基 本 仕 様 |
最大で16人までのプレイが可能であるのが大きな特徴であり魅力でもある。既に発売から10年が経過しているが、同様にキャンペーンを16人でプレイ可能なゲームは他にほとんど発売されていない。 サーバー側で様々な設定変更をサポートしており、このルール変更の多様さも面白い点の一つ。 *Weapon StayだけでなくAmmoとHealth Stayが独立設定可能(各人が独立してアイテム類を取れる) *敵のベースとなるHPを400%までUP可能 *参加人数に応じて敵のHPを最大で200%まで自動的に調整可能 *Infinite Ammo(弾数無限)にも出来る *マップ単位で死亡回数に制限を付けられる(デフォルトでは無限) *Friendly Fireのオンオフ *復活時の無敵時間を設定可能 パッチで追加されたRespawning in-placeという設定も有り。これは死亡時の復活に関するオプションで、YESの場合には現在の復活ポイントではなくて、死んだその場所に復活する。ただし溶岩や崖等で死亡の場合には通常のポイントに復活する。なお復活時にリロードキーを押しておくことで、その場所では無く通常の場所にも復活出来る。この設定には利点と欠点の両方あり、どちらを使うかは微妙な所である(デフォルトではオフ)。 ○死んだ時点の武器と弾薬がそのままの状態なので、大量に弾薬を持っている時は有利 ○シークレットの武器が死んでもそのまま残る ○ユーザー製作マップでCoop用の設定がされていない物でも、これを使うとスタート地点に復活しない為にCoopが出来て便利 ×弾薬が無くなった場合に死んでもリセットされないので、実際に弾薬を補充する地点まで行かないとその武器は撃てない ×死んだ後にその敵のすぐ近くに復活してしまう可能性が高い ×敵を倒さずに進めてしまうプレイヤーがいると問題有り 問題は勝手にプレイを進めてしまうプレイヤーへの対処。これがONの場合、何回死んでもその場に復活出来るので特攻がし易くなる。例えばある扉に到達すればフラグが立って次に進めるというケースにて、敵を全く相手にせずにそこへ向かって行ってゲームを進めてしまうプレイヤーがいると、ゲームの進行がおかしくなってしまって普通に倒してから進めたいプレイヤーに迷惑が掛かる。 一方でOFFにすると死んだ場合には復活ポイントに戻されてしまうので特攻はしにくくなるのだが、逆にロケットジャンプ等にてショートカットされて復活地点を先に進められてしまうと、他のプレイヤーが死んだ際にもそこに強制的に移動させられてしまうという弊害が起きる。全部敵を倒し切らない内に先に進んでいってしまうという事。 プレイの際に選択可能なキャラクタモデルも非常に豊富で、ボクサー, ファンキー, ロックスター, 西部のガンマンからサンタまで、普通のゲームだとユーザーが冗談半分で作成する追加モデルの様な物が最初から入っている。 |
ネットワーク |
ゲームへの接続そのものはメニューから簡単に可能でわかりやすい。Specifyから直接サーバーのIPアドレスを入力してやるか、インターネット検索をかけてやるかになる。システムにはGamespyの機能を使用しており、その検索メニューも初期からは大分改善されている。サーバーへの接続形態はモデム,
ISDN, LAN等から選べる。 このゲームの優れている所はネットコードの優秀さである。基本的にCo-opはインターネットを通してやると重い。ネットでのゲームでは各人に送るデータ量をどれだけ減らせるのかが重要なのだが、デスマッチにおいては位置情報を送る対象物が参加人員と軌跡が見える武器の弾だけというのが普通となる。その為に8人参加でもそれほど送る情報が大量に発生するケースは無い。ところがキャンペーンのCo-opでは参加が4人でも、敵が発生するとその全ての位置情報まで正確に各人に送らねばならず重くなってしまう。それなのにこのゲームでは大量の敵の同時発生と多数のロケット弾が宙を舞ってもネット上でのワープやラグが起きにくいようになっている。これまでのゲームのCo-opと比較するとこの軽さは画期的と言って良い。 これに関してはプログラムその物の構造はもちろんなのだが、Prediction(予測)技術を最大限に活かしているのが大きいようだ。モンスターの動きが単純なのを逆に利用して、送るデータを省いてしまっているのである。LANやシングルプレイ以外の時には内部的にPredictionがONになるようになっており、その値をcli_iBufferActionsというパラメータで調整している。