GAMEPLAY |
全15チャプター。中には相当短い物も含まれており、初回の難易度Normalでは7時間程度。これはステルスを推奨されるシーンではルールに沿ってそれを実行したり、マップ内探索で収集アイテムとなる携帯電話を探したりしての時間。ユーザーレビュー等では短過ぎるという声も結構見られたが(5時間程度)、確かに難易度Normal以下で実績等に感知せずにステルスも行わないとなると、初回でもそれ位でクリア出来ると思う。長くプレイしたい方は実績の達成も狙っていくスタイルの方が良いだろう。 私はリプレイでHardでもクリアしたが、Hard以上では戦い方を変える必要が出てくるのでプレイ感が多少変わるのと、リプレイ時はそんなに時間が掛からないので挑み易いといえばそうなので、ある程度リプレイ性はあると言えよう。また実績に厄介で面倒な物&変則的なプレイスタイルを強いる物がほとんど無いので、取り残した物を得る為にリプレイするという遊び方も出来る。 ストーリーは非常に解り難い。第一に版権物なので原作を見ている人が前提という設定であり、未見の人を対象にした説明は少な目に抑えられている。マニュアルにあらすじの説明も全く無い。次に二本の映画の中からダイジェストの様な形でゲーム化のシーンを選んでいるので(中には映画では没にされたシーンも入っている)、実際に映画を観ていないと話が飛び飛びになる為に全体の流れが良く把握出来ない。チャプター合間のカットシーンにある程度は補完の説明が入るが字幕が無いし、PDAのブリーフィングも詳しくは無いという状態。 そして次のチャプターに進んだ時に全く場所や状況が変わる事があって、前のチャプターの終わりからどう話が繋がっているのかが理解出来ない事が多々ある。カットシーンはデータ倉庫から繰り返し見られるが、そこで全ての話の流れが説明されている訳ではなく、ゲーム終了後に海外の映画サイトで詳しいストーリーを読んでやっと理解出来るというレベルである。ゲームでは映画を観ているのを前提に数々の説明が省かれているので、仮にコンソールの日本語版をプレイしていたとしても良く話が見えないという点は同じだと思われる。 一応これからプレイされる方の為に書いておくと、最初の4つのチャプターがこのQoSからの物となり、[Sinkhole]で女性ヒロインのカミールに会うまでが一区切り。その後のCH5からCH14[Venice]までは過去へと戻る設定で、これらは前作のカジノロワイヤルからの内容となっており、何故ボンドが復讐心に燃えてMI6にまで背く様になったのかという理由が描かれている。そして最後のCH15で再びQoSの内容の方に帰って来るという構成。 版権物なのでそこを悪く捉えるのかは意見の違いもあると思うが、個人的にはこの点は問題視している。例えばスター・ウォーズのゲームを発売する際に、その世界観や登場人物の説明をする必要は無いと思うが、ゲームがどういう風なストーリー(状況)なのかは映画を未見のプレイヤーにも解らせる必要性はあると考える。ダースベイダーやルーク等の登場人物の人間関係を詳しく説明する必要は無いが、どうして両軍が戦っているのかや、ゲームの中での主人公の役割等の状況説明は最低限欲しいという意味。このゲームにはその部分が欠けているので、自分が操っているボンドが今何をするべきなのかは「ゲーム内で指示されるから」解るのだが、何の為にそれを行っているのかという点が解らなかったりするので、プレイしていてしっくり来ない。 展開は一本道でマップも直線的な物が多い。行ける所には行ってみるという姿勢であっても、マップが狭いし脇道も短いので、例えば収集アイテムとなる携帯電話探しなども比較的楽な部類となる。上記の様に突然全く別の場所(国)へと展開が変わるので、ロケーション自体はバラエティに富んでおり綺麗な場所も用意されている。 それとこのゲームにはこの手のゲームで定番となるスパイ道具の類は登場しない。同様にしてそういった道具を使用してクリアするパズル系の要素も希薄である。あくまでも戦闘がメインとなっており、その辺を期待する人は外れる。 しかし戦闘ばかりという訳でもなく、テンポを変えて変化を付ける狙いもあるのだろうが、所々にミニゲーム系のイベントが登場するようになっている。例として壁面に張り付いての移動で、敵のサーチライトを避けて移動したり、二画面状態で敵の動きを見ながら見付からないようにしたりする。