ON FOOT |
メックから降りて普通のFPSと同じ様にプレイするパートも用意されており、こちらはMCA編とは大きくプレイ感覚が異なっている。 当然の如くMCAとは全く違う武器セットになり、こちらは全部で8種類。短刀, ピストル, ショットガン, サブマシンガン, アサルトライフル, ロケットランチャー(TOW)という一般的な物の他に、二種類のグレネードランチャーが存在する。エナジーグレネードランチャーは青いエネルギーの固まりを発射し、床や敵等への接触と同時に爆発する。転がりを計算に入れる必要が無いのが利点だが、山なりに飛ぶので慣れないと思った所には落とせない。もう一つはKatoグレネードランチャーで、こちらは浮遊する黄色いエネルギー弾を撃ち出す。これはフワフワと揺れて跳びながら不規則に動き回り、一定時間が経過すると爆発する。見えない所に居る敵にも当てられるチャンスがある反面、自分の方へと戻って来てしまう危険もあるのが欠点。 こちらの地上戦パートはMCAに比較して難易度が高いのが特徴。そしてそれが非常に困った形での難易度の高さとなっている。同じエンジンという事でBlood IIと同様のAIとなり、超高速反応を見せるという面をやはり持っている。角を曲がって遭遇した瞬間, 敵が角から出て来た瞬間, ドアが開いた瞬間等にノータイムの反応で攻撃されてしまうので、初見でそれを知らない限りは防ぎようが無い。ただし正確には超高速反応が悪いのでは無く、その設定でも敵の攻撃の正確性や被弾ダメージが許容範囲内ならば問題は軽減される。 ところがこのゲームはその設定上Blood IIより数段たちが悪い。第一に敵が人間タイプだけなので、モンスター混じりだったB2に比較して超反応に遭遇する可能性が遥かに高い。次に被ダメージ設定が高目であり、ショットガンだとヘルス100にアーマーを多少持っていても即死させられてしまう。更にクリティカルヒットが自分向けにも発生する為に、単なるサブマシンガンの攻撃等でも一発で50ダメージ以上を喰らったりと、プレイヤー側には予想出来ない形での大ダメージで死亡、若しくは瀕死の状態にまで追い込まれる事もある。 普通だとヘルスがフル近くならば簡単には死なないという判断が可能だが、敵の超反応+即死ダメージにより角を曲がった瞬間に死亡画面を拝むハメになったりと、常に回避不可能な即死と隣り合わせというゲーム性になっている。しかもこちらのヘルスを回復させるクリティカルヒットを狙っては出せないので、低ヘルス状態でメディキットも無いと詰んでしまう恐れもある。 ただし非常に難易度が高くて遅々として進められないゲームなのかというとそうではない。それには幾つかの理由がある。まず超反応への対処方法として、クイックセーブを使う事でストレスは大幅に軽減出来る。常に即死させられる可能性があるのでタイミングに困ると言えば困るが、取りあえず現在のステータスに関わらず一定間隔で忘れずに行っていれば、理不尽な死に遭遇しても長時間のやり直しはしなくて済む。クイックセーブ&ロードの時間も高速でストレスは無い。 或いは三人称視点を使うという手もある。これは先に述べた様にMCA用に設けられた物と思われ、地上戦でも前が見えなくなるので戦闘時は役に立たないのだが、一人称では見えない範囲が見えるようになるという利点を持つ。曲がり角等の死角近くに来たら切り替える事で、その先に敵が居るのかどうかを体を曝さずに確認出来る。その他にはプレイヤーが座ると敵の反応がやや遅れるので、曲がる前に座ってから出るというのもある。 不意の死亡が多いゲームではあるが、逆に敵がどこに居るのかが解ってしまえばこちらが圧倒的に有利という設定である。難易度=死亡回数という見方をするならこのゲームの難易度は相当高い。しかし一度死んでどういう事が起きるのかが解ってしまえば、1,2回のリトライで突破可能なケースがほとんどである(ヘルスが極端に低い時を除く)。