GAMEPLAY |
ゲームのボリュームとしてはかなり長く、難易度Stalker(Medium)でクリアまでは30時間以上掛かった。個人的にはレビューの為にマップ内を探索したり実験的な事をやったりしていたのでもっと早くクリアも可能だったが、アーティファクトを初めとして様々なアイテムを集めたりしていればやはりそれ位は掛かる人も多いと思われる。徹底的にやるなら40-50時間コースという印象のゲーム。開発側の話では探索行為を最小限に済ますならば20時間程度でクリア出来るとしているがそんなものだろう。 前作もかなり高い難易度のゲームであったが、今回はそれを越えて更に難易度が上がっている。まずは戦闘の難易度が上昇している。そしてこのCSでは金を稼いで装備をアップグレートするという要素が加わっており、これが難易度を上昇させている最大の要因である。 SoCは戦闘の難しいゲームであったが、その戦闘さえ突破可能な能力があるのならば、比較的短時間でのクリアも可能という内容だった。メインのクエストを追って行く過程で徐々に強い武器も手に入って行くし、アーマーもそれなりの物が入手可能になっていたので、アーティファクトの様な探索要素にあまり時間を掛けなくても大きく不利にはならなかったのである。 ところがCSでは一般的なRPGの様に装備の充実というのが重要になっており、それを実現させる為には金を稼がないとならないゲーム性に変わった。要するにRPGでは、早く先に進めたいと考えても、地道に経験値稼ぎや得た金を使っての装備の充実をしてからでないと、先のエリアの突破が困難になるという構成が多いが、それと同じでCSでは武器はデフォルトの状態では性能が低く、また高度なアーマーは(おそらく)マップ内では入手出来ないようになっている。つまり金を稼いで武器と装備をグレードアップしないと非常に不利になり、しかもその金を稼ぐのが相当厳しいバランスとなっているので、それが難易度の上昇に繋がっている。この点については別の項で詳しく解説する。 ゲームの舞台は前作同様にZoneと呼ばれるチェルノブイリ原発周辺地域に限られている。マップ数は全部で12個。前回は18個だったが、その構成が地上マップ12+地下6だったのに対し、今回は地上11+地下1という構成で、地上部分の広さとしてはそれ程大きな変化は無い。ホラー要素を強めた地下マップについてはリニアに進行する事から前作でも賛否両論だったが、今回は一つだけでしかも短くなっている。 各マップのサイズについては、中にはSwampの様に相当広い物も含まれてはいるが、基本的にはSoCと同程度の物が中心。「確かにもっと広いマップが欲しいという要望も多いのだが、マップ内にリアリティを出す為には精巧に作られた多彩な3Dモデル(オブジェクト)も必要になる。限られたマップデータ量の中で両方を達成するのは不可能であり、オブジェクトのデータを優先させた結果としてマップのサイズはそれ程大きくは出来ない」とコメントしている。Swampでは建造物等のオブジェクトのデータ量が少ないので広大に出来るという意味。 SoCからのマップの変化という点では、残念ながら期待していた程では無かった。まず完全に新規のマップは全体の半分と宣言されていたのだが、実際には3個だけである。そして自由に探索出来るのはスタートとなるSwampだけで、残り二つは終盤のリニアな進行のパートで出て来るマップとなっている。 次にSoCにおける大規模な地殻変動前の世界なので、マップの構造が異なる物も含まれているが、これはRed Forestと地下マップの二つだけ。残りは組織の本拠地等の内部状況が異なるものの、建造物の位置等はほぼSoCと同一である。SoCをプレイ済なら迷わないで移動し易いというメリットはあるが、新鮮さという面では満足行くレベルではない。 ゲーム進行は大半が自由行動で、最後に来てリニアな形式になるという点は変わっていない。しかしこの構成も今回は不満が残る出来。SoCと同様に元に戻れなくなるポイントが存在しており、今回はLimansk以降がそれに当たる。第一の不満は、このLimansk以降は計3個のマップから構成されているのだが、最後まで行くのに2時間程度しか掛からないと呆気ない位に短い。第二にここ以降は完全に普通のFPS風に一本道の展開となり、プレイヤー側に探索の要素が用意されていない。