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シ ス テ ム

・視点は一人称/三人称の切り替え可能
・Health・Armorは常時最大200までという方式
・連射や移動による照準のブレの概念は無し
・武器は全てリロード無し。Alt Fireも無し(Zoomのみ)。
・Alt FireでGrenadeを武器を切り替えずに投げられる
・複数の武器の呼び出しキーが同じなので、ワンキーでは呼び出せない武器も有る
・マップ切り替えにてそれまでのステータス(Weapon, Ammo, Health, Armor)は、それぞれ変る時も変わらない時も有る


*難易度
 難易度は5種類用意されているのは変化無し。Scoreがカウントされるというのも同じである。ゲーム全体の難易度を途中で変更する事は出来ないのだが、一度UnlockしたレベルはCustom Level一覧から選択して自由に難易度を変更可能なのも同じである。よってゲーム全体でのスコアを気にしないのであれば、難しくてクリア出来ない(または簡単過ぎる)マップはCustomから選び直して難易度を変えてから最初からプレイし直せば良いようになっている。クリアさえすれば次のマップはちゃんとUnlockされるのでそのまま続ける事が可能。

*Lives
 FPSゲームとしては珍しい仕様がこのLivesというゲームセンターのアーケード・ゲームでは御馴染みの仕様である。元々SamはDoomの様な3DFPSよりも前にゲーセンのアーケード・ゲームがルーツであり、Croteamのメンバーはこういったゲームの大ファン。Coopを重視するのもそのゲーセンでの2-4人プレイが面白かったからというところから来ている。なのでこのLife制を取るのは初代のSamを出す時から望んでいた仕様なのだが、結局異端という事でこのシステムは採用されず、またハイスコアを競う合うという要素も受けは悪かった。その後このシステムは1st, 2ndを編成し直してリリースされたXbox版のSSamにて初めて採用されたのだが、今回のSSIIでは標準の機能として採用されるようになった訳だ。

 基本はアーケードのゲームと同様で、レベルの中は幾つものセクションに分割されており、最初に決まったLife数(3)を持ってスタートし、死ぬと現在のセクションの最初にRespawnして続行される。敵の出現はリセットされた状態となり、その時の装備(Weapon, Ammo, Health, Armor)はそこのセクションに入って来た時の物が繰り返されるのではなくて、そのセクションにて予め決められている値に統一される。プレイ中の得点によってLifeは増えるので(一万点に付き1UP)、原則としてはLifeの数が0になる前にレベルを最後までクリアするのが目標という事になっている。
 ただし通常のSave/Loadはちゃんと出来るのでRespawnを使わなくても構わないし、途中でLifeが無くなってもそのままゲームは続行可能である。Game Overの画面からESCでメニューを出してContinueすれば、その後の点数が入らなくなる代わりにプレイはそのまま続けられるようになっている。

*Score
 倒した敵の数、集めたGold数、どれだけのSecretを見付けたか、クリアまでに掛かった時間、クリア時の残Lives、といった要素で最終的にはマップをクリアしたスコアが表示されるので、このハイスコアを争って楽しむというのが目的というデザインである。しかしマップ単位でのハイスコアを表示する機能を持っていないのは首を傾げてしまう仕様。

*Netricsa
 脳内コンピューターであったNetricsaは女性のサブキャラの存在に変更されている(Nettie)。これはXboxのユーザーへの分かり易さという面もあるのだろうが、以前の様に画面切り替えで情報を見たり(自動でポップアップさせたり)が面倒という理由からという話。TABキーでSecret等の発見状況等を参照可能。

*Save
 ゲーム側は特に自動的にSaveを行わなず、メモリ上に現在のセクションが何処かというのが記録されるのみ。Quicksaveの履歴機能も無くなった(1個保持されるのみ)。レベルのクリア状況等はProfile(\Serious Sam 2\Content\SeriousSam2\PlayerProfiles)に記録される。


*Weapon
 武器は全15種類となり、エピソード単位で一度元にリセットされるのはSSSEと同じ。変化した武器や新武器を紹介。

・Circular Saw
 円形の刃が回転するタイプに変更。
・Hydro-Plasmatic Handgun
 エネルギーを溜めて撃てる。威力は弱いのだが、生態系の敵を自動追尾するので場面によってはかなり重宝する。
・Automatic Shotgun
 弾は単発なのだが、12連装のMulti Barrelとなっているのでリロード無しに連射可能なショットガン
・Double Barrelled Coach Gun
 リロード速度は遅いが、強力な威力を持つ二連装ショットガン
Serious UZI ・Suzzi
 単体のマシンガンは無くなり、両手持ちのUziに変更された
XL 808 Hydro Plasmatic Rifle
 Laser Gunは無くなり、高速で青い弾を連射するこの武器に変わっている。弾側がやや遅いので素早い敵には不向き。
Clawdovic Cacadoos Vulgaris
 鳥に爆弾を持たせて発射する新武器で最寄の敵を追尾して爆発する。その威力及びスプラッシュ・ダメージは広範囲に及ぶ強力な武器。
・Serious Bomb
 視界に入るほとんどの敵を一瞬で倒せる究極兵器。大きさ故に最大で3発しか持てない。また使用までに少々時間が掛かるようになった。



