SHOGO: MOBILE ARMOR DIVISION

                                  11/03/19



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   COMBAT (MCA)

   COMBAT / GRAPHICS / SOUND

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製作・販売: Monolith Productions
発売: 1998/09
日本代理店: ツクダシナジー




                            ※ V2.2 日本語版でのレビューになります

概  要  Monolithが自社製のLithtech Engineにより製作・販売した最初のゲーム。CEOのJason Hallを始めとして同社には日本のアニメーションのファンが多く、その趣味を前面に押し出した世界観とデザインを持っている。そのユニークさ故に、売り上げはともかくとして有名なゲームではある。

 Jason Hallによれば最も影響を受けたロボット系のアニメは『マクロス』。その他では『パトレイバー』, 『エヴァンゲリオン』, 『ガンダム』等を挙げている。特に日本のロボット系アニメにおけるストーリーの深さに強い影響を受けており、このゲームでもそれを中心にして制作されている。


 元々はマイクロソフトと共同で同社の推すDirect3D APIに特化したDirectEngineを開発しており、そのエンジンを使用したゲームとして“RIOT(暴動)”の名称で知られていた。しかし途中で全ての権利をMonolithがMSから買い取る形となり、エンジンはLithtechへ、ゲーム名の方はSHOGOへと変更されている。

 名称変更の理由は、Riotだと如何にもQuakeの対抗馬的な印象が強く、もっとオリジナルなゲームであるというのを強調したかったからだそうだ。そのSHOGOとは題字にあるように「昇剛」の意味で、これはゲーム内に登場する巨大企業の一つ昇剛インダストリーから採っている。なおこれは語感と題字のイメージから決められたと思われ、実際にプレイしてみた後ではちゃんとした意味のあるタイトル名とは思えない。

 対応機種はPCの他にMacintosh, LInux, Amiga版が存在する。パッケージデザインは多種多彩な物が使われている。



 当時の評価は81.9%と相当に高かった。しかし売れ行きはそれ程では無く、当時は定番だった拡張パックの開発も途中でキャンセルされている。北米ではMonolith自身が販売も担当するとインタビューでは語っており、調べてみると情報によってはInterplayが代理店とされているが、宣伝活動が行われていたような記憶が無い(パッケージ製造だけかも)。欧州でも代理店はフランスのMicroidsと大手では無く、これらの宣伝力が大きなハンデになった可能性はある。少なくとも当時かなりの大手代理店だったGT Interactiveからほぼ同時期に発売された、同じくMonolith開発のBlood IIよりは目立っていなかったはずである。

 しかしこのゲームは一部の熱狂的なファンを生みだし、Modやマップ等が作られたり、ファンサイトも結構な数が存在している(さすがに現存している物は少ないが)。続編製作の要望も絶えず、その後のMonolith製作のゲームには数々のShogo関連のイースターエッグが含まれている事は良く知られている。


 新品リテール版は海外AmazonやeBayでも既にほとんど無い模様。ダウンロード販売ではGOG.comから安価で再発されており、こちらでならば入手は容易である。

 日本語版は宝島フォースが製作を担当。何時ごろなくなったのか不明だが既に同部門は存在しない。代理店はツクダシナジーより「新世代3Dロボットシューティンク」と銘打って発売されている。この日本語版も既に流通していないので、中古かオークションで探すしかないだろう。


 個人的には当時海外での評判が良いのは知っていたのだが、アニメ調のパッケージデザイン等からあまり購買意欲が湧かないゲームだった。一年ほどしてから秋葉原で山積みにされて投げ売られていたのを購入したが、まだツクダシナジーは活動していた筈だし、宝島フォースの方が手を引いたから在庫が処分されたのだろうか?


 ログイン誌だったか正確な記憶が無いのだが、日本で発売するに当たってあまりにも似過ぎているメックが居る為、著作権的な問題を考慮して一部のメックが削除されているといった感じの記事を見たような憶えがあるのだが、本当にそうだったのかは判らない。


STORY  UCA(United Corporate Authority)とはShogo Industries, Andra Biomechanics, Armacham Technology Corporationという3つの巨大企業によって設立された組織であり、現時点では強大な軍事力をも保持している。その中の一つが人間が搭乗して操作する巨大メックであるMCA(Mobile Combat Armor)の開発で、これを用いて紛争解決等に当たっていた。

 現在の紛争地域はクロヌス星系で、ここは超高速宇宙移動の為の必須エネルギー源となる物質“Kato”の発見後に重要地域となり、UCAは地域の主権を宣言していた。しかし自分達の所有権を主張するCMC(クロヌス鉱業組合)と、過激なテロリスト組織であるThe Fallen(フォーレン)との間で、Katoを巡って三つ巴の戦争が繰り広げられている状況にあった。


 主人公のマカベ・サンジュローはUCAの若き司令官で、アッカラジュ艦長が指揮する巨大宇宙戦艦ラバイアサン号の乗組員である。二年前のフォーレン指揮官Ivan Isarevich暗殺作戦の際に、突如襲った巨大地震により同行していた兄トシロー, 艦長の娘で恋人のクラ, 親友バクの3人を失っていた。この事件は彼の精神と輝かしいキャリアに暗い影を落としており、その傷も癒えてきた彼は現在、クラの妹であるキャサリンと付き合っていた。

 そのサンジュローはフォーレンの現リーダーである謎の人物ガブリエルを倒す為に、再び戦地クロヌスへと赴く事になる。



PATCH

DEMO
 最終パッチはV2.2。どんなバージョンでもこれだけを適用すればOK。日本語版には専用のV2.2パッチが用意されており、英語版を入れると日本語部分が英語で上書きされてしまうようだ。しかし既に配給元が存在しない為に、この日本語版用のV2.2をダウンロード可能な場所はちょっと検索した限りでは見付からなかった。(差分ファイルを抽出している有志がいたがそれもリンク切れ)。


 V2.1相当のアップデート版デモあり。ただし昔のゲームでそんなに人気があった物ではないだけに、Fileplanet以外にダウンロード可能な所が在るのか不明。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium 166MHz
Pentium 233 (software rendering)
Pentium II
MEMORY 32MB -
VIDEO VRAM 4MB, D3D互換 -
SOUND DirectX互換 -
対応OS Windows 95 / 98
DirectX 6.0以上要


 同じLithtech Engine 1.0を使用しているBlood IIに、新しいハードウェアにおける詳しい動作検証記事を載せているので、そちらを参照して欲しい。以下は重要な点。

*Windows 7 x64でも正常動作報告はあり
*Triple Bufferingにチェックを入れる必要がある(少なくともNvidia製ビデオカードでは)
*Client.exeを95/98の互換モードにしないとBGMが鳴らない(XPでは確認)
*海外版を日本語OSでプレイする際の操作キー使用制限が、こちらでもV2.2の状態で発生するのかは未確認

 日本語版においてはV2.2でも設定禁止キーを操作キーに割り当てても問題は無い。



 最新ハードにおける問題は、GOGのサポート及び掲示板が情報収集の参考になるだろう。

 トラブル発生時の基本は、第一にランチャーからソフトウェアレンダリングに設定してテスト。これで起動するならビデオカードのドライバ関連が怪しい。次にAdvancedから各種設定をDisableにしてやり、どれがトラブルの原因なのかを切り分けてみる。ムービーをオフにして起動するならムービー関連のコーデックが怪しいし、サウンドをオフにしてやれば動くのならばサウンドカードのドライバや同じくコーデック系を疑ってみる。

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