一本道に決められたルートを敵を倒しながら進むのみで、アーティファクト等も無いと思うし改造等も出来なくなる。(修理だけは頼めるメカニックが存在する)。SoCでは同じく引き返せなくなるPripyat以降でも探索要素やルートの自由度はある程度残っていたが、それが無いので面白味は今ひとつ。 また発売前の宣伝でも多く使われていたLimanskのマップは、普通の町並みを再現した他とは異なる印象を与える物となっており、開発側でも今回の一番のお気に入りと話していた。しかし完全にリニアに進行するパートに使われているので、その美しさが十分に活かされていないと感じられる。自由な探索パートとして使って欲しかったマップでこれは残念。 エンディングは前作とは異なりマルチエンディングではない。また途中の分岐によってプレイ可能なマップが追加されるという要素も無い。 今回の目玉となる組織に属しての活動だが、確かに加入する組織によっての変化は実現されている。マップによって敵対する組織が変化するので動き易い場所と動き難い場所が変わるし、自分自身が組織の勢力を伸ばすのに協力する事でZone全体での組織人員が増加し、それにより動き易いエリアが増えるようにもなっている。詳細に検証した訳ではないが、加入組織によってイベントとして発生する(依頼される)クエストも幾つか用意されている。また近場での組織の争いに呼び出されて加勢したりするのもランダムに発生するし、それも含めてマップ内を自分の意思で移動しているNPCグループへの遭遇もリアルさを増している点といえる。 ただしそれ程その変化は大規模な物ではない。敵対する組織が固定されており、例えば事前に設定されている敵組織を倒した後に、更に勢力拡大の為に他の組織をも倒そうとするという流れにはならず、その意味でプレイの度に大きな変化が見られるという構造にはなっていない。ランダムにマップ内のポイントで奪い合いが発生して確保する組織が変化するというのは見られるが、対抗組織が固定なので全ての組織がランダムにどこでも確保する可能性がある訳ではなく、その変化は限定的である。4つの加入可能組織別の変化を味わえる程度。この辺は現段階でのA-Life処理の限界で、ランダム性をある程度抑えないと想定しない事態が発生してゲームが進まなくなる危険性があるという観点からの制限だろう。 それと組織に加入せずに単独行動する自由度は持っている。事前の情報では加入しないと非常に厳しいという話だったが、実際には敵対していなければ組織のトレーダーやメカニックともコンタクトが可能だし、特別に不利という事は無いと思われる。逆に組織に入ると敵対組織にはアクセスが不可能になってしまうので、単独行動よりも不利になる要素も存在している。 クエストは組織内の重要人物(マップ上にて青印)や、ミニマップ上にて○印が付いているNPC(プレイヤーを見ると手を振ってくれるNPC)から受け取れる可能性がある。後は自動的に拠点を確保しろと指令が入ったり、近場から戦闘中にヘルプを求める通信が発生したりする。サブとなるクエストはFailedになったりもするが、特にペナルティ等は存在しないようだ。 (サブ)クエストはそのNPCが持っている一覧が表示されるのではなく、ランダムに一つずつ出てくるようになった。よって何回か繰り返し聞かないとどれだけのクエストを持っているのかが判らない状態で、これは不便になっている。またStash(隠し場所)の情報を売るという形式が大半になり、金を先に払って購入しないとならない。 逆に便利になったのは、会話の質問でその中身は何が入っているのかを聞けるようになった。(分からないという返事も多いが)。つまり買い取り金額と中身を比較して受けるかどうかを決められる。他は要求するアイテムを探して持って来てくれとか、捕まっているNPCを助けてくれといったタイプがほとんどで、こういったタイプでは事前に報酬額は分からないのが普通。 なお一般的な依頼タイプのクエストでは、依頼したNPCの組織の本部のトレーダーから報酬を受け取るという形式になっている。なので例えばアイテムを探して来るという場合、探した物を本人に持って行ってクリアしたら、その後その人物の属する組織の本拠地まで行って報酬を受け取る必要が出て来ると移動が面倒になった。