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GAMEPLAY(続)
 TSEでは強力な武器が増えているので、弾薬管理の方は結構楽になった。つまり武器ローテーションとしてスナイパーライフルと火炎放射器を組み込めるので、ある種の武器の弾薬が無くなって来たら別のに切り替えて戦えるという余地が増えている。「ここではこの武器」という局面はやはり在るので、空になるまで特定の武器を使ってしまうような真似はするべきでは無いのは同様だが、TSEではスイッチ出来る他の強い武器への選択余地が増えたので、ローテーションして使える分楽になったという意味である。

 更に今回は置いてある弾薬の量がTFEに比べて増加しており、全体的な火力は上昇している。よってTFEのNormalの様に弾薬不足で苦労するというケースは減っているという事が言える。ただし有る所には取りきれない位有ったりするかと思うと、しばらく無かったりというアンバランスさはTSEでも健在。取り残すと通常道を引き返せないので無駄になるケースも増えた。


 キャンペーンを三分割したという構成も利点として働いている。テレポーターで別世界に転送される際に武器は運べないのでリセットされてしまうという設定の為、その前のチャプターで所持武器をMAXにする事が可能になった。例えばチャプター5で一度世界が終わるので、そこまでに全ての武器を出現させてプレイヤーを戦わせる事が出来る。TFEではミニガンとキャノンの出現をCH10: Metropolisまで引っ張るという構成だったので前半戦の火力不足が感じられたが、TSEではもっと早期から強力武器を使っての戦闘を楽しめるようになった。

 結果的にTFEと比較して弾薬数を気にする必要が減少し、よりアクションFPSゲームらしくなった。言ってみればTFEでは弾薬が足りなくなるか、もしくは温存の為にあえて弱い武器を使って節約するというシチュエーションが結構在り、そうなると敵には攻撃を当てているのに武器が弱いので、倒すまでに時間が掛かってしまうという理由から爽快感を殺いでいた。しかしTSEでは上記の様に強力な武器類を早くから使える上に弾薬数が増えたので、正確に敵に攻撃を当てられるのならば次々に敵をなぎ倒せるという点で爽快感を増している。


 前作と同様に6つの難易度が用意されており、それぞれの仕様も同じ。Easyだとヘルスとアーマーの基準値が200,200(Normalでは100, 100)。またEasyだと弾薬数の最大値が各武器ともNormalの2倍であり、弾薬を取った場合のカウント数も同じく2倍となる。その上に敵の数や受けるダメージは難易度によって上がって行くとなっている。

 以上の様に前作でのEasyだと簡単だが、Normalにすると急に難易度が上がるという問題は解決されていない。されていないどころか更にアンバランスになっている印象。その元凶は今回も弾薬と武器である。今回は敵を増やす代りに強力な新武器と弾薬を増やすというスタイルなのだが、Easyでは弾薬と武器が増えた為に一方向から来るようになった敵を接近するまでに迎え撃ち易く、加えて周囲を見る必要が減ったので大規模戦闘部分が簡単になってしまっている。更にEasyだとロケットとグレネードでの自爆ダメージが全く無いので、壁際等に追い詰められたら敵中にロケットを撃ちながら突っ込んで道を開く作戦が出来るので簡単となる。


 逆にNormalだと総合的にはTFEよりも難しくなっていると思える。強力武器の弾薬数が増えたという面から攻撃力と爽快感はアップしているのだが、敵の数の増加による難易度アップでその辺はトントンに。そして「戦い辛い特殊シチュエーションでの戦闘」と「すぐには居場所が判り難い遠距離からの敵の攻撃の増加」の分だけ、TSEの方が難易度が高いという感想になる。

 確かに難しい所がこのゲームの味でもあり、TFEをクリアした人向けには難しさを増すというのは分かるのだが、もうちょっとNormalの難易度を落としてEasyを手応えある物にするとか調整を望みたい所である。物足りない人には更に上の難易度が存在する訳だし、Easy(普通のFPSのNormal程度)、Normal(やや難しい部類)、そしてHard以降はチャレンジャー向けとした方がもっと幅広い層にアピール可能と思える。



