GEO-MOD |
ゲームの最大の特徴であり売りともなっているのがGeo-Mod機能である。これはGeometry Modification(地形変更)の意味で、壁や床といったマップの一部を、爆破によってリアルタイムで破壊・変形させられる機能となる。 *破壊して新たな進行ルートを作る。或いはシークレットの発見に使用する。 *壊れ方はその都度リアルタイムで計算されており、事前に決められた形に壊れるのではない *橋・塔・台座・床等を破壊して、その上に乗っている相手を落として倒す *天井や柱を崩してその瓦礫で敵にダメージを与える *空けた穴を通して攻撃したり、或いは強力な武器で壁ごとぶち抜いて敵を倒す 基本的にはこの様な物だが、具体例を見せた方が分かり易いと思うので一例を掲載する。 ![]() ![]() ![]() (左より) ・GEO-MODの機能デモマップより周囲を徹底的に破壊した所 ・ガラスを破壊。全ての破片が物理的に計算されており、一つ一つにダメージ判定がちゃんと存在する。 ・削岩機に乗って地底に穴を空けながら掘り進んだ所。先に見えるのが削岩機で降りて穴の中より撮影している。 ![]() ![]() ![]() (左より) ・床等を破壊する事で新たなルートが開ける ・柱や壁を破壊して空間を作り、その穴を利用して攻撃や防御を有利に進める事も可能。 ・登れない場所を破壊して段々を作り登れるようにする。 ![]() ![]() ![]() (左より) ・敵が多い時には壁の部分に穴を空けてやり、その中に入って隠れながら戦うという戦法もある ・対岸からロケットで足場を崩して敵を落とす事が出来る ・装甲車等でも何発も撃って橋自体を破壊して落とせる ![]() ![]() ![]() (左より) ・ゲーム中一度閉じると開かなくなる扉もあるのだが、この様に側面を削り取って強引に抜け出てしまう事も可能だ ・壁の一部を削り取って狙える様にする。横に飛び出て撃つよりもしゃがんでかわせるので狙い易いし防御にも適している。 ・飛び降りれない場所でもこの様に氷に穴を空けて水面に降りる事も出来る 以上のようにこの機能自体は非常に面白い要素となっている。プレイヤーの発想によってはいろいろな事が可能になるのでそういう事を考える面白さもあるし、目標の達成や戦闘の仕方にもバリエーションが生まれてくる。 |
問 題 点 |
しかし残念ながらゲーム中に於いては期待していた程の面白さを発揮していない。何故かと言うとゲームプレイにGeo-Modが関与している比率が低いからである。以下順を追って分析してみよう。 ×破壊力が弱い 基本的に破壊はRemote ChargeとRocket Launcherで行うのだが、これ等の武器の破壊力や連射性能が低過ぎる。例えば橋の上にいる敵を落として倒す事を考えたとしよう。この場合橋の両側を壊して落とすのが普通の手段となるのだが、その為には両側を完全に壊すために何発もロケットを撃たないとならない。もしも一発で橋をほとんど粉々に出来るのであれば使っていて面白いと思うのだが、壊すのには時間が掛かるのでそんな事をするのならば他の武器で直接敵を攻撃した方が早いという話になってしまっている。そういった意味では終盤に登場するFusion Rocket Launcher並みの破壊力を普通のロケットで実現して欲しかった。 ×戦闘に活かされていない このエンジンを戦闘時に活かす方法は幾らでもあると思うのだが、これに関しても上手く使われていない印象だ。大量の敵を引き連れておいて上方の岩盤を崩して生き埋めにするとか、塔ごと崩して落として倒すとかが考えられるが、破壊力が弱いのでこういった事をするには実質不可能&効率が悪いのである。或は敵の乗り物との対決シーンで地面に穴を空けて落としてしまうと言った作戦も考えられるが、そういう事が可能になるシチュエーションがほとんど無い。防御側に回った場合でも自分の身を隠す所が砲撃でどんどん削られていってしまうとかは面白いと思うのだが、これもまたそういう場面が出て来ない。 ×壊せる場所が分からない 壊す事が可能なのは予め破壊可能とアサインされている箇所のみである。だから明らかに同じ素材なのに壊せない場所も在るし、単なる弱いオブジェクト類が全く爆破の影響を受けないという風にもなっている。確かにこれはゲームとしては仕方が無い点である。何でも壊せてしまっては意図しないショートカットが可能になったりもしてしまうし、不測の事態も起こり得るからだ。 しかしそこが壊せるという事が事前に分からないとなると、当然可能なのかどうかの試し撃ちをしたい所なのだが、それには弾が少な過ぎるという設定になっている。ロケットは18発までしか持てないし、Chargeもそれほど手に入る訳では無い。よって壊せるのかどうか試したい時にはクイックセーブをした後に撃ってみて、壊せるのかを確認してから実際にやってみるという形になりがち。当然これは面倒であるので、その内に「別に壊さなくても良いか」となって疎かになってしまう。弾数を多くして気軽にそこら中で試せるようにして貰いたかった。 ×使い方に工夫が無い ゲーム中に壊さないと先に進めないというパズル的な場所は何点か存在する。しかしこれは普通のゲームで言う所の、火薬缶爆破で穴を開けたりとか柱を倒して道を作ったりというのと根本的に変わっていない。よって別の面をアピールするにはGeo-Modで別ルートを作成したりというのが考えられるのだが、これは実際に数ヶ所で出来るものの、それで大きく優位に立てるのかと言うとそれほどでも無い。少なくともMediumでは裏のルートからの侵入でも正面からでもそれほど結果に変わり無しという印象である。 Geo-Modエンジンその物はゲームに悪影響を及ぼしている訳では無いので、これらの点は問題とまではなっていないのだが、折角こんな機能を設けておきながら上手く使い切れていないという印象は強く、その分マイナスのイメージになっているというのは確かである。特に”Geo-Mod機能搭載”を大きく標榜する割には、ゲームにそれが活かされていないという点には問題在りだろう(宣伝文句の正確さという意味からも)。おそらく破壊行為に限界が有るという点にはハードウェア的な制約も絡んでいると思われ、将来的にパワーアップしたPCにおいて大量破壊が可能になるような新作を見てみたい。 |