GAMEPLAY |
全15レベル(シークレットが2個)。前半のマップは結構短い物が多いのだが、後半に行くに連れてボリュームのある物が増えて行くようになる。ゲームの長さは選択難易度,
アクションFPS系への熟練度, シークレット探しに費やす時間によっても大きく変ると思うが、初回で8〜10時間程度ではないかと思われる。シークレットレベルを1個につきプラス40分〜1時間位(10〜12時間程度)。 これを短過ぎると感じる人も多いと思うのだが、私としては逆にこの位が丁度良かったのではないかと感じる。最初の予定通りにこの3倍の45個のマップを含んだ$49.99というフルプライスでのリリースよりも、飽きが来ない, 緊張感の持続という意味ではこの位の長さが丁度良かったのではないか。このペースで全45レベル30時間超とかとなるとさすがにキツイという気がする。 「出来るだけ難解な謎解きを排除してアクションに集中して欲しかった」という開発者側の発言通りに、ゲームのマップ構造は非常に単純になっている。スイッチを押したりアイテムを集めたりという部分は確かに存在するのだが、進行で詰まらないように単純化されているのでほとんど迷う所は無いだろう。通れない所があればNETRICSAという頭部に埋め込まれた小型コンピューターがほとんど答えとも言えるヒントをくれるので問題無いし(そういう場所ではAnalizeという表示が出る)、またこのアドバイスを読まなくても適当に進んでいれば何とかなってしまうというレベルだ。広いマップでも向いている方向は分かり易いし、入り組んだインドアでは一本道を進んでいくような構成なので迷う事も無い。その為に確かにアクションに集中出来るようになっている。 敵は最初からマップ内に配置されている物よりも、プレイヤーの進行に連れて突然その近くのどこかに出現するというパターンの方が多い。これには背後や上方等の死角エリアも含まれる。またアイテムを取ったりすると敵が突然出現したりという構成であり、そこら中で取りまくるほど戦闘が楽しめる?というゲームとなる。例えばゲーム内のマップ15個の内2つはシークレットレベルなのだが、これらに行った所でアイテム的に得をするということは特に無い。単にこれらに行けば大量のモンスターが出てくるので、それはイコールその分だけハイスコアが出せる(または楽しめる)という観点から存在している。 エジプトという一箇所での戦闘という点でマップ毎の変化に付いてはかなり気を使ったと思うのだが、時間帯を変えたりとかインドア&アウトドアを上手く組み合わせたりとかで見た目的には飽きさせないようにはなっている。ただ面白味という点ではやはりもう一つという印象で、基本的に広い四角い戦闘エリアをブロックの様に連続して置いて行くいう単調な構成が目立つ。一つの大きなブロックを抜けたら、連絡通路を通って次の四角いブロックといった繰り返し。まあ戦闘する事のみが狙いのゲームなのだからしょうがないとも言えるが、個人的にはマップのデザインの面白味にはそれほど高い点は付けられない。 “広い”というのがこのゲームの大きな特徴であり、プレイ中の開放感というのは大きな持ち味となっている。前半こそ建物内部という部分も多いものの、狭い部分でのゴチャゴチャした戦闘というシーンはあまりない。多くの場所で非常に戦闘用のフィールドを広く取ってあり、これだけ自由に広い場所を動き回りながら戦闘が出来るというのはこれまでになかったデザインと言える。 シークレットはかなり難解な部類。気を付けて探さないと半分も見付けられないだろう。更に高いスコアを出す為には出来るだけモンスターの出現となるトリガー(大抵はアイテムを取る事)を発見してやらないとならず、その為のトリガーまで全部見付けてやるのは至難の技となる。しかしハイスコアというのを意識しないならば、別にシークレットを見付けられなくても特に問題は無い。早期に強力な武器を見付けられるのは有利だが、難易度Normal辺りでは無しでも大丈夫というレベルである。 |
COMBAT |
まずは基本として敵に正確に攻撃を当てるというのと同時に、敵の攻撃をかわすという面が重視されている。敵は接近してきて直接攻撃を加えてくる物の他に遠距離から攻撃を放ってくるタイプが居るのだが、その攻撃は直撃では無くて目に見える攻撃が大半となっており、かわしてダメージを受けないようにする事が可能である。よって如何にして敵の攻撃を避けながらも、同時に的確に相手に攻撃を当てられるかを要求するというゲーム性である。こういった見て避けられる攻撃というのは昔のFPSでは定番ではあるのだが、このゲームでは敵の数が非常に多いだけに特にそれを避ける技術が難しく、しかし大事という設定にされている。 難易度は高い部類のゲームで、Normalでも後半は相当厳しくなる。一応クイックセーブの履歴を8個保存というようにセーブが気楽に行えるのでそれが難易度を緩和してはいるが、高度な反射神経を要求してくるのでアクション物に慣れていない人にはNormalでも辛そう。激しい撃ち合いが売りのゲームなので当然と言えば当然だが、Normalでもゲーム全体を通して5000匹以上の敵が出現するというのは尋常ではないのは確かだ。その戦闘を難しくしている特徴を以下に解説する。 1.360度全方向からの攻撃 多くのFPSとは違いこのゲームでは敵の攻撃が自分の周囲全方向から同時にやって来るケースが多い。この“同時に”というのが厄介で、更にこれには上方向も含まれる為に常に自分を回転させて周囲を見回さないとならなくなり、高度で素早い操作が要求されてくる。前方から突っ込んで来た敵をかわしてしまうと今度は後ろと前からの挟み打ちとなるので、出来るだけ敵を背後に通さないように、前にいる内に的確に倒すという技量も要求されてくる。 