ただその際には実際に幾ら貰えるのかが表示されるので、額によっては無視してしまって近くに寄った時にでも受け取るという風にしても良い。 重量制限はSoCと同じ。スプリントする際の速度や持続時間は、最大運搬重量値に対する実際に今持っている重量の割合で決まり、比率が低いほど長時間スプリントが可能である。スタミナが無くなったら止まって回復を待つか、スタミナドリンクを飲んで一気に回復させるかになる。最大重量値を越えるとスタミナの減り方が著しく上昇するようになり、10kgを超過すると全く動けなくなる。この最大値はデフォルトで50kgだが、アーマーの改造やアーティファクトの能力を借りれば100kgまで伸ばしたりも出来る。 しかし今回はアイテムの売買の為に多くの荷物を運搬したり、同じく売買の為にいろいろな場所へと行ったり来たりが増えているので、SoCよりもこのスタミナの制限による移動のストレスが溜まるゲームとなっている。SoCの時にも既にこの点への不満は多かった訳だし、制限はあるにしろもっと楽に移動可能にして貰いたかった。重量制限緩和Modの人気が高いのも頷ける。 評判の悪かったPDAのI/Fは一新。マップ画面の参照やクエストの一覧が見易くなっており、これはプラスと評価出来る。 賞金稼ぎの為のミニゲームは、対戦形式ではなくシューティングの技術を競う形式になった。結構難しそうだったので少ししかトライしていない。ただSoCの対人戦に比べると緊迫感が薄いと感じられる。 発売当初からバグが非常に多く、スクリプトが上手く動かずにゲームが進行しなくなるというトラブルも多かったようだ。ゲームのレビューは発売と同時に書かれる物が多いので、その意味で評価点としても大きなダメージを受けている。私がプレイした1.5.05では進行に関するバグには遭遇しなかった。セーブに互換性が無いので、初期のバージョンで詰まった人は最初からやり直さないとならないというのも大きな問題である。前作でもバグについては問題視されており、自由度が高い分想定しない様な事態が発生してしまう可能性が高いのは理解出来るが、それにしてもプログラムの構築能力に問題があるのではないかと感じさせるような結果である。 それに関連して定期的なセーブは欠かさない方が良い。オートセーブは別のマップに入ると上書きされるので、マニュアルで定期的にセーブしないと、もし進めなくなった際に戻る地点が相当前になってしまう。 |
MONEY |
SoCでは金を稼いでも使い道が無いという事から、今回は稼いだ金で装備のグレードアップが行えるようになっている。だがそのバランスが相当にシビアであり、それによってゲームの難易度がかなり上がっている。プレイ前にざっと読んだりしたレビューでも、金の要素が厳し過ぎるという批判は多く目にしていたのだが、実際にプレイしてみると確かにその通り。全般的には「稼げる金が少ない」、「金を稼げる要素が少ない」とも言えるし、改造全般に掛かるコストが高過ぎるとも言えるが、どちらにしろバランスとしては厳しい事に変わりは無い。 根本的に何故金が必要になるのかだが、その理由はデフォルトの状態の武器やアーマーの能力が低いからである。つまり今回は改造可能という要素を導入したので、改造されていない状態の銃は性能が低いという設定にされている。SoCレベルと同等の武器の性能を得るには、武器をある程度は改造しないとならない。徹底した改造によってSoCでの性能を上回れる余地も持っているが、逆に改造しないと性能が低いままという意味である。SoCをプレイした方なら序盤の武器の当たらなさを体感していると思うが、あそこまででは無いにしろ、武器を改造しないでゲームを進めると常に命中精度の低さに悩まされる羽目になる。 アーマーの方も改造可能な要素は多いが、武器ほどには改造無しでも性能が落ちるという事は無い。しかしアーティファクトを装備する為のスロット増設やナイトビジョンの装備等、本来の防御要素以外に重要となる改造箇所を備えている。また損傷が進む速度は銃よりも当然激しく、損傷ゲージの値に比例して能力自体も落ちるという仕様なので(例えばゲージが半分なら、本来持っている防弾性能の半分しか発揮出来ない)、メカニックに修理を依頼する頻度も高くなる。しかしこの修理代金が相当高額である。 