他にはバランス渡りで落ちないように細い足場を渡ったりや、制限時間内に敵に捲かれないようにして追い掛けたりするシーンもある。中には薬の効果で画面が歪んだりして真っ直ぐに進めない状態で、ゴール地点を目指すのみというチャプターも含まれている。 ステルス要素も用意されており、何箇所かはステルスでの行動を推奨される。(特に要求された通りのステルスを達成する事で実績解除となるエリアが3つ用意されている)。だがステルスを強要されるシーンは無く、このゲームでは敵や監視カメラに発見されると警報に気付いた敵兵士が沸いて出てくるというシステムになっており、それを倒してしまえばそのまま先に進む事が出来る。よって慎重にステルスで行動するよりも、難易度Normal辺りならば強引に突破を狙った方がむしろ早いだろう。 ステルスの維持は割と簡単な方で、まず敵が一人だけで居る場合にはサイレンサー付きの銃でヘッドショットしてしまえば良いし、或いはある程度近付けば背後から走って行ってテイクダウン(近距離での一撃必殺攻撃)しても間に合う。次に複数居る場合だが、敵の警備員の感知能力はほぼ視覚に限られており、近くの仲間が「ドサリ」と音を立てて倒れても気が付かない。自分の視界内で味方が倒されるか、巡廻ルート内に死体を発見すると警報を鳴らされて仲間がやって来てしまうのでそれに気を付けさえすれば良い。よって敵の巡廻ルートを観察して、見られていない状態の敵を倒し、その死体の有る巡廻ルートに戻ってくる前に別の奴を倒すとかで突破出来る。敵の巡廻ルートとその体の向きはボンドの視界外でもPDAで観察出来るので、タイミングを計るのも楽になっている。 もう一つの障害は監視カメラで、赤ランプが点灯しているカメラの範囲内に入ると警告音が鳴り、すぐに逃げないと警報がオンになり敵がやって来てしまう。カメラを撃って壊しても同じ。止めるにはその近辺にあるコントロールパネルまでカメラを避けつつ近付いて、それをUseしてやればすぐに停止させられる(緑ランプになる)。少々厄介なのは敵の死体がカメラに映されてもアウトという点で、カメラの範囲内で立ったままの敵が居る場合などは上手くやる必要が出て来る。(敵の死体を移動させる事は出来ない)。 |
COMBAT |
2つ選んで所持出来るメイン武器は全14種類と結構多目。ただしチャプターによって登場する物は限定的である。初期状態の所持武器はチャプターにより切り替わり、ストーリーが連続していてもリセットされてしまう。 主にスクリプトで敵が湧いてくる方式なので、場所によっては近距離で突然飛び出してきたりと、(特に高難易度では)初見殺し的な箇所も存在する。ただしチェックポイントの間隔は概ね短く、失敗すると即死のイベントシーンでも直前でセーブされたりと親切な部類ではある。それと敵が湧くと同時に背後の退路が塞がれてしまうというパターンも多く、動けるスペースが狭いという戦闘もよくある。 戦闘エリアにやたらと撃つ事が出来るオブジェクトが在るのが一つの特徴で、こういった物はハイライト表示されるので見た目にも解り易い。時には遥か上方に撃って落とせる物が有ったりもする。種類としては爆発物以外にも、近くの敵を感電させる電気パネルや、中身を吹き出して目潰しをする消火器などが用意されている。なおボンドの近辺に有るこれらのオブジェクトには敵の攻撃は当たらない設定にされているようだ。 このゲームはカバーアクションを採用しているが、他の物とはシステムやプレイ感が異なっているのでその辺について順に書いていく。 プレイ前はR6: Vegasの様な特殊部隊物ではないため、カバーに張り付かなければ割とFPSとしてもプレイ出来るのではないかと考えていたのだが、想像していた以上にそれは困難である。理由の一つ目は一人称でのアイアンサイトよりも、カバーから身を乗り出して撃つ方が銃の正確性が高いという点。第二にカバーに隠れていると敵の攻撃は当たらないが、逆にカバーに付いていない時には敵の攻撃が良く当たってしまうという風に設定されている。第三にこれが一番重要なのだが、自動回復の速度はカバーに付いている時の方が早い。そしてカバーを使って戦うという方に難易度基準が合わせられているので、カバーに付かないで戦うのは大きく不利になるというゲーム性である。つまり半強制的にカバーを使う様にデザインされていると言える。 