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武器は全部で10種類。呼び出しキーを複数回押すとモードが切り替わる物も含まれている。
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COMBAT |
ゲームは完全なアクションFPSとなっており、キャラクタの移動速度が速いのでスピード感も高い。その出来は水準以上ではあるのだが、幾つかの要素から非常に良いとまでは言えないレベルに留まっている。 第一にダメージのバランス。敵の攻撃によるダメージが高目の設定で、一気に大量のヘルスを削られてしまうし当然死に易くもなっている。ゲームの終盤がそうなるのは理解出来るが、このSWでは序盤から雑魚敵が避けられないUziでの攻撃を仕掛けてくるなど被ダメージが高い。中盤以降には更にダメージの大きい高速攻撃を仕掛ける敵も登場し、中にはヘルスとアーマーが100でも一撃で即死という事まである。爆発系のダメージ範囲の広さと高さも厄介で、敵の攻撃の他に周囲のオブジェクトの爆発に巻き込まれると痛い目に遭う。 それとチグハグなのが回復アイテムで、量はそれなりに有るので難易度Normalでは特に少ないとは感じられない。マップ内を何回も行ったり来たりする構造なので、ヘルスが100で拾えなかった物は後で来た時に拾えたりするし、危なくなったら取りに帰るのも比較的苦にならない設定にもなっている。ところがヘルスが一気に削られて死んだりする設定なので、置いてあるヘルスの量は適切なのだがその意味が無いという状況に陥っている。 つまりまとめると、簡単に大ダメージを負って死んでしまう(若しくは危険な状態に陥る) → ロードしてやり直す → 2回目以降は敵のパターンが解っているので、適切な武器選択と攻撃により低ダメージで切り抜けられる可能性が高くなる → 低ダメージの箇所が増えるのでメディキットが余る、といった具合。被弾ダメージを減らせば死亡によるやり直しが減って流れも良くなるし、メディキットを拾って回復 → まだダメージ → また拾うという形でバランスが取れると思うのだが、この回復アイテムと被ダメージの調整が上手く行っていないという感想。 第二に弾薬が多過ぎるのと同時に、最大所持可能な弾数も多い。個別に見るとRiot GunとUziは拾える弾薬は多いが、連射すると無くなり易いという設定なので別に悪くない。一番駄目なのがRLとGLで、両社は弾が多い上に両方50発まで弾薬を保持可能で、その破壊力を考えると明らかに多過ぎである。上限は半分の25発以下で良いと思えるし、実際にゲーム中に半分以下に下がる事は無かったと思う。ロケットやグレネードを撃ちまくれるのは爽快感があるが、あまりにも多くては適当に雑魚敵相手にも使ったりと反って面白味が薄れてしまう恐れがある。 Sticky BombとRailugunの20発はそれだけ見るとまあ普通だが、他の武器の弾が多いのでこれも取り切れない位に余る事が多かった。残りのGuardian Headは最大数はこれで良いと思うが拾える弾薬数はやはり多い。Ripper Heartは大変に強力なので3個以下か或いは1個だけでも良いのではないかという印象で、5個所持可能というのはあまりに多過ぎ。 第三にボス系キャラクタ。Serpent GodとSumo(相撲取り)という二種類が使い回されており、時々登場するノーマルタイプの他に中ボス戦では巨大タイプが登場するが、全編通じてこの二種類だけなので変化に乏しい。それとラスボスを含めてRipper Heartの威力が強過ぎで、分身と戦っている隙に強力な攻撃を一気に叩き込めるので、これさえ持っていれば大した苦労無しに全て倒せてしまう。 第四に武器セット。DN3Dは武器セットとその使い勝手がゲームの面白さに貢献していたのだが、SWはそこまでには至っていない。テーマである東洋色、若しくは異端さを感じさせる武器が少なく、スタンダードなラインアップとなっておりユニークさが足りない。使い勝手という点では特にGLが扱い辛く、RLに比較して遥かに広範囲に強大なスプラッシュダメージを与えるので、直接戦闘では相当な注意をしないとならない(GLを持ったらセーブしておくというのが大袈裟では無い位)。例えば撃とうとした瞬間に高速移動の敵に接近されたりして直撃してしまうと、5m程度の距離でも大ダメージを喰らってしまう。Sticky Bombも事前に捲いておく武器になるが、すぐ近くの壁等に誤って貼り付いてしまったりするので、開けた場所でないと投げにくいという面を持っている。 最後にアイテム類の効力。Smoke Bombは敵の多い時や危険時に大変役に立つアイテムだが、それ以外はあまり役に立たないという印象。Gas Bombは敵の居る部屋の中に投げ込んだりして使うが、かなり狭くないと効果が薄いし自分が近くに居るとダメージを受けてしまう。またそもそも弾薬が多いので、直接GLを撃ち込んだりした方が早いという感もあって滅多に使わない。Flash Bombは効果範囲が狭くて、そこまで接近するなら離れて攻撃した方が利口。Calltropsも投げて敵が踏むのを待っている位なら、Sticky Bombを使った方が良いのでほとんど使用しなかった。 以上いろいろと書いたが、これ等はトップレベルに達する為に足りないという点であって、どうにもならない酷い欠陥という訳ではない。上から順に個人的にはマイナス点の度合いが高いと理解して貰いたい。 敵のAIは優れてはいないが、ランダムとは言えあちこちに動き回るので楽に狙えるという風にはされていない。ただし動きに思考が伴っていないので、突然背や向けて移動しだしたりと不利な行動を採るケースも良く見られる。