メインのクエストを追って行くだけで十分な改造費が報酬として稼げるのならば問題は無いのだが、到底そういうバランスではなく、ゲーム内でそれなりの時間は金を稼いで装備を充実させる為の行為に費やさないとならない。例えば回収して売れるような良い武器を持っていそうな敵に戦闘を挑むとか、地道に組織から拠点確保の依頼をこなすとか、マップ内の広範囲&長距離を移動してメインの進行とは関係の無い戦闘やクエストを行って金を稼ぐ必要があるというバランス設定である。戦闘の難易度は設定を下げれば緩和出来るが、こちらの金稼ぎ要素は難易度を下げても料金が安くなったり大金が稼げるようにはなっていない(細かな変化が有るのかは未検証)。 実際にどういう具合にシビアなのかだが、まずは売る方について。倒した敵から武器を拾って来て売るというやり方は誰でも行うと思うが、買取金額は武器のステータス欄に表示される定価よりも遥かに安く、無改造の物だと1/10程度である事が多い。しかも重量制限から大量の武器を運ぶ事は出来ず、取り合えず重量一杯まで持つと移動スピードが落ちて回収から売却まで時間が掛かるといった風で、金はそこそこ稼げるが効率はあまり良くない。ただし稀に既にある程度の改造が行われた武器が死体から入手出来る事があり、これは売るにしてもかなり高価になるので、武器の回収による金稼ぎは重要である。その他のアイテム類も売却価格は安目で、相当大量に集めないと大した金額にはならない。 プレイ前は金を稼ぐのならアーティファクトと考えていたのだが、これは思っていたほど有効ではない。まず別の項でも書いたように、SEVAスーツが手に入るまでは入手自体が困難である。次に正確には判らないがZone全体でも数は40個以下ではないかと思われ、そしてリスポーンもしないので入手数が限られている。(マップを徹底探索した訳ではないのと、クエストで報酬として用意されている数が不明なので定かではない)。その上に全部を見付けるのは大変だし、見付けたとしてもアノマリーのダメージが大きいので取れるとは限らない。 しかも入手したとしてもその多くは極端に高価という程ではなく、非常に高い物は持って装備する方が良いので売り難いとなっている。その上にアーティファクトを3000RU程度で売ったとしても、武器やアーマーの改造は中クラス以上のランクになると一箇所3000-5000RUといった相場なので、確かに金を稼ぐのに有効な手段の一つだが楽になるというバランスでは到底ない。最後にアノマリーに対抗するアーマーの強化改造費や、アノマリーに突っ込んだ時にアーマーが大きな損傷を受けて修理費が掛かる点を考えると、投資に対する回収額の利益効率も良いとは言えないレベルである。 この様に直接的なアイテム系による金儲けは困難なので、クエストによる金稼ぎに期待したいのだが、大金を得られるようなクエストは数少ない。よって地道ではあるが、組織に属して闘争拠点でのランダム戦闘に参加するという手法も案外有効である。付近をうろついて敵の襲撃による応援要請を待つか、敵が奪っている場所ならば一人で倒して味方の到着を待つ。通常の報酬は500-100程度と少ないが、達成までの時間が短いし繰り返せば結構なお金になるのでまとまったら受け取りに行けば良い。 他にはNPCやミュータントを攻撃してから引き連れて来て他のポイントを守る連中と戦わせて、戦闘終了後に双方の死体から良い武器を拾うというセコい作戦もある。 しかし結局は改造や修理費が高額過ぎて、常に貧乏という感覚は付いて回る。地道に長時間掛けて金を稼いで武器を最高の状態まで持って行くというのも一つのやり方だが、多くの人ではそれなりに上がったら後はゲームを進める方に回るという風になると思う。それ位に装備を改造する為の金を稼ぐ労力のバランスはキツく感じられる。 当然購入する方も制限される。普通のアイテム類は定価よりも高かったりするし、そもそも定価でも購入を考える位に収支は厳しい。基本的には敵からは(滅多に)手に入らない物を買う程度で、ほとんどのアイテムは敵から回収した物で間に合わせてトレーダーから買う事は無くなる。 総合的な感想としては、あまりにも厳し過ぎるという印象。簡単に何でも買えるというのも良くないが、もっと改造費は下げるべきだろう。