難易度Normalの序盤辺りは何とかなるが、敵の武器の威力が高くなり数も増えてくる後半になると、カバーから離れた状態のFPS視点での戦闘は危険なケースが多いというバランスになっている。 操作方法もちょっと変わっている。“スプリント”とは別に“ダッシュ”という動作があって、カバーとして使えるオブジェクトが一定距離内に在る時に、それに向けてカバーキー(E)を押し続ける事で、三人称視点に切り替わってそのカバーまでダッシュし、自動的にカバーに張り付く事が出来る(時にはスライディングも行う)。そしてこのダッシュはスプリントと違いスタミナを消費しない。 実は私は半分当たりまで、普通にカバー用のオブジェクトまでスプリントして、素早くカバーキーを押して張り付いていたのだが、上に書いた様にカバーに付いていない状態ではスプリントしていようが敵の弾が当たり易いという設定にされているので、中盤戦以降はすぐに殺されてしまうシーンが増えていた。(難易度Normalでも、早い時には2秒と持たない位に高ダメージを喰らう)。そこでダッシュの存在を思い出して使ってみたのだが、姿勢を低くして移動しているという設定からか被弾確率が下がるので、どうもこのダッシュでの移動を前提にバランス調整がされている模様。 具体的には、まずカバーまでカバーキー押下でダッシュして張り付く。その後移動の際には左右の端まで移動してやり、近辺に別のカバーが在ればジャンプキーを押す事で、反転して隣に移動するSWATターンか、別のカバーまでダッシュしてそのまま張り付く動作を行える。このカバーを利用した移動方法を続ける事で、敵の攻撃が当たる確率を減らせるという設定である。もし自分の付近にグレネードを投げ込まれた場合でも、カバーから離れて逃げずに、別のカバーまで上記の方法で素早く移動するやり方をまず考える。何故ならスプリントは本当に短時間しか持続出来ず(回復も早いが)、うっかり別の障害物まで走ろうとしても途中で一旦止まってしまい、その間に集中砲火で撃ち殺される危険性があるからだ。 問題としてはこの操作がやや解り辛いという所か。ガイドを有効にしておく事で、ダッシュ可能な範囲に入るとメッセージは出る。しかし一旦離れてしまうと再度圏内に入ってもしばらくはメッセージが出なかったりするので、そうなると目視(大体3m圏内)に頼るしかない。そしてカバーに付いた状態からの別のカバーへのダッシュは通常時よりも長距離移動が可能であり、また可能なメッセージも出ない。よって別のカバーに向けてカバーキーを押して試すしかないという設定である。それとカバーの端まで来た際に、「カバーまでダッシュが可能」というメッセージが出る際にはジャンプキーを使って、メッセージが出ない時にはカバーキーを押し続けるという風に操作方法が異なっている。 これは主に難易度Hard(Agent)以上での話になるが、中盤以降はカバーから身を乗り出して撃とうとしてもすぐに死んでしまうケースが増えてくる。自動回復を採用してはいるが、大袈裟ではなく1秒未満で殺されたりするので、ダメージのインジケータに注意するどころでは無い。対抗策としてはまずグレネードがあるが、これは敵が落とすので数は有るのだが一個しか携帯出来ないという制限があり効果は限定的である。 そこでゲーム側が用意している対抗策がブラインドファイアとなる。ブラインドファイアと言うと命中率が低いので近距離の敵にしか使えないとか、そもそもあまり利用しない機能というイメージがあるが、QoSではある程度当たり易くなっており、また弾薬は豊富なので気軽に使えるという設定。それとカバーに隠れた状態でも照準が現れるようになっているので、そうやって合わせてから撃ち始める事で命中率を高められる。よって敵が多い際にはこれを使ってなるべく数を減らしてやり、それからカバーから乗り出して戦うという手法が有効となる。難易度Hard以上ではこれを使わないと厳しい。 しかしある意味この戦法が問題となっており、つまり安全な状態から敵を倒せてしまうので、高難易度でもブラインドファイアを多用する事で相当楽になってしまっている。ここは素直にカバーから乗り出した際の被ダメージを下げて、普通に戦わせるというシステムの方が良かったという感想。 ゲーム全体の難易度については、難易度Normal(Field Operative)では難所の数はそれ程無いので、戦闘一本で押すならやや簡単な部類か。