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GAMEPLAY
 全11チャプターから構成されており、それぞれが更に幾つかのマップに分かれている。ボリュームは難易度Normalにて7-8時間程度と短い。コンソールのゲームに多い「全体は短めだがリプレイ性を高める」という色が強く出ており、難易度を上げてリプレイをしない人には物足りない長さとなるかも知れない。

 もう一点Normalでは全体として難易度がやや低めなのも早くなる理由の一つ。ストーリー上前半と後半に分けられるのだが、前半部分は特に簡単でスイスイと進められてしまう。後半からようやく所々に難所が出だしてくるが、本格的に手応えが出て来るのは敵の本拠地に乗り込む最後の2つのチャプター辺りとちょっと遅い。その代わりに難易度Hardは格段に難易度が増すようである。


 RFと言えばGeo-Modであり、この続編でも最大の特徴とされている。壁や地面等のオブジェクトを破壊可能な機能で、リアルタイムでそれが変形する所が売りとなっている。つまり単に粉々に壊れるのではなくて、どういう形に壊れる(変形する)のかはランダムな要素が加わっているという意味。当然続編という事からその機能は拡張されているのだが、実際にプレイしてみると良い点もあるが悪くなった所も結構多かった。

◎RF1では前半の炭鉱パートに破壊要素が偏っていたのに比較して、ゲーム全体を通して平均的に破壊行為が可能である
◎爆破用のグレネードランチャー等の弾が大量にあるので、気軽にその辺に撃って試せるようになった(前作は破壊用弾少な目)
◎カバーに隠れた敵をカバーごと吹き飛ばしたり出来るシーンが増えた
◎タンクやバトルアーマーに乗り込んで、ロケット弾で派手に破壊出来るパートが加わった
◎開かないドアや壁を破壊してアイテムを得るという場所(シークレットの位置付け)が増えた


×RF1の炭鉱パートの様に、そこら中を大幅に破壊可能というパートは含まれていない
×ロケットランチャーがほとんど出て来ないので、遠方の地点を壊せなくなった
×単に壊すという行為が強調されており、壊して面白い事をするという要素が薄くなった
×進行がリニアで一本道になり、壊してショートカット可能な場所が無くなった




 ほぼ全体を通してグレネードランチャー(インパクト&時限)か、グレネードランチャー付きのアサルトライフを所持しており、その弾薬も豊富という設定。グレネードや地雷も相当数が入手可能なので、前作のようにセーブしてから試して無駄遣いを無くすという事を気に掛けなくて良くなった。しかしこのグレネードランチャーは高速でほぼ真っ直ぐ飛び、一発で大抵の敵を倒せる戦闘用としても強力な武器なので、単にこれを使って敵を直接倒せば済むという風になってしまっている。

 「敵が乗っているプラットフォームを撃って壊して落とす」、「先にカバーを吹き飛ばして隠れられないようにする」といった攻め方をわざわざ選択する必要が無く、直に敵を攻撃してしまった方が早いというバランスなので、オブジェクトの破壊自体に意味が無くなっている。つまり多くの場所を派手に壊せるという風にはなったが、破壊を使っての上手い戦い方を考えるという余地が減少している。せっかく前作における「破壊力がそれ程無いので、敵の乗っている場所を壊したりするよりは直接戦った方が早い」という点は改善されたのに、そのパワーアップが戦闘に活かされていない。例えば数多くの敵が相手なので、個々を相手にするよりは乗っている場所の両端を破壊してプラットフォームごと落としたり、近くの塔を破壊して下敷きにしたりといった、破壊を利用した攻撃が可能で且つそれに意味があるというシーンを用意して欲しかった。

 同様に進行ルートがほぼ一本道となったので、それをショートカットする様な破壊は出来なくなり、自由な破壊という面は味わえなくなった。前作では炭鉱のパートの様にいろいろな所を壊して進んで別ルートを開いたり、穴を開けて道を新たに作ってしまったり、或いは特に意味なく穴を開けたりして遊んだりが可能だったが、そういう創意工夫や遊びの要素が無くなってしまっている。取れない場所に置いてあるアイテムを取るのに破壊してみるとかその程度。今回の特徴であるシークレットを発見する為の破壊というのは、ちょっと本質から外れているように思える。

 結果的にGeo-modというユニークな特徴が活用されていないという印象で、総合的にはむしろ前作よりもそのゲームプレイに及ぼす効果は減退している。普通のFPSに近くなったという意味で、そうなるとそっちの基本的な面はあまり特色がないので辛い。もっとGeo-Modを多彩に利用した独特のゲーム性を追求するべきではなかったかと感じる。


