QUANTUM OF SOLACE

                                  11/12/02




   SYSTEM / BASICS

   GAMEPLAY / COMBAT / GRAPHICS

   BOTTOMLINE

   公式サイト


   HOME





製作・販売: Treyarch(Beenox) / Activision
発売: 2008/11
日本代理店: 無し


概  要  日本語タイトル名『慰めの報酬』は22作目のジェームズ・ボンド映画で、それに合わせて制作されたアクションゲーム。Activisionがこのシリーズのゲーム化権を手に入れてからは初のタイトルとなる。ゲームの表記としては“007: Quantum of Solace”や“James Bond: Quantum of Solace”とされる場合もあり統一されていない。

 この映画は前作『カジノ・ロワイヤル』の続編であり、シリーズ初の前後作形式を採っている。その為にゲームの内容の方も両作から選択されている。なお私自身は両方共に原作映画は未見である。


 タイトルの『慰めの報酬』とは日本語としても意味が解り難いのだが、これは原作者イアン・フレミングによる短編“Quantum of Solace”から採られているものの、その小説の内容はこの映画とは関係が無い別物である。その解釈は複数のソースから異なる情報が出ており、正確にはどうなのかは判断しかねる。対決する敵組織の名称が“Quantum”なのでそれに引っ掛けて持って来たという面もあるようなのだが、結果的にこのタイトルは現地でも意味が解らないとの批判も受けている。

 原作短編では“Quantum of Solace”とは「恋人や友人といった人間同士における慰めとなるものの量」だとされており、これがゼロになった時に二人の間の関係は完全に破綻するという意味で使われている。映画のプロデューサーの話でも基本的にその意味合いは同じ。前作映画で恋人を亡くしたボンドは“Quantum of Solace”を無くしており、非人間的な感情を持たない人間に変わり果ててしまった。そんな彼の求めるのは恋人を死へと追い込んだ組織への復讐のみであり、その復讐を果たす事によって少量の慰めを得る事で、ボンドは再び人間性を取り戻す事が出来るのだろうか?といった感じとなる。

 よって日本語訳である「慰めの報酬」は意訳過ぎて解り難いと思える。確かにQuantumには分け前という意味もあるが、明らかに“ほんの少しの”という意味で使われている。(wikiによる映画のラストシーンにおけるこのタイトルの意味に言及した解説からもそう)。少なくとも「慰めのための報酬」とでもしないと日本語として意味が解り難いし、また“報酬”とするよりは「慰めのための復讐」にした方が適切に感じられる。ただ主役のボンドを演じるダニエル・クレイグはこのタイトルについて、「もともと歴代のボンド映画のタイトルには特に意味は無い物が多いしね」とぶっちゃけているのだが。


 様々なプラットフォームで発売されているが、メインはXbox 360とPS3のバージョン。開発はCall of Dutyシリーズの制作で有名になったTreyarchが担当。PC版はActivisionの子会社であるカナダのBeenoxが移植を担当しており、ゲーム内容は同じだが若干システム面に違いがある。PS2版は三人称視点を採用しており、ミッション内容等が別物。その他にWii, DS版も在る。

 廉価版として再発されていないので、既にリテール版は海外Amazon以外では見付け難い。だがI Feel Groovy等、日本で扱ってる店もまだあった。ダウンロード販売で良ければSteamで取り扱っているので入手は容易である。

 PC版は日本発売無し。コンソール版はスクウェア・エニックスから『007/慰めの報酬』が発売されている。


STORY  まず最初に両方の映画からシーンを採用しているとは言え、ミッションの並びが時系列に沿っていないので、版権物にはありがちだが両方の映画を事前に見ていないと何が起きているのかが掴み辛くなっている。

 次に原作映画には含まれていなかったり、ロケーションは同じでも内容が大きく異なるミッションが結構在るので、映画の内容を忠実になぞったというゲームでは無い。

 ストーリーの概要は恋人のヴェスパーを亡くしたボンドが、その背後にある組織Quantumへと復讐を挑むというもので、この映画ではボンドは所属する組織MI6の命令に背き、個人の考えでひたすら復讐に燃えて時には暴走するといった展開になっている。


