シ ス テ ム |
*一人称視点固定 *Crouchのみ可能。Prone、Leanは無し。 *ジャンプ+前進で加速移動のようにして高速で走れる *ジャンプで超えられないような物の前にて、ジャンプ+前進で障害物に登れる(全てではない) *照準の広がりの概念は無く、走りながら撃っても常に照準の位置に弾は飛んで行く *Zoom視点が可能で、この状態だと移動はやや遅くなる *melee attack 有り *HPは最大で100までとなり、Armorは無し REGENIBIOTIC DISPENSER 回復のシステムは同エンジンのHLと似ているがより複雑である。基本は置いてあるか敵が落とすSmaller Regenibiotic Canisterを拾うことで回復だが、これでは少量(+10)しか回復が行われない。大幅に回復させるには所々にRegenibiotic Dispenserと呼ばれる設置型の回復装置が用意されており、これをUSEする事で時間は掛かるが回復が可能となる。ただしRDの使用にはLarger Regenibiotic Canisterの装着が必須となり、また装着済であっても残量分しか使用は出来ないようになっている。 従って使用が出来ない場合には、どこかからLarger Regenibiotic Canisterを持って来て装着しないとならない。Canisterが空になったなら上にあるEjectボタンにて排出して新しい物を付けられるようになる。逆にLarger Regenibiotic Canisterは有るがRDが近くに無いか、今すぐに回復を行いたい状況の際には、直接撃って破壊し噴出するガスによって回復を図るのも可能である。その代わりにこの使い方だとRDにセットして使用した時に比べて数段回復値は落ちてしまう。 MUTAGENIC POISON 主人公の持つ特殊能力は定番となったBulletTimeで、プレイヤーも含めて周囲全体の速度が遅くなるというタイプ(一人だけ高速に動けるのではない)。能力としてはもはや在り来たりであるが、このゲームでのその発動方法はユニークである。マップ内には緑色のMutagenic Gasを含んだコンテナが置いてあり、このガスはその名の通りに大量に吸い込んだ人間をミュータント(モンスター)に変身させるという作用を持っている(少量だとダメージとなる)。しかしBladeは前作にて一度ミュータントに改造されたという経歴を持っているので、常人とはガスを吸い込んだ時の反応が異なっている。一定量までのガスならばダメージを受ける事は無く、その間画面が歪んだ様になるがこの能力を発動させる事が可能になる。ガスを吸い込むと吸入量のメーターが表示されるようになり、その吸入量が残っている間(徐々に減って行く)は能力が発動するのだが、逆に吸い過ぎてメーターが振り切れるとそこからはダメージが入るようになってしまう。 よって使い方はかなり独特となる。基本的にはコンテナを撃ってガスを噴出させてやり、その中に入って吸い過ぎに注意しながら戦うという方法になる。しかし敵がそこに居るとは限らないので、その場合にはギリギリまで吸い込んだ後に敵の場所まで効果が切れる前に走って行くという戦法が取れる。それとこのコンテナは持ち運べるので、目的地点まで持って行って戦いになったら撃って噴出させて使うという戦法も取れる(ガスの噴出時間は一定だが繰り返し使用が可能)。 SAVE & LOAD どこでも制限無く使用が可能。Auto SaveとQuick Saveの履歴を2個保持。 STATS ゲーム中のプレイヤーの成績・パフォーマンス等を非常に細かい数値に到るまで記録・表示する機能を持っており、これを任意の時にHTML形式のファイルに書き出したり、開発チームに送信する事も可能になっている。 INTERFACE Interact可能な物に対しては照準(カーソル)の色が変化するようになっている。オプションで照準にHP等の表示を付加する事も出来る。 |
WEAPON |