比  較 ・ 新 要 素 
 大量の敵相手に撃ち捲くるという非常にアクション性の高いゲーム感はこの新作でも変っていない。しかし過去2作と変化している点も有るので、その辺を項目別に見ていく事にする。

1.レベル(マップ)
 SSamの特徴の一つはその広大なマップのサイズであり、これはそれまでの数多くのアクションFPSとは異なっていた点だ。今となっては珍しく無いがLOD(Level of Details:遠方に有る物ほど自動的にポリゴン数を減らして表示する機能で、これによって遠くまで見通せるシーンでも画面上の同時表示ポリゴン数を減らしてフレームレートを低下させない)を使用しての非常に広いマップが大きな売りともなっていた。

 SSIIでは全マップ数は7つのエピソードに42個(8,6,5,4,7,5,7)となっており、FE(13+2)、SE(12)と比較すると数は相当増えている。これはXboxとの平行開発という点から個々のマップのサイズが小さくなっているというのが原因で、2,3個のマップを足してこれまでの一個分という感じになっている。個々のマップのサイズというのを見てみると、確かに中には小さな物も含まれてはいるのだが、広い物も結構多く存在しており、マップ内をしばらく進んで最後の地点で広い場所での戦闘となるという定番パターンも健在。少なくとも”普通のFPS並に狭い”という感じではない。
 大きなマップを分割するというデザインに関しても、SSamではエリアに入ると後ろが閉まって戻れなくなるというパターンが普通で、全体として広いマップでもエリア単位でクリアして行くというのが基本になっている為に、分割されている事自体は問題では無い。また今回の新エンジンではマップのローディングが非常に速くなったので、切り替え時のストレスという点でも気にならないレベルである。

 では不満を感じる点は無いのかと言うとそうではない。まず感覚の問題として、やはりマップを区切られてしまうと受けるイメージとして”広大さ”を感じにくくなってしまう。例えば「広い箇所3個とその連絡箇所」といった構成で作られている”1つのマップ”と、それを「広い場所1個と連絡箇所」の構成にして”3つのマップに分割した物”をプレイする場合には、ゲームをプレイするという観点からは全く同じ意味合いであっても後者の方が狭いという感を受けるのは仕方が無い。
 それと他のアクションFPSからしたらマップは広いのだが、これまでに比べると狭くなったというイメージを受けてしまう。これは全体を通しての広い箇所の比率は減っているのが一つ。他には長方形で進行方向に縦長に広いというマップが多く、縦横に広くなっているタイプが少ない(Valley of the Jaguar等)。単に広いのではなく”だだっ広い”と感じさせるマップが無い(Alley of the Sphinxes等)。高い壁で仕切られた空間が多く、遠くまで見渡せる開放感のある物が少ない(実際に行かれるのかはともかくとして)。こういった点が狭くなったと感じさせている原因である。


2.Enemy
 敵の種類は相当増えており30種類以上。大小のバリエーションやTurretやVehicle系の敵も含めると50種類にも及んでいる。それとこれまではマップのロケーションと敵との関連性というのは薄かったのだが、今回は特定のエピソードしか出てこない、または出てくるエピソードは限られているという敵が増えており、エピソード毎の独立性を高めている。この登場する敵が多彩で且つエピソードによって変化するというのは今回評価出来る点である。

