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COMBAT

*所持可能な武器はメイン2つとハンドガンで、ミッション開始前に銃とアクセサリを選択可能
*ハンドガンとSMGは二丁持ちに出来る物もある
*所持武器に関係なく、Melee Attackでナイフ攻撃が行える
*武器はダイレクトに数字キーでの選択は出来ず、前進選択と後退選択をマウスホイール等に割り振れるのみ
*照準は動いたり連射すると広がる
*しゃがむと正確性は増すが、照準の大きさに変化は無い
*連射すると照準の位置自体が上に向かって反動で動いて行く
*アイアンサイト(ズーム)可能。スコープが無い場合にはアイアンサイトでも照準が出る。
*スプリント可能だが、向く方向もルートも変えられないので前を見ながら直進するしかない
*左右へのリーンや伏せ動作は無し
*Fire Modeはフルオートとバーストの切り替えが可能
*HPは自動回復方式。アーマー類は無い。


 マップ内に弾薬は(一部を除いて)置かれておらず、マップ切り替え時に一定量が追加されるのみ。マップ内には交換用の武器はほとんど置かれていないし、また(死体が落とす武器ではなく)最初から交換用に置かれているタイプの武器は、交換してしまうと元から持っていた武器が消えてしまう仕様なので注意。もし弾が無くなったら現地の敵が使っている武器と交換したりするしかない。或いはマップの最初からやり直すならば、武器自体を好みで交換したりが可能だし、弾薬数もフルに戻せる。

 両手持ちは可能だが、2つ目の武器は2ndary Attackに割り振られるので、ズームをRMBに割り振っていると使い辛い感も。また2ndary Attackにて前方のグリップを持って安定させるように切り替わる武器もある。グレネードは専用キーを使う方式だが、角度的にかなり上に向かって投げるので慣れないと思った所へは放り難くなっている。


 ダメージの設定としては、Normalだとそれなりの被弾には耐えられる。しかしこのゲームではリーン動作が廃止されてしまっているので、こちら側も敵に体を曝して戦うしかない。なので敵の出現に注意しつつ、中距離から遠距離に離れての戦闘が多目。撃ち合いになったら早目に隠れられるカバーへと下がるようにして、敵の攻撃が当り難い位置から攻撃する。また撃って来る敵の位置が判らない事も多いので、その際にも離れて確認する方が安全となる。逆にやたらと突っ込んで行くと、マップ内にそれ程多くのカバー用の障害物が置かれていないので、赤くなったので隠れようとしたが隠れる場所が無いというケースも出て来て危険である。特に初回プレイでは敵の配置が嫌らしいだけに、特攻攻撃は危険度が高い。

 ステルス要素は原則的には含まれないが、サイレンサーを装備して敵に気が付かれずに段階的に排除して行くという作戦が可能なエリアも存在はしている。しかしその数は少な目。


 武器の選択肢が非常に多いというのはこれまでのシリーズと同様の特徴で、ゲームの売りの一つとなっている。全部で35種類ほど用意されており、あまり他では見ないような武器も混じっている。装備可能なアタッチメントの種類も豊富。銃器には素人の私でもパラメーターによる性能の違いは確認可能であり、ロケーション単位ではなくマップ単位で選択が変えられるのも利点。リプレイ性に貢献している。また「ここである種の武器が無いと辛い」という時でも、マップ最初からならば欲しい武器に変更してやり直せる。

 しかし選択した武器による難易度への影響が大きいという面も窺える。初回プレイでどういうマップかを知らない場合、間違った武器を持ってしまうとマップ内での交換のチャンスが少ないゲームなだけに厳しくなる。一般論としてはスナイパーライフルを持っているかどうかで難易度が大きく変わるマップが多いので(スナイパーライフルがマップ内で拾えるケースは少ないし、有ったとしても弾が少ない)、2つのメイン武器の内の一つをそれにしておくのが安全策。しかし両方共にアサルトライフル, SMG, マシンガンにした方が良いというマップも挟まれるので難しい。アサルトライフルはグレネードランチャーを装備出来るタイプがお薦めである。ショットガンは爽快感を持っているが、近距離戦での被弾ダメージを考えるとEasyでのプレイ用の武器となるだろう。