ステルス推奨の場所ではそれに従い、戦闘以外のイベント時のミニゲームも含めて平均化するなら普通レベル。Hard(Agent)以上では上記のブラインドファイアをどれだけ多用するかで大きく変わるので一概には言えない。ただこれがあまりに有効な為に、最高難易度(007)をクリアする実績が取り易いゲームという評判はあるようだ。 その他でカバーについてだが、カバーの破損要素は限定的であり、ライトマシンガン等で破壊して撃ち抜けるシーンはあまり出て来ない。こちら側のカバーが壊されてしまう事も稀。 旋回角度が制限されるカバー(オブジェクト)もあり、また窓ガラスの位置等によって体を微妙に調整してやらないと身を乗り出せない場所もある。また後方へは視点を移動出来ないので、側方や背後からの攻撃には一旦カバーを離れないとならない。 四肢の欠損や流血表現は無し。死亡時のアニメーションはラグドールとスクリプト(高所から落ちて死ぬ等)を併用している。被弾アニメーションは大袈裟なので、当たっているのかどうかは確認し易い。 敵の種類が少ないのは大きな欠点と言える。外見の違いが少ないだけでは無く、違っていても思考回路などに特に変化も見られない。結果的にどれだけ手強いのかは武器の変化と、アーマーを着込んでいるかどうかだけという印象である。ヘリとの戦闘が一回だけあるが、特殊な敵との戦闘はそれ位。ボス系の敵とは主にQTEでの戦いになるので関係が無い。 AIで誉められる点としては、とにかく側面や背後に回り込もうとするところで、動けるスペースがあるなら外に開いてボンドを取り囲む様にしてくる。よってカバーで守れない場所に来られたりするので、回り込もうとするのを早期に倒したりしないと危険となり、こういった場所では緊張感が出て面白い。しかしスペースの無い場所ではカバーを使いながら前進する作戦を採ってくる事が多くなり、ちょっと強引過ぎて簡単に倒されてしまったりする。それとカバーの背後から体の一部が出てしまっている事もよくあり、この様なケースでも楽に倒せてしまう。 |
GRAPHICS |
同時期に製作していたCall of Duty: World at Warと同様にCall of Duty 4のエンジンをベースに使用。だが同じバージョンでは無いようで、こちらの方が独自のエンジンカスタマイズの度合いが低いと思われる。WaWがShader
3.0対応, VRAM 256MBを要求するのに対し、QoSはオリジナルのCoD4と一緒でShader
2.0対応, VRAM 128MBに留まっている。 コンソール版をベースにして、特にPC用に高度なテクスチャ等をカスタマイズしていたりは無さそうで、同時期の水準はクリアしているが特筆すべき点は持っていない。キャラクターのモデリングなども、グラフィックスに力を入れているCoD4に比べると劣っている。外部視点から眺めるアニメーションのシーンも多いが、こちらも別に滑らかではない。 一方で武器のモデリングはリアルなのかは知らないがかなり細かい(CoD4からのデータ流用?)。それとマップ内に配置された小物類が相当に多く、この点は手が込んでいると感じられた。 プレイ中のfpsは上限が30に設定されている(V-Syncの設定にかかわらず)。エンジンはCoD4系統なのだが、このゲームではコンソールを開く事が出来ないし、また設定ファイルが暗号化されているためにこの制限を解除する方法が見付かっていない。 ワイドスクリーン対応。AAは4xまで。 |
SOUND |
サラウンドにしなくても4SP構成で自動的に3Dサウンドになる。 BGMを映画から使用しているのかは不明。ボンドを含めて主要なキャラクタの声優は映画と一緒である。 |
MULTIPLAYER |
最大で12人までが参加可能。モードは7つ。稼いだポイントを通貨として武器やアイテム類をアンロックして行くという要素を持つ。 未プレイなので感想は無し。Dedicated Server機能は無し。またGames for Windows Liveを使用しているのでサーバー状況等は見られず、試しにクイックマッチを選んでも引っ掛からず、単に自分がホストとしてロビーに部屋が作られるだけ。よってこれを書いている時点でプレイヤーがまだどれ位残っているのか、残っているとしたらどの辺の時間帯に集まるのか等は解らない。 |