 全体の半分以上は新登場のモンスターとなっており、旧作の敵はデザインが一部変更されている物も多くなっている。一番人気だったKamikazeは首無しの両手に爆弾から、頭に巨大な爆弾がスプリングで取り付けられた物に変更されている。その他Mechは頭部が恐竜に挿げ替えられており、牛はゼンマイ仕掛けの犀へと変更。Gnarr, Pumpkin, Reptiloidといった敵は居なくなっている(Gnarrはムービーではかなりの場所に登場する)。
 残念な点の一つは御馴染みの敵の弱体化で、特にこれまで高速で追い掛けて来て恐怖だったKamikazeはスピードが遅くなっており相当弱くなってしまっている。Kleerも耐久力が落ちており簡単に倒せるようになって怖さ半減。Mechも以前の様に死んでも最後にミサイルを撃って来るというのが無くなったので弱くなったと言えるだろう。
 新規で厄介な敵としては、Kamikazeの代わりに接近して来て爆発するピエロは耐久力がそこそこ有るのに加えて、まとまって出現するので対処が忙しい。アメフト・オークは耐久力が高くて速い上に集団で出て来るので、近付く前に出来るだけ倒さないと逃げ切れなくなる可能性が高い。Shotgun Zombieは遠方からでも当たるShotgun攻撃が有って、倒す時には完全に破壊しないと復活してしまうようになっている。高速で不規則に飛び回るWitchは攻撃が当て難く、大量に発生する箇所では厄介な存在になる。

 SSIIでの大きな変更点としては全体的に敵の数が減ったというのがある。それでも十分に敵は多いのだが、これまでと比較すると物足りない感は否めない。それと一連の集団を倒すと段階的に登場するというパターンが増えており、これまでの様に50,100といった数を一気にというシーンはほとんど無くなっている。難易度をSeriousにしてもそれ程敵は増えないという仕様であり、ここはXboxとの平行開発というのが影響しているのか?と思えてならない。
 旧世代コンソールで大量に敵を出し難いというのには3つほど大きな原因が有る。一つはビデオとサウンド処理重視でCPUの性能はあまり高くないので、大量の敵のAI等の処理が追い付かないという面。二つ目は解像度の問題で、基本的に大量に敵を出すには広い場所が必要とされてくる。しかしコンソールの最低表示環境となれば14/15インチのTV辺りを想定していると思うのだが、こういったPC用モニタに比較してボヤけたTVの画面に解像度640*480(Xboxの水準)程度で表示すると、遠くの方に多くの敵を出してもそれぞれの固体がよく見えずに識別出来なくなってしまう。つまり識別出来ないレベルにまで遠くに敵を出してもしょうがないのでそれなりに狭くする。そうなると大量の敵は同時発生させられないというデザインになる。
 3つ目はAutoaimとの関連性で、コンソールのFPSでは標準的に使われているこの機能は、敵の位置がハッキリと分離出来る位に離れていないと上手く作動しない。遠く離れている数多くの敵は固まって見えるので、Autoaimをどれに合わせるのかが計算し難いし、合わせたとしても撃っている方からは単なる固まりを撃っているようにしか感じられなくなる。Autoaimに合わせて照準表示を大きくしているケースでも、その照準の中に多数の敵が入ってしまう位に敵が固まると問題あり。

3.Vehicle
 様々な場所でVehicleやTurretを操作可能になっており、その種類は8個程度。乗り物についてはレーザー弾で攻撃可能なスタンダードな物から、恐竜の背中に乗って戦えるとか、或いは棘の付いた転がるボールの中に入って攻撃する事も可能となっている。

 私自身はアクセントとしてこういった要素を導入するのは賛成なのだが、こういったVehicleやTurret系はバランスとして強過ぎるという感がある。耐久力がHP500と非常に高いし、弾数無限な上に攻撃力もかなりのものを持っている。Turret類は動けないのでそれは弱点と言えるが、Vehicleとしてよく出て来るBarracudaは移動も高速な為に敵の弾を避けながら攻撃可能で、上手く使えば相当な破壊力を発揮する事が出来る。
 こういったVehicle類の登場シーンでは敵の数もそれに合わせて相当増やされるのだが、これは同時にVehicleでの戦闘を強制するという意味合いが強く、Vehicleに乗るのを拒否して戦っても移動速度や耐久力の面からクリアが困難というバランス設定。ミスったりして早期にVehicleを壊されてしまったら、もうLoadしてやり直すしかないという箇所が多い。しかしあくまでもSSamとはFPSであり、自身の武器で敵を倒す点に面白さが有ると考える場合、あまりにもVehicleでの破壊力が高過ぎてアンバランスと思えてしまう。

4.NPC
 世界毎にSamに協力してくれる種族が存在しており、彼等はHealthやAmmoを分け与えてくれる。或いは独自の武器を持って一緒に戦ってくれるというケースもある。この点についてはどんな風に組み込まれるのか気になっていたのだが(あまり敵をNPCに倒されても面白くなくなってしまうだろうし、生かして連れて行かないとならないとなるとストレスになる可能性が出てくる等)、それ程ゲーム性には影響を与えておらず、ストレスにはならないが面白味も加えていないというレベルに収まっている。

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