 ロケーションや風景の変化は前作よりもバリエーションに富んでいる。しかし今回は地球が舞台なので、火星における珍しいロケーションといった面は逆に減っている。それぞれのマップが短いのと、サイズとしても小さく感じられるのは減点対象。いろいろと歩き回って探索するという要素も薄くなった。

 ストーリーは中盤で急展開を見せる演出の他は特に見るべき点は無し。ストーリーの項でも書いたが、主人公はRed Factionとは協力関係にあるものの、その扱いが小さい点にはやはりタイトルとの関連性で違和感を感じてしまう。

 部隊は6人構成だが仲間との共同戦闘を行うシーンは少なく、単独行動が大半を占める。全てを確認した訳ではないが仲間は不死身設定と思われる。一方でRed Factionの兵士仲間は死亡してしまう。


 ミッションの内容はマップに応じていろいろだが、Heroics meterという要素が設けられている。これはその名の通りにヒーロー的な行動をすると緑の☆が出てプラスになり、市民を殺してしまったりすると赤い☆が出て減ってしまう。ヒーロー的な行為とは主に、味方に犠牲者を出さずにクリアしたとか、敵のガンシップやタンクを壊すというサブの目標を達成したりすると加算される。目標は具体的に出る場合もあれば、達成して初めて表示されてそれが分かるというシーンも出て来る。いずれにせよプレイヤーのパフォーマンスに応じて、それが優秀であればポイントとして視覚化されるという要素は良いと思う。

 このスコアはラストまで積算されていって、25%以下, 25以上, 50以上, 75以上という最終スコアによって、4種類のエンディングに到達可能という仕組み。リプレイ時にはこのスコアを上げる為に、オプションのObjectivesを発見&達成するという面白さが生まれるというのが狙い。スコアが悪くてもペナルティは無いので、気にしない人は無視しても構わない。
 問題はその4種類のエンディングが手抜き感満載という点で、単に部隊メンバーが出て来るだけの同じ映像に、ナレーションのみを変えてその後の行く末を紹介しているという短い物。わざわざ別のエンディングを見る為に頑張るほどの価値は無い。PCならばフォルダ内にそのまま入っているので直接再生しても見られる。


 搭乗可能な乗り物はガンシップ, サブマリン, タンク, バトルアーマーの4種類と減ったが、タンクとバトルアーマーが追加されたので破壊力は増している。特に売りにしているバトルアーマーに搭乗可能なシーンは2箇所設けられており、派手な破壊行為を楽しむ事が出来る。特定の場所でしか自由に乗り降りが出来ないというのはちょっと気になったが、これは確かに面白さを増す要素になっていると言える。その他ではガンシップは操縦は出来ないで銃座を担当するのみ。サブマリンのパートはゲーム中でもかなりの難所となっている。


COMBAT

*武器は全て携帯可能
*Alternate Fireを持つ武器もあり
*アイアンサイトやズームは無し
*移動しながら撃っても照準には変化無しというアクション仕様
*リコイルは無し
*複数の弾薬を持つ武器では、リロードを繰り返すと2ndary分の弾がリロードされる
*スプリントは無し
*ゲームパッド用の機能だが、180度のクイックスピンターンが使える


 プレイヤーの体力はHPのみでアーマーは無し。最大で3個までメディキットを携帯可能で、HPのバーが切れると自動的にストックから適用される。既に3個持っている状態で拾えば、現在のHPのバーが瞬間的にフルに戻るというシステム。このHPには自動回復も併用されており、ダメージを受けずに時間を置けば自動的にフルまで回復もさせられる。ただし回復が始まるまでに8秒程度、HPがギリギリの状態からフルになるまでには10秒位掛かるので(Normal)、こまめに隠れて回復してから戦闘再開というのには時間が掛かるようになっている。

 難易度Normalでの前半は自動回復に頼るシーンはほとんどなく、敵が落とすメディキットを拾っていけば通用してしまう程度で、普通のメディキットで回復するシステムのアクションFPSと何ら変わりはない。後半から徐々に20秒程度待機しての回復が必要になるシーンも出て来るが、大体難所の後にはメディキットが数多く用意されているのでそれほど困らない。最後の2つのチャプターではヘルスの補給可能場所の間隔が長くなり、またここでは敵の数が多い上に積極的にこちらに向かって来るタイプが出て来るので、20秒間隠れるという行為自体がやり難くなる。それがスリリングで面白いとも言えるのだが、回復の為の待ち時間が長いのでテンポが悪くなるという感も否めない。

 テンポという点では、マップ単位でしかセーブはされないが、その間隔の長さと難易度から見てあまりストレスが溜まる様なゲームでは無い。だがやり直しになった際にムービースキップが不可な点はマイナス。マップの最初にムービーが挟まれている箇所だと、常にそれが繰り返されるのを待っていないとならずにイライラさせられる。