Grenadeを除くと武器は3種類のみ用意されている。それぞれにPrimaryとSecondaryの発射モードが有り使用する弾も別々。発射モードの切り替えは無い。弾の散りは照準が開くのではなく、実際に銃身がリコイルで跳ね上がって動いてしまうタイプを採用している。 M90 Magnum Primary Fire: 敵の進行を押し戻すパワーが高い弾を発射 Secondary Fire: D.U.A.G Roundを発射。非常に貫通能力が高く、多くの敵を一撃で倒せる。 前作でも御馴染みのBladeのトレードマークともなっているマグナム。単発での威力は低いが、連射してもリコイルが少なく、また遠距離でも弾がブレないのでHeadshotを狙えば後半でも役に立つ。D.U.A.Gも結構手に入り、こちらは通常兵士なら一撃必殺。 X380 Prototype Scattergun Primary Fire: 六連発の中・短距離用のショットガンとして使用 Secondary Fire: 壁等で反射する鋭い破片を撃ち出す。曲がった先にいる敵にも使用可能。 中距離辺りまで一応使えるので使用頻度が高い武器。最大で30発だが弾は豊富である。6連装なのでリロードが多くなるのが欠点。 M590 Assault Rifle Primary Fire: フルオート・マシンガン。ズーム機能でスコープを覗く形になる。 Secondary Fire: 強力なG220 Rocket Propelled Grenadesを発射する。ただし最大所持弾数は3と少ない。 特徴はリコイルが激しい点で、ちょっと連射するとリアル系ゲームのマシンガン並に勢い良く上へと跳ね上がってしまう為に連射は相当にやり難い。手動でバースト発射させる感じで使わないとならず、慣れないと少々使い難い武器でもある。ズームすれば視界が狭まる代わりに安定性が増す。 |
GAMEPLAY |
このEmergenceは全体として3つのエピソードで構成されるストーリーの第一部となっており、エピソード形式での配信となる。3つのエピソードはそれぞれが一応それ単体で完結しており、3つ通してプレイする事でより大きな全体像が見えて来るという様にデザインされている。これはこのゲームに限らず、続き物にしてしまうと必ず最初(第一話)から順に購入しないとならなくなってしまうからで、「何話からでも、どんな順番でもプレイが可能」という形態で販売する事が出来なくなってしまうからだ。 第一話から順に面白いなら問題は少ないが(面白くなくなった話で止めれば良い)、逆に順番に面白くなって行くという評価を受けてしまうと、まず詰まらない第一話からプレイしないとならないというのは売り上げに悪影響を与える。よってエピソード形式を採る以上は、そういうデザインにせざるを得ない。 ボリュームとしては4-6時間程度の分量であり短い。ロケーションは大きなブロックとしては4箇所程度。マップの構造はHL2同様に明確な区切りが無い事も多く、普通の通路で突然ローディングされて切り替わるという形式。そこからバックすると再び切り替えでローディングされて戻れるという様になっている。HL2の発売時にはこの切り替え(ローディング)が多くて問題視されていたが、このゲームでは本来のマップ切り替え地点以外ではローディングは発生しなかった。現在のSource Engineはユーザーのメモリ容量に応じた先読みを行うように改善されているので、メモリが充分に有るならば読み込みが多発するという事にはならないだろう。 ルートはほぼ一本道であり、パズル要素も少ない。ルートと言えば前作の最大の特徴であったAction-based outcomes (ABO)は、今回はカットされてしまっている。御存知ない方に簡単に解説すると、これはプレイヤーの採った行動によってその後の展開が変化するというシステムである。何かを壊しておくか・どんなルートを進むか・誰かを殺すか殺さないかといった選択によって、そのマップ内部での進むルート・次のマップでのスタート地点・次に進むマップ自体・先のマップ内での状況等が変化していく(基本的にどこでフラグが立ったのかはプレイヤー側には分からない)。 インタビューでは非常に重要な機能なので当然今回もといった話になっていたし、エピソードに跨っての変化や、Community-driven ABOという「プレイヤーの行動データを採取して、その多数派の行動を全体に反映させるというシステム」まで検討していると言っていたのだが、プレイする限りはABOの要素は感じられない。システム的にPCSを組み込んでしまったので、それとABOを連動させる事は困難という判断だと思われるが、これは個人的には大きなマイナス点である。 肝心のアクション面についてだが、こちらはPCSを除けばオーソドックスな作りとなっている。そんな中で特徴としては、数あるFPSの中でも移動速度が特に速いというのが挙げられる。それと併せて移動による体の揺れが少ないので、最近では珍しくなった昔風の氷上を滑るような感覚の操作となっている。その感覚に慣れるまでは少々時間が掛かるかも。 