これだと金稼ぎが面倒なので、大して改造をせずに強引にゲームを進めるという人も増えてしまうと思われ、せっかく用意した改造要素を体験して貰えない可能性も増加して意味が無い。 <参考> 一つ気になっている未検証の点があるので書いておく。もしかするとフラッシュドライブを集める事で序盤の金不足をある程度補えるかも知れない。これは武器の改造データが入っているアイテムで、価格差はあるが高価な物だと10000RUを超える物も存在している。まず最初に各組織のメカニックに尋ねると、各人が3個のフラッシュドライブ回収のクエストをくれる。その後トレーダー等にStashの回収クエストを繰り返し尋ねると、その中に中身がフラッシュドライブという物が現れたりするのでそれを購入する。(これはその組織のメカニックから依頼を受けると、その後に多く出現するような気がする)。これを各組織の拠点で繰り返して、後は発見した物をそれぞれの欲しがっているメカニックの所に持って行って報酬を得るというやり方。 個人的には「もしかしてこれは思ったよりも金を稼げるのか?」と気が付いた時には、既に組織に属していたので敵対組織のメカニックやトレーダーにはアクセスが不能となっていた。またゲームが進んでしまうと、本来ならばフラッシュドライブの回収クエストをくれる人が反応しなくなってしまう様にも思われる。 また[SW]MAD さんからの情報で、「バーでは食べ物や飲み物を定価で買い取ってくれるので、序盤ではこれ等を集めて売ると結構な稼ぎになる」そうだ。 |
COMBAT |
戦闘の仕様で変化した点としては、以下の通りに主にダメージの扱いが変わっている。 *出血状態がアイコンの色では判断出来なくなった *出血は自動的に治る事が少なくなり、包帯での治療は1-5個程度の数を要する *出血ダメージによるヘルスの減りが早くなった。また治療しても元に戻るまでには時間が掛かる。 *メディキットと包帯は別物となっており、メディキットで治療しても同時に出血が治るケースは減っている 座ったりと姿勢を変えた時に、滑らかなアニメーションではなく急に切り替わるという仕様は同様。また立っている時と座っている時の高さの変化が少なく、パッと見ただけではどっちの状態なのかが判らないのも同じ。しかし今回は姿勢表示のアイコンが無いので、立つと座るのをトグル方式で操作していると今がどちらの状態なのかが判り難くなった。それとオブジェクトに近付いた状態だと、座る動作をしても引っ掛かってしまって出来ないというケースが増えている。 武器類は金の項目で書いたようにデフォルトの状態では性能が低くなっており、例えば命中精度は相当に低い銃が多い。照準のサイズで命中精度は比較可能だが、止まっている状態でも通常のゲームでフルオート連射した際の最大の広がり程度だったりと、異様に命中精度は低く設定されている。その為に様々な改造するまでは戦闘で敵を倒すのは大変になる。しかも命中精度だけを改造すれば良いという訳ではなく、弾のスピード(水平性)を改造しないと遠くの敵に届くまでに重力の影響で下に落ちてしまったり、リコイル(反動)を直さないと跳ね上がりが激しくなったりといろいろと問題あり。 アーマーは修理可能になったが、その分お金が掛かるようにもなった。マップ内に置かれてもいないので、報酬で貰う以外は買うしかないが高価である。改造もかなり行えるが、やはりそれには金が要る。よってSoCの様に幾つかを所持してタイプによって使い分けるというのも難しい。 実際の戦闘面での変化としては、弾が障害物を貫通するというのがより目立つようになった。木の様なオブジェクトは貫通し易いし、堅い物でも貫通してしまうケースもある。その為にカバーの背後でも安心が出来なくなった。基本的には東側の武器は性能的に劣る分、この貫通力を高く設定しているという話である。 敵の実力も命中率等の戦闘能力が上がっているという印象で、多数の敵相手の戦闘はSoCよりも難しくなっている。戦闘中にはよりカバーを上手く使うようになり、Blind Fireも使用してくる。オブジェクトに穴が空いている場合ならば、その空間を認識して攻撃も可能とされている。全体的に接近しての戦闘は厳しく、距離を置いての戦いを強いられるというゲーム性。よほどの実力差がある相手以外は、物陰から左右へとリーンしてダメージの可能性を最低限にする様な戦い方が必須なのはSoCと同じである。 