或いは敵が一回で全部出るのではなくて、徐々にスポーンして来るようにもなっているので、一方向だけを見ていると背後から不意打ちでやられてしまう事もある。全方向からの攻撃の場合は下がってばかりを考えずに、むしろ敵に向かって前進しながら倒してやり安全な空間を作って行くのが重要にもなっている。このやたらと動き回りながら随時反転して周囲を常に観察していないとならないという戦闘は、新鮮で面白いのだが難易度を上げている要素となる。 2.敵がミックスされて出てくる 攻撃方法や射程距離が様々な敵が一斉に出現する場合が多く、どの敵から倒すかという判断を瞬間的に求められるという難しさがある。全部一気にというのは無理なのでどれを避けてどれを攻撃するかの選択が重要。敵の危険度, 現在の自分との距離, その数等を素早く見極めて、適切な武器と攻撃目標を選択してやらないとならない。その選択を誤ると一気に危うくなるという面での難しさは、他のゲームではあまり味わえない部分だ。 3.戦闘するエリアが広い とにかく戦闘エリアが広かったりするので、どこにいるのか一瞬解らない場所からの攻撃を受けたりする。また遠くの敵への攻撃は弾が届くまでの時間が長い為に(ロケット弾が5秒以上掛かる場所とかもある)、止まって攻撃して当るのを確認していると他の近くにいる敵に攻撃を受けてしまうし、かといって撃った後に移動すると自分に合わせて敵が動く場合があり外れてしまうという事態にもなる。よってこの敵は動くのかという点と、何発当れば死ぬのかを把握しておかないとならない(それだけ撃ってから、当るのを確認せずに近くの敵を倒す為に移動する必要があるから)。 4.弾薬が多くない Normalで非常に苦労させられるのがこれだ。普通のFPSのNormal程度では弾薬不足に悩まされる事はまず無いのだが、このゲームはその辺が結構シビアになっている。決して少ないという訳ではなく、正確には強力武器を安易に使えるほどには十分な弾が無いというバランス。自爆ダメージが無い為に万能的に使い易いミニガンやレーザーガン、或いは最強兵器のキャノン砲などは、難所でどれだけ弾が有るのかが大きな影響を及ぼす。しかしこれらの武器を楽だからといって特別に必要の無い場所で無駄遣いしていると、そういった難所で弾が足りなくなって難易度が格段に上がってしまうという危険性を持つ。HPがピンチの際には贅沢も言っていられないが、難所には弾薬と共に回復アイテムも置いてあるので、HPが十分に有るならある程度は削られる覚悟で下位武器を使って対応するというマネージメントが要求される。自分が好きな武器を好きなだけ撃ち捲くって構わないというゲーム性ではない。 弾薬数が多くないというのに重ねて、武器の数がそれほどは多くないというのもある。この後のSEやSS2では武器数が多い為に(弾薬数も多くなっている)、何かが切れたら再度補充するまで他に切り替えても充分に戦えるのだが、このFEではその武器数が限定されているので、切れると代わりになる様な威力を持った武器が無いというケースが出て来たりする。なお難易度SeriousよりもむしろHardの方が難易度が高いという意見も数多くあって、その原因はSeriousに比較してNormal, Hardでの弾薬数は半分のカウントになっているからだ(最大所持弾薬数と、弾薬パック1個当りで加算される数が半分となる)。 登場するモンスターの種類は20位だが、設定としては直接の相手であるMentalの生命体というのは少なく、それはBio-Mechanoidとラスボス位。他はMentalが魔術の力を使ったりして集めた物という事になっている。首の無い兵士や猛牛、Gnaar等はシリウス土着の生命を魔力で蘇えらせた者であり、その他のKleer Skelton(骨)、Arachnoid(サソリ)、Witch-Harpy等はMental配下の星の生物という設定。唯一Aludran Reptiloid(緑やオレンジの誘導弾を使う敵)だけ同盟の星の生物で、その魔力を与える代りにMentalに協力しているという設定になっている。ラスボスは地球侵略艦隊の隊長で、その巨大さも話題になった点の一つである。 あえて狙っているのかどうか不明だが、モンスターはデザイン的には変な感じの物が多い。知能という面でも単純さが基本であり、一直線に死ぬまでこちらに向かってくるか、単に攻撃し続けるというスタイル。少数の頭の良い敵というスタンスでは無くて大量の敵で勝負というゲームなので、AI処理を軽くする為にはやむを得ない部分でもある。異様に大量の敵を出したり、或いは巨大な敵を出してみたりという点でオリジナリティーを追求している感じだ。 敵そのものは単体ではそれほど強く無いというかむしろ弱い感じで、一対一であれば楽勝というのがほとんどである。ところがまとまって大量に出たりとか複数の違ったタイプの同時攻撃が多い為にゲームが難しくなっている。特に近距離に接近してくる者と離れた場所から攻撃してくる者が混じると対応に一苦労という事に。その点で如何に敵をミックスさせて出現させるかという点に注意が払われており、ここも普通のゲームとは毛色の異なった点と言えよう。 その敵の中で一番の傑作は何と言ってもBeheaded Kamikaze。叫び声を上げながらこちらに向かって突進して来て自爆するのだが、大量に出現するとそこら中から「Aaaaaaaahhhhh!」という声が聞こえてくるのでこれは怖い。 強くてタフな敵はデカイというシンプルな設定を採用しており、その代わりにターゲットが大きいので攻撃は当て易いとなっている。この大きな敵を出現させてそれを倒す事で爽快感を増すという形式が大きな効果を挙げている。単純に小さな敵を数多く出すだけでは爽快感には限りがあり、広いマップを実現した事から巨大な敵が多数出現させられるようになって、そのスケール感がこれまでの撃ち捲くりタイプのシューティングよりも頭一つ抜けた豪快さに繋がっている。 |