 全ての武器はシューティングレンジでのテストを実施。武器のモデリングやリロードのモーション等にも力を入れているが、あくまでもアクション性重視でリアリティ優先では無いという話。よって武器の反動や、重量による移動制限は緩和されている。


 このゲームの第二の致命的な欠陥は、銃を撃っているという感覚が弱いという点である。これは正直言って不思議な点でもあり、その辺が適当なゲームならばともかく、武器についてはこれだけ凝った作りのゲームで何故こういう風になっているのかが疑問。

 腰撃ちや普通のアイアンサイトでの銃撃では、マズルフラッシュも出るし銃も振動するのでまだ良いのだが、スコープ系のサイトを覗いた状態だと、ほとんど視界が揺れずにマズルフラッシュも見えなくなる。よってその状態だと極端に銃を撃っているという感覚が薄くなってしまう。比較的敵から離れて攻撃する事が多い関係からサイトを覗いて撃つケースが多いので、その奇妙な銃撃感に拍車が掛かってしまっている。合わせて銃のサウンド自体にもあまり迫力が感じられないのも痛い。

 回避策としては、そういったサイトやスコープ系を装着しないようにして、単なるアイアンサイトか腰撃ちで戦うしか無い。それでももっと強く揺れても良いと思えるレベルだが、サイト視点での銃撃よりは遥かにまともである。遠くの敵や銃撃戦の最中には視界が見え難くなるが、一応命中率はそれ程落ちないようなので何とかなると思う。


 AIにはそれ程期待していなかったが、その通りにそれなりの出来。動ける設定のAIは一つの居場所に固執せずに比較的動けるし、撃たれて怪我をすると一旦逃げたり、グレネードも近くに投げ込めば逃げるようになっている。反応速度はやや鈍い気がするが、こういった多くの敵が出て来るアクション系としては特に悪い設定ではない。

 問題として目に付くのは、まず到達地点を決めたらそこに動くのを優先してしまうという点。登場すると設定された最初の移動地点に向かって走り、その間にこちらに撃たれてもすれ違っても反応しない事が多い。よって一方的に撃って倒せてしまう。同じく位置が固定されたタイプが結構多く、何が有ってもその場を動こうとはしないので不自然。他には逃げてカバーに隠れた際に体の一部が出てしまっている敵が多いので、それを撃って倒せてしまうというのも問題。また意味の無いケースで遠くまで逃げて行ってしまったり、逆に何のカバーも無い所を走って来て殺されたりと行動論理が読めない事もある。他には銃撃戦を止めて、突っ込んでの打撃戦に持ち込もうとする敵が多いのも変。走って近付く前に撃たれて死んでしまう。

 総合的にはAIの行動パターンは変な物が多く、アクションFPSなので大きな欠陥とまではなっていないが、もうちょっと論理的に考えて動いている様なレベルが欲しかった。止まったままのAIばかりでは変だし詰まらないが、このゲームの様に“動きはするが奇妙”という状況が多いというのも問題である。



 参考プレイ動画。本家に行けば高画質版も見られる。一部軽いゴア表現を含むので注意。


 この動画ではサイトを覗いたり、或いはそのまま撃ったりもしているので、両者の銃を撃っている際の感覚の比較がやり易い。

 なお敵の居ない所にグレネードを投げたり、同じく敵の出現に神懸り的な反応をしているシーンも見られるが、それはこのマップが敵の出現パターンを憶えておかないと厳しい箇所なので、何回目かのチャレンジでそれを見越しての戦いになっているからである。

