備弾数が増える。 ◎Shotgun スタンダードなショットガンで一種類に統一された。近距離戦では非常に強力な武器。改造によって装填弾数が増えて、リロード速度も速くなる。 ◎Hyperblaster エネルギー弾を連射する武器。弾速はやや遅いので長距離や、素早く動く敵にはあまり効果が無い。敵兵士が使っている事が多いので弾薬は手に入り易く使用頻度も多い。改造によって装填弾数が増加。 ◎Nailgun 1からの登場。尖った破片を撃ち出すChaingun風の武器。弾の撃ち出される前に回転が入るのでやや間が生じてしまうのが欠点。弾速もやや遅い。改造でLockon機能が追加されて或る程度のズレは追尾されるようになり、これで物陰から当てられるようになるので強い敵相手に役に立つ。その代わりに弾薬が他の武器に比較して少な目であまり頻繁には使えなくなっている。 ◎Rocket Launcher 強力だが高速で連射は出来ない武器で、足元に撃ってSplash Damageを与えるような使い方も出来る。HPの高いタフな敵相手に使う事が多い。改造で3発の弾を連射可能になり、同時にリロード速度も上がる。それと発射後に追尾操作をマニュアルで行えるようにもなる。 ◎Grenade Launcher 発射から2秒後位で爆発するGrenadeを撃ち出す。直接当てればその瞬間に爆発する。飛距離はそれ程長くない。シングルプレイにおいては多くの敵が逃げたりはしないので、隠れて角から発射したりと直接姿を見せずに攻撃するのに役に立つ。 ◎Railgun Sniper Rifleタイプのレーザー兵器で破壊力も高く、発射から時差無しで相手を直撃する。ただし連射速度が非常に遅く、装填弾数も3発と少ないので近距離での撃ち合いには不向き。マルチプレイでは弾を避ける為に激しく動き回られると当てるのが非常に難しいが、シングルプレイでは敵はそれ程激しく動かないので近距離でもそれなりに有効ではある。改造で複数の敵を貫く事が可能になる。 ◎Lightning Gun 稲妻の様な電撃を放射する武器でダメージも高い。リロードしないので連射可能だが、射程距離はそれ程長くないし弾薬もあまり無い部類。改造すると最初に当てた敵から周辺の他の敵へと、電撃を連鎖させて同時攻撃が可能になる。 ◎Dark Matter Gun これまでのBFGと同様の武器で破壊力は最大。非常にスローに動く球体の暗黒物質を発射し、通路周辺に居る敵に対して継続的にダメージを与える。一発毎にリロードとなりその時間も相当掛かる。 |
新 要 素 |
(ストーリー的には)前編に当たるQ2には無かった物で、今回のゲームにおいて特徴(売り)とされている要素について。 1.部隊行動 たった一人のスーパーマン的兵士による単独行動というQ2の設定から、地球軍による総攻撃という設定へと変更されており、他の兵士と一緒に行動するという要素が導入されている。部隊の主要なメンバーはちゃんと名前や個別のグラフィックを持っており、これもストーリーの盛り上げに関わっている。指示を出してやるような指揮系統のコマンドは導入されておらず、プレイヤーの移動と共に付いて動くか、スクリプトに沿って勝手に進行するという方式。その割合は全体の3割程度になるだろうか。 パターンは何種類か存在しており、第一に典型的なエスコート・スタイルのミッション。エンジニア等の隊員を目的地点まで死なさないように連れて行くというタイプ。このゲームには全く攻撃能力を持たないNPCをエスコートするというミッションは無いが、それでも死なさないように自分が前に出て戦わないとならない。次に自分の属するRhino Squadのメンバー達の様な、ストーリーの設定上死なないようになっているメンバー達と行動するというパターン。これには実際に死なないのでプレイヤーは後方支援に徹するとかで無理をする必要が無いケースと、誰かが死んだらそこで終わりというケースの両方が用意されている。 最後に最も部隊行動に意味が出て来るパターンとして、Tech & Medicを含んだ部隊で行動するというのが含まれている。TechはArmorを、MedicはHealthをプレイヤーに供給してくれるようになっているので、彼等を出来るだけ死なさないようにするのが有利に働いてくる。自分が前に出て戦ってやりダメージはその都度回復してもらうという方法が取れるが、その代わりに自分が死んでしまう可能性も高くなるので、その辺をどういう風にするかという自由度や変化が生まれるようになっている。 この部隊行動の導入はゲームプレイにおける変化よりも、背景設定として大規模な地球軍の総攻撃というのを設けてやり、プレイ中の戦争状態の雰囲気を盛り上げるという点が最大の狙いだったそうで、その点においては上手く機能していると感じた。実際のプレイへの影響自体はそれ程斬新さを感じないが、特別に気を付けて仲間を守らないとすぐに死んでしまうのでストレスが溜まるという事も無く、目先を変えるという意味では成功していると言えるだろう。 2.Vehicle HoverTankとWalkerと呼ばれる兵器に乗り込んでの戦闘シーンが組み込まれており、他にも自分で操縦するのではないタイプとしてVehicleに装着された武器を使って戦うという箇所も存在する。