しゃがんで攻撃を避ける動作も見せるが、考えてやっている様には見えない。 ベースとなる敵の忍者は色違いで6種類も存在しており、一番弱いUziを撃ってくる者以外は厄介な相手となる。Flash Bombを使える者が二種類いるし、ロケット, 追尾式ロケット, グレネード, マジックナパーム等を放ってくる上に、自爆を恐れずに接近してくるのでこちら側の対処武器も限られてしまう事になり、瞬間的な対処を誤ると即死も十分に有り得る。 その他では素早い巨大な猿の様なRipper, 壁や天井に張り付いて移動するBaby Ripper, 爆弾を持ってこちらに向かって来るCoolie, 火の玉を連射してくるGuardian, クロスボウとSticky Bombを使う女忍者, ダメージは小さいが超高速で飛び回るので当て難いHornets等が登場する。 |
GRAPHICS |
DN3Dで使用された自社のBuild Engineを改造して使用している。追加された点としては以下の様な箇所が挙げられている。 *オブジェクトの表示に2Dのスプライトではなく3D(Voxels)が一部に使用されている *霧のエフェクトを実現 *カラーのライティング *透過して中が見える水の表現 しかし所詮は疑似3Dでの描画なので、発売同時期には増えていた完全3Dのグラフィックスに比較すると見劣りするのは確か。既に時代遅れという感が強い。 解像度は320*200からで、高解像度モードにはVESA対応のビデオカードが必要。最大で800*600まで設定出来る。軽くする為にボーダーを表示させてスクリーンサイズを小さくする事も可能。 参考までにGlide APIに対応した3dfxパッチについて書いておこう。96〜98年頃はビデオカードの覇権争いが繰り広げられており、共通仕様のDirect 3D以外に自社カード専用のAPIをアピールして、市場独占を目論む会社が幾つか存在していた。3dfx社がVoodooカードによって実現する3DAPIであるGlideもその一つである(他にはPowerVRのSGLが有名)。対応ゲームの多さをアピールするのが最も重要なので、ゲーム製作会社ではなくビデオチップの製作会社が自社API用の移植版を製作する事も珍しくなく、このSWのパッチ(実行ファイル)も製作は3dfx社となる。 しかしこのパッチは対応カードが限定されており、初代Voodoo1(Voodoo Graphics)しか公式にはサポートされていない。一応当時を知らない人の為に書いておくと、Voodoo1は3D専用のカードで他の2D出力可能なビデオカードと組み合わせないと画面出力が出来ない。まずは3D専用のカードが出て、その後製作コストが下がったりしてから2Dとのコンボカードが発売されるという形式だった。Voodoo1 → Voodoo Rush(V1の2D兼用) → Voodoo2(3D専用) → Voodoo Banshee(V2の2D兼用)と来て、Voodoo3以降は全てコンボタイプとなる。ここでの問題とは3D専用カードと2Dとのコンボカードには設計による違いが存在するので、一部のGlide用パッチ(特に3D専用の初代V1しか存在しなかった時に出された物)はコンボタイプでは正常に動作しなかったりするという点である。 コメントによるとBuild Engineはその構造から、エンジン自体を改造しない限りはこのSWに限らず2Dとのコンボカード(この当時はRushのみ)では十分なパフォーマンスが達成出来ないという話である。またV3以降はDOS Glideへのサポートが切られているので、起動させる事すら出来ない。(ただしVoodooシリーズにはマニアックなファンが多かったので、非公式のドライバを使ったりファイルを差し替えたりして、各種Glide対応ゲームを何としてでも動作させるという研究も行われていた。今でもネット上で検索すればその辺の研究データが見付けられるかも知れない。またGlideのエミュレーターを使って一般的なビデオカードで実現するという方法もいろいろと研究されている)。 私自身もVoodooは持っていたのでこれは試してみたのだが、色が変になったりグラフィックスが一部乱れたりする上に動作も不安定と、ちょっと使えるというレベルでは無かった。その後バグを修正したりした現在配布されているV1.1が出ているが、98年にはもう完全3Dのゲームの方に興味が傾いており、それをあえて試す事はしなかった。何しろ元が2.5Dなので、3Dゲームにおける「ソフトウェアでのレンダリング」 vs 「ハードウェアアクセラレーション」での劇的な違いを実現する事は出来ず、見た目はそんなに変わらないという程度に留まっていたからである。検索してみると比較画像を掲載している人もいたので参考までに。 |
SOUND |
サウンドはBGMも含めて出来は良い。最大で32音同時発生まで選択が可能となっている。他は16bit
mixerとクオリティは22KHzまで。 製品版エピソードではBGMがCDサウンドになるのでMIDIに比較すると格段にクオリティが高くなる。そのBGMはオリエンタルな感じの物が多くて個性的。 |
MULTIPLAYER |
マルチプレイは8人までの対戦とCo-opに対応。Build EngineなのでTCP/IPには対応しておらず、インターネットでの対戦にはIPXを変換するサービスが必要になる。メニューに出てくるのはTEN
(Total Entertainment Network)だが、KALI等の同系サービスでもOK。いずれにしろインターネット上でのプレイには、プロトコル変換&マッチングサービスを行う有料ポータルと契約してプレイするという方式である。 |