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GAMEPLAY
 選択した難易度とどれ位Secertの類を探すかによって異なるだろうが、クリアまでの時間は15時間前後になると思われる。エピソードが7つも有るのでボリューム的には結構有るという印象。

 プレイ感として一番の変化は、Samの移動速度が遅くなった点になる。実際に三人称にしてアニメーションを見てもそうなのだが、走るのではなくてチョコマカと小走りするように変っており、これはアクション性が強いゲームなだけに悪い方向への変化となっている。広い場所で戦闘中に必要な物を取りに行く時にイライラさせられるし、突っ込んで来る敵相手にこれまでと同じ感覚では横に飛び退いて避けられなくなっている。このスピード感の減少は明らかにマイナス。敵からの飛んで来るレーザー系の弾はむしろ速くなっているので、素早くステップしながら交わすという事がやり難くなってしまっており、ダメージ無しで長時間切り抜けるというのは難しい設定。

 マップのデザインとしては、SEタイプの縦長の広場で正面から敵が次々にやって来るというパターンが多くなっている。FEに多かった四方八方からの攻撃という箇所も存在するが、これはもっと狭くなった場所で起きる事が多い。敵のAIは障害物に引っ掛かったりと特に変化は無いが、今回は空を飛ぶタイプが増えており、また不規則な動きをする物が多くなっているのが目に付く。攻撃を正確に当てるのにより技術が必要になっているのはプラスとは言えるが、大量に出て来られたりすると場所によっては面倒に感じる箇所も。
 特殊なデザインとしてSEで採り入れられた重力が変に働いているような場所は不満が多かったからか外されているが、代わりに雪のマップで長時間外に居ると寒さでダメージを受けるので、定期的に屋内に入って温まらないとならないという制限が付けられた物は含まれている。


 武器関係にも変化が見られる。第一にDouble Shotgunが強過ぎる(パッチでの修正前はリロードのキャンセルという技が有って尚更だった)。近距離で威力が強いのは当然であるのだが、中距離程度の敵に対しても相応のダメージを与えられるという設定が問題。撃った瞬間に着弾するタイプなので動き回る敵に対して非常に有効となり、用意された弾数も多いので多用可能となってアンバランス。
 Serious Bombが重要となっているのも変化の一つ。実際に自分で撃って倒すのではなくて、周囲の敵を一気に倒してしまうSBには面白味を感じないプレイヤーも多いと思うのだが、SSIIにおいてはSBを使うのはプレイヤーの自由と言うよりも、使わないとクリアが困難な場所も用意されており、どのタイミングで使うかといったデザインとなっている。最大の3個まで溜め込んでおいて危なくなったら連発という行為も可能であり、個人的にはそれはどうだろうという気がする。大量の固い敵相手ならばパワーアップ用のアイテムを使えるようにしておくとか、あくまでも自分で狙って撃って倒すという点を重視すべきと考える。

 Grenadeが武器とは別キーで何時でも投げられるようになったのは面白い追加要素(Sniper Rifleでは無理)。最大で30個とかなりの数を持てる上に破壊力が高いので強力な武器を持っていない時には重要となるし、攻撃している武器を持ち替えないで別種の攻撃が可能という点も戦闘にバリエーションを生んでいる。実際にこれを的確に命中させられるかで(放物線を描いて飛ぶので距離が離れていたり高さが異なる場所に居る敵に命中させるには練習が必要)、戦闘の難易度が大きく変ってくる。
 新武器としてはClawdovic Cacadoos Vulgarisというオウムが爆弾を抱えて飛んで行く物がユーモラスで面白い。可能所持量は少ないのだがその分Cannonよりも破壊力が有って、更に自動追尾なので非常に強力である。ただし混戦では別の目標に飛んで行ってしまう事があるという問題は有り。

 他に変化が感じられる武器はMinigunで、連射速度が遅くなっており弾の減りを気にする必要性は薄くなったが、その分一気に敵を倒すという破壊力は落ちている。CannonはV2.0となっており、複数の敵を貫通する能力が強化されている。
 パワーアップ類は少なくなっており、特にSerious Speedが無くなったのは移動速度が遅いだけに残念な点。無敵アイテムも無くなっている。Serious Damageは健在であり、持続時間も長くなっている。


 難易度という点に関しては、Lives(Respawn)というシステムの影響があるのでより難しくなっていると言えるだろう。再度Respawnについて詳しく解説すると、プレイヤーは死んだ場合に過去のSaveに戻るだけではなく、そのままRespawnするという手段を選ぶ事が出来る。この時には現在プレイしていたエリアの最初に戻されて(マップ内が幾つものエリアに区切られている)、そのエリアに設定されたステータス(Weapon, Ammo, Health, Armor)から、登場するモンスターもリセットされた状態でプレイを続行する事になる。
 Respawnの有利な点は、HealthとArmorが高い状態からのスタートになるというのが一番大きい。WeaponとAmmoについてはそれまでの状況によって変ってくる。Secretとして発見していた武器が無くなってしまったり、沢山溜め込んでおいた弾薬数が少なくなってしまったりするのは不利な点。一方で初期設定での値は「そのエリアをクリア出来るのに有利と思われる構成」になっているのが普通なので、Sniper RifleやRocket Launcher等の弾薬が大きく増やされていたりとか、場合によってはSerious Bombを持たされて復活という箇所も存在している。