ゲーム全体からするとそれ程乗り込んで戦うシーンは多くない。 Vehicleに乗り込んで戦うシーンはそれ専用のマップが用意されており、自由に置いてある物に乗り込んで戦ったり出来る訳ではない。操作は特に複雑ではなく、視点は一人称固定方式。武器はマシンガンとロケットに切り替えが可能。 全体的にはVehicleでの戦闘マップはそれほど難易度は高くないのだが、一箇所ゲーム全体を通して見ても有数の難易度と言える戦闘シーンが有って、ここはちょっとバランス的に難し過ぎるのではという気がした。 このVehicleについては可も無く不可も無しというレベルであり、特別に面白さを感じさせる物ではない。敵の種類が通常のインドア戦闘とは異なったタイプも出て来るのと、実際の戦場の広さを実感出来るのがプラス面。 3.人体改造 特に今回の目玉として注目されていたのがこの要素。事前の宣伝ムービーにも大きく取り上げられていた点である。ゲームの進行中に主人公のKaneは敵に捕えられてしまい、Stroggの兵士となる為の改造手術を施される事になってしまう。しかし最後に脳にチップを埋め込まれる前に彼は味方の手によって間一髪救出され、結果的にStroggの兵士の体を持ったパワーアップされた隊員としてその後を戦う事になる。 結論から先に言ってしまうと、この要素は上手く機能していない。もっと正確に言うと、あまり意味を成していない。改造後に何が変るのかを見てもらおう。 *HUDがStroggのデザインに変化 *移動速度がアップ *HPとArmorの最大値が125にアップ *マップ内に配置されたStroggのHealth Stationを使えるようになる *Strogg施設内のセキュリティ・システムに引っ掛からなくなる。また書いてある言語が読めるようになる 要するにそれまでの地球人兵士の時と大して変っていないのである。個人的にはパワーアップ能力を使って短時間の間何等かの戦闘能力を飛躍的に上げられるとか、Stroggのみの新しい武器を使えるようになったりするのかと想像していたのだが、そういった変化は含まれていない。単にMarineの一兵士がStroggの一般兵士の体に変っただけというレベル。 別に変った事でマイナス面が生じる訳ではないし、この時の変化が少ないので後半になるに連れて単調になるという事も無い。その意味でゲームプレイの面からはマイナスとは言えない。しかし「あれだけ特徴として宣伝しておいてこれだけ?」という失望感は残る。 |
GAMEPLAY |
ゲームは本当にシンプルなFPSであり、人類の敵となるモンスターが相手、破壊力の有る武器を多数同時に抱えて戦闘、といったクラシックなスタイルを採用しており、今では反って珍しいタイプともなっている。部隊行動の様な特徴は大して強い影響をゲーム性に及ぼしておらず、正に直球勝負のFPSという感じである。Q2でも有ったQuad
Damage, Invulnerability, Mega Healthといったパワーアップ用のアイテムすら存在しておらず、武器の改造や人体改造といった要素以外にRPG的な成長も含まれていない。純粋な戦闘能力のみを使って敵と戦うというスタイルになっている。 プレイ時間は15時間前後。Normalでの難易度は普通であり、幾つか難所が有る程度。マップにはインドアも有ればアウトドアも存在しているが、基本的にはインドアでの戦闘が主体となり、アウトドアもVehicleに乗っての戦闘以外はそれ程広くない場所が多い。マップのバラエティさはそれなりに考えられており、単調な景色に飽きが来たりというのは無いだろう。進行はミッション形式で指示は分かり易く、パズルや謎解き要素はほとんど含まれていない。 Xbox 360との同時開発という点に関しては、本来PC用に作成していた物を「Xbox 360ならばほぼそのままコンバート可能」という観点から同時発売としたそうであり、特にコンソール寄りのデザインを感じさせるゲームにはなっていない。 展開や戦闘はスピーディーであり、Marineの時は後の改造後を考えてなのか若干移動速度が遅いようにも感じるが、特にストレスを感じるようなレベルではない。敵の弾も避けようが無い即着弾タイプは少なくなっており、弾を見て左右に避けながら同時に敵に照準を合わせて攻撃するというアクション性の高い物である。近頃はアクションFPSにおいてもリアル銃器を使用しての対人間との戦闘物が多くなって来ており、そうなると飛んで来る弾を目で見て避けるという要素が薄くなってしまうが、このゲームは昔ながらの見て避けるという反射神経も要求されてくる。 弾薬は途中少なさを感じさせる箇所も存在しているが、後半に入ると使える武器が増えて来るのと弾薬その物も増えて来るので結構派手に使えるようになってくる。MediKitの配置は偏りを感じさせる面も有って、簡単と思える箇所に結構有るのに厳しい場所にはそれ程無かったりというのが結構あった。 敵はQ2から移って来ている物が結構多いが、それでも相当バラエティに富んでおり飽きさせない。AIは頭の良さを感じさせるようなタイプではないが、敵の種類によって動きのパターンが異なるので面白いと言える。