問 題 点
 他では言及していない補足事項。


 ボスとして設定された敵が確か10人位存在しており、全て人間で耐久力が高いという設定になっている。ゲームの設定として人間タイプの敵しか出せないというのはともかくとして、頭が良いようには見えない人間をひたすら撃つだけなので面白味は感じられない。もうちょっとボスならば賢い動きをしてくるとか、ヘリに乗ったボスとの戦闘の様に違ったパターンでの戦いが数多く欲しかった所である。敵のHPのメーターが出て来ないのも、長い戦闘中に達成感が感じられないのでマイナス。

 また接近すると相手も打撃戦に切り替えてくるのでナイフ攻撃を繰り返せば楽に倒せてしまうとか、目の前の障害物にロケットを当て続けて自爆してしまうといった馬鹿過ぎる奴がいるのも萎える。他にも遠く離れた場所に居るのでスナイパーライフルを持っていないと倒し難くて面倒なだけとか、テストして問題だと判らなかったのだろうかと感じさせる戦いも含まれている。


 捕虜を死なさないようにエスコートするシーンが在るのだが、ここが非常に難しくなっている。捕虜を止める事が出来ないので、敵の居る前へと進んで殺されてしまうのがその原因。何回も繰り返した結果、捕虜を無視してとにかく前へと突進して敵を倒すという特攻戦法でようやくクリア。その後どうやってやるのが正解なのかと攻略動画を探したが皆同じ特攻戦法。そもそもこの捕虜が秘密の入り口を案内するという役割なのに、プレイヤーが先行してその入り口まで先に突破し、後から来た捕虜がここが秘密の入り口だと喋ると言う間抜けな状況になっている。これもまたプレイテストをしたのかどうか疑問を感じさせる箇所。


 ストーリーの終わり方が変。続編を考えているという意味なのか、スッキリとしない終わり方である。


 敵のマップ内へのスポーンが早く、“こちらがそこに到達したら攻撃を開始するという設定の地点”よりも前で攻撃可能になってしまうケースがある。走り出す前等の準備状態で静止している敵を先制攻撃出来てしまうという意味で、これもまた見た目的に間抜けである。


GRAPHICS
 自社製のCloakNT3 エンジンを使用。そのグラフィックスのクオリティは結構高い。大規模なチームで制作されたゲームにおいても、業界標準よりも大分劣った印象のグラフィックスの物がある中で、小さ目の会社としてこのレベルを実現しているのは評価出来る。

 アウトドアの風景描画などはなかなかの物だし、煙や影に水面の他、銃へのライティングといったエフェクト系も充実している。武器の形状も複雑に作り込まれており、リロードのモーションも細かい。描画的なパフォーマンスにも問題は感じられないし安定度も高かった。

 一方でキャラクタのモデルにはそれ程種類が無いし、アニメーションも細かいとまでは言えないのは弱い点。


 設定は解像度のみ変更が可能で、個別のグラフィックス設定は一切持っていない。マシンの性能別に自動判定でクオリティの調整が行われているのか、一律に同じ設定なのかは不明である。この辺はコンソールがメインのゲームという印象が否めない。

SOUND
 3Dサウンドに対応しているらしく、一応周囲からのサウンドを聞き取る事は出来る。

 銃のサウンドは全体的に軽めで、重いマシンガン系になってようやく重量感が出て来る程度。この辺を基準にしてもっと重さを感じさせるようなバランスにした方が良かったように思う。

 BGMはそれ程種類が無い。出来も普通。

MULTIPLAYER
 最大で12人までが参加してのプレイが可能。用意されているモードはDeath match, Team Death match, Elimination, Team Elimination, Capture the Flag, Demolitionの6種類で、マップは全部で5個という簡素な設定。

 SoF2のマルチプレイは今でも人気が有るが、こちらはバリューゲームという事から大した予算が割けなかったようだ。アンチチートも導入されていないし、Dedicated Server機能も無いので個人がListen Serverとして建てるしかない。よってラグの問題も発生し易い状況である。

 それでも試しにアクセスしてみると30-40人位がプレイしており、とりあえずプレイ自体には(時間帯にもよるのだろうが)困らない模様。

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