 そもそもこのLivesという制度をどう考えるかになると、FPSファンにはあまり馴染まない仕様であると思う。一般のFPSにおいて一度も死なないでクリアというのはまず無くてSaveからやり直したりする訳だが、この時ゲーム内においては世界は依然として連続しており、プレイヤーの操作する主人公は一度も死んでいない事になっている。実際には一度死んだらそれで終わりな訳だから主人公がゲームの最後まで行かれるはずがなく、そこでSaveによって保存したデータを繋いで最後までクリアしたのを、「仮想的には主人公は一度も死なないで最後まで進んだ」と認識して、頭の中では整合性をとっているという意味である。なので死んだらRespawnして続けるというSSIIのやり方には抵抗を感じるという人が多くなる訳だ。

 ここで問題となるのは、製作側はこのRespawnを前提としてゲームのバランスを調整しているという点である。普通はプレイヤーを死なさないようにする為に、必要と思われる箇所にHealthとArmorを配置してあるのだが、SSIIのこのシステムでは回復はRespawnによって行えば良いというデザインになっている。例えばクリアまでに3万点は稼げるという計算だと、これでLifeは+3増えるので初期値と合わせて最後には6まで増える。バランスとしてはこれがRespawnによって0まで減らなければ良いのだから、途中で2、3回適度は死んでも構わないとするのは自然な流れになる。通常ならば「ここでHealthとArmorを大きく回復させてやらないと辛い」と思われる箇所にはそれを置いておくが、SSIIではそれはRespawnでの復活で回復させれば良いだけの話とされているのである。
 その結果としてHealthとArmorの配置が少ないというバランスにされている箇所が増えており、それが普通にSaveのみを使ってクリアしようとするプレイヤーへの難しさを増している。現在のHPとArmor値ではこの先は無理と判断される場合、Croteamとしては単にRespawnして回復してもらえば問題ないと判断しているが、あくまでもRespawnは使わないでのクリアを目指すとなった場合には、前に戻って出来るだけダメージを受けないような形でそこまでやり直して来ないとならなくなる。



問 題 点
 巨大な敵とのボス戦はシリーズにおいて人気の高い要素であり、今回は7つの世界それぞれに最後にはボス戦が設けられているのだが、しかしながらその出来には不満が残るという結果に終わっている。理由は普通に戦って倒すというデザインになっているボス戦が少ないという点。ネタバレになるので詳しくは書けないのだが、Samが武器を持ってFPSのスタイルでボスと真っ向から勝負する(倒すのに何等かの手順が必要というのを含めて)というのは、全7戦中で半分もないのだ。これは非常にガッカリさせられた点である。

 マップのクリア条件がマチマチとなっており、敵を全て倒せばクリアされる場所では倒し切った瞬間にクリアとなってしまい、後で取ろうと思っていたアイテム系が取れなくなってしまったりや、逆に出口に到達すればクリアとなる場所では戦闘の途中で希望していないのに次に行ってしまったりが発生する。

 これは良し悪しなのだが、今回は背景がカラフルなデザインの場所が多くなっており、またエフェクト系が派手になっているので前が見え難いという状態が発生してしまうという問題あり。死んだ敵はカラフルなパーティクル(粒子)のエフェクトやGoreを残すし、爆発のエフェクトもこれまでよりも派手目。よって後方の敵が放って来るカラーのビーム弾等が見え難くなっており、更には敵の位置が分からないという状態になる事も。それとこれまでに比較して画面表示される武器のサイズが大き目になっているので、視界が狭くなっているという点も気になった。

 今回は自作の物理エンジンが導入されており、様々なオブジェクトが影響を受けて動くし、実際に持って投げたり積んだりも可能となっている。問題としては上に登りたい時に箱を積んだりする必要が出て来るのだが、これがかなりやり難い部類に入るという点。積んでも登ろうとする時の力を受けてすぐに崩れてしまったりが多く、安定させるには結構な数を持って来て積まないとならなくなっている。
 それと置いてある箱の類が適用を受けるのだが、こういった箱の中にアイテム系が入っているので問題が起きる。一定以上の強さを与えれば箱は壊れるのだが、それ以下だと物理エンジンの適用を受けて飛んで行ってしまうし、その飛び方も見た目の重さを考えると不自然な位に吹き飛ぶ。なので例えば撃った箱が壊れずに飛んでしまって取れない場所に落ちてしまったりも起きてしまう。
 木箱はともかくとして鉄の箱は硬いのでそれなりのダメージを与えないとならない。安全に取り出すにはChainsawが最適なのだが、一々切り替えて壊すのは時間も掛かるし面倒。RL系なら確実だが弾を節約したい時には問題となる。特に鉄の箱は入っている確率は低くなる分、かなり重要なアイテム類が入っている事もあるので、わざわざ時間と弾を消費して壊してみるのかという判断に困らされる事も。

 今回はハイスコアを稼いでのLives数の増加という要素に焦点が当てられており、それと関連してGoldというアイテムが多数マップ内に配置されている。そうなると必然的に脇道を探索して何か落ちていないかを探す際に見付かるのがGoldというパターンが多くなっており、HealthやAmmoが入手出来るというケースは相対的に減少している。そういったエリアに入ると敵が沸いて出るというパターンも多いので、苦労した挙句に手に入るのはGoldのみという事も起きてしまう。よって基本的にGoldを稼ぐという点に興味が無いプレイヤーにとっては無駄足やむしろ損するだけという結果が増えてしまい、冗長性が強く感じられるようになってしまっている。

 画面のメニュー周りがコンソールに合わせてデザインされており、640*480での表示をベースにしているので場合によってはスクロールを多用しないとならずに見難い作りとなっているのは不満点。パッチで使い勝手は改善されたが、初期はマウスでの操作が限定されていたりして余計に使い難かった。

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