一度に画面上に登場する敵及び味方の数はD3に比較すると多くなっているが、それでも同時出現数はこの手のアクション物としては若干少な目か。同一場所でも一つの敵のグループを倒し切ると次が出現するといった形式で、同時出現時の負荷を抑えているというように見える。 スピード感の有る爽快感重視のゲームとして作られている訳だがその狙いは成功しており、武器を撃っている&敵に当たっているという感覚の表現にも優れている。相当なダメージを与えないと倒せない敵相手に大量の弾を撃ち込んでやるという戦闘は、シューティングとしての原点の面白さに繋がっている。 そして多彩な武器の使い分けが可能な点もポイントが高い。近年は武器の所持数制限(同時に2個とか)を設けて、それを「どの武器を選択するかというTacticalな要素」として特徴付けているゲームが多くなっているが、実際のゲーム性は普通にアクション物なので、武器の選択性の無さがストレスとなるという結果に終わっている物も多い。その点Q4では自由に多彩な武器から選んだり切り替えたりしながら戦えるので戦闘時の自由度が高い。 単に10年前のデザインのゲームを現代のテクノロジーで表現しただけとも表現は可能だが、それはゲーム全体の出来栄えが良ければ別に関係ない点である。こういったタイプのFPSが年々少なくなって来ているので、その意味からも個人的には嬉しいスタイルの作品でもある。逆に近年からFPSの世界に入ったゲーマーには、パワーアップ要素も成長要素も無くストレート過ぎるといった感を持たれるのかも知れない。 |
問 題 点 |
当然Doom 3程ではないのだが暗くて見えにくい場所が存在しており、設定として破壊されて電気が消えたStroggの施設というのを持って来るのは分かるのだが、これがちょっと問題に感じられた。ライトを点けないと進めないレベルの暗さという箇所はほとんど無いのだが、同時にライト無しで全く問題が無いほどの明るさという箇所もそれ程多くは無い。つまりライトは点けておいた方が見易くて良いという箇所は全体で結構な割合に達している事になる。 しかしライトを装着している武器がMachinegunとBlasterだけになっているので、照らしながら進むには実質Machinegunしか選択肢がないといった状況になる。そして敵が出現したらD3でライトから武器に持ち替えたようにして、他の武器に持ち替えてから戦うという風になってしまう。Machinegunその物は比較的威力は持っているし弾薬も結構有る部類ではあるのだが、そればかり使っていると戦闘が単純になってしまうという問題が生じてくる。逆に結構暗い場所でもっと強い武器に切り替えた場合には、敵が見え難くなるという点からストレスを感じてしまう。 武器を自由に選択して戦えるという点が面白いのに、その度に持ち替えて戦っていたのでは面倒に感じられてしまって、そのままMachinegunでいいやという事にもなりがち。未来社会の軍隊の設定であるのだし、またアクションFPSでもあるのだから、ショルダー・ライトの様な物を使って照明を武器とは独立させてやるべきだったと思う。 それと弾薬やアイテム類の置いてある場所がやや分かり難いというデザインになっている。例えばD3では全体が非常に暗い分、Secret的な物を除いてはアイテム類はプレイヤーの通路となる場所に目立つように置いて有るというデザインになっていた。しかしQ4では柱の陰とか直進してしまっては見えない場所に置かれていたりと、敵をクリアした後に部屋の中を探して見て廻らないと見逃す可能性の有るケースが多くなっている。 これは暗さとも関係しており、D3エンジンでは影の描画が複雑な分Soft Shadowの様な柔らかい(薄くてボンヤリした)リアリティのある影の描画は省かれており、その為に陰になっている場所に不自然に濃い真っ黒い影が出来てしまうというようになっているので、そこに物が有ってもライトで照らすまでは見えないという事が起きてしまう。 それと脇道に置かれているというケースも多く、或る地点から次に進む時に開く事の出来るドアが2箇所有った場合に、片方の扉の中にアイテム類が置いて有ったりするので、もう一方の方に先に入ってそのまま進めてしまうと気が付かないで通り過ぎてしまうという事になってしまう。または左右対称形の場所でどちらから行っても同じなのだが、片方の通路にのみアイテムが置いて有るという様な場合もある。 難易度Normal程度ならばそれ程徹底して見落としが無いかを確認して回る必要性は無いが、それ以上の難易度だとMedikitを探したりとかでかなり煩雑な探索要素が加えられてしまうようになり、ゲームのスピード感にマイナスとなってしまう。 最後にDark Matter Gunの威力が有り過ぎる。或いは所持可能弾数が多いと言っても良い。一度に一発しか装填出来ないし、撃ったらリロードには時間が掛かるという難点は有るのだが、その分HPは高いが動きが鈍いという敵には相当有効な武器となる。例えば典型的な例としてボス戦とかが簡単になってしまうという欠点有り。一般の敵相手にも使えばそれ程残らないはずという計算だったのかも知れないが、その辺で特に使わないで最大数を持ち歩いている場合には、単純に強い敵相手にもそれの連射で勝ててしまったり。 |