 武器の数は14種類と数多く、両手持ちモードも含めると選択は17種類。武器の優先順位は設定可能だが、マウスホイールにて望む武器にピタリと止めて出すのには時間が掛かる事もあるゲームである。グレネードは4種類で、フラグ, ショック, 燃焼, サッチェル・チャージとなり、各10個携帯可能で数も多い。一般的な武器であるサブマシンガン, ショットガン, アサルトライフル, ヘビーマシンガン, スナイパーライフル, ロケットランチャーの他に、SF設定なのでNanotechベースとなるRail Driver等の未来的な物も加わっている。

*N.I.C.W.: 障害物の陰にいる敵の存在を検知する能力を持ったアサルトライフル。グレネードランチャーも装備。
*Rail Drider: 障害物の陰にいる敵の正確な位置をパルス表示し、そのまま障害物を通して撃ち抜けるレーザー兵器。弾数は少ないが強力。
*NGL-8: インパクト方式と時限方式のグレネード弾を撃ち分けられるグレネードランチャー。弾を高速で撃ち出せるので命中させ易い。
*MKAP-97: 同時にグレネードを5発発射可能な破壊兵器。張り付くグレネードを撃つ事も出来る。


 両手持ちの武器は三種類存在するが、その際にはグレネードは投げられない仕様。それと幾つかの武器はリロード時間が長いので、近接戦での撃ち合いには注意しないとならなくなっている。その他にゲームの設定の問題として、一部の武器は入手可能な箇所が限られており、ラスト付近にならないと出て来ないとか、ゲーム途中で取り逃してしまうともう二度と使えないとか、シークレットを発見しないと滅多に手に出来ないという物も存在する。マルチプレイにおいては使用可能になるので、シングルプレイで無理に出さなくても良いと考えたのかも知れないが、そのマルチプレイが存在しないので折角の武器が勿体ない事に使われない状態になっている。

 総合的にセットとしてみた場合には、武器のバラエティさや破壊力は増しており爽快感がアップしている。SF系武器も充実しており、前作でも人気が高かったRail Driderは使い所を上手くすれば相当役に立つし、通常視点で障害物の背後の敵を検知可能なN.I.C.W.も便利で面白い武器である。NGL-8は万能型の武器として最も多く使用する事になるだろう。


 徒歩での戦闘はこちらの武器の威力が強いので、スピード感のあるアクションとFPSとなっているパートが多い。だが終盤は敵が増えて自動回復に頼るようにもなるので、スローテンポになるシーンも増えてくる。ただ全体的には深く考えずに出て来る敵を倒して進めるというシンプルな構成であり、戦闘に集中してプレイするのが好きな人向きのゲームと言えよう。グレネード弾が一般的なFPSに比較してかなり多いので、敵を派手に吹き飛ばして倒していける事から爽快感も高い。

 他の特徴としては爆発によるダメージが比較的高いというのが挙げられる。通常の銃撃に比較して、一気にバー全体を消されたりと高いダメージが入る様になっている。敵が高台等で待機して待っている箇所も多く、あまり急いで先に進むと気が付かずに先制攻撃を喰らう事もある。それに関連してちょっと問題に感じたのは、例えばロケットが高速で避けにくい上に威力が高いのだが、そういった敵ほど見付け難い場所にいるという点。他の戦闘によるエフェクトで視界が遮られている時など、敵のAIからは見えているがこちらは避けようがない。
 またケースにもよるのだが、敵が予めドアの前に陣取ってこちらを待ち構えているという状況にも遭遇してしまう。音に反応しているのかも知れないが、ドアを開けて入る前に待たれているのは不自然。それと同じ様に音で寄ってくるBomb Spiderという小型ロボットが居て、大量に出て来て自爆攻撃を仕掛けてくるので相当に厄介である。

 射撃中に銃は振動するがリコイルは無しなので軽い印象。血が飛び散るエフェクトは一応あるのだが、霧の様に薄いので見難く当たっている感覚を削いでいる。背後の壁に血が付着するエフェクトはあり。また爆発によって肉塊になり飛び散る表現が含まれている。一方で死体が消えるのは早い。


 敵のAIは時にはたまに良い点も見受けられるが、おかしな動きの方が目立つゲームである。まず周囲で戦闘が起きているのに障害物の陰から全く動かない者がいて、終わったので抜けようとしたら突然撃たれてしまう事がある。場合によっては変な方向を向いていて、戦闘が起きている事自体に気が付いていない。初期位置を決して動かない者もいるし、単に2つの決められた地点間を行ったり来たりとループするだけの者もいる。少なくとも状況に応じてちゃんと考え、それを基にして動く能力は持っていないようだ。グレネードを避けるのも下手。幾つかあるボス戦も、ハメる作戦で倒せてしまうケースが多いという問題在り。

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