一般のゲームでは「どんな敵がどういう風に出て来るか解っていても、純粋に戦闘の難易度が高いので難しい」という箇所が出て来るが、このゲームでは反対にそういう場所がほぼ存在しない。分岐にてOnFootルートを選択した時の終盤くらいだろう。 敵の配置を知れば簡単という理由は、幸か不幸か敵のAIが馬鹿で突ける穴が有るのが救いとなっている。敵の体の一部(腕や脚でもOK)が見える位置までゆっくりと動いてから攻撃すれば、敵がこちらを見えない位置に居るなら死ぬまでそのまま反応しないので無傷で倒せる。見えない位置からでもグレネードランチャーかTOWが有ればスプラッシュダメージが高いので敵の近くに命中させて倒せるし、Katoグレネードを放って運に任せるという方法もある。敵がTOWを使って来るケースでは超反応でも着弾までに時間が掛かるので、こちらもTOWを持ってから飛び出してすぐに撃って引っ込む様にすれば、敵は逃げるという概念を持たないのでこちらの弾は当てる事が可能である。 それ以外にもAIは欠陥満載で、通常の戦闘でもそこを突いて優位に立てる。列挙すると、周囲で戦闘が起きているのに無反応で立ち尽くしている, 非常に近距離なのに反応しない, 追って来る途中でオブジェクトや出っ張りに引っ掛かってスタック, 目の前のオブジェクトにグレネードやTOWを命中させて自爆, 戦闘の最中でもこちらが視界から消えると数秒で見失って元のステータスに戻ってしまう, 動かないと設定されている者は何があってもその場から動かない等。まあ時代を考えると大目に見るべき点も在るが、同時代にもっとちゃんとしたAIを持ったゲームも在った訳なので、やはりここにはマイナス点を付けざるを得ない。(B2もAI自体は同レベルだが、あちらは多種のモンスターが登場していたので、こちらほど人間のAIの穴が目立たない)。 ![]() ![]() ![]() 以上の様に死亡回数自体は大変に多くなるゲームだが、やり直しですぐに突破出来るので流れ自体はある意味スムーズでもあり、特定箇所で長い時間リトライを繰り返す様な停滞感は感じられない。後半戦になるとヘルス&アーマーの入手回数も増えてくるのでやや楽になるし、取り切れなかった回復アイテムを取りに戻る労を厭わないなら詰みの危険性も減る。また後半はグレネード系の弾が増えてくるので体を曝さない間接攻撃のチャンスが増え、それにより被ダメージの危険を低下出来る。 序盤も比較的即死が少ないので、一番難しいのは序盤過ぎから中盤辺りか。後は先に書いた様にOnFootルートの終盤。留意点としては隠れた位置からの間接攻撃が可能なグレネードランチャーやTOWが無くなると辛くなるので、使い切るのは避けるようにした方が良い。そして箱にはヘルスやアーマーが入っている事があるので、面倒臭がらずにショットガン等で壊してみるのも大事。アイテムの入っている箱はデザインから判別出来るし、弾薬は大量に手に入るのでわざわざ短刀に持ち替えて地道に壊す事も無い。 通常の戦闘の感想としては、即死とクリティカルヒットの概念を除けばあまり普通のFPSと変わらない。グレネード系以外は弾薬が腐るほど有るので撃ちまくれるのが一つの特徴。それとこちら側もショットガンの威力が高く、相当遠距離でも当たるので特に有効な武器となっている。 一部仲間と同伴して援護するシーンがあるが、仲間は周囲の状況を省みずに突進して行ってしまうので、自分のヘルスが低い状態で遭遇するとかなりの難所となる恐れがある。自分が盾になって敵を素早く倒さないとならないのだが、それが出来ない為。 地上戦で敵のMCAと戦うシーンも数カ所出て来るが、引っ掛けたりしてこちら側からだけ攻撃可能な位置取りが出来るので意外と簡単である。 パワーアップアイテムがシークレットのように隠されていたりする。だがメガヘルスやスーパーアーマーなどはともかくとして、攻撃力アップのアイテムは効果発動が画面上からは判らないという問題あり。 施設にて研究員等のNPCを殺してもOKである。普通は怯えていたりするので別に構わなくても良いのだが、時々同じモデルなのに撃って来る者もいたりとややこしい。 以下はチェコ人による実況プレイ動画の一つ。まだ序盤だがドアが開く前に撃たれたりと敵AIの異常な反応速度は見てとれると思う。なおこれ以降はストーリー的なネタバレが含まれるので、未プレイならば続けて先は見ない方が良い。 |