この値(1〜5)により敵の動作による位置情報をカットしてデータ量を減らしているのだ。つまりこちらに向かって敵が走って来る時に、その動きが直線的な事から途中の細かな位置情報の送付を省いてしまい、この速度ならばここにいるはずだというのをクライアント側で処理してしまうのである。そして定期的な間隔でそのサーバー側における実際の位置を確認し、もし何事も無くクライアント側の予測位置と合っているならそのまま何もせず、位置や状況が異なっている時だけサーバー側の情報に合わせて修正する。これによってあたかも自分の画面上ではワープも無くちゃんと動いているように見えるという訳だ。 もし0.1秒に一度正確な位置情報を送るべき所を、1秒に1度にしてしまえば送付するデータ量は大きく減らすことが出来て、低速回線のプレイヤーにとっては大きな利点となる。もちろん弊害が無い訳ではなく、Predictionの幅が大きいほど修正が数多く発生してしまう。例として自分の近くに引き付けて敵を倒したりすると、一瞬自分が死んだ画面が出てから元に戻ったりするという現象が起きる。これはPredictionによって攻撃を受けたと先に計算されてしまって死んだと判定された後に、サーバー側でちゃんと攻撃される前に倒したと修正された事によるものだ。或いは他者が倒した敵が突然消えて見えたり等。 とは言ってもはやはり敵の出現率が半端ではないので激戦区では重いのは確かだ。特に難易度SeriousがCo-opではお勧めなのだが、これは当然敵の数が凄いので回線的にもキツいモードとなる。有名な箇所としては、最後のマップの2番目のパートとなるピラミッドへと一直線に向かう所では、負荷の為か次々とプレイヤーが落ちるという現象が発生する。これは経験上どこのサーバーでも出るので、パフォーマンス的にFEのネットコードでは限界という事なのかもしれない。残念ながらこのFEのネットコードはその後の作品に比較して劣る物となっており、モデムやISDNクラスの回線ではCo-opのプレイに問題が発生する可能性が高い。 *マップ切り替え後に接続出来ない状態となる。後半Metropolis以降のマップサイズが大きくなるほど顕著。 *ゲーム進行中に接続が切れてしまい、その後再接続を試みてもつながらない 具体的には“Too many bad sync”や“Stabilize Connection”といったメッセージが出た状態で止まったようになってしまう。ゲーム内の他人の動きとかは見えたりもするのだが、自分はキーを押しても動けずにchatも出来ない(ゲーム内の正常なプレイヤーからするとただ突っ立っているように見える)。そのまま待っても再び同じエラーメッセージが出るし、F9を押してReconnectを何回試みても同じような状態で入れない。 これはまず最初にマップのDefaultのデータを読み込んだ後、変化の有った部分の内容をサーバーから受け取る際に、ゲーム内の進行データをサーバーから受け取り切れないという事から起こっている。サーバー上のゲームは動いているので、その変化分を受け取ってサーバーと状況が一致して初めて接続出来る事になるのだが、回線速度がその変化分を受け取れるほど速く無いというケース。一般的にはマップ内のデータが多くプレイヤー人数が多いほど変化の度合いは激しくなるので、後半のマップ, 参加人数の多いサーバー, 難易度が高い(敵が多い)サーバー, 現在プレイされているのが激戦個所(データの更新が激しい)、であるほど接続はしにくい事になる。対策は特に無く、Pingが良いとか参加人数の少ないサーバーにてプレイするしかない。 なおこの問題はその後の個々の回線速度の上昇によって改善されてはいるが、サーバー側で転送レートの設定をしたりしないとやはり発生するという恐れはある。それとどれだけ設定しようがネットコードの限界による障害というのは治しようが無い。初代SEのネットコードはモデムやISDNクラスをメインにして最適化されているので、現在の高速回線でも恩恵を受けられないケースが在る。 ゲーム内のメニューからもDedicated Serverは選べるのだが、本来の意味でのコンソール起動タイプのDSはTrue Dedicated Serverとしてスタートメニューから起動するようになっている。この辺のパラメータ等はReadmeに書いてある。或いは起動ツールのSerious Runner(SE)を使うという手もある。 