 その他のTFEからの武器について簡単に書いておく。

◎Rocket Launcher
 TFEに比較して出番はかなり減った。弾は結構有るのだが遠距離の敵に対しては直撃可能なライフルが登場した為に、弾速の遅いロケットはあまり意味が無くなったのがその理由(敵を倒すまでに時間が掛かる)。多くの場合赤Mech等のタフな相手に使うか、或いは他の弾が少な目の時に(贅沢に)小物相手に使うか等になるだろう。

◎Grenade Launcher
 これはTFE同様にある種のシチュエーションでは役に立つ。特に使い勝手に変化無し。

◎Minigun & Sub Machinegun
 TFEに比べると出番は少なくなっている。火炎放射器がとにかく使い易い上に弾薬が豊富な為に、近距離戦で敢えてこれでというケースが減っている。サブマシンガンを中距離戦に使うのと、ミニガンを乱戦時に使うのが主な用途か。弾薬もかなり偏って存在する印象である。

◎Laser Gun
 今回は出番の遅い武器。上のサブマシンガン同様に使い所も減っている。遠距離相手にはライフルが出来たし、近距離の大量の相手には火炎放射器が有るので。通常乱戦時に中距離からの大量の敵をさばくのに使う武器となるだろう。弾は比較的少な目な部類。

◎Shotgun
 火炎放射器の登場で相当存在意義が薄くなった。近距離戦では明らかに劣るので使い所は少ない。特にシングルの方は意味が無くなったような感じである。ダブルは使っていて面白い武器ではあるので、少量の敵相手に好みで使う事になると思う。

◎45. Colt
 むしろショットガンよりも使う機会は多くなったかも。というのは元々威力自体は小さい代わりに遠距離の敵でも直撃させられて威力が落ちないので、中から遠距離の相手を倒す時に使えるからだ。

◎Cannon
 今回は結構早目に手に入る。弾薬は有る所には大量という感じで偏って存在しているが、前作よりも使える頻度は多くなっている。


GRAPHICS
 基本的にグラフィックス部分はTFEからそれほど変化していない。開発段階では相当な変更が加えられるというような噂だったが、それは今後のパッチか、来るべき最後のThe Last Encounterまでお預けになった。(後にエンジン自体を変更してSSIIとしてリリースされている)。


 変更された物で目立つのはエフェクトのパーティクル描写が綺麗になった事、それと雨や雪の降る描写が加わった点。後は背の高い草の表現が目立つが、こういったエンジンの新しい面を見せてくれる物は全体を通してそれほど無かった。注目されたSkeltal Animationも今回の導入は見送られている。大事な点として地味ながら改善されたのはフレームレート関連になる。更に広くなった感のある風景だが、確実にTFEのエンジンよりも軽くなっているのは大きな進化。確かに同世代の他のFPSに比較して重さは感じられるが、これだけの広大なマップをこのレベルのグラフィックスで実現しているという点は高く評価されるべきだろう。

 新しい面が少ないとは言え世界が増えた事もあって、多彩なロケーションでのグラフィックスは前作よりも綺麗になった印象を与えてくれる。特にバビロンのグラフィックスは印象的だ。全体的にテクスチャの質もやや上がったような感を受ける。


 アニメーションとしては木々が風になびく様子はこのゲームでも取り入れられおり、また木は切り倒せるようにもなっている。キャラクタは若干滑らかになった感じもするが基本的にアニメーションにも変化は無し。敵の動きの描写もほとんど同じの様だ。

 APIはTFEの最新版と同様にOpenGLの他にDirect 3Dを採用しているが、現状相当パフォーマンスに問題があるのでOpenGLでの動作に問題のある人以外は選択する必要性は無い。RadeonでのTruformにも対応しており、キャノンのボール等にその効果が見られる。自分の環境の問題点としては時々クリッピングのエラーが起きる事と、V-SyncがOFFだと遠景が一部チラつく感じになる場合がある事位だった。


