シ ス テ ム |
キャンペーン Enter the Wang(シェアウェア用4レベル)とCode of Honor(製品版用18レベル)の2つのエピソードを収録。それぞれは独立しておりどちらからでも開始可能で、ステータスは他のエピソードに持ち越されないという当時としてはポピュラーな方式。 難易度はEasy / Normal / Hard / Expertの四種類。“Tiny Grasshopper”がEasyで“No Pain No Gain”がExpert。難易度の設定はエピソード単位となり、エピソード途中での変更は出来ない。レベル単位でのリプレイ機能は用意されていないが、チートで現在のステータスを保った状態のまま任意のマップを呼び出す事は出来る。(Sayコマンドから swtrekXY という風に入れる。Xはエピソードの番号で、Yはレベルの番号)。 セーブ&ロード 任意の場所でセーブが可能。セーブスロットは10個。クイックセーブもあるが、実際にはセーブメニューを直に呼び出すという機能でしかない。 オートセーブは無し。レベルのリスタート機能は持っているが、装備がデフォルトに戻ってしまうので実用的では無い。各レベルの先頭でセーブして置いた方が無難である。 OBJECTIVES 具体的な目標は表示されない。方角は示されるが目標地点への方向ガイド機能も無し。 オートマップ機能を持っており、基本状態ではワイヤーフレームとして表示されるのでそのままプレイも可能。他にトップダウン表示のテクスチャモードにも切り替えられて、より判り易く周囲の状況を確認出来る。ズームイン&アウトも可。更にFollow Modeにすればマップ側をスクロールさせて全体を確認可能にもなる。 EXTRAS 各レベルのクリア後にはシークレットの発見数やクリア時間が表示される。3D Realmsでの最速クリア時間の記録も出るので、それを目標にプレイするという事も出来る。 英語 台詞等への字幕機能は無い。メッセージの表示はオン/オフ可能。 |
GAMEPLAY |
エピソードが2個で全22レベル(うち2つはシークレットレベル)。難易度Normalでなるべくシークレットを探すという方針でのプレイにて15時間は掛からなかったと思う。難易度を上げるとダメージのバランスが変わるのではなく敵の数が増えるというシステムなので、難易度を変えてのリプレイ性はそれなりに持っている。 まずは主人公のLo Wangだが、良くも悪くも非常に個性的なキャラクタである。プレイ当時はその顔と声から変なお爺さんをFPSゲームの主人公にするとはユニークだと考えていたのだが、後に知った公式設定では45歳。とてもそんな歳には見えないが、奇抜なキャラクタという印象に変わりは無い。それぞれの武器を拾った時の固定ボイスの他に日本語を含めた様々な台詞が用意されており、ユーモラスな物も多くの割合を占める。この辺りはDukeの影響が大なのは明らか。 しかしこういうキャラは受ける人には受けると思うのだが、多くの人に受け入れられるタイプではない。Dukeは強くて格好良いというベースに加えて、下品でエロという属性が付いているから人気を博したのであって、最初から「単なる変な人」というキャラクタでは広範囲の人気を得るのは難しい。忍者のマスターという設定はあるのだが、ゲームの最初から変なノリで台詞を喋りまくるので、そのシリアスな一面が吹き飛んでしまっている。 設定は日本だが、マップの風景はほぼ中国を参考にしたと思われる。ただしあちこちに設けられた日本語の看板類はやはりおかしな物が多い。いずれにしろ東洋風のロケーションやグラフィックスは新鮮であり、このゲームのプラス点の一つになっている。ところがこの設定は最後まで続かず、後半はオリエンタル色が薄れた、言うなればDN3Dシリーズで見慣れたようなロケーションばかりとなってしまう。それ故に終盤に掛けては面白さが減退するし、見慣れた風景に飽きが来てしまうという感は否めない。 このゲームの大きな欠点はDN3Dに似ているという点で、既にDN3Dシリーズをプレイしている人に取っては新鮮味が薄い。(そしてそういう人はかなりの割合に上るはずである)。ゲーム自体のクオリティは置いておくとして、シンプルなアクション物, 主人公がユーモラス, ロケーションの設定等、プレイしていて受ける印象は似通っている。特に悪い方向に働いているのがグラフィックスで、疑似3Dエンジンという事から飛躍的な進歩が望めず、見た目の印象が相当近いというのがネックになっている。3Dエンジンを使用している場合には同一エンジンでも大きく違って見えたりもするものだが、2.5Dのエンジンではその画像表現方法の個性が強過ぎて、同じBuild Engineのゲームならばどうしても似た印象にならざるを得ない。DN3Dを未プレイの人には新鮮だと思うのだが、拡張パックやユーザー製作マップまでプレイしている人には、一から新たに製作された物とは感じられないであろう。Lo Wangの台詞やBGMが無ければ、DN3Dをプレイしているかの様な錯覚に陥る事さえある。 トップで述べたように制作途中で大きな方針転換が行われており、製作する3D Realmsにしても難しい所だったのは想像に難くない。新しさは非常に重要だが、DN3Dが大変な人気を得ている事からその路線を踏襲するのは間違いではないしリスクも低くなる。