回復システムはやや複雑になったが、一方で先代は複雑な部位別Armor及びダメージというシステムを採用していたのに、今作は当初の予定では同様のシステムを使うとされていたにも拘らず、実際にはArmorは無しという簡素なシステムに変更されている。 武器については3種類しかなく寂しい。ただそれぞれの特徴や差別化はされており、基本武器のマグナムは序盤だけで後は使えないといった風にはなっていない。武器の特性による弾の散らばりを除けば、必ず照準の箇所に飛ぶというアクション系デザインであり、移動速度の速さと併せてスピード感のあるゲームになっている。弾薬も多目で撃ち捲くれるバランス設定。Grenadeは一種類だけでPhosphorous grenades(燃え上がる)となり5個所持可能。敵が落とすので相当な量があり、かなり頻繁に使う事になるし、HPが低い時は曲がり角等から投げて使えるので役に立つ。それと撃つと燃え上がったりする爆発物が結構多くマップ内に置かれており、持って投げたりも出来るので利用価値も高くなっている。 その他としてはVehicleでの戦闘を扱っているが、以前のアナウンスとは異なりプレイヤー自身は運転出来なくなっているし、車同士の戦闘もカットされている。また仰々しいネーミングのflexible positioning systemについては、実際に行えるがEP1においてはあまり意味が無いという事になってしまっている。これはVehicleの内部を座席単位で自由に動き回れるというシステムで、サンルーフを開けて(立って)そこから攻撃したりも可能というもの。 チームとしての戦闘としてはジェシカと一緒に戦うというシーンは何箇所が存在しているが、HardCorpsの一員と言うには御粗末という程度の能力しか持っておらず大して役に立たない。そしてゲーム自体に面白味を加えてもいない。 プレイ時間が短いので当然なのだが、それを考慮に入れても敵の種類は少ない。一般兵士の他にはジェット・パックを背負って空から攻撃して来るタイプと、ミニガンを持ったSinTEK Heavy Gunner。ミュータント系は2種類とボス格が一つであり、通常タイプは耐久力も無いし平凡な作りとなっている。後は警護用小型ロボット程度。少なくても各々が特徴的ならまだ良いのだが、そういった差別化についても今一つである。 ストレートなアクションというゲーム性もあってAIはそれ程賢くない。Leanを使ったりというのはプレイヤー同様に出来なくされており、障害物を利用してのカバーといった能力は組み込まれていない。基本的にはスクリプトで動いているようで、決められたルートを移動しながら攻撃してくるので動きに自由度は少ないし、プレイヤーが引いてしまうとそのまま追いかけては来ないで留まったままだったりする。 バグ的な問題点としてはこちらを見失ってしまったり、一度引いて休戦状態になった後に戦闘していた事を忘れてしまうというケースが見受けられた。それとGrenadeには反応するのだが、火薬や炎にはお構いなく移動するので自分から窮地に陥ったりもする。 前頁にて詳しく分析した自動難易度調整(PCS)については、敵の出現数・種類・場所が変化するというのはリプレイ性が高くなるという観点からすると長所となる。このゲームでは敵の能力についてはそれ程大幅に変化をさせず(正確性は上げるが耐久力は変えないようだ)、調整は主に登場数と種類で行うという方式を採用しており、そのやり方は個人的には納得出来るタイプの調整方法である。難易度を上げてリプレイしても敵の登場パターンや数は一緒というゲームが普通なので、そういった物に比べると変化が生じて面白くなるのは確か。ただしその代償として敵はその都度Spawn地点から発生させるというシステムなので、難易度が上がって来るともう居ない筈の場所から湧いて出て来たり、クリアして来た後方から出現するという様にもなっているのは問題あり。 またFPSが初めてという人でも最後までちゃんとクリア出来るように調整されるというのも利点と言えるだろう(テスターにゲームをプレイした事の無い開発者の親を連れて来たがクリアまで行けたそうだ)。ただこれも先に述べたように詰まった箇所でどんどん難易度を下げられて行くと、いずれクリアは出来るだろうが達成感が薄くなるという問題はそのままである。 しかしPCSで無ければならなかったのか?となると疑問符が付く。正直な所これを5回10回とリプレイする人は相当少ないと思われるし、そうなると一般的なゲームと同様に4種類程度の初期設定難易度を設けてやって、それぞれに敵の出現数・種類等を変えてやるシステムでも良かったのではと感じてしまう。PCSの導入によってABOがカットされたというのならば尚更だ。 |