 画質に関しては3つの基本設定の他にADD ONからExtremeという最高レベルが選択出来るが、相当重くなるのであまり実用的とは言えない。影が複数のライトで照らされるので一応リアルにはなるが乱戦時等に重いという感じ。その他Advancedにて各種細かな設定が可能だが、ちょっと意味合いが分かりにくい物も多くて、分からない人はあまりいじら無い方がいいかも。一般的に言われているのは以下の様な点。

*メインメモリが256MB以上あるならばPrechache ShadowmapをYESにすると速い
*LOD Qualityを下げるとパフォーマンスアップに効果的
*Optimize Renderingにて適用をEverythingにするとかなり軽くなる


SOUND
 今回非常に印象的で質が高かったのがサウンド面だ。前作同様にほぼマップ毎にBGMは異なっているのだが、全体的に出来の良い物が多い。デモの面でも聞く事が出来た土着の太鼓のリズムを採用した最初の面も良いし、Serpents Yardsの尺八風のサウンドも気に入った。その他ではZigguratや最後の面が個人的にはお気に入り。

 それとある種の場面で(戦闘時)流れるサウンドも前作の物より格好良くなっている印象で、基本的にロック調の曲が何種類か用意されているがどれも良い出来だ。数あるサウンドの中でも一番のお気に入りはLand of the Damnedのある場所でのみ流れる音楽で、それがどこなのかはやってもらえれば分かると思う。

 3DサウンドはEAXに対応しているが完全なハードウェアでの処理では無いのでそれほど定位感は良くないし、正確性にも欠けるので音を頼って敵の位置を知るというのが困難。

MULTIPLAYER
 対戦マルチプレイについて。


 マップが1つしか入っていなかった前作とは違って、今回はFragmatch用のマップが8つ収録とこちらも力が入っている。基本的にはそれほど広くない物が多くて8人程度までというスタイルになっており、それぞれが相当異なった印象のマップとなっている。特徴としてはマップの多くにジャンプパッドが多用されており、ジャンプのコントロールが重要になる物が多いのと、プレイヤーがONに出来る各種仕掛けが存在している事。BGMはゲーム中から良い所取りという風で、これは非常にやっていて気持ちが良い。


 それほどやっていないのだが感じた問題点をあげると、第一に敵のキャラクタが見難い。Coopの時は感じなかったのだが、キャラクタのモデルが他の一般的なゲームに比べると細身であり弾が当て辛い。マップはそれほど広くないにも関わらず、距離が離れると敵が見付け難くなるのもこれの影響だろう。

 次に動きが速い。動きにスピード感があって狙いが付け辛い。特にPingの悪い所では相当不利という感じになる。また動き方が独特な感じでちょっと今のゲームにしては珍しい感じ。古いFPSの様な滑る感じの移動に見える。

 最後にスナイパーライフルが強過ぎる。これはマップにもよるがバランスが悪い。離れると敵がよく見えないので、いざ狙われると何処から撃っているのか分からない事が多いし、ちょっと有利過ぎるバランスで使っていても面白くない。


 パフォーマンスとしては大きくPing値により差がでるタイプで、良い所では普通に出来るがちょっと悪くなると途端に敵がワープしまくるという感じである。またPing値が更に悪くなると接続する事自体出来なくなるが、この限界値もQ3やUT等に比較して低いレベル。ISDNでの検証だとPing200以下でないと問題ありという感想。当然の如く接続時の転送データ量が高いCoopに比べるとマシではあるが、それほどネットコードは優秀ではないと言える。CoopだとPredictionの値を変更する事で一応軽く出来るのだが、デスマッチではそれをやると敵の動きが追えなくなってしまう。


 Seriously Waped DeathmatchというModとしてリリースされていた物を正式に採用して組み込んでいる。デスマッチ以外の他種多様なゲームモードが遊べるMODで、MODメニューから選択すると再起動されて遊べるようになる。まだやっていないので何とも言えないが、オリジナルのマップとかは結構よく出来ている気がする。

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