最終的にはDN3D路線は保持しつつ、幾つかの変化と新要素を加えるという安全策を選んだ訳だが、それが新鮮さが足りないという結果を生んでしまった。また製品版のリリースがBloodやRedneck Rampageよりも後になってしまい、Build Engine使用のゲームとしての新鮮味が薄れたというのもあったと思われる。 エンジンのグレードアップにより、マップ構造はより3Dに近い物になっている。部屋の上に実際に別の部屋を設置したり, 梁の上をちゃんと歩けたり, 外から部屋の中を覗いた時に正確に内部が描写されたり, ハシゴの上り下りが可能といった点が改善されている。しかしこれにより3D世界に居る感が高められたとしているが、残念ながらそれ程大きく変わったようには見えない。 ゲームの進行は旧来通りのキー&カード探しが主体で、各所に3種類のキーと4種類のカードにより開く扉が有って、その為のアイテムを順次探しながら進めて行く。扉の位置が進行ルート通りには配置されていないので、一つのキー(カード)を手に入れてはずっと戻ったりして該当箇所を開けてやり、更にその中で次のキーを見付けてはまた移動という形で進められる。マップ自体はそれ程広くないが、その中を行ったり来たりさせる事でプレイ時間を長くするような方式が採られている。なおキーの発見はほぼ固定の順番になっており、進行順の変化という要素は無い。 パズルを解かせる箇所は少ないが、解法というよりもどういう意味なのかが解らずに詰まる事もあった。移動するプラットフォームを渡ったりするジャンプアクションや、時間制限内での目的達成を要求される様な場所はあまり無い反面、こちらは難易度が高い物も含まれている。大半はキーやカードを探し回るので、詰まるとすればそのアイテムが見付からないというケースが一番多い。相当解り難い所に隠されていたりすると、マップ内をグルグル周りながら見落としは無いか探し回る羽目になる。後は相変わらずのスイッチ組み合わせパズルが出て来るが、スイッチが離れた場所に在ったりと意地悪さを増している。単に全トライして組み合わせを試す以外の解法が無いので、これは全然面白くなく面倒なだけである。 シークレット探しはやはり重要な要素として位置付けられている。パターンとしては従来と一緒で、亀裂を見付けてロケットで撃つ, 壁の画やアイテム類をUse操作してみる(その場所が開く), 壁の画等に飛び込む(中が空洞), 隠しスイッチを見付けて押す, 上手くオブジェクトに乗って遠く高く跳んでアイテムの見える場所にアクセス, 水面で屈んで水中にアクセス(水面上では常に立つので、その下にエリアが在るのかは沈んでみないと判らない仕様)等。 新しい要素としては機械類や車両の操作が可能になっており、タレットや戦車等に乗り込んで砲台を使い攻撃を行える。ただし多くの場合は壊れており、その際にはアイテムを使って修理しないと動かせない。修理する事がクリアの必須条件になっているケースもあれば、単に修理出来れば戦闘において非常に有利になるという箇所もある。操作性が良いとは言えないが戦車で移動しながら攻撃出来たりするのはこの頃のゲームとしては珍しく、面白いアクセントとして機能している。 ユーモアやジョーク関連ではアニメ風の女性キャラや絵画が含まれており、シークレットエリアで見付けられたりする事も多い。(明らかにセーラームーンとかララ・クラフトも居る)。他には秘密ビデオ, ウサギの交尾, オナラに大便といった大変下品な設定もあって、DN3D同様に良い意味での酷さも健在。なお女性陣は撃って殺してしまってもペナルティは無いようだが、Useすると触ったという意味になるのか、突然銃で攻撃してくるケースがあるので注意。 |
BASICS | ||||||||||||
*視点は一人称で、一応三人称にも出来るが実用的では無い *銃器は全て持ち歩ける *リロード動作は自動的に入り、操作にリロードキーは無い *照準はデフォルトではOFF *エンジンの制限から上下方向へと向く角度には制限がある(ずっと上や下方向に居る敵には狙いを付けられない) *オートエイムの設定有り。オンだと上下方向は敵に照準の位置が合っていなくても自動的に命中するようになる。 *Runに切り替えると高速移動になり、使用に制限はない *ちょっとした高さでも少量だが落下ダメージが入る *下段のステータスエリアは消す事も出来る。或いは軽くする為に描画エリアを更に減らすという設定も可能。 回復はアイテム方式。メディキットは+20。Fortune Cookieは+50で100を越えて200まで回復が可能(時間経過と共に減らない方式)。アーマーは+50と100の二種類。他には携帯用でどこでも使用可能な+100のメディキットも有る。 水中での呼吸持続時間が短めで、その中でルートを探したりする際には繰り返し息継ぎをしないとならない。水中での時間を延ばすアイテムも無いので、ルートが解りにくい場所ではかなり面倒でストレスも溜まる。 携帯可能なアイテム類は以下の通り。
設定関連の一つの難点として、操作キーやマウス感度(上下方向)の設定をSetupからしか行えない(デフォルト以外の設定を見る事も出来ない)。DN3Dの頃はともかくとして、1997年のゲームとしては時代遅れである。逆にほとんどの操作キーを自由にアサイン可能なのは良い点。 |