GRAPHICS |
自社製Lithtech EngineのV1.0を使用している。発売当時からグラフィックスに対する評価は非常に高く、このゲームにおける売りの一つになっている。DirectX 5まではそのグラフィックスAPIであるDirect3Dは、ライバルであるUnreal
Engineをメインとした3dfx Glideや、Quake EngineをメインとしたOpenGLに対して描画の美しさや安定性の面で劣勢だったのだが、DirectX
6からはクオリティも安定性も改善されており、その先陣を切ってDX6の実力を見せ付けたゲームとも言えるだろう。特にその軽さに関しての評判が良く、GlideやOpenGLではゲーマー仕様のマシンでないと十分なパフォーマンスが得られない事が多いが、それに対してLithtechでは中堅PCでも高いフレームレートを出せるのが利点とされていた。 個人的にはプレイしたのは発売から数年後の事で、当時の現行PCではどうも安定性が悪かった為に、先代のPC(Pentium II 300MHz, MM 256MB, Riva TNT)を持ち出してきて大部分をプレイした。そこで驚かされたのがクオリティとパフォーマンスの良さで、派手なエフェクトが掛かっても大きくfpsが落ち込まないし、時代を考えるとそのクオリティも高い。先にNo One Lives Foreverの方をプレイしていたので、そのV2.0におけるクオリティの高さによってその後Lithtech Engineをライセンスする会社が増えて来たという印象を持っていたのだが、このパフォーマンスの良さならば当時からもっとライセンスされても良かったのではという気がした。(グラフィックスではなく、TCP/IPにおけるネットコードの比較において駄目だと認識されていたのかも知れない)。 同じV1.0を使用しているBlood IIよりも見た目的には綺麗で、これには明るい原色を多く使っているのとエフェクトが派手なのが影響していると思われる。後に調べたところでは同エンジンの特徴の一つはカスタマイズの幅広さで、同じバージョンのエンジンでもそのゲームの特性に応じてグラフィックス部分を差し替えており、Blood IIとShogoではお互いに出来る事と出来ない事が存在しているそうだ。 ド派手なエフェクトがまずは目に付き、画面全体を覆う様な爆発を描画出来たりする。破損したメックやオブジェクトから煙り等が吹き出していたりと細かい。モデリングは今見ると相当粗いが、同時代との比較においては特に変ではない。モンスターではなく人間中心という点から、より変に見えてしまうというのもあるだろう。アニメーションの方はモーションキャプチャーを採用しており、複雑な動きを見せてくれたりもしてこれはレベルが高い。他にはメックの変形シーンなどにも力が入れられている。 ワイドスクリーン対応。ワイドの場合には4;3における上下がカットされる形式で表示比率が保たれる。アンチエイリアシングは無し。設定項目の方は多岐に渡っており細かく調整が出来る。 |
SOUND |
EAXやA3D等の3Dサウンドに対応している。 BGMは普通で主題歌を除けば特にアニメっぽいというイメージは無い(アニメっぽい、というのがどういう物なのか定義が難しいが)。声優も日本語では無いので、特に他のゲームと変わった感じは無い。 銃器類のサウンドはMCA用の物が良好。 |
MULTIPLAYER |
MCAと歩兵戦の両方が用意されているが、モードはシンプルなデスマッチ形式で最大16人までが参加可能。未プレイなので感想は省略。ただし発売初期にはTCP/IP(インターネット)におけるパフォーマンスが悪く、それが問題視されていた。 |