当然DSの方が快適だし安定性も高い訳だが、Listen Serverではマップ途中でホストがセーブ可能なのに対してDSではこれは行えない。何かあれば再起動してそこからやり直せるので、その点ではLSの方が優位。 パスワード関連。一部はV1.04以上にて可能。 net_strConnectPassword 通常のパスワード net_strAdminPassword adminとして接続する時のパスワード net_strObserverPassword 見学者として接続する時のパスワード net_strVIPPassword VIPとして接続する時のパスワード。net_iVIPReserveにて確保しておいた席に接続する時に使う。 |
評 価 |
難易度をSeriousにすれば多人数(4人位まで)でも十分に手応えがあるし、サーバー側の設定にて敵の硬さを変更出来るのでより多人数のCoopでも楽しめる。この参加人数に合わせての敵の硬さ変更が可能な点は非常に便利であり良い機能と言える。敵が四方八方から来る構成の場所が多いので、人数がいても気が抜けない個所が多く緊張感も保たれている。ただし16人参加ではさすがにバランスが取れず、敵を硬くし過ぎると少人数での処理の際に困った事になってしまう。8〜10人程度が適切にプレイ可能な最大レベルである。 全ての敵を倒し切るまで次には進めないというエリアが多いので、他者を無視して一人で突っ走るタイプのプレイヤーの抑制にもなっているし、リスポーン箇所についても進行と共に随時移動していくので、遅れた人でも自爆で追いつけたりと長い距離をひたすら移動といったケースも無く、Coopとしては理想的とも言える仕様のゲームである。HD版のリリースによりその存在価値は減ったとも言えるが、HDよりもこちらの方を好むという人も多いので、Co-op用ゲームとしての価値はまだ保たれていると言えるだろう。仲間内でサーバーを建てたりしてプレイするなら今でも楽しめるゲームである。 一方で問題としては以下の様な点が挙げられる。 ×短いマップや簡単なマップが結構有り、その後のシリーズ作品に比べるとボリュームとしては少な目 ×武器が徐々に出てくる構成の為、強力な武器を自由に使えるようになるのは最後の5マップ程度となる ×協力して何かをするといったシステムは持っていない。単に個々が敵を倒していくというゲームである。 ×構成がシンプルで変化には乏しい ×ゲームが終了しなくなってしまうバグが存在する 最後にバグ関連。まずFEにはゲームがそれ以上進行出来なくなるバグが2つ存在している。いずれも最後のThe Great Pyramidのラストの戦闘部分で、これになったらサーバーを再起動するしかない。 ・最後の戦闘場所に切り替わった後、ラスボスがエリア内に入ってこない ・ジャンプして点灯させるランプの内、最後の4つ目が点灯しなくなる これは正確にはバグではないのだが、Karnakにて問題が起きる個所が有る。野外の巨大なプールの場所からロケットジャンプにてショートカットして、先の像が並んでいるエリアに行ってしまうプレイヤーがいるといろいろと問題が発生する。ここでショートカットすると問題が発生するのは有名なはずなのだが、それでもロケットジャンプで先に行ってしまおうとするプレイヤーは絶えず、先に進めなくしておいて自分は落ちてしまうという最悪なプレイヤーに何回も遭遇している。 ・復活場所がおかしくなって、このエリアにて死ぬと長い距離を移動しないとならなくなる(Respawn in Placeなら問題無い)。 更にこれはエリアのクリア後の最後の大きな広場に入っても継続される為に、実質クリアが出来なくなる恐れがある。 (テレポーターの前に敵が集合してしまい、プレイヤーがブロックされて入れなくなるので) ・段差の上にいる待機していた蛙がロケジャンでやって来たプレイヤーに向かって進むのでエリアとは逆方向に移動してしまい、 エリアに集合したプレイヤーには全部倒す事が出来なくなって次に進まなくなる。この場合はロケジャンで誰かが上って探さないとならない。 Sacred Yardsの4本の閂を開ける場面で、ボタンを押して閂は開けたがその扉を開ける前に死んでしまうと、以後は扉の向う側にリスポーンしてしまう。よって全員死ぬと扉の向う側に集合してしまい、こうなると生き残っているモンスターの音が煩い上に、何故か物凄く重くなり普通に動けなくなる。これを解消するには門の前でロケットジャンプを使い戻りモンスターを倒すか、越えた後に向う側の扉の前の開く位置に立てれば扉が開くので後は全員で倒せば良い。 |