PATCH

DEMO
 パッチはV1.1がリリースされている。

 シングルプレイ用のデモあり。ただし非常に短いので、自分のマシンでの動作確認程度にしか使えない。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 3.0GHz or AMD Athlon 64 3200+
1.8Ghz Dual Core Processor
-
MEMORY 512 MB, 1GB(Vista) -
VIDEO DirectX 9.0c互換  VRAM 128MB
GeForce 6600, Radeon 9800Pro
-
SOUND DirectX 9.0c互換 -
対応OS XP / Vista
DirectX 9.0c以上要


 Windows7やx64でも動作するが、一部x64での動作不良報告も見受けられる。必要な動作環境は、(版権物ゲームには多いが)一般的なユーザーのPC性能を意識してか発売当時としては比較的低目である。オンボードの(グラフィックス)チップセットはサポート外とあるが、全く動かないという訳ではない。特にこれを書いている時点では発売から3年が経過しているので、最近のノートPC等なら十分に動かせる可能性もある。

 Games for Windows Liveを使用している。まだSSAが搭載される前のゲームなので、シングルプレイだけならオフラインアカウントでプレイは可能。

 Steamの商品頁には「Xbox 360 controller support」と記載してあるが、実際にはコントローラーでの操作には対応していないので注意



*Windows XPにてゲームが起動しない
 現在この問題は解消されている様なのだが、確証が無いので一応情報を記載しておく。このゲームの掲示板では良く知られたトラブルなのだが、こちらの記事にあるように2009/09に行われたIE7及びIE8のセキュリティアップデートにより、以降はゲームが起動しなくなるという問題が発生していた。なおこれはXPだけで発生する問題であり、Vista/7でゲームが起動しないケースには該当しない。

 もしこのトラブルに遭遇した際の一番最初に試すべき対応方法は、システムファイルである d3dx9_37.dll と msidcrl40.dll を検索してダウンロードしてやり、それをゲームのインストールフォルダに入れてやる。2010/04における私の環境でも、障害の発生及びこの方法による解決を確認している。しかし2011/11時点でのテストでは、この2つのファイルを用意しなくても普通に起動出来るようになっており、どこかでこの問題が修正されたらしい。しかし全てのマシンで既に問題無く起動するのかは確信が無いし、この方法で治る理由も不明なので、それでも発生するケースを考えて根本的な対処方法を一応書いておく。

 上記の記事は原因発見当時の物なので、対応はそのIE7用のアップデートをアンインストールすれば良いという方法である。もしIE8を導入しているならばIE8は丸ごと削除を行う(IE8も最新パッチだけを削除すれば良いという情報もある)。だが以降も累積パッチとしてこの修正は適用されているので、これ以降のアップデートを全て削除しないとならず面倒である。或いはダウンロードしてインストールするIE7が既に修正を適用済みだった場合には対応が出来ない。結局はIE8とIE7を両方ともにアンインストールしてプレイするしかないという結論になっている。


*ハッキングのミニゲームが上手く行かない
*Take down(近接攻撃)が失敗になる
 マシンの性能に比較してグラフィックスの設定が高過ぎる際に発生する。描画処理が重過ぎて入力判定のタイミングが画面上の表示とズレてしまうのが原因。グラフィックスのクオリティを自動判定に任せるか、一番下まで下げてやれば治る。


*Science Center level (outside)の外壁渡りのシーンで、必ず発見されて死んでしまう
 ここはサーチライトを避けながらゴールまで辿り着くというイベントなのだが、ビデオカードの性能が低い場合にこのサーチライトが表示されない事があり、結果的に通るタイミングが解らないので見付かってしまう。対処方法は設定からダイナミックライティングの設定を最低にしてやる。

    次の頁