ミュータントも前作の反省を受けて手強くなった。一匹ずつ正面から襲って来る傾向から、同時に周囲から攻撃する様にAIが変えられている。またSoCでは高台に上って攻撃するのが有効だったが、今回は岩程度ならば登って来て攻撃するようになって、攻撃出来ない高さならば散って逃げてしまう事も多い。その為に4-5匹以上を相手にすると結構危険な相手となる。Bloodsuckerも透明化の能力が変化しており、この状態では弾が透過するのでほとんどダメージを与えられない。(ただし逆に攻撃されてもダメージはほとんど入らない)。そしてこちらもプレイヤーの背後に回って攻撃するような傾向が強められている。 中でも非常に厄介に感じられるのが、敵がグレネードを投げられるようになった事。この投げ込みが非常にというか不自然なほどに正確であり、壁越しでこちらの位置が判らないはずなのに正確に近くに放って来る。インジケータは出るが他のゲームに比較して出てから逃げられるまでの時間が短く、相当回数これで死ぬ事になるだろう。SoCでは全く投げて来ないのでその点は脅威に感じない様になっていたが、今回は可能になったとは言えちょっとバランスとしておかしい。 以上の様に、戦闘の難易度が高かったSoCよりも更に難しくなっているのは間違いない。Noviceにすればダメージが大幅に緩和されるのでキツいと感じる人はそれでプレイすれば良いのだが、非常に戦闘が難しい部類のゲームであるのは確かである。 バランスとしてはヘッドショットが有効なのは変わっていないが、前作よりも更に極端にそれが効果的になっているように感じられる。ほとんどの敵はヘッドショットさえ決まれば一発で倒せるが、逆にボディー等に命中してもアーマーを着込んでいるタイプだとなかなか倒せない。こちら側もあまり無いとは言え、ヘッドショットされるとヘルスが多く残っていても即死という風になっている。 命中率が低いというのもあって、スコープが付けられると頭を狙い易くなって有利。中程度の改造に組み合わせれば、命中しないというストレスも大分軽減される。ただし撃っている最中にはHUDが見えないのでヘルスの状態には気を付けないとならない。同様にスナイパーライフルは相当効果的で、あまり持っている敵が居ないので距離が置けるエリアならばかなりの優位に立つ事が出来る。SVD, SVUはFreedomにしか改造してくれるメカニックが居ないので、敵対組織に入っていてアクセス出来ない状態ならば、改造済の物を拾ったら大事にしておくべき。弾も敵からの回収が難しいので、これはトレーダーから多目に買っておく。 アーティファクトの放射能による組み合わせ制限と、アーマー側のスロット数が限定される関係上、SoCの様にヘルス回復や出血回復等の有利な物を5個併せ持って戦闘能力を強化可能という風にはなっていない。複数のアーマーを用意して、それ等を全て十分に改造するというのは金銭的に厳しいし、また有用なアーティファクトを多く揃えるというのも今回は時間と手間が掛かる作業になっている。なので基本的には選択肢は二つになると思われる。 アーマーを大きく分けると、「防弾性能に優れているが放射能やアノマリーへの耐久力は低く、アーティファクトのスロットも少ないタイプ」と、「放射能やアノマリーへの耐久力は高いが防弾性能は低くて、アーティファクトの装着スロットは拡張可能なタイプ」になる。前者の場合にはアーティファクトでの強化には余りこだわらず、スーツ本来の防御性能で守るというスタイル。後者の場合にはその性能を活かしてアーティファクトの取得に力を入れて、それによるヘルス回復や出血回復の能力を使って防弾性能が低い分を補うというスタイル。どちらも利点と欠点を持っており、この辺は好みにもよるだろう。いずれにせよSoCでは戦闘時にも大きな力を持っていたアーティファクトは、今回はそれによる能力強化にはあまりこだわらなくても構わないという選択肢が存在しており、その有用性や重要性は低く設定されている様に感じられる。 同様に装備関連では、銃を持つかアーマーを持つかという選択肢も在る。重量制限を改造等で上げれば3-4個の武器を携帯可能にもなり、ケースに応じて使い分けが可能になる。一方で武器数を諦めるならばアーマーのスペアを持つ事も可能になり、戦闘時には防弾性能が良い物に着替えるという戦い方も出来る。 |